
「夜、布団に入ってもなかなか寝付けない…」 「お医者さんから『リスミー』という睡眠薬が出たけど、どんな薬なんだろう?」 「リスミーには1mgと2mgがあるみたい。どう違うのかな?」
眠れない夜が続くと、日中の仕事や家事にも集中できず、本当につらいですよね。処方された睡眠薬について、効果はもちろん、副作用や使い方など、色々と知りたいことがあると思います。
この記事では、リスミー(リルマザホン塩酸塩水和物)という睡眠薬にスポットを当て、皆さんの疑問や不安に優しく寄り添いながら、その特徴や効果、注意点、そして1mgと2mgの違いなどを詳しく解説していきます。
リスミーについて正しく理解し、安心して治療を進めるためのお手伝いができれば幸いです。
ウチカラクリニックではオンライン診療に完全対応し、忙しい方向けに夜間や土日も診療を行っております。
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リスミーとは
リスミーの成分
リスミーは、「ベンゾジアゼピン系」というグループに属する睡眠薬の一つで、比較的長く使われてきた実績のあるお薬です。
リスミーの有効成分は「リルマザホン塩酸塩水和物」です。この成分は、脳の中で神経細胞の興奮を抑える働きを持つ「GABA(ギャバ)」という神経伝達物質の作用を強めることで効果を発揮します。
私たちの脳には、活動を活発にするアクセルのような神経と、活動を鎮めるブレーキのような神経があります。GABAは、このブレーキ役として重要な働きをしています。リスミーは、GABAが脳の神経細胞にある専用の”受け皿”(GABA受容体)に結合しやすくすることで、脳全体の過剰な興奮を鎮め、不安や緊張を和らげ、自然に近い眠りへと導きます。 まるで、脳のブレーキを少し強く踏んであげるようなイメージですね。
リスミーは、薬が体内で作用する時間の長さによって分類すると「短時間作用型」の睡眠薬にあたります。
リスミーの効果は?何時間くらい眠れる?
リスミーの主な効果は、寝つきをスムーズにすること(入眠改善)です。また、短時間作用型とはいえ、ある程度睡眠を維持する効果も期待できます。
- 布団に入ってからの寝つきを良くする
- 途中で目が覚めるのを減らし、睡眠を維持するのを助ける
個人差はありますが、飲んでから比較的すみやかに効果が現れ、お薬が効いている時間(作用時間)はおおよそ6~8時間程度と考えられています。そのため、寝つきが悪く、夜中に目が覚めてしまうこともある、というタイプの不眠に対して処方されることがあります。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 麻酔前投薬(手術の前に、患者さんの不安や緊張を和らげ、リラックスさせて眠気を促す目的)
- 不眠症(特に寝つきが悪い、夜中に目が覚めるなど)
リスミーの強さは?他の薬との違い
リスミーの強さ(催眠作用)
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の中で、リスミーは「短時間型」に分類され、効果の強さとしては比較的標準的か、ややマイルドな部類に入ります。
急激に強い眠気が来るというよりは、穏やかに効いてくる印象を持つ方が多いかもしれません。
他の睡眠薬との違い
- 非ベンゾジアゼピン系(例:マイスリー、ルネスタ)
リスミーと同じくGABA受容体に作用しますが、より睡眠作用に特化しており、筋肉を緩める作用などが少ないとされます。作用時間は超短時間~短時間のものが多いです。 - オレキシン受容体拮抗薬(デエビゴ、ベルソムラ)
脳を「起きろ!」と覚醒させる物質(オレキシン)の働きを邪魔する新しいタイプのお薬です。依存性が低いというメリットがあります。 - メラトニン受容体作動薬(例:ロゼレム)
体内時計に働きかけるホルモン「メラトニン」と同じように作用し、自然な眠りのリズムを整えます。依存性は極めて低いですが、即効性は期待できません。
リスミーはベンゾジアゼピン系に属するため、効果を実感しやすい一方で、依存性(薬がやめられなくなる)、耐性(だんだん効き目が弱くなる)、離脱症状(急にやめた時に不快な症状が出る)といったリスクには注意が必要です。これは、新しいタイプの睡眠薬との大きな違いとなります。
他のお薬の種類や睡眠薬の依存性が気になるかたはこちらの記事もチェックしましょう。
リスミーの使い方(用法・用量)
リスミーには1mgの錠剤と2mgの錠剤があります。これは単純に1錠に含まれる有効成分(リルマザホン)の量が違います。
