
「風邪をひいて、鼻水も熱ものどもつらい…」 「病院で『マリキナ』という粉薬を処方されたけど、PL顆粒と何が違うの?」
風邪のときによく処方される、サラサラした白い粉薬。それが「マリキナ配合顆粒」です。有名な「PL配合顆粒」と同じ成分のお薬ですが、名前が違うため戸惑う方もいるかもしれません。
今回は、このマリキナ配合顆粒がどのようなお薬なのか、効果や副作用を医師がやさしく解説していきます。
目次
マリキナ配合顆粒とは?効果は?
マリキナ配合顆粒は、「総合感冒薬(風邪薬)」というグループに分類される、熱、痛み、鼻水など、風邪の諸症状をまとめて和らげるお薬です。
4つの有効成分がバランスよく配合されており、風邪のひきはじめから、鼻水や喉の痛みがつらい時まで幅広く使われます。古くから使われている有名な風邪薬「PL配合顆粒」のジェネリック医薬品(後発医薬品)です。成分や効果はPL配合顆粒と変わりません。
医療用医薬品として、粉薬(バラや分包)が処方されます。
- マリキナ配合顆粒
マリキナ配合顆粒の成分
マリキナ配合顆粒には、以下の4つの成分が含まれています。これらがチームとなって風邪の症状と戦います。
- サリチルアミド: 痛みや熱を抑える成分(サリチル酸系)です。
- アセトアミノフェン: 穏やかに熱を下げ、痛みを和らげる成分です。
- 無水カフェイン: 頭痛を和らげたり、薬による眠気を少し抑えたりします。
- プロメタジンメチレンジサリチル酸塩: 抗ヒスタミン作用があり、鼻水やくしゃみを強力に抑えますが、同時に眠気が出やすい成分でもあります。
マリキナ配合顆粒の効果
- 解熱・鎮痛効果(熱を下げる、喉の痛みや頭痛を和らげる)
- 鼻水・くしゃみを止める効果
※風邪のウイルスそのものを殺す薬ではありません。症状を抑えて、体が治るのを助けるお薬です。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 感冒(かぜ)、上気道炎に伴う下記症状の改善
- 鼻汁、鼻閉(鼻づまり)、咽・喉頭痛、頭痛、関節痛、筋肉痛、発熱
マリキナ配合顆粒はオンライン診療で出せる?
「風邪で熱があって病院に行きたくない」「待合室で他の感染症をもらうのが怖い」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
マリキナ配合顆粒のようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
マリキナ配合顆粒に関するご相談や処方をオンライン診療にて承っております。
特に、「体調が悪く外出がつらいとき」や「待つのが苦手なお子様の受診」などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
マリキナ配合顆粒の使い方(用法・用量)
通常、1回1gを、1日4回服用します。
多くのお薬は「1日3回」ですが、PL配合顆粒は「1日4回」が基本です。 (例:朝・昼・夕食後と、寝る前など) これは、お薬の効果が切れる前に次を飲むことで、つらい症状を切れ目なく抑えるためです。医師の指示通りに服用しましょう。
マリキナ配合顆粒の副作用
主な副作用
最も頻度が高いのは眠気です。配合されている抗ヒスタミン成分の影響で、人によっては強い眠気を感じることがあります。
その他、口の渇き、胃の不快感、便秘などが報告されています。
副作用が出たときの対処法
服用中は、無理をせず体を休めることが一番です。仕事や勉強があるのに、眠気がつらい場合は、医師に相談して眠くなりにくい薬に変えてもらうことも検討しましょう。
口の渇きは、こまめに水分を摂ったり、飴を舐めたりして対策できることが多いです。
マリキナ配合顆粒の注意事項(禁忌)
使用に注意が必要な方
服用してはいけない方(禁忌)
- マリキナ配合顆粒、サリチル酸系の薬(アスピリンなど)、アセトアミノフェン、フェノチアジン系でアレルギーを起こしたことがある方(禁忌)
- 消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍など)のある方(禁忌)
- アスピリン喘息又はその既往歴のある方(禁忌)
- 強い眠気が出ている方、強い睡眠薬や麻酔薬などで意識がもうろうとしている方(禁忌)
- 閉塞隅角緑内障の方(禁忌)
- 前立腺肥大などで尿が出にくい方(禁忌)
- 2歳未満の乳幼児(禁忌)
- 重い肝機能障害のある方(禁忌)
マリキナ配合顆粒は、昔からある薬ですが、飲んではいけない人(禁忌)が多いお薬でもあります。
特に注意して使う方(慎重投与)
- 高齢の方
