
「アドエアを処方されたけど、どんな薬なの?」「副作用は大丈夫?」そんな疑問をお持ちではありませんか?
アドエアは喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療によく使われる吸入薬です。
この記事では、アドエアの基本情報から使い方、注意点まで、わかりやすく解説します。お薬の疑問をスッキリ解決して、より安心して治療に取り組みましょう。
ウチカラクリニックではオンライン診療に完全対応し、忙しい方向けに夜間や土日も診療を行っております。
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喘息などの呼吸器症状でお悩みの方はお気軽にオンライン診療でご相談ください。
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アドエアとは?効果は?
アドエアの成分
アドエアは「サルメテロールキシナホ酸塩」と「フルチカゾンプロピオン酸エステル」という2つの有効成分を含む配合剤です。この2つの成分が協力して、喘息やCOPDの症状改善に働きかけます。
サルメテロールキシナホ酸塩(長時間作用型β2刺激薬)
- 気管支を広げる作用があります
- 効果は投与後約30分で現れ、12時間持続します
フルチカゾンプロピオン酸エステル(吸入ステロイド薬)
- 気道の炎症を抑える作用があります
- 長期的に使用することで、喘息発作などを予防します
「気管支を広げる」と「炎症を抑える」という両方の効果が得られるため、単剤よりも高い効果が期待できます。
アドエアの効果
- 喘息発作の予防
- 呼吸困難の改善
- 咳や痰の軽減
- 夜間や早朝の症状緩和
- 運動時の症状予防
どんなときに使う?(適応疾患)
- 気管支喘息:気道が狭くなって息苦しくなる病気
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD):タバコなどが原因で肺が徐々に壊れていく病気
シムビコートは、基本的に「発作止め」ではありません!
多くの場合、アドエアは症状がない時も毎日コツコツと続ける「長期管理薬(コントローラー)」という位置づけです。
急に起こった発作をすぐに鎮めるための「発作治療薬(リリーバー)」(例:短時間作用型の気管支拡張薬など)とは役割が異なります。
アドエアの種類
アドエアは「ディスカス」「エアゾール」という2種類の吸入器があり、それぞれ以下の規格があります。
数字は、フルチカゾンプロピオン酸エステルの含有量(μg)を表し、数字が大きいほど、ステロイド成分の量が多くなります。
ディスカス

- アドエア100ディスカス
- アドエア250ディスカス
- アドエア500ディスカス
エアゾール

- アドエア50エアゾール
- アドエア125エアゾール
- アドエア250エアゾール
アドエアの使い方(用法・用量)
正しい吸入・保管方法
アドエアの効果をしっかり得るためには、吸入器を正しく使うことが何よりも大切です。
ディスカスとエアゾールでそれぞれ吸い方が異なります。詳しい吸入の方法や保管方法はこちらの記事をチェック。
残量カウンターの見方
吸入器の側面には、あと何回吸入できるかを示すカウンター(窓)があります。
使い始めは「60」などと表示されており、使うたび数字が減っていきます。残数が少なくなってきたら、新しい吸入器を準備するサインです。
カウンターの数字が「0」になったら、中にお薬は残っていませんので、吸入器を振って音がしても使用できません。
用法/用量
使う回数や吸入量は、患者さんの病状や年齢によって異なります。必ずお医者さんの指示に従ってください。
気管支喘息の場合
- アドエア100・250・500ディスカス
通常、大人は1回に1吸入を、1日2回(例えば朝と晩)吸入します。 - アドエア50・125・250エアゾール
通常、大人は1回に2吸入を、1日2回(例えば朝と晩)吸入します。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の場合
- アドエア250ディスカスまたはアドエア125エアゾール
通常、成人は1回1吸入(ディスカス)または2吸入(エアゾール)を1日2回行います。
あくまでこれらは一般的な例です。あなたにとって最適な用法用量は、診察したお医者さんが判断します。
指示された吸入回数やタイミングを必ず守ってください。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、アドエアをはじめとした吸入薬の処方や安定した喘息の治療なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

