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腎臓によくない薬5選!市販薬も腎不全になる恐れあり!どんな副作用がある?【医師解説】

[2023.04.15]

 

 

こんにちは。ウチカラクリニック健康メディア「予防医学大辞典」です。

今回は腎臓と薬について、副作用の注意点、正しい飲み方など、医師の視点から、根拠のある情報に基づいて簡単に、わかりやすく解説していきます。

薬の副作用と最も密接な関係のある臓器、こう聞かれたら、それは腎臓だ、こう答えるでしょう。

 

「クスリはリスク」これは医者の間で非常に有名な言葉。

 

薬は使い方によっては、重大な副作用を引き起こす場合があります。

 

そしてその際、ダメージを特に受けやすい臓器が腎臓

 

 

本当に普段みなさんがよく飲んでいるような、薬局に売られている身近な薬でも、使い方を誤ると腎臓に非常に大きなダメージが残ってしまい、最悪の場合は透析を余儀なくされる場合もあります。

 

今回はみなさんが薬と適切に付き合っていくために、

・飲み過ぎると腎臓に悪影響を与える薬は何なのか

・正しい使い方はどのようなものなのか

徹底解説していきます。

 

知識がないせいで自分の腎臓を傷つけることがないよう、しっかり学んでいってくださいね。

 

 

こんな身近な市販薬も腎臓を悪くする可能性があったんだ!と新しい発見があるかもしれませんし、薬を飲み過ぎて危険な目に合わないためにも、しっかり腎臓と薬の知識を覚えていってください。

 

普段の生活で腎臓を守るための予防法についても解説しますので、そちらも併せてご覧ください。

 

腎臓と薬との関係とは?なぜ副作用が起こる?

 

まず、「薬の副作用を最も受けやすいのが腎臓」という話をしました。

 

しかしそもそも、なぜ薬が特に腎臓に悪さをしやすいのでしょうか?

 

これは、薬の体の中での排泄経路が関係しています。

 

薬も食べ物や飲み物と同じ様に、薬体の中で効果を発揮した後は、代謝されて体の外に出されることが多いです。

 

そしてその排泄される場所で最も多いのが腎臓なんです。要するにおしっことして体の外に出されるということですね。

 

中には肝臓で作られる胆汁によって排泄されるものなどもあるんですが、もう基本的には腎臓が多くの薬を処理してあげているんです。



「え、だったら腎臓の機能が落ちている人は、薬が体の中に残っちゃうんじゃないの?」

こう思われた方、あなたは非常に鋭いです。

 

そうなんです。腎臓の機能が落ちている人が普通の人と同じ量の薬を飲むと体に残ってしまい、過剰な効果を発揮してしまうことがあります。

 

なので、これは意外に知られていない事実なのですが、腎臓の機能が悪い人に薬を出す時には、薬の種類にもよるんですが、低下している腎臓の機能に合わせて、どのくらい薬を減らしたらちょうどよくなるのかわざわざ計算をして、薬を減らして出していることがあるんです。

 

だからこそ、健康診断などで自分の腎臓の数値に興味を持ってチェックしておく必要がありますし、もし腎臓の機能が落ちている場合は、初めてのクリニックに行く時なんかは、実は腎臓の数値が少し悪くて、、といった話は必ず伝えておいた方がいいんです。

これはぜひ覚えて置いてくださいね。

 

そして、この際、薬が腎臓を傷つけてしまうことがあります。

 

これを医学用語で「薬剤性腎障害」といいます。

 

この薬剤性腎障害には色んなパターンがあります。

 

例えば薬の影響で、腎臓の血管をきゅっと締めてしまうパターン。

 

首を締められて脳に血流が行き届かなくなった人のように、腎臓にも血液がしっかりとめぐらなくなると、腎臓の機能はだんだん落ちていってしまいます。

 

 

また、薬の作用のせいでおしっこの通り道である「尿細管」という場所を詰まらせてしまうことも。

 

こうなっても当然腎臓の機能は落ちていきます。

 

 