- 肝臓や腎臓に持病がある方
併用に注意が必要な薬
- アセトアミノフェンを含む他の解熱鎮痛薬・風邪薬:
マリキナ配合顆粒には既にアセトアミノフェンが含まれています。「カロナール」や市販の痛み止めなどを重ねて飲むと、成分が重複し、重い肝障害を起こす恐れがあります。 - 抗ヒスタミン薬(花粉症の薬など): 眠気や口の渇きが強く出ることがあります。
- 一部の安定剤や睡眠薬: 眠気が強く出すぎることがあります。
使用上の注意
| 運転は厳禁 | 眠気をもよおすことがあるため、服用中は自動車の運転や危険な機械の操作は避けてください。 |
| 自己判断で続けない | 数日飲んでも症状が良くならない場合や、長く飲み続けないとつらい状態が続く場合は、自己判断で飲み続けず、必ず医師に相談してください。 |
| お酒(アルコール) | 肝臓への負担を避けるため、治療中は飲酒を控えましょう。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時にできるだけ早く飲んでください。ただし、次に飲む時間が近い場合は1回とばし、絶対に2回分を一度に飲まないようにしましょう。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、マリキナ配合顆粒をはじめとしたお薬の処方も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

※心療内科ではシステム手数料をいただいております
マリキナ配合顆粒に市販薬はある?値段は?
市販薬
マリキナ配合顆粒とほぼ同じ成分の市販薬が販売されています。
- 「パイロンPL顆粒」(シオノギヘルスケア)など
※成分はほぼ同じですが、市販薬は自己判断での使用となるため、持病や飲み合わせがある方は医師・薬剤師に相談してから使いましょう。
ジェネリック
マリキナ配合顆粒自体が、先発品「PL配合顆粒」のジェネリック医薬品です。
薬価
時期によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
| 薬剤名 | 区分 | 薬価(1gあたり) | 3割負担の目安(1gあたり) |
|---|---|---|---|
| PL配合顆粒 | 先発品 | 約6.7円 | 約2.0円 |
| セラフィナ配合顆粒 など | 後発品 | 約6.5円 | 約2.0円 |
| マリキナ配合顆粒 | 後発品 | 約9.1円 | 約2.7円 |
※2025年11月23日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q.妊婦・授乳中でも飲めますか?
妊娠中の方、または妊娠している可能性のある方には、原則として慎重に使用すべきお薬です。
特に妊娠後期に使用すると、胎児の血管(動脈管)や腎機能、羊水量などに影響するリスクが報告されています。 授乳中の方は、母乳への移行も考えられるため、医師と相談のうえで「服用中は授乳を一時中断する」などの対応が必要です。
Q.子どもでも飲めますか?
お子さんへの使用は以下の通り非常に慎重な判断が必要です。
- 2歳未満: 使用できません(禁忌)
- 2歳以上15歳未満: インフルエンザや水ぼうそうの時、およびその回復期には、原則として使用しません。(ライ症候群という重い脳症のリスクがあるため)。
上記以外の場合でも、小児への安全性には十分な注意が必要なため、自己判断で飲ませず、必ず医師の診察を受けてください。
Q.飲むと眠くなりますか?運転はできますか?
抗ヒスタミン成分による眠気が強く出やすいため、服用中の運転は避けるべきです。また、眠気がなくても風邪による高熱や倦怠感があるため、完治するまで運転や危険な作業は避けるべきです。
Q.いつから効き始めますか?
服用後、30分〜1時間程度で効果が現れ始めます。1日4回飲むことで、効果を持続させることができます。
Q.お酒(アルコール)を飲んでもいいですか?
控えてください。アルコールは薬の副作用(特に眠気や肝臓への負担)を強めてしまいます。風邪を治すためにも、服用中は禁酒しましょう。
まとめ
マリキナ配合顆粒は、鼻水や熱などの風邪症状を総合的に和らげてくれる、頼れるお薬です。「1日4回飲む」「眠気が出やすいので運転はしない」「アセトアミノフェンとの重複に注意する」というルールを守って、ゆっくり体を休めることが回復への近道です。
「風邪でしんどいけど、病院で待つのはつらい…」 「しっかり効く風邪薬が欲しい」
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