アクアチム軟膏の効果や副作用について医師が解説!ニキビに効く?ステロイドなの?

アクアチム

「赤く腫れたニキビができて、なかなか治らない…」 「子どもが、かきむしったところから“とびひ”になってしまった…」

こうした、皮膚の上で細菌が悪さをして起こる皮膚トラブル。その治療に広く使われるお薬が「アクアチム」です。ニキビの原因となるアクネ菌や、とびひの原因となるブドウ球菌などを殺菌する「抗生物質」の塗り薬です。

この記事では、ニキビからとびひまで、幅広く活躍するアクアチムについて、その効果や副作用、正しい使い方を医師が分かりやすく解説していきます。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも
ニキビや肌荒れの治療が可能!

クマの医師
  • 夜間・土日も診療
  • 全国から自宅で受診可能
  • 診療時間:09:00-22:00

※医師の判断で希望のお薬が処方できない場合があります。

肌荒れにお悩みの方はこちらから!
ニキビのオンライン診療

アクアチム軟膏とは?効果は?

アクアチムは、ニキビやとびひ(伝染性膿痂疹)など、皮膚の細菌感染症の治療に使われる「ニューキノロン系抗生物質」の塗り薬です。

ニキビの原因となるアクネ菌や、とびひの原因となる黄色ブドウ球菌など、幅広い細菌に対して優れた殺菌効果を発揮します。

アクアチムは、症状や塗る場所に合わせて選べるように、3つの剤形があります。

  • アクアチムクリーム1%: しっとりとした使用感のクリームタイプ。
  • アクアチム軟膏1%: より刺激が少なく、患部を保護する効果が高い軟膏タイプ。
  • アクアチムローション1%: さっぱりとした使用感の液体タイプで、頭皮など毛のある場所にも塗りやすいです。

アクアチム軟膏の成分

アクアチムの主役は、ナジフロキサシンという抗生物質です。

この成分は、細菌が増殖するために不可欠な遺伝子(DNA)の複製を邪魔することで、菌を殺菌します。

例えるなら、細菌の“設計図”のコピーを禁止して、細菌が増殖できないようにしてしまうイメージです。これにより、悪さをしている菌は増えることができなくなり、皮膚の症状が改善していきます。

アクアチム軟膏の効果

  • ニキビ(特に炎症性ニキビ)の改善
  • とびひ(伝染性膿痂疹)の改善
  • 毛のう炎(毛包炎)などの改善

原因となる細菌を殺菌することで、様々な皮膚感染症に効果を発揮します。

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 尋常性ざ瘡(ニキビ)
  • 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症
    • とびひ(伝染性膿痂疹)
    • 毛のう炎(毛包炎)
    • おでき(せつ、ちょう)など

ニキビだけでなく、お子様のとびひ治療などにも頻繁に処方されるのが特徴です。

アクアチム軟膏はオンライン診療で出せる?

「皮膚科に行く時間はないけど、本格的なニキビ治療を始めたい」「今の治療薬から、もっと効果の高い薬に変えたい」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

アクアチム軟膏のようなニキビ治療薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
アクアチム軟膏に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

デリケートな悩みや、急な発症で外出が難しい場合に非常に便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

アクアチム軟膏の使い方(用法・用量

1日2回、洗顔後(または患部を清潔にした後)使用します。

  1. 低刺激性の洗顔料で優しく洗顔し、タオルで押さえるように水分を拭き取ります。
  2. 化粧水や乳液などで、しっかりと保湿します。
  3. アクアチムを適量とり、ニキビやとびひなど、症状が出ている部分に優しく塗ります。

アクアチム軟膏の副作用

副作用は比較的少なく、使いやすいお薬ですが、以下のような症状が出ることがあります。

副作用

  • 赤み、ヒリヒリとした刺激感
  • かゆみ
  • 皮膚の乾燥、つっぱり感

副作用が出たときの対処法

いつも以上に、低刺激性の保湿剤でしっかり保湿してください。ヒリヒリ感が強い場合は、塗る量を減らしたり、1日おきに塗るなどして、少しずつ肌を慣らしていくのも有効です。

