インフルエンザの検査は症状が出てからすぐしてはダメ?何時間後に受けるべき?検査について医師が解説。

Influenza testing

毎年流行するインフルエンザ、高熱や倦怠感といった辛い症状だけでなく、周りの人への感染も心配ですよね。

実は、インフルエンザ検査にも種類があり、それぞれ精度や費用が違います。

この記事では、インフルエンザ検査の種類、精度、費用、最適な受診タイミングについて解説します。インフルエンザ検査に関する理解を深めましょう。

 

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INDEX

インフルエンザ検査の種類、特徴、費用

「もしかしてインフルエンザ?」と感じたら、まずは検査を受けることが大切です。

しかし、インフルエンザ検査にもいくつかの種類があり、精度や費用、結果が出るまでの時間も変わるため、それぞれの検査の特徴を理解しておきましょう。

検査キットの種類と特徴:迅速診断キット、PCR検査

インフルエンザ検査には、主に迅速診断キットとPCR検査の2種類があります。それぞれ、このような違いがあります。

検査方法 迅速診断キット PCR検査
検査対象 ウイルス抗原 ウイルス遺伝子(RNA)
感度 やや低い 高い
検査時間 15〜20分 数時間〜数日
精度 臨床症状を考慮 高精度
費用 安価(数百円~千円程度) 比較的高価(数千円程度)

 

それぞれの検査の精度と感度

迅速診断キット

その場で結果がわかる迅速診断キットはとても便利ですが、PCR検査より感度はやや低めです。とくに発症したばかりでウイルス量が少ないと、陰性と判定される(偽陰性)ことがあります。

小児を対象にした研究では、迅速抗原検査の感度はおよそ 69 %、特異度は 96 %と報告されています。
ざっくり言えば、インフルエンザ患者 100 人のうち 30 人前後が見逃される可能性がある、というイメージです。

もし迅速検査で陰性でも熱やだるさが続くときは、「陰性だから大丈夫」と決めつけず、もう一度受診するか PCR 検査を検討すると安心です。

PCR 検査

PCR 検査は感度が高く、偽陰性は少ないとされています。ただし、検体の採取方法が不適切だと正確さが落ちることもゼロではありません。

費用や結果までの時間は迅速検査よりかかりますが、確定診断が必要な場面では有力な選択肢です。気になる症状が続く場合は、医師と相談のうえ検査方法を決めましょう。

 

インフルエンザ検査にかかる費用

インフルエンザが疑われる症状があり、医師が必要と判断した場合、検査には健康保険が適用されます。
ただし、費用は受診する医療機関や、初診か再診か、また処方される薬の内容によって変動します。

 

項目迅速診断キットPCR検査
検査料約900円~1,500円約1,800円~2,100円
支払い総額の目安
(初診料・薬剤費など全て込み)
3,000円~5,000円4,000円~7,000円

※3割負担の場合の目安金額です。

一般的な自己負担割合である3割負担の方の場合、初診料や処方箋料などを含めて、合計で3,000円〜6,000円程度になることが多いです。

症状がない場合など、ご自身の希望で検査を受ける際は保険適用外となり、全額自己負担(検査のみで10,000円前後)となるためご注意ください。

 

検査が受けられる場所:病院、クリニック、検査センターなど

インフルエンザの検査は、大人であれば内科、お子さんであれば小児科が一般的です。鼻や喉の症状が強い場合は耳鼻咽喉科でも対応しており、こうした病院やクリニックのほか、検査センターでも検査を受けられます。

最近は薬局で購入できる簡易キットもあり、自宅でチェックすることも可能です。

 

偽陰性と偽陽性

インフルエンザの検査は、残念ながら100%正確ではありません。「偽陰性」「偽陽性」の可能性について理解しておくことが大切です。

偽陰性

実際にはインフルエンザに感染しているにもかかわらず、検査結果が陰性と出てしまうことです。発症直後や回復期など、ウイルス量が少なくなっている時期には偽陰性になりやすい傾向があります。また、検体採取が不十分な場合も、偽陰性となる可能性があります。

偽陽性

インフルエンザに感染していないにもかかわらず、検査結果が陽性と出てしまうことです。他のウイルス感染症に感染している場合や、検査キットの操作ミスなどが原因で起こることがあります

 

 

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検査を受けるタイミングは?何時間後がいいの?

インフルエンザは検査を受けるタイミングや結果の見方を正しく理解していないと、治療の遅れや感染拡大につながる可能性があります。検査のタイミングと結果の解釈についても学んでいきましょう。

発症から何時間後に検査すべき?

