「これが最強の睡眠法!こうすれば睡眠の質が上がる!」など様々な睡眠の知識が紹介されていますが、実はその人の独自の考え方や経験談で全然根拠がなく、科学的には全く証明されていないものも多いです。
今回はそんな睡眠についてのネットやテレビなどで、巷でよく流れる5つの誤解について解説しながら、医学的に現段階で証明されている健康やあなたのコンディションを守るための、睡眠について知っておくべき知識を徹底解説していきます。
正しい知識を身に着け、適切な睡眠習慣を身に着けていきましょう。
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理想の睡眠時間は90分サイクル?
人間の睡眠は2種類ある。それはノンレム睡眠とレム睡眠。
レム睡眠の睡眠は浅く、まぶたの下で眼球がきょろきょろと高速で動いていて、人間はこの間に夢を見る。
そして人間の睡眠の周期はノンレム睡眠70分+レム睡眠20分=90分。この1時間半で1セットになっている。
そのため、この1セットの終わりで目覚めるようにする、例えば1時間半×4セットの6時間や、5セットの7時間半だと非常に目覚め良く朝起きられる!睡眠は全員1時間半の倍数にするべき!!
一見話を聞いていると非常に科学的で筋が通っているように聞こえますよね。
そして、確かに理論上はこの1セットの終わりに朝起きる事ができればすっきり目覚められるでしょう。しかし、この1時間半のサイクルというのはあくまで「理論上の平均値」なんです。

仕事で非常に疲れていたり、お酒を飲み過ぎたり…個人のコンディションによってこの1時間半のサイクルは揺れ動きます。そのため、このサイクルを律儀に守っても多くの場合ずれてしまうので意味がない、こういう結果になってしまうんです。
寝る時間が遅いと先にレム睡眠がきてしまう事もありますから、そうなるとなおさら意味ないでしょう。
勿論「俺は1時間半サイクルで体調が良いんだ!」という人は続けてもらえばいいのですが、そうではないのに律儀にこのサイクルを守っている人は、あまり効果が期待できないのでやめてしまっても良いでしょう。
理想の睡眠時間は6時間寝れば十分?
皆さんは適切な睡眠時間はどのくらいだと思いますか?こう聞かれると「6時間くらいかな」と答える人が非常に多いです。
しかし、今の研究では「多くの場合6時間では不十分ではないか」こういう結果がいくつも出ているんです。
- 睡眠時間が6時間未満の人は高血圧や糖尿病のリスクが上昇した
- 高血圧などの生活習慣病がある人の1600人の睡眠時間を調査した結果、6時間未満ではがんや心筋梗塞の死亡リスクが上昇した
こういうデータもあるんですね。
なぜ睡眠時間が減ると良くないのか、原理の話で言えば睡眠時間が短くなると、食欲を抑えるホルモンである「レプチン」の分泌量が少なくなり、食欲を増進させる「グレリン」の分泌量が多くなるとされています。

そしてその結果として、肥満になりやすくなるという説も存在しているんです。
日本人の睡眠時間を対象にした論文でも、
- 10万人の統計をとった所、睡眠時間が7時間より短かければ短いほど寿命が縮まった
- 女性の場合、4時間未満の睡眠時間の人は7時間睡眠の人に比較して死亡率が約2倍に上がった
という結果も出ているんです。
やはり寝不足の状態が長期的に続くと健康には良くないでしょう。「6時間寝ている!」と満足している人もいますが、現状のデータからはもう少し寝た方が良さそうです。
頑張ればショートスリーパーになれる?
ショートスリーパーとは、非常に短時間の睡眠でも眠気を感じることなく、日々をアクティブに活動できる人のことです。
昔の偉人だと、例えばナポレオンは3時間しか寝ていなかったとか、エジソンは4時間しか寝ていなかったという逸話があります。また、明石家さんまさんも3時間寝れば生活に何の支障もないようで、もしかしたらショートスリーパーなのかもしれません。
しかし、このショートスリーパー、結論から言えば自分が頑張ったからなれるものではないんです。
実は「遺伝子」によってきめられているとされているんです。
ある研究で、ショートスリーパーの人と、そうでない人の遺伝子を解析した所、DEC2遺伝子、ADRB1遺伝子と呼ばれる遺伝子に突然変異が起きている事が判明しました。
要するに特殊な遺伝子を持っているからショートスリーパーに自然となってしまうのであって、自分の努力で睡眠時間を減らしてもそれに体が慣れたり、追いついてきたりするわけではないという事です。

