低用量ピル「ジェミーナ」の効果・強さ・副作用を医師が解説【太る?避妊効果は?不正出血がある?】

jemina

生理痛や子宮内膜症などの症状で悩んでいませんか?実は、低用量ピルのひとつである「ジェミーナ」を活用すると、毎月の痛みや不快感がグッとラクになる可能性があります。

今回は、ジェミーナの効果や副作用、飲み方のポイントなどをやさしく解説します。
これから始める方や、すでに使っているけれど疑問がある方に役立つ情報をまとめました。自分に合った治療・ケア方法を見つけて、より快適な毎日を過ごしましょう。

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ジェミーナとは

ジェミーナの成分

ジェミーナ配合錠は、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)プロゲスチン(黄体ホルモン)を組み合わせた「EP配合剤」と呼ばれる薬です。
具体的には、エチニルエストラジオール0.02mgレボノルゲストレル0.09mgを含む超低用量ピルで、主に月経困難症の治療や生殖補助医療:ART(不妊治療の一種)における調節卵巣刺激の開始時期の調整に使用されます。

日本では2018年7月に承認された比較的新しい薬剤です。

ジェミーナの効果

  • 月経困難症(生理痛や経血量の多さ)の改善: 女性ホルモンを補充することで卵胞の成熟を抑え、排卵を抑制します。
  • 生理前のイライラや体調不良(PMS)の軽減
  • 生理不順のコントロール:
  • 生理回数の調整: 連続投与(84日周期)を選択した場合、年間の生理(消退出血)の回数を減らすことが可能
  • 不妊治療のサポート: 生殖補助医療(ART)における調節卵巣刺激の開始時期の調整にも使用。

どんなときに使う?(適応疾患)

  • 月経困難症: 主な適応症で、月経期間中の下腹部痛や腰痛などの症状を軽減します。
  • 生理不順
  • PMS/PMDD(生理前の精神的・身体的な不調)
  • 不妊治療における調節卵巣刺激の開始時期の調整

ジェミーナの避妊効果

ジェミーナ配合錠は、エストロゲンと黄体ホルモンを少量ずつ含む「超低用量ピル」の一種です。そのため、正しく服用すれば一定の避妊効果が得られる場合はあることはあります。

しかし、主な目的は月経困難症の治療であり、「避妊薬」として正式に認められたものではありませんので、避妊薬としての使用はおススメはしません。

確実な避妊を望む場合は、コンドームなど他の避妊方法を併用したり、医師に相談して最適な方法を選ぶのがおすすめです。また、飲み忘れや服用時間のズレがあると避妊効果が下がる可能性があるので、注意してくださいね。

ジェミーナの種類・使い方(用法・用量

ジェミーナ配合錠には、21錠タイプ28錠タイプの二つがあります。
その組み合わせで異なる2つの服用方法があります。

28日周期(通常周期)

  • 1日1錠を毎日一定の時刻に21日間連続で服用
  • その後7日間休薬。この期間に生理がくる。
  • 以上28日間を1周期とし、出血が終わっているか続いているかにかかわらず、29日目から次の周期を開始

ジェミーナには、28錠タイプと21錠タイプがあり、通常投与の場合は、シートは21錠のものを使用します。

84日周期(連続投与)

  • 1日1錠を毎日一定の時刻に77日間連続で服用
  • その後7日間休薬。この期間に生理がくる。
  • 以上84日間を1周期とし、出血が終わっているか続いているかにかかわらず、85日目から次の周期を開始

ジェミーナには、28錠タイプと21錠タイプがあるので、連続投与の場合は、シートは以下のような組み合わせになります。

  1. 28錠タイプを2シート連続で服用(56日目まで)
  2. 次に21錠タイプを1シート服用(57日目~77日目)
  3. 7日間休薬(~84日)
  4. 上記のように77日間の服用と7日間の休薬を繰り返す

どちらの服用方法が適しているかは、症状や生活スタイルに合わせて医師と相談の上で決定します。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ジェミーナをはじめとしたピルの処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ジェミーナの注意事項(禁忌)

併用に注意が必要な薬

  • 血栓症のリスクがあるお薬
  • CYP3A4誘導薬(リファンピシン・フェニトイン・カルバマゼピンなど)
  • セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含むサプリ
  • 抗てんかん薬、抗菌薬、抗HIV薬
  • 免疫抑制剤(シクロスポリンなど)
  • ワルファリンなど

使用上の注意

毎日きちんと決まった時間に飲むようにしましょう。飲み忘れが続くと効果が十分に得られないことがあります。

また、ジェミーナは、血栓症(血管の中に血の塊ができる病気)のリスクを高める可能性があるため、喫煙者血栓症の既往歴がある方は、服用前に必ず医師に相談しましょう。特に35歳以上の喫煙者は注意が必要です。

血栓症リスクを下げるためにも、長時間同じ姿勢を避け、水分補給や軽い運動を心がけましょう。

保管方法

  • 直射日光や高温多湿を避けて保管
  • 子どもの手の届かない場所へ

飲み忘れたら?

