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大腸がんの初期症状・原因・検査について【医師解説】

[2022.05.04]

         

 

 

こんにちは。ウチカラクリニック健康メディア「予防医学大辞典」です。

 

今回は「大腸がん(大腸癌)」の症状・原因・検査などについて医師の視点から解説していきます。

 

現在がんの中で罹患する人の数が最も多いがんが、大腸がんです。

死亡者の数も女性で1位、男性で3位、全体で2位、罹患数は1位と決して誰にとっても無視できない、恐ろしいがんです。

日本人の食生活の欧米化が増えている原因かもしれない、とも言われているんですね。

 

芸能人の今井雅之さんや坂口良子さんも大腸がんの犠牲になっている怖いがんです。

そしてその症状はがんの早期にはなかなか出現せず、疑わしい症状が出た段階では必ず病院を受診する必要がありますし、当然、早ければ早いほど治療できる可能性も上がります。

何より、症状が出る前にも大腸がんに関しては絶対に皆さんに知っておいて欲しい科学的に効果が証明された、大腸がんの予防・早期発見の方法もあります。ポリープについても知っておいて欲しい知識があります。

絶対に見逃してはいけない大腸がんの症状や予防について、知っておきましょう。

 

 

 

 

大腸がんとは?

ではまず大腸がんについて簡単な説明をしておきます。

 

大腸とは食べ物の通り道である胃、十二指腸、小腸を通過した先にある臓器で、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸という順番で便が通過し、肛門から体の外に排出されます。

 

この通路のどこかにがんができる事を大腸がんと呼びます。

 

大腸の手前の小腸の主な役割は「栄養と水分の吸収」で、胃で消化された食べ物から栄養分や水分を吸収していきます。

 

そして、大腸の主要な役割は「便を作ること+その通り道」です。

小腸で栄養を吸収されたあとの体にとっていらないごみの成分から、まだ吸収しきれていない栄養と水分を吸収してあげて、最後の最後の残りカスを便として、程よい硬さにして体の外に出してあげます。

 

腸でしっかり水分が吸収できていないと下痢になってしまう事もありますし、逆に大腸の動きが悪く、スムーズに便が進んでいかないとだんだん硬くなってしまい便秘になってしまう、このような仕組みになっています。

 

そしてがんに関しては、小腸よりも大腸がんの方が圧倒的に多いです。理由ははっきりしていませんが、小腸の方が食べ物などの刺激物が居座っている時間が短いのとは対象的に、大腸はずっと便を貯めておく臓器だからといった説もあります。

 

そして部位としては、実は大腸がんのおよそ7割が、おしりに近いS状結腸や、直腸という部分にできやすいとされているんですね。

 

これも原因ははっきりしていないものの、特に便が溜まっている事が多かったり、より形作られた状態で便が存在する事で刺激になっているのではないか、このように言われる事もあります。

 

ではそんな大腸にがんができた時の検査や治療は、実際の現場ではどのように行われるのでしょうか?

 

大腸がんの検査方法は?治療法は?

大腸がんの検査方法は?

 

まず、大腸がんは「血液検査でわかるんですか?」という質問をされる事がありますが、血液検査で確定はできません。

 

確かに、血液検査では腫瘍マーカーと呼ばれる、ある種のがんが存在すると数値が上がりやすいタンパク質を測定できますし、大腸がんにも例えばCEAと呼ばれるようなマーカーが存在しますが、疑わしい人を対象に参考にはなれど決定的な診断には使えないんですね。

 

 

大腸がんの診断に最も役立つのが、「下部消化管内視鏡検査」、通称大腸カメラです。

 

経験された人はわかると思いますが、下剤を飲んで大腸をからっぽにしてから、肛門からカメラを入れて内部から腫瘍があるかどうかを確認していきます。

 

もし怪しい部分があれば組織をとってきて、良性なのか、はたまた悪性なのか確認していきます。

 

そしてこの大腸カメラで、「ポリープが見つかった!」という話は皆さんよく聞きますよね。

 

テレビの人間ドックの番組でも見かけ事が多いと思います。

 

では、ポリープがある事はどのようにとらえたら良いのでしょうか?

 

実はこのポリープにも、良性と悪性が存在するんです。

 

良性であれば、一般的には5mmより小さいポリープであれば様子を見る事もありますし、大きめのものであればそのまま切除する事があります。

 

しかし、例えば「腺腫ポリープ」と呼ばれるようないわゆる悪性とされるポリープであれば、「大腸がんの前段階」と呼ばれる事もあり、さっさと切除しておいた方が大腸がんの予防に繋がるとされる場合が多く、この悪性のポリープの存在を確認できるという意味でも大腸カメラは意味のあるものです。

 

 

ここで覚えておいて欲しいのは、「ポリープを切除したから一件落着」という訳ではない、この事実は非常に重要です。

 

腺腫ポリープが出来る理由としては、大腸がんができやすい体質だから出現するもので、切除したから一件落着、という訳ではなく、むしろ自分の体は大腸がんになるリスクがあるから、気を付けていきましょうね!という大腸からのサインである、このようにとらえて下さいね。

 

大腸がんの治療法は?