また、意外な所ではアレルギー反応によって腎臓がやられてしまう場合もあります。

 

薬に対して、体の免疫機能が、攻撃を加えてしまう。その際に、腎臓の組織で炎症が起きることがあるんですね。

 

ワンポイントアドバイスとして、アレルギーによる腎臓の炎症の時は、皮膚に一緒に蕁麻疹が出ることがあるので、これも覚えておいてください。



さて、では気になる具体的な腎臓を痛めてしまう薬にはどのようなものがあるでしょうか。

 

 

腎臓によくない薬・市販薬①造影剤

 

まず一つ目が、「造影剤」です。

 

そもそもみなさん、造影剤、ご存じでしょうか?使ったことがあるでしょうか。

 

この造影剤とは、お腹や胸のCTの画像を撮影する時に、使われるものです。

 

使わずに撮影することもあるんですが、血管の中にこの造影剤を流しこんでから、CTをとると、この造影剤が、血管をかけめぐり色々な臓器を通過して、その臓器を染め上げて、病気のある部分をくっきり浮き上がらせることで、普通に撮影したらわからない病気が見つかることがあるんです。

 

例えば肺の血管に血栓が詰まった病気や、人間の体で最も太い血管である「大動脈」が裂けてしまう大動脈解離、といった病気などの発見に役だってくれるんですね。

 

しかし、この造影剤を使用すると、頻度としては非常に少ないんですが、腎臓の機能を落としてしまう場合があります。

 

医学用語で「造影剤腎症」と呼びます。

 

一般的には発症する頻度は約1.5%とされていますし、基本的には使う必要があるから造影剤を使用するので、勿論すごく大事なお薬ではあるんです。

 

しかし、特に高齢者の方や、もともと腎臓が悪い人にとっては注意が必要な薬なので、こういった方には特に注意をして医療現場では使用されています。

 

検査の前後に普通の点滴をしておく対策や、造影剤の量を減らしてあげる対策をして、できるだけ安全に使用する取り組みをしていますので、腎臓が悪いから、造影剤が絶対使えない、という訳ではないことを覚えて置いてください。

 

ただ、造影剤に関しては、普段の生活でなじみがあまりないものになりますので、次はもっと普段から使用される薬について触れていきましょう。

 



腎臓によくない薬・市販薬②解熱剤③鎮痛剤

 

はい、次に紹介する薬は解熱剤・鎮痛剤です。

 

あえてみなさんがわかりやすいように分けて言ってみましたが、実は基本的にはこのお薬は熱さましの作用も、痛み止めの作用もどちらも効果を持っている薬が多く、「解熱鎮痛剤」と呼ばれていて、一緒の薬なんですよね。

 

その中でも、「非ステロイド性抗炎症薬」、通称NSAIDs、という種類のお薬が腎臓を痛めてしまうことがあるんです。

 

みなさん、NSAIDs、と言われてもピンとこないかもしれませんが、こう言われればピンとくるでしょう。

 

バファリン、イブ、セデス、そして病院でよーく出されるロキソニン。

 

これらぜーんぶ、NSAIDsの仲間で、飲み過ぎには注意が必要な薬。

 

特にロキソニンを飲み過ぎて、急性腎不全の状態で病院に来る方は少なくないです。

 

頭痛がおさまらなくて、毎日6錠ずっとロキソニンを飲んでました。

 

腰が痛むたびに、ロキソニンをどんどん飲んでました。

 

こんな生活を繰り返して腎臓の機能の指標であるクレアチニンが5とか6とかまで跳ね上がり、緊急入院になるケースもあります。

 

なぜ、こんなことが起きるかといいますと、NSAIDSは痛みやお熱のもとの原因となる炎症で発生したプロスタグランジン、という成分が生み出される一歩手前の所にすべりこんで、この成分の生産にストップをかけてあげるお薬なんですが、

 

実はこのプロスタグランジンは、血管を広げてあげる、という非常に重要な仕事も担当しています。

 

なので、あまりにロキソニンとかを飲んで、プロスタグランジンを押さえすぎてしまうと、血管がきゅっとしまってしまい、腎臓に十分な血液が流れなくなることがあるという訳なんです。

