
「歯が痛くて、ロキソプロフェンという薬をもらった」「熱が出たけど、市販のロキソニンと同じ薬?」
「ロキソプロフェンNa錠60mg」は、頭痛、生理痛、歯痛、発熱など、様々な「痛み」や「熱」の症状に対して、病院で最もよく処方されるお薬の一つです。有名な市販薬「ロキソニンS」の元になった医療用医薬品でもあります。
この記事では、そんなロキソプロフェンについて、効果の仕組みや副作用、そして安全な使い方を、医師が分かりやすく正確に解説していきます。
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INDEX
ロキソプロフェンとは?効果は?
ロキソプロフェンは、「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs – エヌセイズ)」という種類に分類される、解熱鎮痛薬です。
「炎症を抑え、痛みを鎮め、熱を下げる」という3つの働きをバランス良く持っています。
一般的に「ロキソプロフェンNa錠60mg」が処方されますが、他にもいくつかの種類があります。
先発医薬品は「ロキソニン」が有名です。
- ロキソプロフェンNa錠60mg:最も一般的な錠剤
- ロキソプロフェンNa細粒10%:粉薬
- その他、外用薬としてテープ、パップ、ゲルなどがあります
ロキソプロフェンの成分
有効成分は「ロキソプロフェンナトリウム水和物」です。
体内で痛みや熱、炎症を引き起こす原因物質「プロスタグランジン」が作られるのをブロックすることで、効果を発揮します。
ロキソプロフェンは「プロドラッグ」と呼ばれる種類の薬で、体内に入ってから初めて効果を発揮する有効成分に変化します。
胃の中ではまだ“眠ったまま”なので、胃の粘膜への直接的な刺激が少なく、胃腸障害の副作用が比較的軽減されるように工夫されています。
ロキソプロフェンの効果
優れた解熱・鎮痛・抗炎症作用により、幅広い症状に使われます。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 頭痛、歯痛、生理痛(生理前後の腹痛)、腰痛症
- 関節痛や筋肉痛(関節リウマチや変形性関節症の痛み緩和にも)
- 外傷や手術後の痛み
- 発熱や炎症がある症状全般(インフルエンザ・コロナ・喉の痛みなど)
整形外科や歯科、婦人科など幅広い診療科で処方されるほか、市販薬としてもよく見かけます。
一般的に解熱鎮痛剤目的で使用することが多いです。
「本当にインフルエンザなどで解熱鎮痛剤をつかってもいいの?他の解熱剤は?」などが気になる方はこちらの記事も参照してください。
ロキソニン(ロキソプロフェン)とカロナール(アセトアミノフェン)との違いは?
ロキソニン(ロキソプロフェン)とカロナール(アセトアミノフェン)は、どちらも解熱鎮痛薬ですが、作用機序が異なります。
- ロキソニン:末梢での抗炎症作用が強く、効果が強い反面、胃腸障害などの副作用リスクが高く、妊婦や小児には基本的に使用できない
- カロナール:主に中枢神経系に作用し、抗炎症作用はほとんどないため、胃腸への負担が少なく、妊婦や小児にも使用可能
詳しくはこちらの記事を参照してください。
ロキソプロフェンの使い方(用法・用量)
成人の一般的な用法用量
定期服用の場合(リウマチ、変形性関節症、腰痛症など)
- 1回1錠(60mg)を1日3回服用
- 年齢・症状により適宜増減
頓服の場合(解熱・鎮痛など)
- 1回1錠(60mg)を頓服
- 1日最大3錠(180mg)まで
- 服用間隔は4〜6時間以上あける
服用時の注意点
- なるべく空腹時の服用は避け、食後または食間に服用する
- 1回量を守り、自己判断で増量しない
- 頓服の場合でも服用間隔(4〜6時間以上)を守る
- 医師の指示なく長期連用しない
服用のタイミング
- 定期服用の場合:朝・昼・晩の1日3回、できるだけ等間隔で服用
- 頓服の場合:痛みが出始めたら早めに服用すると効果的
- 発熱の場合:熱が高くなる前に服用すると効果的
いずれの場合も、胃への負担を減らすために、なるべく空腹時を避けて服用しましょう。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、症状に応じてロキソプロフェンの処方やアレルギー症状の治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ロキソプロフェンの注意事項(禁忌)
併用に注意が必要な薬
- 他のNSAIDs(解熱鎮痛剤):成分が重複して副作用が増えるおそれが
- 抗凝固薬(ワルファリン)・抗血小板薬:出血リスク↑
- ステロイド・SSRI :胃腸障害↑
- 高血圧・利尿薬 :腎機能低下リスク↑
他の薬を飲んでいる場合は、必ず医師や薬剤師に伝えて確認してもらいましょう。
使用上の注意
- 消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)、アスピリン喘息、妊娠後期(28週以降)の人には絶対に使用できません。【禁忌】
- 食後or牛乳と一緒に飲むと胃荒れ予防に◎
- 長期連用は胃・腎トラブルのもと。2週間以上続く痛みは医師へ相談を
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避けて保管しましょう。
- 子どもの手の届かない場所に置いてください。
飲み忘れたら?