そもそも、この特殊な遺伝子を持ったショートスリーパーの人たちですら、短時間の睡眠をとっていることで健康に害にないとは証明されていません。
だからこそ、おそらく特殊な遺伝子を持っていないであろうショートスリーパーではない人達が、無理やり努力をしてショートスリーパーになろうとするのは非常に危険な行為なので絶対にお勧めしません。
仕事が忙しい人、目標に向かって努力している人ができるだけ睡眠を短時間で済ませたい気持ちはわかるのですが、長期的に見ると、健康面では非常にリスクの高い行動なのでやめておきましょう。
Amazonの創業者のジェフベゾスも、microsoftの創業者のビルゲイツも1日7時間寝ているようですよ。
もし、「眠りたいけど眠れなくてショートスリーパーになってしまっている」など睡眠に関するトラブルでお困りの人は一度「ウチカラクリニックのオンライン診療」へ相談してみてください。
当院では睡眠薬・漢方の処方などの不眠症治療も行っています。

睡眠時間が短くても、寝だめすればバランスがとれる?
よく「しっかり寝ましょうね」というと、「いやいや、自分は確かに寝れてないけど、帳尻合わせで土日に12時間も寝てるから、平均したら変わらないし、疲れもすっきりとれてるから大丈夫だよ!」って人が結構います。
平日に寝れていない分の時間を「睡眠負債」と言ったりしますが、月曜から金曜の間に貯めた睡眠負債を、土日に一気に返済してしまおう!こういう考え方です。
しかし、残念ながら寝だめをしたからといって先ほど説明した寝不足の健康面でのリスクを低下させられる、こういうデータがないのが現状です。

これは寝だめをしない方が良い!と言っている訳ではありません。勿論平日に仕事や勉強などが忙しくて、どうしてもなかなか睡眠時間がとれない人はいると思います。
こういった場合はどんどん疲れがたまっていってしまいますし、妥協案として、むしろ休日はしっかり睡眠時間を取った方が良いでしょう。
しかし、「平日に作った睡眠負債を寝だめで±0に、チャラにできる」この考え方は間違っています。
一番ベストな状態は、可能なのであれば平日にしっかり睡眠をとって、土日に寝だめしたくならないような状態を作ってあげる事なんです。
睡眠時間は長ければ長いほど良い?
「寝なさすぎはダメなのは知っているよ、でも私はもう仕事も定年退職して、朝の10時まで毎日10時間寝てるから健康そのものだよ!」こういう人がいます。
実は寝すぎも、健康に良いというデータはなく、あまり良くないのいうデータすらあるんです。
約10万人の日本人を対象にした研究では、8時間以上睡眠をとっている人は、7時間睡眠の人より寿命が短かったというデータが存在します。

これは、寝すぎ自体が健康に悪影響を及ぼしているのか、生活習慣病など、健康に悪い持病を持っている人が、持病の影響などで寝すぎな傾向にあるのか、そこまではわかっていません。
寝不足よりは健康に悪影響は出なさそうではあるんですが現状のデータで寝すぎは健康に良いだろ!といって寝まくるのはおススメできないかなと思います。
正しい理想的な睡眠時間
睡眠時間についての現段階でのデータからの結論としては、寝不足はイメージ通り寿命が縮まるリスクが上がるし、寝すぎもその可能性がある。
データから判断すると、最も寿命が長かったとされるのは7時間くらいの睡眠が良いだろう。今ではこのように言われています。皆さんのこの7時間という数値を目安に、目標にして睡眠時間を設定してみて下さい。
とはいえ、なかなか寝たくても寝れないんだよ!という人もいると思うので、最後に寝入りをよくするとされる方法を紹介しておきますね。
- 寝る前にスマホ・テレビなどの光を浴びない
- 寝る1.5時間前くらいお風呂にゆっくり入る
- 起きた時は日光を浴びて体内時計を調整
- 寝酒は控える
それぞれの理由をみていきましょう。
①寝る前にスマホ・テレビなどの光を浴びない
テレビなどから光を浴び過ぎると、脳が昼間だと錯覚して、睡魔を引き起こすメラトニンというホルモンの分泌量が減ってしまいます。
テレビ程の光の量ではありませんが、スマホも見すぎは良くないです。寝床にあると触ってしまう人が多いので、充電はリビングでするように習慣づけると寝る前スマホの量が減るでしょう。
②寝る1.5時間前くらいお風呂にゆっくり入る
寝る1.5時間前くらいにお風呂にゆっくり入り深部体温を上げておく。こうすることで自然と体温が下がり寝入りの時に眠気が気やすくなるという場合もあります。
③起きた時は日光を浴びて体内時計を調整
起きた時は日光を浴びて体内時計を調整しましょう。体内時計がリセットされ整っていきます。在宅勤務の人はなかなか日光を浴びる機会がないので気を付けましょう。
④寝酒は控える
寝入りのお酒は一見眠りやすくなる気はするんですが、睡眠の質を下げるとされているので、できるだけ飲まないようにしましょう。

このあたりの方法を試してみて「自分にあっている」と思うものを取り入れてみて下さいね。
それでも不眠がよくならないよ!という場合は、「ウチカラクリニックのオンライン診療」で、不眠外来もやっていますので、お気軽にご相談下さいね。
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