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痛風の原因とは?症状や治療法・食事についても医師が徹底解説!

「痛風はビールを飲まなければならない」

こう思っていませんか? しかしそれは大間違い。痛風は誰にでも起きる可能性がありますし、強烈な痛みと、それ以上に恐ろしい合併症を引き起こす可能性があります。今回は痛風の本当の原因や恐ろしい症状、普段の生活で気を付けるべき予防法について解説していきます。

痛風とは?どんな症状が起きる?前兆は?

痛風とは一体どんな病気?

まず、痛風とは「尿酸値が高い時に起きる病気」です。尿酸値が高いと体の中で何が起きるのでしょうか?体の中で過剰な尿酸が蓄積すると、余分な成分が全身のあちこちで固まってしまいます。

この現象を尿酸の「結晶化」と呼びます。

そして、結晶化した尿酸は体の中で「異物」と見なされ 、警察の役割を果たしている白血球の総攻撃を受けてしまいます。その際にとても激しい炎症が起こり、痛みとともに真っ赤に腫れあがってしまいます。

これが痛風が起きる仕組みです。

痛風という名前は「風が吹いただけでも痛い」という理由で命名されただけのことはあって、とてつもない痛みが襲います。

例えば救急の現場では、テレビを見ていたら急に右足のつけねが痛くなった40代の男性があまりの痛さに救急車を呼んでしまい、男性が泣きながら病院で大暴れしていた。こんなエピソードはそこまで珍しくありません。

痛風の症状とは?起きる場所は?

痛風の症状は、体のあちこちに激烈な痛みが襲うのが特徴です。発作が起きる場所としては足の親指のつけねの部分が多いですが、足首、膝、股関節といった場所に起きることもあります。そして発作がおさまったのもつかの間、尿酸と白血球が戦った炎症の跡地には、コブのようなものが残ってしまう事があります。これを「痛風結節」と呼び、骨を破壊してしまう事もある少し怖い状態になります。

痛風の前兆とは?

痛風が起きる前兆としては、足の親指のつけねがうずいたり、軽い痛みを伴うことはありますが、なかなか気づくのは難しいです。

また、痛風は「痛みがおさまれば解決」ではなく、思わぬ合併症を引き起こすこともあります。研究では、痛風を起こした尿酸値の高い患者は高血圧、糖尿病、腎不全の合併症を引き起こすリスクを上げるという結果が出ています。このため、尿酸値が高く痛風を起こした人の腎不全を「痛風腎」と呼ぶこともあるんですね。

様々な合併症を引き起こす原理としては、尿酸値が高い状態が続くと余分な尿酸が関節だけではなく、体の細胞に蓄積していきます。その際に尿酸が「活性酸素」と呼ばれる動脈硬化や体の老化に繋がる成分を生み出すようになってしまうと言われています。

痛風は痛みだけではなく「体に合併症が起きうる状態」という事実を知っておいてください。

痛風が起きる原因は?

では、痛風が起きる原因、ひいては尿酸値が上がる原因についてみていきましょう。

尿酸値が上がる原因は「プリン体」が関係しています。プリン体とは人間の細胞の中に含まれている「遺伝子の構成成分」です。そして意外に知られていないのですが、実はプリン体の大部分が体の中で作られています。

食事摂取によるプリン体は全体の2割、体の中で作られている分がなんと8割とも言われています。当然人間の体も細胞でできているので、その細胞が新陳代謝する過程でプリン体は作られます。そのため、遺伝によってそもそも普段の生活習慣とは関係なく尿酸値が上がりやすい場合もあります。

痛風にならない食事とは?対策は?

痛風で食べてはいけないもの

このように遺伝が関係しているとはいえ、偏った生活習慣は間違いなく痛風と尿酸値に影響を及ぼします。痛風が起こった人が食べてはいけないものはあるのでしょうか?

例えば、

  • 白子
  • うに
  • レバー

といった食品は細胞のかたまりなので、プリン体が多く含まれています。過剰に摂取し過ぎると尿酸値が上がってしまうので、ほどほどに控えておきましょう。

また、

  • 赤い肉(牛肉、豚肉)
  • 加工肉(ベーコン、ソーセージなど)

も尿酸値を上げるデータが存在しますので、食べ過ぎは控えましょう。

痛風で飲んではいけないものは?ポカリスエットやコーヒーはダメ?

では、痛風の時に飲んではいけない飲み物はあるのでしょうか?

