
「子どものぜんそく、吸入がうまくできなくて…」「夜中や明け方の咳を、なんとか予防したい」
そんな、ぜんそくの症状をコントロールするために、肌に「貼る」というユニークな使い方をするお薬が「ホクナリンテープ」です。 特に、吸入が難しい小さなお子様のぜんそく治療に、長年広く使われています。
この記事では、そんなホクナリンテープについて、効果の仕組みや副作用、そして最も重要な「正しい貼り方」や注意点を、医師が分かりやすく解説していきます。
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ホクナリンテープとは?効果・効能は?
ホクナリンテープは、「長時間作用性β2(ベータツー)刺激薬」という種類に分類される、気管支拡張薬です。皮膚からゆっくりと成分を吸収させることで、24時間にわたって気管支を広げ続け、ぜんそくの発作を予防します。
ホクナリンテープには、主に年齢や体格に合わせて使い分ける、3つの規格があります。
- ホクナリンテープ0.5mg:主に0.5歳〜3歳未満の小児用
- ホクナリンテープ1mg:主に3歳〜9歳未満の小児用
- ホクナリンテープ2mg:主に9歳以上の小児及び成人用
ホクナリンテープの成分
有効成分は「ツロブテロール」です。 この薬は、皮膚に貼ることで、有効成分が皮膚を通してゆっくりと血液中に吸収され、全身を巡って気管支に到達します。
- ツロブテロールが、気管支の筋肉にある「β2受容体」という“スイッチ”を刺激する。
- スイッチが刺激されると、硬く収縮していた気管支の筋肉がゆるむ。
- その結果、気管支が広がり、空気の通り道が確保され、呼吸が楽になる。
この効果が24時間持続するため、1日1回貼るだけで、夜間や早朝を含め、ぜんそく発作が起きにくい安定した状態を維持します。
ホクナリンテープの効果
気管支を広げることで、呼吸を楽にし、ぜんそくなどの症状を和らげます。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解
- 気管支ぜんそく、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫
ホクナリンテープはオンライン診療で出せる?
「喘息で薬が必要」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
ホクナリンテープのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
ホクナリンテープに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
ホクナリンテープの使い方(用法・用量)
通常、年齢に応じて、0.5mg、1mg、または2mgのテープを1日1回1枚貼ります。毎日同じくらいの時間に貼り替えます。
貼り方
- 胸、背中、または上腕部のいずれかの清潔で乾いた皮膚に、1枚を貼ります。
- 汗をかいている場合は、よく拭き取ってから貼りましょう。
- 皮膚への刺激を避けるため、毎日少しずつ場所をずらして貼り替えるのがポイントです。

ホクナリンテープの副作用
主な副作用
- 皮膚症状:貼った場所の赤み、かゆみ、発疹
- 手の震え(振戦)
- 動悸(心臓がドキドキする感じ)
- 頭痛
副作用で多いのは、貼った場所の皮膚症状と、β2刺激薬に特有の症状です。
副作用が出たときの対処法
皮膚のかゆみや赤みは、毎回貼る場所を変えることで軽減できます。それでもひどい場合は、医師に相談してください。手の震えや動悸は、体が慣れると軽くなることが多いですが、気になる場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
ホクナリンテープの注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にホクナリンテープの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方 (禁忌)
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)の方
- 高血圧、心臓病、糖尿病やてんかん既往のある方
- アトピー性皮膚炎などで皮膚が敏感な方
- 妊娠中(特に末期)・授乳中→乳児の頻脈報告あり
- 小児への高用量→過量投与で振戦・頻脈に注意
併用に注意が必要な薬
- β遮断薬(アテノロールなど)
- 利尿薬・デジタリス→低K血症・不整脈リスク
- 他のβ<sub>2</sub>刺激薬/テオフィリン製剤
- QT延長薬(一部抗菌薬・抗うつ薬)
使用上の注意
発作が起きた時には使わない(リリーバーを使用) | この薬は、今起きているぜんそく発作をすぐに鎮める薬(リリーバー)ではありません。 急な発作の際には、必ず医師から処方されている、速効性の発作治療薬(サルブタモールなど)を使用してください。 |
貼る場所を毎回変える | かぶれなどの皮膚トラブルを防ぐため、前回貼った場所は避け、少しずつずらして新しい場所に貼りましょう。 |
保管方法
- 室温・直射日光を避け、アルミ袋開封後は速やかに使用。
- 子どもの手の届かない場所へ。
貼り忘れたら?
気づいた時点でできるだけ早く1回分を貼ってください。
ただし、次の貼り替えの時間が近い場合は、1回分をとばしましょう。絶対に2枚を一度に貼ってはいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ホクナリンテープをはじめとしたお薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ホクナリンテープに市販薬はある?値段は?
市販薬
2025年6月現在、ホクナリンテープと同じ成分の市販薬は販売されていません。
医師の処方が必要な医療用医薬品です。
ジェネリック
ジェネリック医薬品(後発品)があります。
「ツロブテロールテープ「製薬会社名」」という名称で発売されています。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ホクナリンテープ2mg(先発品):約42.3円/ボンベ(3割負担の場合:約13円)
- ツロブテロールテープ2mg「サワイ」(ジェネリック):約21.2円/ボンベ(3割負担の場合:約6円)
※2025年6月25日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
ホクナリンテープ0.5mg/ホクナリンテープ1mg/ホクナリンテープ2mg
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。
Q. 子供でも使えますか?
はい、生後6ヶ月の赤ちゃんから使える、小児ぜんそく治療の代表的なお薬です。年齢に合わせて0.5mg、1mg、2mgと規格が分かれており、安全に使えるようになっています。
Q. いつから効きますか?
皮膚からゆっくり吸収されるため、即効性はありません。貼ってから数時間かけて徐々に効果が現れ始め、24時間持続します。ぜんそくを安定させる予防薬として、毎日続けることが大切です。
Q. ぜんそくの発作が起きた時に貼ってもいいですか?
いいえ、意味がありません。 ホクナリンテープは、今起きている発作をすぐに鎮める薬ではありません。発作時は、医師から指示された速効性の吸入薬などを使用してください。
Q. お酒と一緒に使っても大丈夫?
ホクナリンテープとアルコールの間に、直接的な相互作用はありません。しかし、人によってはアルコールがぜんそく発作の引き金になることもありますので、飲み過ぎには注意しましょう。
Q. 運転してもいいですか?
はい、問題ありません。眠気を催す成分は入っていません。
Q. これはステロイドの薬ですか?
いいえ、ステロイドは入っていません。 気管支を広げるβ2刺激薬という種類のお薬です。
Q. テープが剥がれてしまったら?
まずは、もう一度しっかり貼り直してみてください。それでも剥がれてしまう場合は、新しいテープを貼り直しても構いません。ただし、2枚同時に貼ることのないように注意してください。
まとめ
ホクナリンテープは、1日1回貼るだけで、24時間気管支を広げ続け、ぜんそくなどの症状を予防する、ユニークな貼り薬です。
特に、吸入が苦手な小さなお子様にとって、ぜんそくをコントロールするための非常に重要な治療選択肢です。 最も大切なのは、発作を止める薬ではないと理解し、症状がない時でも毎日続けること、そして毎回貼る場所を変えることです。 特徴を正しく理解し、医師の指示のもとで治療を続けましょう。
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