
毎年流行するインフルエンザ、高熱や倦怠感といった辛い症状だけでなく、周りの人への感染も心配ですよね。
実は、インフルエンザ検査にも種類があり、それぞれ精度や費用が違います。
この記事では、インフルエンザ検査の種類、精度、費用、最適な受診タイミングについて解説します。インフルエンザ検査に関する理解を深めましょう。
ウチカラクリニックではオンライン診療に完全対応し、忙しい方向けに夜間や土日も診療を行っております。
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インフルエンザ検査の種類と特徴
「もしかしてインフルエンザ?」と感じたら、まずは検査を受けることが大切です。
しかし、インフルエンザ検査にもいくつかの種類があり、精度や費用、結果が出るまでの時間も変わるため、それぞれの検査の特徴を理解しておきましょう。
検査キットの種類と特徴:迅速診断キット、PCR検査
インフルエンザ検査には、主に迅速診断キットとPCR検査の2種類があります。それぞれ、このような違いがあります。
検査方法 | 迅速診断キット | PCR検査 |
---|---|---|
検査対象 | ウイルス抗原 | ウイルス遺伝子(RNA) |
感度 | やや低い | 高い |
検査時間 | 15〜20分 | 数時間〜数日 |
精度 | 臨床症状を考慮 | 高精度 |
費用 | 安価(数百円~千円程度) | 比較的高価(数千円程度) |
偽陰性と偽陽性
インフルエンザの検査は、残念ながら100%正確ではありません。「偽陰性」と「偽陽性」の可能性について理解しておくことが大切です。
【偽陰性】
実際にはインフルエンザに感染しているにもかかわらず、検査結果が陰性と出てしまうことです。発症直後や回復期など、ウイルス量が少なくなっている時期には偽陰性になりやすい傾向があります。また、検体採取が不十分な場合も、偽陰性となる可能性があります。
【偽陽性】
インフルエンザに感染していないにもかかわらず、検査結果が陽性と出てしまうことです。他のウイルス感染症に感染している場合や、検査キットの操作ミスなどが原因で起こることがあります。
それぞれの検査の精度と感度
【迅速診断キット】
その場で結果がわかる迅速診断キットはとても便利ですが、PCR検査より感度はやや低めです。とくに発症したばかりでウイルス量が少ないと、陰性と判定される(偽陰性)ことがあります。
小児を対象にした研究では、迅速抗原検査の感度はおよそ 69 %、特異度は 96 %と報告されています。ざっくり言えば、インフルエンザ患者 100 人のうち 30 人前後が見逃される可能性がある、というイメージです。
もし迅速検査で陰性でも熱やだるさが続くときは、「陰性だから大丈夫」と決めつけず、もう一度受診するか PCR 検査を検討すると安心です。
【PCR 検査】
PCR 検査は感度が高く、偽陰性は少ないとされています。ただし、検体の採取方法が不適切だと正確さが落ちることもゼロではありません。
費用や結果までの時間は迅速検査よりかかりますが、確定診断が必要な場面では有力な選択肢です。気になる症状が続く場合は、医師と相談のうえ検査方法を決めましょう。

検査が受けられる場所:病院、クリニック、検査センターなど
インフルエンザの検査は、病院やクリニックのほか、検査センターでも受けられます。
最近は薬局で購入できる簡易キットもあり、自宅でチェックすることも可能です。
インフルエンザ検査を受けるタイミングと結果の解釈
インフルエンザは検査を受けるタイミングや結果の見方を正しく理解していないと、治療の遅れや感染拡大につながる可能性があります。検査のタイミングと結果の解釈についても学んでいきましょう。
発症から何時間後に検査すべきか
インフルエンザの検査は、発熱などの症状が出てから 12~48 時間ほど経ってから受けるのが一般的です。この頃には体内のウイルス量が増え、検査で見つけやすくなります。
ただ、症状が出てすぐに検査すると、ウイルス量がまだ少なくて陰性と出ることがあります。
もし発症直後の検査で陰性でも、熱やだるさが続くようなら、もう一度検査を受けるか医師に相談してください。流行状況や症状を総合的に見て、検査が陰性でもインフルエンザと診断する場合があります。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、解熱剤の処方やインフルエンザ治療も行っています。検査が受けられない方でも状況次第でお薬の処方が可能なので、気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