 

また治療に関しては、大腸癌が比較的浅い所にとどまっていれば、非常に幸運で、内視鏡、つまり大腸カメラを使って、くるりとがんの周囲を含めて切り取ってくる方法をとる事ができます。

 

またがんが筋肉の層まで進行していたり、リンパ節への転移などがある場合は全身麻酔の外科的な手術を行う事があります。

 

お腹を空ける「開腹手術」の場合もありますが、可能であれば腹腔鏡といって、お腹に小さな穴をあけてそこからカメラでお腹の中を写し、手術を行うという傷跡を最小限にとどめる方法もありますし、手術後も肛門をそのまま温存して使用できる場合もあれば、別の場所から排せつをする「人工肛門」を作らなければいけない場合と様々です。

 

そして全身への転移が進んでいる場合は放射線治療や抗がん剤を使った治療を行わなければいけない場合もあります。

 

その為できるだけ早い段階で大腸がんを発見して、手術ができる状態や体に負荷がかからない治療を行ってあげる事が非常に重要になってきます。

 

大腸がんの症状とは?

 

はい、では大腸がんの症状について解説していきます。

 

大腸がんの症状:①血便

 

大腸がんの症状として最もありふれたものは、血便です、

 

大腸癌はがん自身の細胞に栄養をいきわたらせるために、人間の体の中で勝手にがん自身につながる血管を作ります。

 

この血管を医学用語で「新生血管」と呼びます。

 

元々使われている人間の体の血管は、慣れたプロが作った血管なのでしっかりした作りですが、がんは血管作りに関してはアマチュアなので、新生血管は少しもろいつくりになっています。

 

そして大腸を便が通過する時に、この新生血管に便が当たってしまい、血管が破れて出血してしまうという仕組みなんですね。

 

 

胃がんなど胃からの出血などが原因の場合には、血が腸までたどりつくまでに時間がかかったり、胃酸に反応したりする事で黒っぽい便になります。

 

一方、大腸はもう肛門の手前に存在する臓器なので、大腸がんからの出血の場合は血液が新鮮な状態で体の外へ出るので、赤っぽい色になっています。

 

医学用語で「鮮血便」と呼びます。

 

勿論血便の原因としては切れ痔などが原因の場合もあるのですが、一定期間(1週間以上)など続く場合や、心あたりがない場合は大腸などから出血している事も考えなければいけません。

 

大腸がんの症状:②めまい

 

また大腸がんの症状として、たちくらみがしたり、ふわっとしためまいのような感覚を感じる方もいます。

 

これは大腸がんによる「貧血」によるものなんですね。

 

今説明したように、大腸がんが作った新生血管が破れて出血する事で血便が出現します。

 

そしてこの血便の影響で体の外に血液が出て行ってしまう事で、だんだん貧血が進行し、貧血による症状(立ち眩み、疲れやすさ、息切れなど)が出現する場合があります。

 

 

貧血の指標となるHbはだいたい7を切ると輸血が必要な目安と言われているのですが、こういった立ち眩みの症状で病院を受診しHbがなんと4で緊急の輸血が必要になる、こういったケースも存在します。

 

特に男性の原因不明の鉄欠乏性の貧血の場合は、まず胃がんや大腸がんの可能性を考えて、胃カメラや大腸カメラを行う、こういう事が多いので是非覚えておいて下さい。

 

大腸がんの症状:③体重減少

 

また大腸がんに特徴的な訳ではありませんが、がんの症状として体重が減少する事があります。

 

勿論意識的にダイエットをしたり、食事の量を減らしている時に体重が減っていくのは問題ないのですが、もし何もしていないのに体重がどんどん減っていく場合は怪しいです。

 

自分の体の中にがん細胞が住み始めると、がん細胞は自らが生きる為に人間の体の中で栄養分を探し求めます。

 

そこで宿主である人間が持っている蛋白質や脂肪を崩壊させて自分の栄養分としてしまい、体重が減っていく、という仕組みなんですね。

 

具体的には「半年~1年の間に自分の体重の5%以上が減る」と医学的には異常とされていますので、是非覚えておいて下さい。

 

 

 

大腸がんの症状:④便秘

 

また、大腸がんがだんだん大きくなっていくと、当然大腸の便の通り道がだんだん狭くなっていくので、便が細くなってしまったり、便秘になる、こういう事もあるんですね。

 

大腸がんの症状:⑤腹痛

そして、もし大腸がんによる便秘だとすると、最終的にかなりガンが大きくなってしまうと便が全然通れなくなってしまい、大腸がんにさえぎられてどんどん便が貯まっていって全く便が出なくなってしまい腹痛がひどくなる場合があります。

 

このようなケースを腸がつまって、閉そくしてしまう事から医学用語で「腸閉塞」と呼びます。

 

ひどい場合はあまりに長い間便秘を放置しておいたら大腸がんが進行し、急にお腹が痛くなって救急搬送されそのまま手術に、、というケースもあります。

 

勿論便秘や便が細くなる事はありふれた症状ですし女性だったら特になりやすいですから、気にし過ぎはよくないのですが、あまりに長期間便秘が続いたり、腹痛を伴ったり、他の症状と合わせて存在する場合は一度相談してみても良いでしょう。

 

大腸がんの原因とは?予防法とは?