まず尿酸値にとって最悪の影響をもたらすのが「アルコール」です。プリン体がビールに含まれているというのは有名な話ですね。しかし、こんな話をすると病院の外来の診察で

「自分はビールは全く飲まず、焼酎とワインしか飲まないから尿酸値なんて気にしなくていいだろう」

と主張される方に遭遇します。

これは大きな勘違いで、実はアルコールの成分そのものが尿酸が作られるスピードを上げたり、腎臓から尿酸を排出されにくくするというプリン体よりよっぽどたちの悪い性質があります。なので尿酸値を下げる為には、ビールに限らず全てのアルコールの摂取量を下げる必要があります。勿論全く飲むなとは言いませんが、過剰な摂取はやめておいておきましょう。

豆知識としては、ノンアルコールビールはその名の通りアルコール0なので尿酸値に悪さをしない事が多いですが、それでもプリン体は含まれている事があります。どうせ対策をするならプリン体0と書かれた製品にすると、更に効果的でしょう。

痛風でポカリスエットは飲んでいい?

他にも、海外の論文では「砂糖入りドリンク」が尿酸値を上昇させるというデータが存在します。その点でいえば、ポカリスエットをはじめとした清涼飲料水やスポーツドリンクには糖分が含まれているものが多いですし、言わずもがなコーラやジュース類も控えておいた方が良いでしょう。

また、運動習慣がないこと、喫煙も尿酸値を上げるリスクなので、禁煙やウォーキングなどの有酸素運動が効果的です。是非取り組んでみましょう。

痛風でコーヒーは飲んでいい?

コーヒーはどうなのでしょうか?当然、「砂糖入り」の甘いコーヒーは良いとは言えないでしょうが、砂糖の入っていないブラックコーヒーであれば、なんと逆に尿酸値を下げる効果があった、という論文が存在します。

飲みすぎは胃を痛めるリスクもありますが、ブラックのコーヒーなら1日3-4杯であればむしろメリットすら期待できそうです。

痛風の治し方は?一日で治す方法はある?薬は?

痛風の治し方

痛風の治し方についてですが、瞬間的に治す方法は残念ながらなく、痛み止めの薬を使いながら炎症がおさまっていくのを待つことになります。ただし、発作が起きた時の正しい対応方法があるので、紹介しておきます。

もし発作が起こったら、今から説明する2つの事をして下さい。

  1. 腫れている部分を冷やしてあげる
  2. 腫れている部分を高く上げる

冷やしながら患部を高い位置に上げることで、少し炎症を緩和することができます。ただこの処置はその場しのぎでしかなく、痛風の痛みはそう簡単にはおさまりません。

痛風に薬はあるの?

痛みに対しての薬についてですが、 代表的なお薬としてロキソニンなどの「NSAIDS」という薬は関節の炎症と痛みを抑える目的で使用します。効果が比較的すぐでるので発作時に有効です。

他にもコルヒチンやステロイドと言った薬を使用する事もあります。また、発作がおさまった段階で、尿酸値を下げるための薬が継続して処方される場合が多いです。

痛風は尿酸値の高い人にとってはいつ、誰に起きてもおかしくはありません。しっかりと起きた時の対策から、そもそも痛風にならない正しい対策まで、しっかりと覚えておきましょう。

痛風に関するよくある質問

痛風は一日で治るの?

痛風の炎症が一日でおさまり、痛みがなくなることがほとんどなく、痛みがおさまるには1週間から10日程度かかることが多いです。痛風の痛み止めの薬などを使用することで痛みを和らげながら、炎症がおさまるのを待ちましょう。

痛風は歩くと悪化する?

部位によっては、例えば足首の痛風であれば歩いて足首に負荷がかかることで炎症が悪化することはあるでしょう。足の親指の付け根に起きた場合はびっこをひきながら歩くことを余儀なくされるかもしれません。歩行については部位によりますが「炎症が起きている場所に負荷をかけない」ことを心掛けましょう。

まとめ

痛風に関しては、尿酸値が高い状態を放置し、体にダメージが加わった結果起きている症状で、いわば「体からのSOS」です。尿酸値は遺伝と生活の乱れ、両面から上がりやすいものなので、日々の生活習慣をただすことはもちろんのこと、基準値を超えている場合は一度クリニックで相談しておきましょう。

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この記事の監修者

この記事の監修者

ウチカラクリニック
森 勇磨

経歴

内科医/産業医/労働衛生コンサルタント
ウチカラクリニック代表
予防医学ch/医師監修 管理人

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森 勇磨

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