気づいた時点ですぐに服用してください。その日の予定分を通常時刻に1錠(計2錠)服用し、翌日から元のスケジュールで続けます。

飲み忘れが多いと十分な効果が得られなくなってしまいます。飲み忘れが多いと感じる方は、アラーム機能やカレンダーを活用して飲み忘れを防ぎましょう。

2日以上連続で忘れたら医師に対応を相談してください。

ジェミーナの副作用

主な副作用

ホルモンを調整するお薬なので、個人差はありますが、以下のような副作用が起こることがあります。

  • 不正出血:初めの数か月は、軽い出血が不定期に起こることがあります。
  • 頭痛・吐き気:ホルモンの変化で生じやすいですが、ほとんどは一時的な場合が多いです。
  • むくみや乳房の張り:水分バランスやホルモンの影響で感じる人も。
  • 血栓症:ごくまれですが重い副作用として注意が必要。足の痛みや突然の息苦しさなどがあれば、すぐ受診を。

「体重増加」を気にされる方も多いですが、体内の水分や塩分のバランスに影響を与え、浮腫を引き起こす可能性があります。また、食欲が増加したり、代謝が低下したりすることで体重増加につながることがあります。しかし全員に必ず起こるわけではありません。

副作用が出たときの対処法

  • 不正出血:数か月続けるうちに落ち着くことが多いですが、量が多い場合は医師に相談。
  • 頭痛・吐き気:食後に服用したり、鎮痛薬を併用しても問題ないか医師・薬剤師に相談。
  • むくみ:軽い運動やストレッチ、塩分控えめの食事を意識すると改善することも。
  • 強い頭痛・胸痛・急な片足の腫れなど、血栓症を疑う症状が出たらただちに服用中止→医療機関へ

もし副作用がつらい場合や、不安な症状があるときは、自己判断でやめずに早めに受診して相談してください。

ジェミーナに市販薬はある?値段は?

市販薬

ジェミーナは医療用医薬品ですので、医師の処方箋が必要です。ドラッグストアなどで購入することはできません。
自己判断で使用するのではなく、まずは婦人科専門医を受診し、症状や体質に合った適切な薬を処方してもらうことが重要です。

ジェネリック名

ジェミーナ配合錠は、現在のところジェネリック医薬品(後発医薬品)は発売されていません

※2025年5月4日現在

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • ジェミーナ配合錠:1錠あたり約276.8円

※2025年5月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

ジェミーナ配合錠

よくある質問(FAQ)

Q. 妊娠中や授乳中でも使える?
ジェミーナ配合錠は、妊娠・授乳中の使用は基本的にできません。服用中に「妊娠かも?」と思ったら、すぐに医師へ相談してください。

Q. 小児でも使える?
生理痛などの症状があれば、医師の判断で処方されることがあります。ただし、初経から間もない場合は慎重に検討されることも多いので、必ず婦人科で相談してみてください。

Q. 車やバイクの運転への影響は?
低用量ピルなので、強い眠気やめまいなどで運転に支障が出る可能性はあまり報告されていません。ただし、体質によっては軽い頭痛やだるさが出ることもあるので、気になる症状があるときは運転を控え、医師へ相談を。

Q. 飲み始めてどのくらいで効果が出る?
個人差はありますが、1~2サイクル目(1~2か月)から生理痛が軽くなったり、経血量が減ったりする方が多いです。PMS改善にも数か月かかる場合がありますので、焦らず継続するのがポイントです。

Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
少量であれば大きな相互作用は報告されていませんが、過度な飲酒は体調を崩しやすくなり、ホルモンバランスにも影響が出る可能性があります。できるだけ控えめにしましょう。

Q. 他のピルとの違いは?
ヤーズやヤーズフレックスなど他のピルと比較すると、含まれる黄体ホルモンの種類や世代が異なります。
ジェミーナは血栓症リスクが低いとされるレボノルゲストレルを含有しており、卵胞ホルモンの含有量も0.02mgと超低用量に設定されています。

まとめ

ジェミーナは、生理痛やPMSで悩む方に有用な「超低用量ピル」として広く使われています。ホルモンバランスを整えることで、月経にともなう不快感を和らげ、快適な日常生活をサポートしてくれるお薬です。

  • 不正出血などの副作用は続けていくうちに体が慣れるケースが多い
  • 飲み忘れがないようにアラームをセットするなど管理を徹底
  • 体調に合わないと感じたら、必ず医師へ相談し、自己判断で中断しない

こうしたポイントに気をつけながら使うことで、より快適に症状を改善できる可能性があります。

自分の体に合った治療方法を選んで、少しでも生理痛や婦人科トラブルがラクになるように取り組んでいきましょう。

ウチカラクリニックではオンライン診療に完全対応し、忙しい方向けに夜間や土日も診療を行っております。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。