【医師監修】ユベラ錠の効果と副作用を解説！市販薬はある？美容にいいの？

「手足がいつも冷たくて、冬はしもやけができる…」 「血行が悪くて、手足の感覚が鈍い気がする」

そんな血行不良による不調に対して、病院で処方される代表的なお薬が「ユベラ錠」です。ビタミンEを主成分とするお薬です。

今回は、このユベラ錠がどのようなお薬なのか、効果や副作用、そして多くの方が気になっている「美容目的での使用」や「市販薬との違い」について、医師がやさしく解説していきます。

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ユベラ錠とは？効果は？

ユベラ錠は、「ビタミンE（トコフェロール酢酸エステル）」を有効成分とするお薬です。

体の末端の血行を良くし、冷えやしもやけなどの症状を改善するために使用されることが多いです。

医療用医薬品としては、主に以下の種類があります。

• ユベラ錠50mg: 最も一般的な錠剤です。
• ユベラ顆粒20%: お子さんや錠剤が苦手な方向けの粉薬です。
• ユベラ軟膏
  • ユベラには、飲み薬だけでなく塗り薬もあります。効果や使い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。 [ユベラ軟膏の効果と使い方]

ユベラ錠の成分

有効成分は「トコフェロール酢酸エステル（ビタミンE）」です。

ビタミンEには、主に2つの働きがあると考えられています。

1. 末梢循環障害の改善:
   手足などの末梢血管の血行を良くし、冷えなどを改善することが期待されています。
   　
2. 過酸化脂質の増加防止:
   体内の脂質が酸化するのを防ぐ（抗酸化作用）働きがあると考えられています。

ユベラ錠の効果

ユベラ錠はビタミンEのお薬です。体の中でどう効くかは、まだ“全部はっきり”とは言い切れませんが、一般的には

• 手足などの血のめぐりを助ける
• 体の中の酸化（サビつき）を抑える方向に働く

といった作用があるとされています。

どんなときに使う？（適応疾患・部位）

医療用のユベラ錠は、以下の病気の治療として認められています。

• ビタミンE欠乏症
• 末梢循環障害（閉塞性動脈硬化症、しもやけ、手足の冷え、手足のしびれなど）
• 体の中の“酸化（サビつき）”が進みやすい状態を抑える目的（医師が必要と判断した場合）

⚠️「肩こり」の効能について

市販のビタミンE剤には「肩こり」の効能が書かれていることがありますが、医療用ユベラ錠の適応症（保険が適用される病気）には、明確に「肩こり」とは記載されていません。
医師が診察の上、血行不良が原因と判断した場合に処方されることはあります。

ユベラ錠と「ユベラN」の違いは？

「ユベラ」と名前がつくお薬には、「ユベラN（ユベラNカプセル／ソフトカプセル）」という別の種類があります。名前は似ていますが、成分や特徴が異なります。

ユベラ錠（トコフェロール酢酸エステル）

• ビタミンEそのもの。
• 穏やかに血行を改善します。
• 美容目的でも（自費で）よく使われます。

ユベラN（ニコチン酸トコフェロール）

• ビタミンEに「ニコチン酸」という成分が結合したもの。
• ニコチン酸の働きにより、血管を広げる作用がより期待できるとされています。
• 高血圧に伴う症状（肩こり、めまい等）にも適応があります。

【ユベラNの詳しい解説はこちら！】
→ユベラNの効果・副作用

ユベラ錠は美容目的で使える？（保険適用外）

ユベラ（ビタミンE）は、「若返りのビタミン」とも呼ばれ、シミ対策や美肌、アンチエイジング目的で美容クリニックなどで処方されることもあります。しかし、以下の点に注意が必要です。

美容目的は「保険適用外（自費）」になります

健康保険が使えるのは、あくまで「病気の治療」が必要な場合に限られます。 そのため、保険診療では、美容（美肌・アンチエイジング等）のみを目的とした処方は原則として認められていません。

美容目的で希望される場合は、全額自己負担（自費診療）となります。一般の病院（保険診療）では処方できないことがあるため、美容皮膚科や自費診療を行っているクリニックを受診する必要があります。

ユベラ錠と同じ成分の市販薬はある？

「病院に行く時間がない」「美容目的で使いたい」という場合は、ドラッグストアなどで購入できる市販薬を利用するのも一つの方法です。

おすすめの市販薬

エーザイから販売されている「ユベラ」シリーズが代表的です。

• ユベラCソフト:
  ビタミンEに加えて、ビタミンCも配合されているのが特徴です。しみ・そばかす、日やけによる色素沈着の緩和、末梢血行障害による肩・首すじのこり、手足の冷え・しびれ、しもやけなどに効果があります。
  　
• ユベラ贅沢ポリフェノール:
  こちらは医薬品ではなく「栄養機能食品」ですが、ビタミンEを摂取できるサプリメントとして販売されています。

医療用との違い

医療用のユベラ錠は「ビタミンE単剤」であることが多いですが、市販薬の多くは、相乗効果を狙ってビタミンCやB群などが配合された「複合剤」になっています。

シミ対策や肩こりの緩和には、ビタミンCなどが配合された市販薬の方が目的に合っている場合もあります。

ユベラ錠はオンライン診療で出せる？

「毎年しもやけがつらい」「血行不良で手足が冷えて眠れない」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

ユベラ錠のようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

特に、「体調が悪く外出がつらいとき」や「待つのが苦手なお子様の受診」などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

ユベラ錠の使い方（用法・用量）

通常、成人には1回1〜2錠（50〜100mg）を、1日2〜3回服用します。

年齢や症状によって、量は調整されます。