
「気分がひどく落ち込んで、何もやる気が起きない」 「うつ病と診断され、『イフェクサー』というお薬を処方された」 「イフェクサーについて調べたら、『やばい』という言葉が出てきて不安…」
そんな、つらい気分の落ち込みや意欲の低下に悩まされているとき、病院で処方される代表的なお薬が「イフェクサー」です。
今回は、このイフェクサーがどのようなお薬なのか、その効果の仕組みや副作用、正しい飲み方や注意点について、医師がやさしく解説していきます。
目次
イフェクサーとは?効果は?
イフェクサーは、「SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)」というグループに分類される、うつ病・うつ状態の治療に使われるお薬です。
“気分”と“意欲”の両方に働きかけるお薬で、脳内の2つの物質(セロトニンとノルアドレナリン)の働きを助けることで、憂うつな気分を和らげると同時に、低下してしまったやる気を引き出す手助けをします。
イフェクサーは、成分がゆっくりと体内に放出されるように作られた、「イフェクサーSRカプセル」(SR=徐放性)というカプセルタイプのお薬です。
- イフェクサーSRカプセル 37.5mg / 75mg
イフェクサーの成分
有効成分は「ベンラファキシン塩酸塩」です。
イフェクサーは、脳内で2つの大切な神経伝達物質に働きかけます。
- セロトニン(気分を安定させる物質)
- ノルアドレナリン(意欲ややる気を起こさせる物質)
うつ状態では、これらの物質の働きが弱まっています。イフェクサーは、これらの物質が使われた後にすぐに回収されてしまうのをブロックします。 これにより、セロトニンとノルアドレナリンが脳内で働く時間が長くなり、心のバランスが整い、落ち込んだ気分や低下した意欲が改善していきます。
イフェクサーの効果
- 抗うつ効果: 憂うつな気分や落ち込みを和らげます。
- 意欲改善効果: やる気が出ない、興味がわかないといった状態を改善します。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- うつ病・うつ状態
イフェクサーはオンライン診療で出せる?
「心療内科は受診しづらい」「通院する元気もない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
イフェクサーのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
イフェクサーに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
イフェクサーの使い方(用法・用量)
通常、成人には1日1回37.5mgから服用を開始し、1日1回食後に服用します。
その後、1週間以上の間隔をあけて、1日75mgまで徐々に増やしていきます。1日の最大量は225mgまでです。副作用を避けるため、必ず少量から始めて、体を慣らしながら最適な量を見つけていくのが基本です。
カプセルは、噛んだり、開けたりせずにそのまま飲んでください。ゆっくり効くように作られているため、中身だけを出すと効果が変わってしまいます。
イフェクサーの副作用
主な副作用
飲み始めの1~2週間に、吐き気(悪心)、眠気、めまい、口の渇き、便秘といった副作用が比較的よく見られます。これは、体がまだお薬に慣れていないために起こる症状です。また、ノルアドレナリンに作用する特徴として、排尿障害(尿が出にくい、残尿感など)や、動悸・血圧上昇が起こることもあります。
そのほか、けいれん発作や重い不整脈、重い皮膚障害(スティーブンス・ジョンソン症候群など)がごくまれに報告されています。
副作用が出たときの対処法
多くの場合、吐き気や眠気は、お薬を飲み続けるうちに(1~2週間で)自然に体が慣れて、症状は軽快していきます。
症状がつらくて我慢できない場合は、自己判断でやめたりせず、必ず処方してくれた医師に相談してください。
イフェクサーはやばいって本当?依存性は?