 

痛みでつらい思いをしている気持ちはよーくわかるのですが、用法用量を守らずに飲む前に一度医師に相談してください。

 

別の痛み止めや、注射の処置が行われる場合もありますからね。

 

このNSAIDsと腎臓の関係はよーく覚えて置いてくださいね。

 





腎臓によくない薬・市販薬④胃薬

 

次に紹介する腎臓に悪さをする薬は、胃薬です。

 

この胃薬は、今紹介したNSAIDSとしばしばセットで使われることがあります。

 

というのも、NSAIDSには、腎臓だけでなくて、胃も荒らす副作用があるから。

 

この副作用を打ち消すために長い期間内服をする時は胃薬を一緒にのむことが多いんですね。

 

ただ、実は今度は胃薬の方も腎臓に悪さをする可能性が示されていて、

 

京都大学で21万人のデータを対象に行われた研究では、胃薬単独でも腎不全になるリスクを上げるし、胃薬とNSAIDsの併用はさらにリスクを上げるだろう。こういう結果になっているんです。

 

 

この胃薬は「プロトンポンプ阻害薬」、通称PPI、と呼ばれるもので、タケキャブとかネキシウム、とかいうとピンとくる人もいるでしょう。

 

だからといってセットで飲むなという訳ではないものの、このNSAIDS+PPIのセットで薬を飲み続ける人は、健康診断などで自分の腎臓の機能はしっかりチェックしておくようにしてくださいね。





腎臓によくない薬・市販薬⑤抗生物質

 

はい、次に紹介するのが、抗生物質なんです。

 

抗生物質はアレルギー性の反応を引き起こすことで、腎臓にダメージが加わることがあります。

 

腎臓のおしっこの通り道のすきまの部分を、腎臓の間質と呼ぶんですが、抗生物質のアレルギーによってここに炎症が起きてしまい、まるで、江戸時代の家の家事が燃え移るかのように、間質からおしっこの通り道まで炎症が広がってしまい、腎不全の状態になってしまうことがあります。

 

 

なので、抗生物質もちょっと体調が悪いからといって、闇雲に飲むのはあまりよくないんです。

 

よく、病院でも風邪っぽいので抗生物質を出してください、こういうお願いをされることが非常に多いですが、基本的に風邪は抗生物質がきく細菌ではなく抗生物質がきかないウイルスが原因のことが多いですし、腸内細菌を殺してしまい下痢の副作用が起きたりすることもありますので、

 

抗生物質に頼ればなんでも解決するわけではないし、むしろ逆効果なこともあると覚えて置いてくださいね。

 

このように、腎臓と関係が深い薬は、みなさんの生活の中に非常に多く出会いがちなことを理解してもらえたと思います。

 

こんな中で、皆さんに最も気を付けておいて欲しいことは、

 

病院で出された薬も、市販薬も、注意書きや医者の指示を無視して闇雲に飲んでしまうと思わぬ落とし穴が待っているかもしれないということ。

 

普段の健康診断の腎臓の結果もしっかりと確認をして、今の自分の腎臓の状態をちゃんと把握しておくようにすること。

 

これは私からのメッセージです。

 

予防医学チャンネルでも腎臓の医学については他の動画でしっかりと解説しているので、ぜひぜひそちらも参考にして、ずっと元気に使える腎臓を守るための正しい知識を身に着けていきましょうね。

 

それではまたの受診をお待ちしております。

 

 

 

 

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記事を書いた人:森 勇磨

ウチカラクリニック/Preventive Room株式会社代表 内科医/産業医/労働衛生コンサルタント

主にプライマリケアや予防医学の情報発信、医療×IoTの実践を目指して活動中。

執筆・監修書籍:40歳からの予防医学(ダイヤモンド社) など著書多数

詳細プロフィール 

またウチカラクリニックと連携したYouTubeチャンネル予防医学chでも腎臓について解説しておりますので、是非合わせてご覧ください。

 

 

 

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