トリクロルメチアジドの効果・副作用を医師が解説【利尿剤】

トリクロルメチアジド

「血圧を下げるために、おしっこを出す薬を処方された」 「足のむくみがひどくて、お薬を飲むことになった」

そんなとき、病院で「トリクロルメチアジド」というお薬を受け取った方もいるかもしれません。「おしっこを出すだけで血圧が下がるの?」と不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。

今回は、このトリクロルメチアジドがどのようなお薬なのか、その効果や副作用、生活での注意点について、基本から医師が分かりやすく解説していきます。

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トリクロルメチアジドとは?効果・効能は?

トリクロルメチアジドは、高血圧症やむくみ(浮腫)の治療に使われるお薬です。

「サイアザイド系利尿薬」というグループに分類されます。

ひと言でいうと、「腎臓に働きかけて、体の余分な塩分と水分をおしっこ(尿)として出す」お薬です。体内の水分量が減ることで、結果的に血圧が下がったり、むくみが改善したりします。

先発医薬品で「フルイトラン」というお薬がありましたが、2025年8月現在では販売中止となっており、「トリクロルメチアジド錠」という名前で、様々な製薬会社からジェネリック医薬品が販売されています。

錠剤タイプのお薬で、1mg、2mgといった規格があります。

トリクロルメチアジドの成分

有効成分は「トリクロルメチアジド」です。

この成分は、腎臓の「尿細管」という場所で、一度血液からろ過された塩分(ナトリウム)が、再び体内に吸収されるのをブロックします。

塩分が尿の中に残ると、浸透圧の働きで水分も一緒に尿として排泄されます。

これを水道のホースに例えると、パンパンに水が入ったホース(高血圧の状態)から、少し水を抜いてあげることで、ホースにかかる圧力が下がる(血圧が下がる)イメージです。

トリクロルメチアジド効果

  • 利尿効果: 尿の量を増やし、体内の余分な水分や塩分を排泄させます。
  • 降圧効果: 体内を循環する血液の量を減らすことで、血圧を下げます。
  • 浮腫(むくみ)改善効果: 体に溜まった余分な水分を取り除き、むくみを和らげます。

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 高血圧症
  • 心性浮腫(心臓が原因のむくみ)、腎性浮腫(腎臓が原因のむくみ)、肝性浮腫(肝臓が原因のむくみ)
  • 月経前緊張症(月経前のむくみや不快な症状)

トリクロルメチアジドはオンライン診療で出せる?

「高血圧で薬が必要」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

トリクロルメチアジドのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
トリクロルメチアジドに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

トリクロルメチアジドの使い方(用法・用量

  • 高血圧症の場合: 通常、成人には1日1回、1~2mgを経口投与します。他の降圧薬と併用されることが多いです。
  • むくみの場合: 通常、成人には1日1回、1~4mgを経口投与します。

おしっこが増える作用があるため、夜間のトイレを避けるために朝に服用するのが一般的です。

トリクロルメチアジドの副作用

主な副作用

主な副作用として、めまい、ふらつき、だるさ、食欲不振、吐き気などが報告されています。

また、注意すべき副作用として、血液中の電解質(カリウムやナトリウムなど)のバランスが崩れる「電解質異常」や、「高尿酸血症(痛風の原因)」、「高血糖」などがあります。

まれですが、重大な副作用として、再生不良性貧血や、重い電解質異常などが起こる可能性があります。

副作用が出たときの対処法

  • 電解質異常(特に低カリウム血症)のサイン: 体のだるさ、力の入りにくさ、足がつる(こむら返り)などの症状が出ることがあります。
  • 脱水症状のサイン: 口の渇き、尿量の極端な減少、立ちくらみなど。
  • 高尿酸血症のサイン: 足の親指の付け根などが赤く腫れて激しく痛む(痛風発作)。

