イブプロフェンとは?効果や副作用を医師が解説【コロナ・インフルエンザに効く?】

イブプロフェン

「頭が痛い…」「急な熱が出た」「生理痛がつらい」

そんなとき、ドラッグストアで「イブ」や「バファリン」といったお薬に助けられた経験がある方は多いのではないでしょうか。これらの多くに含まれているのが、「イブプロフェン」という成分です。

今回は、最も身近な解熱鎮痛薬の一つであるイブプロフェンについて、その効果や副作用、正しい使い方を、基本からやさしく解説していきます。

 

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イブプロフェンとは?効果は?

イブプロフェンは、「痛み」「熱」「炎症」を抑える効果があるお薬です。

「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:エヌセイズ)」というグループに分類されます。

風邪による発熱やのどの痛み、頭痛、生理痛、歯の痛み、関節痛など、日常の様々な「つらい症状」を和らげるために、市販薬・医療用医薬品として広く使われています。

医師から処方されるイブプロフェンは、多数の製薬会社から販売されています。
飲みやすいように、錠剤(100mg、200mg)だけでなく、お子さんや錠剤が苦手な方向けに顆粒の形もあります。

 

イブプロフェンの成分

有効成分は「イブプロフェン」です。

痛みや熱、腫れといった症状は、体の中で「プロスタグランジン」という物質が作られることで引き起こされます。

イブプロフェンは、このプロスタグランジンが作られるのをブロックすることで、つらい症状を元から抑えます。

イブプロフェンの効果

  • 鎮痛効果: 様々な痛みを和らげます。
  • 解熱効果: 熱を下げます。
  • 抗炎症効果: 腫れや赤みなどの炎症を鎮めます。

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 頭痛
  • 生理痛
  • 歯痛
  • 抜歯後の疼痛
  • 咽喉痛
  • 関節痛
  • 神経痛
  • 腰痛
  • 筋肉痛
  • 肩こり痛
  • 打撲痛
  • 骨折痛
  • ねんざ痛
  • 外傷痛の鎮痛
  • 悪寒・発熱時の解熱
  • 関節リウマチなどの慢性的な炎症性疾患

イブプロフェンはオンライン診療で出せる?

「痛みが強くて痛み止めが必要」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

イブプロフェンのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
イブプロフェンに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

イブプロフェンの使い方(用法・用量

通常、成人は1回200mgを痛みがある際に服用。1日3回(最大600mg)が上限。

胃への負担を軽くするため空腹時を避け、なるべく食後に水またはぬるま湯で飲むのが基本です。

 

イブプロフェンはコロナやインフルエンザにも効く?

イブプロフェンは、ウイルスを直接退治するお薬ではありませんが、つらい症状を和らげる「対症療法」として使用されることがあります。ただし、新型コロナとインフルエンザでは少し注意点が異なります。

新型コロナウイルスの場合

パンデミック初期には「イブプロフェンが新型コロナを悪化させるのでは?」という情報もありましたが、その後、WHO(世界保健機関)や日本の厚生労働省なども「悪化させるという科学的根拠はない」との見解を示しています。

そのため、新型コロナウイルスによる発熱や頭痛、のどの痛みといった症状を和らげる目的で、イブプロフェンを使用することは可能です。

インフルエンザの場合

インフルエンザによる発熱や頭痛、関節痛などに対しても、大人がイブプロフェンを使用することは可能です。

ただし、特に15歳未満のお子さんについては注意が必要です。インフルエンザの際にイブプロフェンなどの一部の解熱鎮痛薬を使用すると、「インフルエンザ脳症」のリスクを上げてしまう可能性が指摘されています。

そのため、日本の小児科学会などでは、お子さんのインフルエンザ時の解熱鎮痛薬としては、イブプロフェンよりも「アセトアミノフェン」の使用が推奨されています。

アセトアミノフェンについて詳しい解説はこちら!
アセトアミノフェンの効果と副作用について医師が解説

 

イブプロフェンの副作用

主な副作用

主な副作用として、胃の不快感、胃痛、吐き気、食欲不振、下痢、胸やけなどが報告されています。

まれですが、注意すべき重大な副作用として、胃腸出血、ぜんそく発作、腎機能障害、肝機能障害などがあります。

副作用が出たときの対処法

胃の調子が悪くなる、気分が悪くなるなどの症状が出た場合は、服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。

ひどい腹痛や黒い便、血を吐くなどの症状は、胃腸出血のサインかもしれません。すぐに医療機関を受信してください。

イブプロフェンの注意事項・禁忌

使ってはいけない方

  • 過去にイブプロフェンや他の解熱鎮痛薬でアレルギーやぜんそくを起こしたことがある方(禁忌)
  • 重い心臓病、腎臓病、肝臓病のある方(禁忌)
  • 妊娠後期(出産予定日12週以内)の妊婦の方(禁忌)
  • 重い高血圧、血液の異常がある方(禁忌)
  • 消化性潰瘍のある方(禁忌)

