フロモックスの効果と副作用を解説！【医師監修】

　

フロモックスの副作用

主な副作用

最も多い副作用は、下痢や軟便、胃の不快感などの胃腸症状です。抗生物質が、お腹の中の「良い菌」まで一緒に退治してしまうことで起こります。その他、発疹などが報告されています。

頻度は稀ですが、以下のような症状が出た場合は、すぐに服用をやめて医療機関を受診してください。

• アナフィラキシーショック: 息苦しさ、全身のじんましん、冷や汗、急な血圧低下など。
• 重い肝機能障害: 高い熱が続く、強いだるさ、皮膚や白目が黄色くなるなど。
• 偽膜性大腸炎・出血性大腸炎: 血の混じったひどい下痢や、強い腹痛など。
• その他: 急性腎障害、血液障害（血小板減少など）、間質性肺炎（空咳、息切れ）などが報告されています。

　

副作用が出たときの対処法

下痢・軟便は、軽い場合は、整腸剤（ビオフェルミンなど）と一緒に飲むことで和らぐことが多いです。水のような激しい下痢や、血便が出た場合は、すぐに服用を中止し医師に相談してください。

発疹が出た際は、アレルギーの可能性があるので、飲むのをやめて、医師に連絡してください。

　

フロモックスの注意事項（禁忌）

使用に注意が必要な方

服用してはいけない方（禁忌）

• 過去にフロモックス（セフカペンピボキシル塩酸塩）でアレルギーを起こしたことがある方（禁忌）

特に注意して使う方（慎重投与）

• 他のセフェム系やペニシリン系抗生物質でアレルギーを起こしたことがある方（似た構造を持つため、注意が必要です）
• 本人や家族がアレルギー体質（気管支喘息、発疹、蕁麻疹など）の方
• 腎臓の機能が低下している方（お薬が体内に溜まりやすいため、量の調整が必要です）
• 高齢の方
• 口から食事がとれない方、全身状態が悪い方（ビタミンK欠乏症のリスクがあるため）
• 乳幼児（ピボキシル系特有の低血糖リスクがあるため）

　

併用に注意が必要な薬

抗生物質と一部の胃薬やサプリメントは、飲み合わせによって吸収や効果に影響が出ることがあります。

特にアルミニウム・マグネシウムを含む制酸剤や鉄剤は、飲むタイミングによってフロモックスの吸収が変わることがあります。

服用中の薬やサプリは、必ず医師・薬剤師にまとめて伝えてください。

　

使用上の注意

処方された分は飲み切る	「熱が下がったから」といって途中でやめると、生き残った菌が再び増えたり、薬が効かない「耐性菌」になったりする原因になります。必ず最後まで飲み切りましょう。
お酒（アルコール）	アルコールは体の免疫力を下げ、炎症を悪化させる可能性があります。治療中は飲酒を控えましょう。

　

保管方法

• 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
• 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら？

気づいた時にできるだけ早く飲んでください。ただし、次に飲む時間が近い場合は1回とばし、絶対に2回分を一度に飲まないようにしましょう。

　

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、フロモックスをはじめとしたお薬の処方も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

※心療内科ではシステム手数料をいただいております

フロモックスに市販薬はある？値段は？

市販薬

2025年11月現在、フロモックスと同じ成分（抗生物質）が入った市販薬はありません。抗生物質の内服薬は、医師の処方が必要です。

薬価

時期によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

薬剤名	区分	薬価（1錠あたり）	3割負担の目安（1錠あたり）
フロモックス錠100mg	先発品	約33.5円	約10.1円
セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「サワイ」など	後発品	約10.1円	約3.0円

※2025年11月23日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

　

添付文書

フロモックス錠75mg／フロモックス錠100mg

フロモックス小児用細粒100mg

　

よくある質問（FAQ）

Q.妊婦・授乳中でも飲めますか？

一般にセフェム系抗生物質は、妊娠中や授乳中でも比較的使いやすいお薬とされていますが、添付文書上は「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与」とされています。
また、フロモックスのようなピボキシル系抗生物質には特有の注意点（低カルニチン血症による低血糖など）もあるため、自己判断で服用せず、必ず医師と十分に相談したうえで処方を受けてください。

Q.子どもでも飲めますか？

小児科でも頻繁に使われるお薬ですが、注意が必要です。
特に乳幼児において、ピボキシル系抗生物質を長期に服用すると、体内の「カルニチン」という物質が減少し、低血糖を引き起こすリスクが報告されています。そのため、医師は症状や年齢を考慮し、必要最小限の期間で慎重に処方します。なお、低出生体重児や新生児に対する安全性は確立していません。

Q.飲むと眠くなりますか？運転はできますか？

眠くなる成分は含まれていないため、運転や機械の操作に影響はありません。

Q.いつから効き始めますか？

個人差はありますが、飲み始めてから2～3日で、熱が下がったり痛みが和らいだりといった効果を実感できることが多いです。

Q.お酒（アルコール）を飲んでもいいですか？

控えてください。アルコールは肝臓に負担をかけ、感染症の治りを遅らせてしまいます。しっかり治るまでは禁酒しましょう。

Q.歯茎が腫れて痛いのですが、フロモックスは市販されていますか？

いいえ、市販されていません。フロモックスは「歯周組織炎」や「歯冠周囲炎」など、細菌が原因の歯茎の腫れや化膿にも非常によく効き、歯科でも頻繁に処方されます。
しかし、抗生物質の飲み薬は市販されていないため、購入するには歯科、口腔外科、または対応可能な医療機関を受診して処方してもらう必要があります。 ドラッグストアで購入できるのは痛み止め（鎮痛剤）までであり、一時的に痛みは引いても、原因である細菌を殺すことはできません。

　

まとめ

フロモックスは、のどの痛みや膀胱炎、歯茎の腫れなど、細菌が原因の病気をしっかり治してくれる頼れる抗生物質です。症状が良くなっても、処方された分は最後まで飲み切るようにしましょう。

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