梅毒とは?症状・原因・薬の治療法・予防法について医師が完全解説!

近年最も急激な勢いで増えている病気「梅毒」。最近耳にすることは多くなりましたよね。

なぜ梅毒は急激に増加しているのでしょうか。

梅毒は「偽装の達人」と呼ばれ、本当に我々がその症状に気づきにくく、気づいた時には全身をめぐってしまう、とある非常にいやな特徴があります。

そして最終的には死にいたることもある、非常に怖い病気。

年間1万人を超えるペースで急増している梅毒について、正しい知識を身に着けておきましょう。

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梅毒とは

まず梅毒は、一言でいえば「感染症」です。

くねくねにうねった「梅毒トレポネーマ」と呼ばれる細菌が人間の体内に感染することで起きる病気です。

この細菌はなんだか生命力が強そうなんですが、なんと自然界で人の中でしか生き延びることができませんし、酸素のある環境ではすぐに死に絶えてしまう、という実は非常にデリケートな存在。

そして酸素がある環境では生き延びられないからこそ、風邪などのように飛沫感染することはないんですが、性行為などの粘膜同士の接触から感染していくことがほとんどなんですね。

世界では、例えばヨーロッパでは1493年のコロンブス探検隊が西インドの原住民との性交渉で感染し、その後イタリア戦争を期にヨーロッパへそして世界中へ広まっていったと言われています。

もともとは「同性愛者の病気」と言われるほどほとんどが男性の同性愛者の感染だったのですが、かなり最近の話なんですが、2010年ごろから、なんと日本を中心に男女間の感染が急増していったのです。

なので、今までは聞いたことがなかったけど、なんか最近梅毒という言葉をよく聞く状態になっています。

近年はさらに急増しており、2012年からの10年間で数はなんと約15倍に。それ以降も、約1.6倍ずつのペースで梅毒の数は今も増え続けているのです。

なぜここまで梅毒の数が増えているのかについては、この病気の認知度が上がり、病院に行く人が増えたことも一因と言われていますが、SNSの普及などで不特定多数の人の出会いが生まれやすいことが大きな要因ではないか、こう叫ばれているんですね。マッチングアプリの利用率が高い都道府県ほど、梅毒の報告される数が多いというデータもあるくらいなんです。

まさに時代の変化を象徴するような感染症、というわけなんです。

そしてここで非常に問題となったのが、「先天梅毒」の増加。

先天梅毒というのは、要するに赤ちゃんの感染ですね。梅毒はなんと子供にうつってしまう、という非常に嫌な特徴があり、若い女性の梅毒患者が増えたことで、このような先天梅毒の赤ちゃんも増えてしまったわけなんですね。

先天梅毒は奇形の原因になってしまったり、最悪の場合流産、死産に繋がりうる本当に怖い状態です。

だからこそ、絶対に梅毒は早期発見、早期治療したい所ですし、近年ここまで数が増えているからこそ、正しい知識は必要不可欠です。

しかし、冒頭で紹介したように梅毒は「偽装の達人」。実は見つけるのは一筋縄ではいかない場合があります。

一体どのような厄介な特徴を持っているのでしょうか?梅毒の見分け方や、危険サインはどのようなものがあるのでしょうか?

梅毒の症状

まず、知っておいて欲しいのは、梅毒の症状というのは非常に多彩だ、ということです。

梅毒はレベル1~3に分かれていて、それぞれの段階で発見のチャンスがありますし、逆を言えばそれぞれの段階で見逃してしまうとどんどん体で領土を拡大し、より深刻な症状を引き起こしてしまうんです。

梅毒の症状・第一期(レベル1)

レベル1は、梅毒トレポネーマに感染して約3週間から3か月たってから初めて症状が起きる段階のことです。

この段階では一体どのような症状が起きるのでしょうか?

まず、有名なのが、このような症状。おしもの部分に硬いしこりのようなものができていますね。

これは医学用語で「硬性下疳(こうせいげかん)」と呼ばれる症状で、梅毒の第1期に起きる症状で、梅毒からすれば挨拶代わりのジャブのような症状なんですね。

梅毒トレポネーマが侵入した陰部や、口の中などに起きる症状です。

この硬いしこりと一緒に、股の股関節の付け根の部分、鼠径部、という部分のリンパ節が腫れ、こちらもくりくりしたしこりとなって外側から触れることもあります。

そしてこの症状、何が厄介かというと、痛みやかゆみがほぼないという所なんです。

そのため、何かできてるけど、痛くもかゆくもないし、まあ悪いものではないでしょ~、と油断してしまい、様子見をしてしまう人が結構いるんですよね。

そしてこの先が怖いんです。

なんと、こうして様子見をしてしまうと、3週間程度で、まるで飽きてしまったかのように梅毒の症状はすん、と姿を消してしまうんですね。

そして「ほらみろ、やっぱり悪いものじゃなかったから、ほっておいたら治った」と安心してしまう人が多いんですが、これがまさに梅毒の罠にはまっている状態。

実はこれは梅毒が体から消えた訳ではなく、一旦体内にもぐって次のレベル2への作戦の準備期間に入るんです。

そして症状が消えてから2.3か月後、忘れたころにレベル2の症状を引き起こしていくんですね。

このように梅毒はひょっこり顔を出したり、消えたりしながら全身を侵略していく、という特徴があり、まるでもぐらたたきのように正体を捕まえるのが難しい、非常にたちの悪い病気なんです。

治ったふり、をすることがある病気なんです。

こんな特徴と、多種多様な症状から、梅毒は近代医学の祖と呼ばれるウィリアムオスラー医師に、20世紀のはじめに「偽装の達人」と名づけられたんですね。

梅毒を診断できれば腕の良い医者だ、こんな格言まであるくらい診断が難しい病気なんです。

では、レベル1からしばらくしてから起こる、レベル2の症状とは一体どのようなものなのでしょうか?