インフルエンザの検査は、発熱などの症状が出てから 12~48 時間ほど経ってから受けるのが一般的です。この頃には体内のウイルス量が増え、検査で見つけやすくなります。
もし発症直後の検査で陰性でも、熱やだるさが続くようなら、もう一度検査を受けるか医師に相談してください。
流行状況や症状を総合的に見て、検査が陰性でもインフルエンザと診断する場合があります。

陽性だった場合の対処法:医療機関の受診、治療方法、自宅療養の注意点

検査で陽性と出たら、まずは受診して医師の指示に従いましょう。発症から48時間以内に抗インフルエンザ薬を飲み始めると、熱が早く下がり、合併症も防ぎやすくなります。

自宅ではゆっくり休み、水分と栄養をしっかり補給。咳やくしゃみが出るときはマスクやティッシュで口元を覆い、家族へのうつり込みを減らしてください。

熱が下がっても 2 日ほどは自宅で静養するのが安心です。学校や職場への復帰時期も、念のため医師に確認してから決めましょう。

 

陰性だった場合の対処法:他の病気の可能性、経過観察の必要性

検査が陰性でも、風邪など別の病気のサインかもしれません。

症状が続く、あるいは悪化するようなら、もう一度受診して必要な検査や治療を受けてください。

インフルエンザには潜伏期間があります。流行期は、検査直後に陰性でも後日発症するケースもゼロではありません。手洗い・うがい・マスクなど基本の予防策は続けつつ、体調の変化に気を配りましょう。少しでも不安があれば、遠慮せず医療機関へ相談するのが安心です。

 

 

インフルエンザを予防するための対策と知識

インフルエンザは冬になると広がりやすく、高熱や強いだるさで学校や仕事を休まざるを得ないこともあります。自分だけでなく周りへも広がる病気だからこそ、予防が肝心。

ここでは現役医師の視点を交えながら、「これだけ押さえれば安心」という対策と知識をお伝えします。

インフルエンザの感染経路と予防策

インフルエンザは、咳やくしゃみのしぶきを吸い込む「飛沫感染」と、ウイルスが付いたドアノブなどを触った手で目・鼻・口に触れる「接触感染」でうつります。

まるで忍者のように忍び込むウイルスから身を守るコツも知っておきましょう。

予防策 説明 具体的な行動例
手洗い 流水と石鹸で丁寧に手を洗う 外出から帰ったらすぐに手洗い、食事の前も必ず手洗いをする。
アルコール消毒 アルコール消毒液を使用する 手洗いができない場合は、アルコール消毒液で手指を消毒する。
マスク着用 ウイルスを含んだ飛沫の吸い込み・拡散を防ぐ 電車内や人混みでは必ずマスクを着用する。咳やくしゃみがある場合は特に注意する。
咳エチケット 咳やくしゃみ時に口と鼻を覆う 咳やくしゃみが出そうになったら、ティッシュ・ハンカチ・袖などで口と鼻を覆う。
換気 室内に新鮮な空気を取り込む 窓を定期的に開けて換気する。1時間に5〜10分程度が目安。
加湿 適切な湿度(50〜60%)を保つ 加湿器を使用したり、濡れタオルを干すなどして湿度を上げる。

 

ワクチンの効果と接種時期

インフルエンザワクチンは「絶対にかからない」お守りではありませんが、発症しにくくし、かかっても症状を軽くしてくれる頼れる助っ人です。重症化しやすい高齢の方持病のある方にはとくに大切な予防策になります。

接種してから効き始めるまで約2 週間効果はおおむね5 か月ほど続きます。流行の前に備えるなら、10〜12月上旬の接種が目安

気になる副反応や適切な時期については、かかりつけ医に気軽に相談してみてください。

 

流行状況の確認方法と情報源

インフルエンザがどのくらい広がっているかは、厚生労働省国立感染症研究所のサイトでチェックできます。全国の患者数ピークの時期がわかるので便利です。

お住まいの地域の状況は、自治体の保健所やホームページでも確認できます。最新情報をこまめにのぞいて、手洗いやマスクなどの予防を強化する目安にしてくださいね。

 

インフルエンザと似た症状の病気

発熱やせき、鼻水、のどの痛み、だるさ――こうした症状はインフルエンザだけでなく、風邪や新型コロナなどでも見られます。

「きっとインフルだろう」と自己判断せず、早めに受診して検査を受けるのが安心です。

特に息苦しさや意識がぼんやりするなど、重い症状が出たときは迷わず医療機関へ。 適切な診断と治療で、重症化のリスクをぐっと減らせます。

 

インフルエンザ検査のよくあるご質問(FAQ)

熱が出てすぐ病院に行った方がいいですか?検査の最適なタイミングは?