どうしても我慢できない場合や、症状がひどくなる場合は、自己判断で中止せず、処方した医師に相談してください。

アクアチム軟膏の注意事項・禁忌

使ってはいけない方(禁忌)

  • 過去にアクアチムの成分(ナジフロキサシン)や、他のキノロン系の薬剤でアレルギー症状を起こしたことがある方

併用に注意が必要な薬

塗り薬なので、飲み薬との間で特に問題となる飲み合わせは、基本的にありません。

使用上の注意

耐性菌に注意
アクアチムは抗生物質のため、長期間だらだらと使い続けると、薬が効かない「耐性菌」が生まれるリスクがあります。
目や粘膜を避ける
目や唇、口の中などには入らないように注意してください。
ピーリング剤との併用
スクラブ入りの洗顔料や、ピーリング作用のある化粧品との併用は、刺激が強く出ることため避けましょう。
紫外線対策
ニューキノロン系の薬剤は、光線過敏症のリスクが指摘されることがあります。念のため、塗った部分に強い紫外線が当たるのは避けた方が良いでしょう。

保管方法

  • 直射日光・高温を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所に置いてください。

塗り忘れたら?

気づいた時点で塗ってください。

ただし、次に塗る時間が近い場合は1回とばし、次の時間にいつも通り塗るようにしましょう。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、アクアチム軟膏の処方やニキビの治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

アクアチム軟膏に市販薬はある?値段は?

市販薬

2025年5月現在、アクアチムと同じ成分の市販薬はありません。 使用するには、医師の診断と処方が絶対に必要です。

ジェネリック名

アクアチムにはジェネリック医薬品(後発品)があります。

ナジフロキサシンクリーム/ローション/軟膏1%という名称で処方されます。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • アクアチムクリーム1%(10g):1本あたり 約221円
    (3割負担の場合、自己負担額は1本あたり約66円)
  • ナジフロキサシンクリーム1%「トーワ」(ジェネリック/10g):1本あたり 約112.5円
    (3割負担の場合、自己負担額は1本あたり約34円)

※2025年5月25日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

よくある質問(FAQ)

Q. 妊娠中や授乳中でも使えますか?
安全性が十分に確立されていないため、治療によるメリットがリスクを上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。

Q. 子供でも使えますか?
はい、お子様のとびひ治療などでよく使用されます。ただし、低出生体重児や新生児に対する安全性は確立されていないため、必ず医師の指示のもとでご使用ください。

Q. いつから効きますか?
個人差はありますが、炎症性のニキビやとびひに対しては、数日程度で赤みや腫れが引いてくるなど、効果を実感できることが多いです。

Q.長期間使い続けても大丈夫?
耐性菌のリスクがあるため、漫然とした長期使用は避けるべきです。一般的に、炎症が強く出ている期間に集中的に使い、症状が落ち着いたら治療を終了したり、他の薬に切り替えたりします。

Q.ダラシンTゲルとはどう違うのですか?
どちらもニキビに有効な抗生物質ですが、種類(系統)が異なります。アクアチムは「ニューキノロン系」、ダラシンは「リンコマイシン系」です。そのため、効きやすい菌の種類や耐性菌への効果が異なる可能性があります。

Q.毛穴の詰まりや白ニキビにも効きますか?
直接的な効果は期待できません。 アクアチムはあくまで「菌を殺す」お薬です。毛穴詰まりには、アダパレンやベピオなどを併用するのが効果的です。

まとめ

アクアチムは、赤く腫れたニキビだけでなく、お子様のとびひなど、幅広い皮膚の細菌感染症に頼りになる「抗生物質」の塗り薬です。

効果が高い一方で、すべての抗生物質に共通する「耐性菌」のリスクも持っています。そのため、医師の指示通りに期間を守って使い、だらだらと長期間使用しないことが非常に重要です。

この記事が、アクアチムへの理解を深め、つらい皮膚症状を正しく治療するための一助となれば幸いです。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも
ニキビや肌荒れの治療が可能!

クマの医師
  • 夜間・土日も診療
  • 全国から自宅で受診可能
  • 診療時間:09:00-22:00

※医師の判断で希望のお薬が処方できない場合があります。

肌荒れにお悩みの方はこちらから!
ニキビのオンライン診療

ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。