イフェクサーについて調べると、「やばい」という言葉が出てきて不安になるかもしれません。
これは、イフェクサーが危険な薬という意味ではなく、主に以下の3つの特徴から、特に注意が必要なお薬であることを指しています。

- 「急にやめる」とやばい(離脱症状が強く出やすい)
- 「飲み始め」の副作用がやや出やすい
- 「飲み合わせ」に注意が必要(禁忌薬やお酒)
イフェクサーを急にやめると離脱症状が出ることがありますが、いわゆるアルコールや違法薬物のような『依存症』とは性質が異なります。
医師と相談しながら、少しずつ減らしていけばコントロール可能なものです。
イフェクサーの注意事項(禁忌)
使用に注意が必要な方
- イフェクサー(ベンラファキシン)でアレルギーを起こしたことがある方(禁忌)
- MAO阻害薬を投与中あるいは投与中止後2週間以内(禁忌)
- 重い肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある方(禁忌)
- 重い腎機能障害(eGFR 15mL/min未満、あるいは透析中)の方(禁忌)
- 軽度〜中等度の肝機能障害、腎機能障害がある方
- 緑内障(特に閉塞隅角緑内障)の方
- 高血圧、心臓病のある方
- てんかんなどの持病がある方
- 躁うつ病(双極性障害)の方
- 自殺を考えたことがある、またはその傾向がある方
併用に注意が必要な薬
- MAO阻害薬(エフピー、セレギリンなど)(禁忌)
- 他の抗うつ薬、精神安定薬: 互いの作用を強めすぎることがあります。
- 一部の片頭痛の薬(トリプタン系)など: セロトニンに作用する薬同士で、「セロトニン症候群」(不安、興奮、発汗など)を起こすことがあります。
- セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート): ハーブティーやサプリメントに含まれています。お薬の効果を強めすぎる危険があるため、併用は避けてください。
使用上の注意
| 自動車の運転や危険な作業は避ける | 副作用で眠気やめまいが起こることがあります。服用中は、これらの危険な作業は行わないでください。 |
| お酒(アルコール) | 飲酒はできるだけ控えてください。アルコールは、薬の作用を必要以上に強め、眠気やふらつきといった副作用を増強させ、かえって気分を不安定にさせる危険があります。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時にできるだけ早く飲んでください。ただし、次に飲む時間が近い場合は1回とばし、絶対に2回分を一度に飲まないようにしましょう。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、イフェクサーをはじめとしたお薬の処方も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

※心療内科ではシステム手数料をいただいております
イフェクサーに市販薬はある?値段は?
市販薬
2025年11月現在、イフェクサーと同じ成分の市販薬はありません。医師の処方が必要です。
ジェネリック
2025年11月時点では、日本ではイフェクサーSRカプセルと同じ成分の後発医薬品(ジェネリック)は発売されていません。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
| 薬剤名 | 区分 | 薬価(1カプセルあたり) | 3割負担の目安 |
|---|---|---|---|
| イフェクサーSRカプセル37.5mg | 先発品 | 101.9円 | 約30.6円 |
| イフェクサーSRカプセル75mg | 先発品 | 167.6円 | 約50.3円 |
※2025年11月13日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
イフェクサーSRカプセル37.5mg/イフェクサーSRカプセル75mg
よくある質問(FAQ)
Q.妊婦・授乳中でも飲めますか?
妊娠中・授乳中の方は、自己判断での服用は絶対に避けてください。特に妊娠後期に服用すると、赤ちゃんに影響が出る可能性があります。医師が治療上の有益性が危険性を上回ると判断した場合にのみ、慎重に処方されます。
Q.子どもでも飲めますか?
原則として18歳未満には用いられません。どうしても必要と判断される場合に限り、専門医がリスクとメリットを慎重に検討したうえで使用されます。
Q.飲むと眠くなりますか?運転はできますか?
はい、副作用で眠気やめまいが出ることがあります。服用開始直後や量を増やした直後、症状がある間は自動車の運転や危険な機械の操作は避け、症状がなくても十分注意してください。
Q.いつから効き始めますか?
即効性はありません。効果を実感するまでには、飲み始めてから2週間~1ヶ月程度かかるのが一般的です。焦らず、まずは続けることが大切です。
Q.サインバルタ(デュロキセチン)との違いは何ですか?
どちらも同じSNRIの仲間ですが、イフェクサーは、用量を増やしていくとノルアドレナリンへの作用が相対的に強まりやすい特徴があるとされています。そのため、気分だけでなく「やる気の低下」が強いタイプのうつに用いられることが多いお薬です。一方、サインバルタは「慢性的な痛み」の治療にも保険適応が認められている点が大きな違いです。
Q.急にやめるとどうなりますか?(離脱症状)
イフェクサーは、他の抗うつ薬と比べても、急にやめたときの「離脱症状」が強く出やすいお薬として知られています。
主な症状としては、めまい、ふらつき、頭痛、吐き気、不安感、イライラ、焦燥感、電気が走るようなビリビリした感覚、耳の中でシャンシャン鳴るような不快な感覚が出ることがあります。
これらは病気の再発ではなく、体が薬のない状態に驚いて起こる反応です。お薬をやめる際は、必ず医師の指示に従って、数週間から数ヶ月かけてゆっくりと量を減らしていきます。
まとめ
イフェクサーは、つらい気分の落ち込みや意欲の低下を、脳内の物質のバランスを整えることで、ゆっくりと改善していくお薬です。大切なのは、「効果が出るまで焦らないこと」そして「自己判断で急にやめないこと」です。
「不安だけど、病院に行くべきか迷っている」 「自分に合った治療法を、専門家にじっくり相談したい」
そんなときは、一人で抱え込まずに専門家である医師に相談してみましょう。
ウチカラクリニックのオンライン診療なら、お忙しい方でもご自宅から気軽に医師の診察を受けることができます。
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