さて、このように恐ろしい大腸がんですが、予防法はあるのでしょうか?

 

まず、がん検診に関しては絶対に知っておいて欲しい非常に有効な方法があるので、覚えておいて下さい。

 

その名も「便潜血検診」です。

 

先程症状の所で説明したように、大腸癌の症状として血便があります。

 

ただ目に見えてわかる血便であればトイレで気づく事もできるでしょうが、必ずしも目でみてわかるような血便ばかりではなく、うっすら血が混じっているだけだったり、人間の目で見てもわからない場合もあります。

 

便潜血検診ではこのような目でみてわからないような微量の便の血の混じりをチェックする事ができます。

 

方法としてはとても簡単で、便を容器にとり提出するだけです。検査で血液の有無を調べていきます。

見逃しが少ないように2日間にかけて行います。

 

 

この便潜血検査陽性であれば、大腸カメラで内部のチェックの精密検査を行う事をおススメします。

 

そしてこの便潜血検診はエビデンスとしても、大腸がんの死亡率をなんと20%も低下させる事ができたというエビデンスも存在しており、

 

アメリカ予防医学専門委員会、通称USPSTFでもこの便潜血検査は50歳以上の方を対象にグレードA、強く推奨する検査となっています。

 

このグレードAのがん検診は少ないですので、本当に行って欲しい検査なんですね。

 

しかし、非常に残念ながら平成28年の国民生活基礎調査では、日本便潜血の受診率は約40%で、なんと約60%の人が便潜血検診を行っていません。

 

全てのがんに有効ながん検診が存在している訳ではないからこそ、本当にコストパフォーマンスの良い検査なので、50歳以上で受けていない方は絶対受けて欲しいです。

 

またよく聞かれるのが、「大腸カメラはどのくらいの頻度で受けたら良いのでしょうか?」という疑問です。

 

これに関してはもともとの持病など人によるとしか言えないものの、アメリカの予防医学専門委員会では10年以内に1回行う事を推奨しており、少なくとも毎年のように大腸カメラを受ける必要はないでしょう。

 

 

なので、大腸がん検診に関しては、

・毎年便潜血検診を行い、陽性であれば大腸カメラを行う。

10年以内に1回は大腸カメラの検査を行う

という事を指標にしてもらえればと思います。カメラが苦手な人も、10年に1回はなんとか頑張りましょう!

 

またそもそも大腸がんにならない為の普段の予防法についても解説します。

 

大腸のがんに限った事ではありませんが、大腸がんのリスクを上げる行動は喫煙、過度な飲酒、運動不足、肥満です。

 

しっかりと運動をして、悪い生活習慣を正していきましょう。

 

また、食事に関しては赤身肉は食べる量が165g増えるごとに大腸がんのリスクが上がる、というデータもあります。

 

赤身のお肉を全く食べないというのは多くの人にとって難しいと思うので、食べ過ぎていしまう人は頻度を減らしてみたり、「白い肉」である鶏肉は大腸がんのリスクとなるというデータは現段階ではありませんので、できるだけ赤身の肉を食べ過ぎてしまう人は白い肉に置き換えていくのも良いかもしれません。

 

大腸がんの早期発見・予防のポイントとしては、

 

・痔など以外の心当たりのない血便が続いたり、またはそれにめまいや便秘も伴う場合は甘くみて放置しないようにすること!

 

・早期発見には50歳以上の人にとっては毎年便潜血検診を行い、少なくとも10年に1回は大腸カメラを行う事がおススメ!

 

・予防には結局生活習慣を整え、適度に運動をする当たり前の対策が重要!あまりに赤い肉を食べ過ぎる人は頻度を減らしたり、鶏肉に変える手もあります。

今回はこの3ポイントを絶対に覚えて帰ってくださいね。もしかしたら明日のあなたを助ける予防医学として役立ってくれるかもしれません。

 

 

 

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記事を書いた人:森 勇磨

ウチカラクリニック/Preventive Room株式会社代表 内科医/産業医/労働衛生コンサルタント

主にプライマリケアや予防医学の情報発信、医療×IoTの実践を目指して活動中。

執筆・監修書籍:40歳からの予防医学(ダイヤモンド社) わたしの血圧ノート2022(扶桑社)

詳細プロフィール 

またウチカラクリニックと連携したYouTubeチャンネル予防医学chでも大腸がんについて解説しておりますので、是非合わせてご覧ください。

 

 

 

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