アドエアの注意事項(禁忌)
使用に注意が必要な方や飲み合わせが悪い薬
- サルメテロールやフルチカゾンに対して過敏症の既往歴がある方
- 有効な抗菌薬がない感染症にかかっている方
- 結核性疾患のある方
- リトナビルなどのHIV治療薬
- イトラコナゾールなどの抗真菌薬
- β遮断薬(高血圧や狭心症の薬)
- 利尿剤(むくみやメニエール病などの薬)
- 副腎皮質ステロイド薬(内服・注射)
現在使っているお薬(飲み薬、貼り薬、塗り薬、他の吸入薬、市販薬、サプリメントなど全て)は、必ずお医者さんや薬剤師さんに伝えるようにしましょう。
使用上の注意
- 定期的な使用:症状がなくても、毎日決まった時間に使用することが大切です。
- 発作時の対応:アドエアは発作を予防する薬であり、発作が起きた時の対処薬ではありません。発作時は医師から処方された発作止めの薬(レリーバー)を使用しましょう。
- うがい:吸入後は必ずうがいをして、口腔内に残った薬剤を洗い流しましょう。カンジダ症(口腔内の真菌感染症)予防になります。
- 吸入器の清潔:吸入器のマウスピース部分は定期的に拭いて清潔に保ちましょう。
吸入を忘れたら?
気づいた時点ですぐに1回吸入し、次回は通常時間に吸入すればOK。
ただし、2回分をまとめて吸入するのは避けましょう。過度の吸入は副作用リスクを高めます。
アドエアの副作用
主な副作用
- 嗄声(させい):声がれ、声がかすれる。
- 口腔咽頭カンジダ症: 口の中や喉の粘膜に、白い苔のようなものが付着する(カビの一種)。ヒリヒリとした痛みを感じることもあります。
- 咽喉頭(のど)の刺激感、痛み、違和感口内炎
これらの副作用は、吸入ステロイド成分が口や喉に残ることが原因で起こります。吸入後のうがいをしっかり行うことで、これらの副作用の大部分は防ぐことができます。
他にも
- 頭痛
- 動悸・頻脈(心拍数が増える)
重篤な副作用としてアナフィラキシーショック(急激なアレルギー反応で、呼吸困難、血圧低下などが起こる)、重篤な血清カリウム値の低下などもあります。これらは、極めてまれですが、万が一体調に急激な異変を感じた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
副作用が出たときの対処法
- 口腔カンジダ症・嗄声:吸入後のうがいを徹底する
- 動悸・頻脈:安静にし、症状が続く場合は医師に相談
- 皮膚の発疹・蕁麻疹:使用を中止し、すぐに医師に相談
重篤な副作用の兆候(息苦しさ、全身の発疹、めまい、失神など)が現れた場合は、使用を中止して直ちに医師または救急医療機関に連絡してください。
アドエアに市販薬はある?値段は?
市販薬
アドエアは医療用医薬品ですので、医師の処方箋が必要です。
ドラッグストアなどで購入することはできません。
ジェネリック名
現在、アドエアのジェネリック医薬品として「サルメテロール・フルチカゾン」という配合剤が販売されています。
【主なジェネリック製品】
- フルティフォーム
- アテキュラ配合吸入用カプセル
ジェネリック医薬品は、開発費用が抑えられているため、一般的に先発医薬品(シムビコート)よりもお薬代の自己負担額を軽減できる可能性があります。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
【アドエアディスカス】
- アドエア100ディスカス60ブリスター:2,845.60円
- アドエア250ディスカス60ブリスター:3,689.90円
- アドエア500ディスカス60ブリスター:4,852.80円
【アドエアエアゾール】
- アドエア50エアゾール120吸入用:4,288.60円
- アドエア125エアゾール120吸入用:5,614.70円
- アドエア250エアゾール120吸入用:7,266.50円
※2025年4月29日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊娠中や授乳中でも使える?
妊婦や授乳中の方へのアドエアの使用については、喘息のコントロールがより重要と判断される場合に使用されることがあります。必ず医師に妊娠中または授乳中であることを伝え、相談してください。
Q. 小児でも使える?
アドエアディスカスは5歳以上、アドエアエアゾールは4歳以上のお子さんに使用できます。ただし、お子さんの年齢や症状に応じて、医師が適切な薬剤を選択します。小さなお子さんの場合、吸入補助器具を使用することがあります。
Q. 車の運転への影響は?
アドエアによる眠気やめまいの報告は少ないですが、個人差があります。初めて使用する場合や高用量を使用する場合は、自分の反応を確認するまで、車の運転や機械操作は慎重に行いましょう。
Q. いつから効果が出ますか?効果が出るまでの期間は?
サルメテロール(気管支拡張成分)の効果は約30分で現れ始めますが、フルチカゾン(抗炎症成分)の効果が十分に発揮されるには1〜2週間かかることがあります。喘息症状の十分な改善には、継続使用が必要です。
Q. お酒を飲んでも大丈夫?
アドエアとアルコールの直接的な相互作用は報告されていませんが、アルコールが喘息症状を悪化させることがあります。また、アルコールにより判断力が低下し、正しい吸入ができなくなる可能性もあります。適量を心がけましょう。
Q. どれくらいの期間使い続けるものですか?
アドエアは長期管理薬ですので、症状がコントロールされていても医師の指示なく中止しないでください。通常、症状が安定した後も一定期間は継続して使用します。治療期間については医師が個々の状態に応じて判断します。
Q. 発作が起きた時もアドエアを使用すべきですか?
いいえ、アドエアは発作時の救急治療薬(レリーバー)ではありません。発作時には医師から処方されたサルタノールエアゾールなどの速効性のある気管支拡張薬を使用してください。
Q. うまく吸入できたか分かりません。どうすればいいですか?
アドエアディスカスは吸入感がほとんどないため、吸えたかどうか不安になることがありますね。まずは、レバー操作が正しくできたか(カチッと音がしたか)、カウンターの数字が1つ減っているかを確認しましょう。
Q. シムビコートとの違いは何ですか?
アドエアとシムビコートは、どちらも吸入ステロイド薬(ICS)と長時間作用性β2刺激薬(LABA)の配合剤ですが、含まれている有効成分の種類が異なります(アドエア:フルチカゾン+サルメテロール/シムビコート:ブデソニド+ホルモテロール)。
また、吸入するための器具(デバイス)も異なります(アドエア:ディスカス/シムビコート:タービュヘイラー)。
さらに、シムビコートには発作時にも使用できる「SMART療法」という使い方がありますが、アドエアにはありません。どちらのお薬が適しているかは、患者さんの状態や医師の判断によります。
まとめ
アドエアは喘息やCOPDの症状コントロールに効果的な配合剤です。定期的に使用することで発作を予防し、QOL(生活の質)の向上につながります。
正しい使い方と注意点を守り、医師の指示に従って使用することが大切です。特に、吸入後のうがいの徹底や、発作時の対応薬との使い分けに注意しましょう。
副作用の兆候に気づいたら、すぐに医師に相談してください。アドエアによって、より快適な呼吸と日常生活を取り戻しましょう。
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