最初は副作用のリスクがより少ない1mgから始め、十分な効果が得られない場合に、お医者さんの判断で2mgへの増量が検討されます。麻酔前の投薬では、しっかりとした効果を得るために通常2mgが用いられます。
不眠症の場合
通常、大人は1回1mg~2mgを寝る前に水またはぬるま湯で飲みます。
麻酔前投薬の場合
通常、大人は1回2mgを寝る前または手術前に飲みます。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、症状に応じてリスミーの処方や不眠症状の治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

リスミーの注意事項・禁忌
併用に注意の薬や飲んではいけない人
- 急性閉塞隅角緑内障(きゅうせいへいそくぐうかくりょくないしょう)
- 重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)
- フルボキサミン(ルボックス、デプロメールなど)という抗うつ薬
- 重度の肝機能障害をお持ちの方
- 他の睡眠薬、精神安定剤(抗不安薬)、抗うつ薬、抗てんかん薬
- 一部のかぜ薬や花粉症の薬(抗ヒスタミン薬)
- CYP3A4阻害薬/誘導薬
- アルコール(お酒)
他の薬を飲んでいる場合は、必ず医師や薬剤師に伝えて確認してもらいましょう。
使用上の注意
リスミーを服用すると、眠気や集中力低下が残る可能性があります。特に夜遅い時間に服用すると持ち越し効果が強くなるので注意が必要です。
服用後はふらつきや転倒のリスクが高まるので眠れるまで安静にしましょう。夜間のトイレなどで起きなくてはいけない場合は明るくして移動しましょう。
ベンゾジアゼピン系の薬は、特に長期間使用すると、薬がないと眠れなくなったり(依存)、同じ量では効き目が悪くなったり(耐性)する可能性があります。お医者さんの指示なしに漫然と飲み続けるのは避けましょう。
また、長く飲み続けている場合に、自己判断で急に服用をやめると、離脱症状(強い不眠、不安感、イライラ、焦り、手の震え、頭痛、吐き気、ひどい場合はけいれん発作など)が現れることがあります。
薬をやめる時や量を減らす時は、必ずお医者さんの指示に従って、時間をかけて少しずつ行う必要があります。
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避けて保管しましょう。
- 子どもの手の届かない場所に置いてください。
飲み忘れたら?効かないときは?
もし飲み忘れたら無理に夜中に飲むのは避けましょう。すでに就寝時間が遅い場合、起床後まで眠気が残る恐れがあります。翌日からまた通常どおりに飲めばいいです。
効かないからと2回分を一度に服用してはいけません。
リスミーの副作用
主な副作用
- 眠気(傾眠): 特に、飲んだ翌日に眠気が残ることがあります。
- ふらつき、めまい: 足元がおぼつかない感じがすることがあります。
- 頭痛、頭重感(頭が重い感じ)
- だるさ(倦怠感)
- 健忘(物忘れ): 特に、薬を飲んだ後の出来事を覚えていないことがあります(前向性健忘)。場合によっては寝ぼけた状態で歩き回ったり、何かを食べたり(夢遊病のような症状)することが報告されています。
- 口の渇き、吐き気、脱力感など
ベンゾジアゼピン系薬剤に共通する注意すべき副作用として、依存性、離脱症状、刺激興奮(普段よりイライラしたり、攻撃的になったりする)、呼吸抑制(特に他の薬と併用した場合や呼吸器系の病気がある場合)などがあります。
副作用が出たときの対処法
- 眠気やふらつきを感じたら
- 絶対に車の運転や危険な作業はしないでください。 転倒にも十分注意し、無理な活動は避けましょう。
- 症状が強い場合や、日常生活に支障が出るほど続く場合は、薬の量が多すぎる可能性があります。必ずお医者さんに相談してください。 自己判断で量を減らしたりせず、指示を仰ぎましょう。
- 記憶がない(健忘)ことに気づいたら
- 飲んだらすぐに寝る習慣をつけることでリスクを減らせます。もし、飲んだ後の記憶がないようなことが頻繁に起こる場合は、お医者さんに相談してください。
- 依存や離脱症状が心配な場合
- 「もしかして依存かも?」と感じたら、正直にお医者さんに話してみましょう。治療計画を見直したり、減薬や中止を安全に進めるためのサポートをしてくれます。自己判断は禁物です。
副作用かもしれないと思ったら、早めに専門家に相談することが、安全な治療につながります。
リスミーに市販薬はある?値段は?
