フィブラストスプレーは何の薬?効果・副作用を医師が解説!

フィブラストスプレー

 

「家族の床ずれ(褥瘡)が、なかなか治らない…」
「やけどの跡が、深い潰瘍(かいよう)になってしまった」

そんな、治りにくい傷や皮膚の潰瘍の治療で、病院から「フィブラストスプレー」というお薬を処方されることがあります。

今回は、このフィブラストスプレーがどのようなお薬なのか、そのユニークな効果の仕組みや副作用、そしてご家庭での正しい使い方について、医師がやさしく解説していきます。

 

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※医師の判断で希望のお薬が処方できない場合があります。

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フィブラストスプレーとは?効果は?

フィブラストスプレーは、「創傷治癒(そうしょうちゆ)促進薬」というグループに分類される、スプレータイプのお薬です。体の“治る力”を呼び覚まし、皮膚の再生をスピードアップさせます。

傷口を消毒したり、細菌を殺したりするのではなく、皮膚の細胞そのものに働きかけて、新しい組織が作られるのを促します。

フィブラストスプレーは、有効成分の量によって2つの種類があります。

  • フィブラストスプレー250μg
  • フィブラストスプレー500μg

使用前に、薬剤師がボトルに溶解液を加えて調製するお薬です。

 

フィブラストスプレーの成分

有効成分は「トラフェルミン(遺伝子組換え)」です。

これは、「bFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)」という、私たちの体にもともと存在する「成長因子」を、バイオテクノロジー技術を使って人工的に作ったものです。

傷を治す際には、皮膚を作る「線維芽細胞」や、栄養を運ぶ血管を作る細胞など、たくさんの細胞が必要です。フィブラストスプレーは、この細胞たちを傷口に呼び集め、「新しい皮膚や血管を作りなさい!」と強力な指令を出す役割を果たします。

その指令を受けて、細胞の増殖が活発になり、新しい皮膚(肉芽組織)が盛り上がってくることで、傷が内側から治っていきます。

 

フィブラストスプレーの効果

  • 肉芽形成促進作用: 新しい皮膚組織が作られるのを促します。
  • 血管新生作用: 傷の治癒に必要な栄養を運ぶ、新しい血管が作られるのを促します。

 

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 褥瘡(床ずれ)
  • 皮膚潰瘍(熱傷潰瘍(やけど)、下腿潰瘍など)

 

フィブラストスプレーはオンライン診療で出せる?

「火傷が酷くなってしまった」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

フィブラストスプレーのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
フィブラストスプレーに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

 

フィブラストスプレーの使い方(用法・用量)

通常、1日1回、傷口をきれいに洗浄した後、傷の中心部に向けてスプレーします。

傷の表面から約5cm離して、傷の面積1平方センチメートルあたり1回噴霧するのが目安です。

スプレーした後は、医師の指示に従って、ガーゼなどで傷を保護(被覆)します。

 

フィブラストスプレーの副作用

主な副作用

スプレーした部分に起こる局所的な副作用が中心で、全身への影響はまれです。

主な副作用として、スプレーした時の刺激感・痛みや、傷の周りの赤み、かゆみなどが報告されています。

 

副作用への対処法

スプレーした時の痛みは、一時的であることがほとんどです。

痛みが非常に強い場合や、赤み・かゆみが続く場合は、お薬が合わない可能性もあるため、医師や薬剤師に相談してください。

 

フィブラストスプレーの注意事項(禁忌)

使用に注意が必要な方

  • この薬の成分でアレルギーを起こしたことがある方(禁忌)
  • スプレーする傷に悪性腫瘍(がん)がある、またはその疑いがある方(禁忌)
    • がんを増殖させる可能性
  • 妊婦または妊娠している可能性のある女性

併用に注意が必要な薬

飲み薬との悪い相互作用は、特に報告されていません。

使用上の注意

感染のコントロールが先決傷口に膿がたくさんあったり、悪臭がしたりするなど、ひどい感染を起こしている場合は、まず抗生物質の入ったゲーベンクリームなどで感染を抑える治療が優先されます。
お酒(アルコール)直接的な相互作用はありませんが、傷の治癒にはバランスの取れた栄養が不可欠です。アルコールは栄養の吸収を妨げることがあるため、治療中の過度な飲酒は控えましょう。
目には入れない目やまぶたには使用しないでください。

保管方法

  • 必ず冷蔵庫(2~8℃)で保管し、凍結を避けてください。
    • 有効成分がタンパク質でできているため、常温に放置したり、凍らせたりすると効果がなくなってしまいます。
  • 子どもの手の届かない場所に置いてください。
  • 容器の口は清潔に保ち、使用後はキャップをしっかり閉めましょう。
  • 使用期限が過ぎたお薬は使わないでください。

塗り忘れたら?

気づいた時にスプレーしてください。

1日1回のお薬なので、忘れた場合は次の日の処置の時間に通常通りスプレーすれば問題ありません。

 

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、フィブラストスプレーの処方や皮膚症状の治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

フィブラストスプレーに市販薬はある?値段は?

市販薬

2025年8月現在、フィブラストスプレーと同じ成分の市販薬はありません。医師の処方が必要です。

ジェネリック名

2025年8月現在、日本国内でフィブラストスプレーのジェネリック医薬品は販売されていません。

 

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。比較的高価なお薬です。

  • フィブラストスプレー250 μg(溶解液付): 約6,118.7円/瓶(3割負担の場合:約 1,835円)
  • フィブラストスプレー500 μg(溶解液付): 約6,907.7円/瓶(3割負担の場合:約2,072円)

※2025年8月29日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

 

添付文書

フィブラストスプレー250/フィブラストスプレー500

 

よくある質問(FAQ)

Q.妊婦・授乳中でも使えますか?

妊娠中は、治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。授乳中の方への安全性は確立されていないため、医師への相談が必須です。

Q.子どもでも使えますか?

小児に対する安全性は確立されていないため、基本的には使用されません。

Q.いつから効き始めますか?

傷の治りをじっくりと促すお薬なので、すぐに傷がふさがるわけではありません。早い場合でも、新しい皮膚(肉芽)が盛り上がってくるのを実感できるまでには、1~2週間以上かかることが一般的です。根気よく治療を続けることが大切です。

Q.これは抗生物質(ゲンタシンなど)ですか?

いいえ、全く違います。ゲンタシンなどは、傷口の「細菌を殺す」薬です。一方、フィブラストスプレーは、皮膚の「細胞を増やす」薬です。傷の状態によって、医師がこれらを使い分けたり、併用したりします。

Q.スプレーすると痛いですか?

副作用として、一時的に「しみるような痛み」や「刺激感」を感じることがあります。通常はすぐに治まりますが、痛みが続くようであれば医師に相談してください。

 

フィブラストスプレーの処方はウチカラクリニックオンライン診療で!

フィブラストスプレーは、私たちの体が本来持つ「治る力」を呼び覚まし、床ずれや皮膚潰瘍の治療を力強くサポートしてくれる画期的なお薬です。「冷蔵庫で保管する」「感染がひどい傷には使えない」といったルールを守り、医師の指導のもとで正しく使いましょう。

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そんなときは、ウチカラクリニックのオンライン診療が便利です。

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通院の手間なく、専門医に傷の状態を写真で見せながら相談し、ご自宅でのケア方法について指導を受けたり、適切なお薬を処方してもらったりすることが可能です。

治りにくい傷にお悩みの方は、ぜひお気軽にウチカラクリニックにご相談ください。

 

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。