併用に注意が必要な薬

  • ジドブジン(HIV治療薬)(禁忌)
  • 他の解熱鎮痛薬(ロキソプロフェンなど)
  • アスピリン(血液をサラサラにする目的で服用している場合)
  • 一部の血液凝固を防ぐ薬(ワルファリンなど)や、血圧の薬

使用上の注意

アルコールイブプロフェンもアルコールも胃の粘膜を荒らす作用があります。一緒に飲むと、胃腸障害や胃出血のリスクが非常に高くなるため、大変危険です。
長期連用しない痛みが続く場合は、自己判断で飲み続けず、医療機関を受診してください。
空腹時を避ける胃を守るため、何か食べてから飲むようにしましょう。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避けて保管しましょう。
  • 子どもの手の届かない場所に置いてください。

飲み忘れたら?

頓服として飲むことが多い薬なので「飲み忘れ」の概念はあまりありませんが、1日3回などで処方されている場合は、気づいた時に飲んでください。

ただし、次の服用時間が近い場合は1回とばしましょう。2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、イブプロフェンをはじめとしたお薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

イブプロフェンに市販薬はある?値段は?

市販薬

「イブA錠」「リングルアイビーα200」「バファリンプレミアムDX」など、多数の製品があります。

ジェネリック名

イブプロフェン自体がジェネリックです。

先発医薬品は「ブルフェン錠」です。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • ブルフェン錠200(先発品) 約6.1円/錠(3割負担の場合:約2円)
  • イブプロフェン錠200mg(ジェネリック) 約8.9円/錠(3割負担の場合:約3円)

※2025年8月12日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

イブプロフェン錠100mg「NIG」/イブプロフェン錠200mg「NIG」

イブプロフェン顆粒20%「ツルハラ」

よくある質問(FAQ)

Q.子供でも使えますか?

15歳未満のお子さんには、子ども用に作られた解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)が推奨されます。特にインフルエンザが疑われる場合は、自己判断で大人用のイブプロフェンを与えるのは避けてください。

Q.妊婦や授乳中でも使えますか?

妊娠後期の方は服用できません。(禁忌)それ以外の妊娠期間の方も、自己判断での服用は避け、必ず医師に相談してください。授乳中の方は、比較的安全とされていますが、こちらも医師への相談が推奨されます。

Q.どのくらいで効きますか?

個人差はありますが、服用後20分~30分ほどで効果が現れ始め、150mg~200mgの服用で約5~7時間効果が持続します。

Q.飲むと眠くなりますか?運転はできますか?

イブプロフェン単独の成分では、眠気は通常起こりにくいです。しかし、市販の風邪薬や鎮痛薬には、眠くなる成分(抗ヒスタミン薬など)が一緒に配合されていることがあるため、パッケージの注意書きをよく確認してください。

Q.お酒を飲んだ後に飲んでもいいですか?

イブプロフェンを服用している期間は、飲酒を避けるべきです。イブプロフェンもアルコールも、どちらも胃の粘膜を荒らす作用があるため、一緒に体の中に入ると胃腸障害や胃出血のリスクが格段に高まります。薬を飲むならお酒は飲まない、お酒を飲んだ日は薬を飲まない、ということを徹底しましょう。

Q.ロキソプロフェン(ロキソニン)との違いは?

どちらも同じNSAIDsの仲間で、よく似た効果を持ちます。一般的に、イブプロフェンの方が効果がマイルドで、胃への負担もやや少ないとされています。
一方、ロキソプロフェンは体内で吸収されてから効果を発揮する「プロドラッグ」という特徴があります。

イブプロフェンの処方はウチカラクリニックオンライン診療で!

イブプロフェンは、私たちの生活の様々な場面でつらい症状を和らげてくれる、とても身近で頼りになるお薬です。しかし、副作用のリスクもあり、「お酒と一緒に飲まない」「空腹時を避ける」などのルールを守ることが大切です。

「どの痛み止めが自分に合っているかわからない」
「痛みがずっと続いていて、市販薬では対応しきれない」

そんなときは、我慢せずに専門家である医師に相談しましょう。

ウチカラクリニックのオンライン診療なら、お忙しい方でもご自宅から気軽に医師の診察を受けることができます。

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ご自身の症状に合った適切なお薬の処方や、痛みの原因を探るお手伝いをいたします。つらい症状にお悩みの方は、ぜひお気軽にウチカラクリニックにご相談ください。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。