市販薬
リスミーと同じ成分の市販薬はありません。
市販の睡眠補助サプリなどはまったく別の成分ですので、効果が異なります。自己判断で切り替えず、必ず医師と相談しましょう。
ジェネリック名
リスミーには以前はジェネリック医薬品が販売されていましたが現在は販売中止されています。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- リスミー錠1mg: 1錠あたり 約10.1円
- リスミー錠2mg: 1錠あたり 約15.2円
※2025年4月29日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊娠中や授乳中でも使える?
基本的には服用を避けるべきです。 妊娠中の服用、特に妊娠初期や後期は、お腹の赤ちゃんに影響が出る可能性が指摘されています。また、薬の成分が母乳に移行することもわかっています。
Q. 小児でも使える?
いいえ、お子さんに対する安全性は確立されていません。 原則として、小児に処方されることはありません。
Q. 運転への影響は?
絶対に運転しないでください。 飲んだ翌日以降にも眠気や集中力・反射神経の低下などが続くことがあり、重大な事故につながる恐れがあるため非常に危険です。
Q. 飲み始めてどのくらいで効果が出る?
個人差はありますが、リスミーは比較的効き目が現れるのが早いお薬です。一般的には、飲んでから15分~30分くらいで眠気を感じ始めることが多いようです。だからこそ、飲むタイミングは「寝る直前」がとても大切になります。
Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
眠気などの副作用が強く出ることがありますので、一緒に飲むのは避けましょう。
Q. 依存性はありますか?
はい、リスミーを含むベンゾジアゼピン系の睡眠薬には、依存性のリスクがあります。 長期間、漫然と使い続けることは避けるべきです。必ずお医者さんの指示通りに服用し、定期的に診察を受けて、治療の必要性や今後の計画について相談することが重要です。
Q. 途中でやめても大丈夫ですか?
自己判断で急にやめるのは非常に危険です。 特に長期間服用していた場合、離脱症状(強い不眠、不安、震えなど)が出る可能性があります。必ずお医者さんに相談し、その指示に従って、安全な方法(多くは徐々に量を減らしていく方法)で中止する必要があります。
Q. 1mgと2mgはどう使い分けるのですか?
効果の強さが異なります。通常は副作用のリスクがより低い1mgから開始し、効果が不十分な場合に、お医者さんの判断で2mgへの増量が検討されます。
まとめ
リスミー(リルマザホン塩酸塩水和物)は、寝つきを良くする効果が期待できる、ベンゾジアゼピン系の短時間作用型睡眠薬です。1mgと2mgの規格があり、患者さんの状態に合わせて使い分けられます。
効果を実感しやすいというメリットがある一方で、ベンゾジアゼピン系薬剤に共通する依存性、耐性、離脱症状のリスクや、翌日への眠気の持ち越し、ふらつきといった副作用には十分な注意が必要です。
特にアルコールとの併用は絶対に避け、服用後の車の運転などは行わないというルールを必ず守りましょう。
また、漫然とした長期使用は避けることが推奨されています。
リスミーによる治療は、必ずお医者さんの指示のもとで、用法・用量を守って行うことが最も大切です。
もし副作用かもしれないと感じたり、何か不安なことや疑問に思うことがあったりしたら、決して一人で悩まず、すぐにお医者さんや薬剤師さんに相談してくださいね。
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