インフルエンザ検査は、体内のウイルス量が十分に増えないと正確な結果が出ないため、発熱してから12時間〜24時間後に受けるのが最も精度が高いとされています。
熱が出た直後だと、感染していても陰性(偽陰性)と出てしまう可能性が高くなります。医師に「熱が出てから何時間経ったか」を正確に伝えることが重要です。

検査結果が「陰性」でした。インフルエンザではないと考えてよいですか?

前述の通り、検査のタイミングが早すぎるとウイルスを検出できず「陰性」と出ることがあります。また、検査キットの精度も100%ではありません。
そのため、検査結果が陰性でも、周りの流行状況や特徴的な症状(急な高熱、関節痛など)から、医師が「臨床診断」としてインフルエンザと判断し、治療を開始することがあります。

インフルエンザの検査は痛いですか?

インフルエンザの検査は、鼻の奥(鼻咽頭)に細い綿棒を挿入して粘膜をこするため、多くの方が痛みや違和感、くしゃみが出そうになる感覚を覚えます。
検査は数秒で終わりますが、小さなお子さんは痛がって泣いてしまうことも。医療機関によっては喉の奥で検査をすることもありますが、一般的に鼻からの採取の方が精度が高いとされています。

熱がなくて喉の痛みだけでも検査してもらえますか?

インフルエンザは高熱が特徴ですが、ワクチン接種者などでは熱がほとんど出ず、喉の痛みや倦怠感だけが強く出ることもあります。
周囲でインフルエンザが流行している、家族が感染しているなどの状況があれば、熱がなくても検査の対象となる可能性はあります。まずは医師に症状と周りの状況を詳しく伝えて相談しましょう。

病院に行ったら「検査できない」と断られました。なぜですか?

最も多いのは「発症からの時間が早すぎる」ケースです。熱が出てから12時間経っていないと、正しい結果が出ない可能性が高いため、医師の判断で「明日来てください」と言われることがあります。
また、症状がインフルエンザに典型的でない場合や、周囲に流行が見られない場合なども、医師が検査の必要性が低いと判断することがあります。

市販の自己検査キット(抗原検査)の精度は信頼できますか?

国が承認した「体外診断用医薬品」または「第1類医薬品」と表示のあるキットであれば、医療機関で使われるものと性能に大きな差はなく、適切に使えば一定の信頼性はあります。
しかし、自分で鼻の奥から正しく粘液を採取するのは難しく、医療従事者が行うよりも精度が落ちる可能性があります。特にウイルス量が少ない発症初期は、感染していても陰性(偽陰性)になりやすい傾向があるため、結果はあくまで目安と考えるべきです。

自己検査キットで陽性でした。この結果だけで薬はもらえますか?

自己検査キットの結果だけでは、原則として処方薬を受け取ることはできません。 抗インフルエンザ薬の処方には、医師による診察と診断が法律で義務付けられています。
自己検査で陽性だった場合は、その結果(陽性ラインが出たキットの写真など)を持参のうえ、必ず医療機関を受診してください。オンライン診療の場合も同様に、医師の診察が必須です。

 

まとめ

インフルエンザの検査にはいくつか種類があり、それぞれ「早さ」と「正確さ」「費用」が少しずつ違います。

迅速診断キット は15〜20分で結果がわかる手軽さが魅力ですが、精度はやや控えめ。

PCR 検査 は高精度ですが、結果が届くまで数時間〜数日かかることがあります。
検査を受けるタイミングは、症状が出てから12〜48時間以内が目安。

もし陰性でも熱やだるさが続くときは、もう一度検査するか医師に相談してくださいね。

予防の基本はいつも同じ。手洗い・アルコール消毒・マスク・咳エチケット・換気・加湿 をこまめに行い、ワクチンも忘れずに。

流行状況や、風邪・コロナなど似た病気の情報にも目を向けて、無理なくできる対策を続けましょう。

 

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参考文献

  1. Moesker FM, van Kampen JJA, Aron G, Schutten M, van de Vijver DAMC, Koopmans MPG, Osterhaus ADME and Fraaij PLA. Diagnostic performance of influenza viruses and RSV rapid antigen detection tests in children in tertiary care. Journal of clinical virology 79 (2016): 12-17.

ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。