陽性だった場合の対処法:医療機関の受診、治療方法、自宅療養の注意点
検査で陽性と出たら、まずは受診して医師の指示に従いましょう。発症から48時間以内に抗インフルエンザ薬を飲み始めると、熱が早く下がり、合併症も防ぎやすくなります。
自宅ではゆっくり休み、水分と栄養をしっかり補給。咳やくしゃみが出るときはマスクやティッシュで口元を覆い、家族へのうつり込みを減らしてください。
熱が下がっても 2 日ほどは自宅で静養するのが安心です。学校や職場への復帰時期も、念のため医師に確認してから決めましょう。
陰性だった場合の対処法:他の病気の可能性、経過観察の必要性
検査が陰性でも、風邪など別の病気のサインかもしれません。
症状が続く、あるいは悪化するようなら、もう一度受診して必要な検査や治療を受けてください。
インフルエンザには潜伏期間があります。流行期は、検査直後に陰性でも後日発症するケースもゼロではありません。手洗い・うがい・マスクなど基本の予防策は続けつつ、体調の変化に気を配りましょう。少しでも不安があれば、遠慮せず医療機関へ相談するのが安心です。

インフルエンザを予防するための対策と知識
インフルエンザは冬になると広がりやすく、高熱や強いだるさで学校や仕事を休まざるを得ないこともあります。自分だけでなく周りへも広がる病気だからこそ、予防が肝心。
ここでは現役医師の視点を交えながら、「これだけ押さえれば安心」という対策と知識をお伝えします。
インフルエンザの感染経路と予防策
インフルエンザは、咳やくしゃみのしぶきを吸い込む「飛沫感染」と、ウイルスが付いたドアノブなどを触った手で目・鼻・口に触れる「接触感染」でうつります。
まるで忍者のように忍び込むウイルスから身を守るコツも知っておきましょう。
予防策 | 説明 | 具体的な行動例 |
---|---|---|
手洗い | 流水と石鹸で丁寧に手を洗う | 外出から帰ったらすぐに手洗い、食事の前も必ず手洗いをする。 |
アルコール消毒 | アルコール消毒液を使用する | 手洗いができない場合は、アルコール消毒液で手指を消毒する。 |
マスク着用 | ウイルスを含んだ飛沫の吸い込み・拡散を防ぐ | 電車内や人混みでは必ずマスクを着用する。咳やくしゃみがある場合は特に注意する。 |
咳エチケット | 咳やくしゃみ時に口と鼻を覆う | 咳やくしゃみが出そうになったら、ティッシュ・ハンカチ・袖などで口と鼻を覆う。 |
換気 | 室内に新鮮な空気を取り込む | 窓を定期的に開けて換気する。1時間に5〜10分程度が目安。 |
加湿 | 適切な湿度(50〜60%)を保つ | 加湿器を使用したり、濡れタオルを干すなどして湿度を上げる。 |
ワクチンの効果と接種時期
インフルエンザワクチンは「絶対にかからない」お守りではありませんが、発症しにくくし、かかっても症状を軽くしてくれる頼れる助っ人です。重症化しやすい高齢の方や持病のある方にはとくに大切な予防策になります。
接種してから効き始めるまで約2 週間、効果はおおむね5 か月ほど続きます。流行の前に備えるなら、10〜12月上旬の接種が目安。
気になる副反応や適切な時期については、かかりつけ医に気軽に相談してみてください。
流行状況の確認方法と情報源
インフルエンザがどのくらい広がっているかは、厚生労働省や国立感染症研究所のサイトでチェックできます。全国の患者数やピークの時期がわかるので便利です。
お住まいの地域の状況は、自治体の保健所やホームページでも確認できます。最新情報をこまめにのぞいて、手洗いやマスクなどの予防を強化する目安にしてくださいね。

インフルエンザと似た症状の病気
発熱やせき、鼻水、のどの痛み、だるさ――こうした症状はインフルエンザだけでなく、風邪や新型コロナなどでも見られます。
「きっとインフルだろう」と自己判断せず、早めに受診して検査を受けるのが安心です。
特に息苦しさや意識がぼんやりするなど、重い症状が出たときは迷わず医療機関へ。 適切な診断と治療で、重症化のリスクをぐっと減らせます。
まとめ
インフルエンザの検査にはいくつか種類があり、それぞれ「早さ」と「正確さ」「費用」が少しずつ違います。
迅速診断キット は15〜20分で結果がわかる手軽さが魅力ですが、精度はやや控えめ。
PCR 検査 は高精度ですが、結果が届くまで数時間〜数日かかることがあります。
検査を受けるタイミングは、症状が出てから12〜48時間以内が目安。
もし陰性でも熱やだるさが続くときは、もう一度検査するか医師に相談してくださいね。
予防の基本はいつも同じ。手洗い・アルコール消毒・マスク・咳エチケット・換気・加湿 をこまめに行い、ワクチンも忘れずに。
流行状況や、風邪・コロナなど似た病気の情報にも目を向けて、無理なくできる対策を続けましょう。
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参考文献
- Moesker FM, van Kampen JJA, Aron G, Schutten M, van de Vijver DAMC, Koopmans MPG, Osterhaus ADME and Fraaij PLA. Diagnostic performance of influenza viruses and RSV rapid antigen detection tests in children in tertiary care. Journal of clinical virology 79 (2016): 12-17.