パントテン酸カルシウムの効果・副作用を医師が解説【パントシン】

パントテン酸

「繰り返しできるニキビや肌荒れを、内側からケアしたい」「ストレスや疲れが溜まっている感じがする…」

そんな、美容や健康の悩みに対して、皮膚科などで処方されることがあるのが「パントテン酸」です。 「ビタミンB5」としても知られる、私たちの体にとって欠かせない栄養素の一つです。

この記事では、そんなパントテン酸について、体の中での働きや効果、そしてサプリメントとの違いなどを、医師が分かりやすく解説していきます。

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パントテン酸とは?効果・効能は?

パントテン酸は、ビタミンB5」とも呼ばれる水溶性のビタミンです。体内の様々な代謝を助ける「縁の下の力持ち」のような存在で、特にエネルギー産生皮膚や粘膜の健康維持に深く関わっています。

医療用では、「パントシン」パントテン酸カルシウムとして処方されることが多く、錠剤や散剤(粉薬)があります。

パントテン酸の成分

有効成分はパントテン酸です。

パントテン酸は、体内に吸収されるとコエンザイムA(CoA)という、非常に重要な「補酵素」の構成成分となります。

このコエンザイムAは、体の中の「代謝の司令塔」のような働きをします。

  1. エネルギー産生
    私たちが食事で摂った糖質、脂質、タンパク質を、活動のエネルギーに変える過程で、コエンザイムAが不可欠な役割を果たします。
  2. 皮膚や粘膜の健康維持
    皮膚のバリア機能や、細胞の生まれ変わりをサポートします。皮脂の分泌をコントロールする働きも期待されています。
  3. ホルモンや抗体の生成
    ストレスに対抗するための副腎皮質ホルモンや、免疫に関わる抗体の合成にも関与しています。

このように、パントテン酸は体の基本的な機能を維持するために、様々な場面で活躍しています。

パントテン酸効果

体内の代謝を正常に保つことで、様々な症状の改善を助けます。

  • 湿疹、皮膚炎、口内炎などの皮膚・粘膜のトラブル
  • ニキビ、肌荒れ
  • 疲労回復のサポート
  • 腸の動きが悪い場合(弛緩性便秘)

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • パントテン酸の欠乏、または代謝障害が関与すると推定される次の疾患
    • 湿疹、皮膚炎、口内炎、舌炎
    • 弛緩性便秘
  • パントテン酸の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給
    • 消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦など

パントテン酸はオンライン診療で出せる?

「肌荒れが治らない…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

パントテン酸のようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
パントテン酸に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

パントテン酸の使い方(用法・用量

通常、成人には1日30mg〜180mgを、1〜3回に分けて服用します。

症状や目的によって用法・用量が異なります。必ず医師の指示通りに使用してください。

パントテン酸の副作用

ビタミン剤であるため、副作用はほとんどなく、極めて安全性が高いことが最大の特徴です。過剰に摂取しても、水溶性ビタミンのため尿として体外に排出されます。

主な副作用

基本的には報告されていません。ごくまれに、大量に服用した場合に下痢や腹部膨満感が起こることがあります。

副作用が出たときの対処法

万が一、服用を始めてから体調に変化を感じた場合は、医師や薬剤師に相談してください。

パントテン酸の注意事項(禁忌)

使ってはいけない方

  • 重度の腎機能障害(高用量で電解質負荷)
  • カルシウム制限中の方(カルシウム塩の場合)

絶対に使ってはいけない人(禁忌)はありません。

併用に注意が必要な薬

  • テトラサイクリン系抗生物質→キレート形成で吸収DOWN
  • 経口避妊薬・抗てんかん薬→ビタミン需要UPの可能性

使用上の注意

バランスの良い食事を心がけるパントテン酸は、肉類、魚介類、卵、玄米、アボカド、納豆など、非常に多くの食品に含まれています。まずは、特定の食品に偏らず、バランスの良い食事から摂取することを基本としましょう。
サプリメントの過剰摂取に注意パントテン酸は安全性の高いビタミンですが、市販のサプリメントなどを利用する場合は、製品に記載された用量を守り、自己判断で長期的に大量摂取することは避けましょう。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時点で、忘れた分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、1回分をとばしましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、パントテン酸をはじめとしたお薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

パントテン酸に市販薬はある?値段は?

市販薬

はい、非常にたくさんあります。

パントテン酸(ビタミンB5)は、マルチビタミンやビタミンB群のサプリメントニキビや肌荒れ向けの市販薬などに、主要な成分として広く配合されています。

ジェネリック

「パントテン酸」そのものが成分名であり、様々なメーカーから「パントシン」パントテン酸カルシウムなどの名称で、ジェネリック医薬品として処方されています。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • パントシン錠30mg(先発品):約9.8円/錠(3割負担の場合:約3円)
  • パントテン酸Ca錠30mg「タイヨー」(ジェネリック):約5.7円/錠(3割負担の場合:約2円)

※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

パントシン錠30/パントシン錠60/パントシン錠100/パントシン錠200/パントシン散20%/パントシン細粒50%

よくある質問(FAQ)

Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
パントテン酸は、妊娠中・授乳中に需要が増加するビタミンの一つです。通常量を服用する分には安全と考えられていますが、過剰摂取は避けるべきです。自己判断でサプリメントなどを追加せず、必ず医師に相談してください。

Q. 子供でも使えますか?
はい、お子様にも安全に使用されます。 ただし、お子様の場合は、年齢や症状に応じて服用量を調整する必要がありますので、必ず医師の指示に従ってください。

Q. いつから効きますか?
この薬は、体質をじっくりと改善していくお薬です。即効性はありません。個人差はありますが、ニキビや肌荒れなどの皮膚症状に対しては、少なくとも1ヶ月以上、毎日きちんと飲み続けることで、肌質の変化を感じられることが多いです。

Q. ニキビに本当に効くのですか?
パントテン酸は、皮脂の分泌を正常化したり、肌のターンオーバーを助けたりする働きがあるため、皮脂の過剰分泌が原因のニキビなどには効果が期待できます。ただし、ニキビの原因は様々ですので、必ず効果があるとは限りません。他の治療と組み合わせて使われることが多いです。

Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
特に問題ありません。ただし、アルコールの代謝には多くのビタミンB群が使われるため、過度な飲酒はビタミンの消耗につながります。

Q. シャンプーの「パンテーン」と関係ありますか?
はい、関係があります。「パンテーン」という名前の由来は、「パンテノール」という成分です。パンテノールは、パントテン酸の誘導体で、肌や髪に浸透しやすく、体内でパントテン酸に変化します。そのため、多くの化粧品やヘアケア製品に保湿・補修成分として配合されています。

Q. 市販のサプリメントとの違いは何ですか?
一番の違いは「医薬品」であるかどうかです。 医療用のパントテン酸は、欠乏症などの「病気」に対する治療効果が国から認められた医薬品であり、品質や含有量が保証されています。一方、サプリメントはあくまで「栄養補助食品」であり、治療効果を謳うことはできません。

まとめ

パントテン酸(ビタミンB5)は、エネルギー産生や皮膚・粘膜の健康に欠かせない、非常に安全性の高いビタミンです。

ニキビや肌荒れ、口内炎といった身近なトラブルから、疲労感の回復まで、体の土台作りをサポートしてくれます。 効果を実感するには、毎日コツコツと飲み続けることが大切です。サプリメントも手軽ですが、気になる症状の治療として考えている場合は、一度、医師に相談してみましょう。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。