このような症状に気づいたら、我慢せずに医師や薬剤師に相談してください。定期的な血液検査でチェックすることも大切です。

トリクロルメチアジドの注意事項(禁忌)

使ってはいけない方

  • 本剤の成分あるいはチアジド系薬剤又はその類似化合物でアレルギー症状を起こしたことがある方 (禁忌)
  • 無尿の方、急性腎不全の方(禁忌)
  • 体液中のナトリウム、カリウムが明らかに減少している方(禁忌)※低ナトリウム血症、低カリウム血症リスク
  • 重い肝臓や腎臓の病気がある方
  • 痛風、糖尿病のある方(症状を悪化させる可能性があります)
  • 高齢の方

併用に注意が必要な薬

  • デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)(禁忌)
  • 他の血圧を下げる薬
  • 糖尿病のお薬
  • リチウム製剤(気分安定薬)
  • ジギタリス製剤(心臓のお薬)
  • 痛み止めの一部(非ステロイド性抗炎症薬)

使用上の注意

服用のタイミング夜間の頻尿を避けるため、医師からの特別な指示がなければ、朝に服用するようにしましょう。
脱水に注意!特に夏場や、汗をたくさんかいた時、下痢や嘔吐がある時は、脱水症状になりやすいので、こまめな水分補給を心がけましょう。
めまい・ふらつきに注意血圧が下がることで立ちくらみが起こることがあります。車の運転や高所での作業には十分注意してください。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時点で、忘れた分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、1回分をとばしましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、トリクロルメチアジドをはじめとしたお薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

トリクロルメチアジドに市販薬はある?値段は?

市販薬

2025年8月現在、トリクロルメチアジドと同じ成分の市販薬は販売されていません。

必ず医師の処方が必要なお薬です。

ジェネリック

先発医薬品は「フルイトラン」ですが、2025年8月現在、販売中止となっており、現在はジェネリック医薬品(後発品)である「トリクロルメチアジド錠」のみが流通しています。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • トリクロルメチアジド錠2mg:約6.4円/錠(3割負担の場合:約2円)

※2025年8月8日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

トリクロルメチアジド錠1mg「NP」/トリクロルメチアジド錠2mg「NP」

よくある質問(FAQ)

Q.子供でも使えますか?

小児に対する安全性は確立されていないため、基本的には使用されません。

Q.妊婦や授乳中でも使えますか?

妊娠中は、治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。授乳中の方も、服用中は授乳を避けることが望ましいとされています。必ず医師に伝えてください。

Q.どのくらいで効きますか?

利尿効果は服用後1〜2時間で現れ、6〜12時間持続します。血圧が安定して下がるまでには、数週間かかることもあります。

Q.飲むと眠くなりますか?運転はできますか?

眠くなる成分ではありませんが、副作用でめまい・ふらつきが起こることがあります。そのため、服用中は車の運転や危険な作業には十分な注意が必要です。

Q.カリウムが不足するとどうなりますか?

体の脱力感、筋肉のけいれん(足のつりなど)、便秘、ひどい場合は不整脈などを引き起こすことがあります。
医師の指示で、カリウムを補うお薬が一緒に出されたり、バナナやほうれん草などカリウムが豊富な食品を摂るよう指導されたりすることがあります。

Q.お酒(アルコール)を飲んでも大丈夫?

アルコールにも利尿作用や血管を広げる作用があります。このお薬と同時に飲むと、作用が強まり、血圧が下がりすぎてめまいや立ちくらみが起こりやすくなります。服用中の飲酒は控えるか、飲む場合はごく少量に留めるのが賢明です。

トリクロルメチアジドの処方はウチカラクリニックオンライン診療で!

トリクロルメチアジドは、体の余分な水分を排出することで、血圧を下げたりむくみを改善したりする、古くから使われている効果的なお薬です。ただし、脱水や電解質バランスの乱れには注意が必要です。

高血圧の治療は、なによりも継続が力となります。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。