梅毒の症状・第一期第二期(レベル2)

レベル2、第2期の段階になってくると、梅毒は準備期間もたっぷり。血液にのって全身をめぐっている状態です。

そのため、レベル1では股関節のリンパ節だけでしたが、レベル2では全身のリンパ節が腫れることがあり、それに伴って発熱、だるさ、関節痛といったまるでインフルエンザのような症状が起きることもあります。

そして何より特徴的なのが、このような皮膚の症状。

赤みを伴った発疹が手足の裏から全身、顔に広がっていきます。

梅毒による発疹で特徴的なのは、手のひら、足のうらに小さい発疹が出現し、この発疹に皮がめくれる症状が一緒に起こるのが特徴です。

この発疹を医学用語で「バラ疹」と呼びます。

ちなみに、梅毒、という名前については、この発疹が楊梅(ヤマモモ)と呼ばれる果実に似ていることから、派生して梅の毒という名前になったという説があります。

他にも、レベル2の症状として髪が抜けてしまう脱毛の症状もあり、まるで円形脱毛症のようにまるく抜け落ちてしまうこともあるんですね。

そして偽装の達人はここでも本領を発揮し、全身に発疹などの症状を引き起こした1か月後くらいには再び症状を抑えて、体の中に引っ込んでしまうんですね。

当の本人からすれば、多種多様な症状が起きて、診断もついていない状態だと本当に困ってしまうこともあります。

さて、そして体の奥にひっこんだ梅毒は一体次は何をたくらんでいるのでしょうか?

梅毒の症状・第三期(レベル3)

実は、ここから梅毒はまるで冬眠するかのように、数年、あるいは数十年何も症状がない状態が続きます。

このまま冬眠し続けて終わってくれる場合もあるのですが、約30%は再度症状を引き起こし、こうなるとレベル3の段階になります。

そしてレベル3の症状は、いずれも命に関わる症状が多いんです。

レベル2では全身を梅毒がめぐり、発疹などの症状が起きましたが、レベル3ではさらに全身をかけめぐり、非常に大事な臓器を侵食しはじめます。

レベル3では医学用語で「ゴム腫」と呼ばれるやわらかいゴムのような塊が顔面や頭皮の部分にできます。そして場合によってはこのゴム腫がなんと肝臓や骨にもできる場合があるんですね。

他にも、人間の体で一番太い血管である大動脈や心臓に感染し、大動脈瘤、というコブを作ったり、心臓の機能を弱らせたりすることで、心不全の原因になることもあります。

そして、神経や脊髄に感染すると、徐々に体の麻痺が進行したり、性格が荒っぽくなったり、認知症のような症状が起きたり。

到底世間の梅毒のイメージとは全く違うような症状まで引き起こされることがあるんですね。

ちなみに梅毒が進行して、麻痺が起きた患者の脳の組織に梅毒の原因菌がいるのを発見したのはかの有名な野口英世です。

梅毒の予防法、治療法は?

さて、こんな恐ろしい梅毒ではあるんですが、幸いなことに現代では治療法が確立されているため、このレベル3の状態まで進行することは多くはありません。

1940年代に普及したペニシリン、という抗生物質によって梅毒の菌を治療することに成功したのです。

2020年代の今でも、梅毒の治療といえばおよそ100年前と変わらずペニシリンなんです。本当にすごい発明が1世紀も前にされていたんですね。

そしてもう一つ朗報なんですが、元々、梅毒の治療としては世界で標準的な治療となっていた、ペニシリンを筋肉に注射するという方法があったんですが、こちらは日本で承認されておらず、飲み薬を一定期間飲み続けるしか方法がありませんでした。

しかし、この筋肉注射、ようやく日本でも2021年から承認されました。

この注射は基本的に1回打つだけで梅毒を治療することができるすぐれものなんですね。

このように、梅毒に関しては良い治療法が存在はしているのは事実なんですが、とはいえかからないのが一番。

梅毒の予防法としては、やはり不特定多数との性交渉をできるだけ避けること、コンドームなどを適切に使用すること、これに尽きます。

おのおのができる限りの予防をした上で、今回紹介した梅毒の大切な知識は頭にとどめておいて、今後もしも自分にあてはまる症状があったら、偽装の達人梅毒に騙されず、治ったから大丈夫!と思わずに必ず医師に相談をして下さいね。

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内科医/産業医/労働衛生コンサルタント
ウチカラクリニック代表
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