痛み止めとして頓服で使う場合、飲み忘れは基本的に「必要なときに飲む」形なので、思い出した時点で服用してOK。
定期服用している場合は、次の予定まで4時間以上あれば思い出した時点で1錠。間隔が短い場合はスキップしましょう。
2回分をまとめて飲むのはNGです。
ロキソプロフェンの副作用
主な副作用
NSAIDsに共通する代表的な副作用としては、以下が挙げられます。
- 胃腸障害(腹痛、胃もたれ、吐き気など)
- 腎機能障害:長期連用や高齢者では注意
- 発疹・かゆみ:アレルギー反応に注意
- めまい・倦怠感:体質によっては起こることも
比較的よくあるのが「胃腸障害」です。ロキソプロフェンは、空腹時に飲むと胃を荒らしやすいため、なるべく食後に服用するようにしましょう。
副作用が出たときの対処法
- 胃痛や吐き気が続く場合:医師に相談し、胃薬を併用してもらうなど対策をとりましょう。
- 腹部の痛みや血便などの症状:自己判断で中断せず、早めに受診してください。
- かゆみやじんましんが出た場合:速やかに服用を中止し、医師に相談を。
ロキソプロフェンに市販薬はある?値段は?
市販薬
ロキソプロフェンには市販薬も存在します。
「ドラッグストアでサッと買えるけど、用量・回数・胃腸ケアは処方薬と同じルール」。痛みが長引く・悪化する場合は早めに医療機関を受診してくださいね。
製品名(第1類 OTC) | 有効成分/量 | 追加成分の特徴 | 1回量 | 参考価格〈12錠〉 | こんなときに |
---|---|---|---|---|---|
ロキソニンS | ロキソプロフェンNa 60 mg | ― | 1錠 | ¥560〜770 | まずは定番! |
ロキソニンSクイック | 同上 | 速崩壊基剤で素早く溶ける | 1錠 | ¥600前後 | 早く効かせたいとき |
ロキソニンSプラス | 同上 | 酸化Mg配合で胃をガード | 1錠 | ¥620〜800 | 胃が弱い人に |
ロキソニンSプレミアム | 同上 | カフェイン+鎮静成分で効きめUP 胃粘膜保護剤も追加 |
2錠 | ¥750〜900 | つらい頭痛・生理痛 |
ジェネリック名
ロキソプロフェン自体がジェネリックです。
先発品は「ロキソニン」という名前で販売されています。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ロキソプロフェンナトリウム錠60mg(後発品):約6.7円〜10.4円/錠
- ロキソニン錠60mg(先発品):約10.4円/錠
- ロキソニン細粒10%(先発品):約11.9円/g
※2025年4月29日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊娠中や授乳中でも使える?
妊娠後期の方は禁忌(使用禁止)です。それ以外の期間でも、自己判断での服用は絶対にやめてください。授乳中も、医師が必要と判断した場合にのみ使用されます。必ず医師に相談してください。
Q. 小児でも使える?
小児(15歳未満)への使用は推奨されていません。インフルエンザ脳症との関連も指摘されており、お子様の解熱・鎮痛には、より安全性の高いアセトアミノフェン(カロナールなど)が第一に選択されます。
Q. 運転への影響は?
ロキソプロフェン自体は眠気やめまいを引き起こす可能性が低く、運転への支障は少ないとされています。ただし、高熱時や痛みが強いときは判断力が落ちる場合があるので、体調が悪いと感じるときは運転を控えるのが安心です。
Q. 飲み始めてどのくらいで効果が出る?
個人差はありますが、痛みや熱に対しては比較的早く、服用後30分〜1時間程度で効果が現れ始めます。
Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
ロキソプロフェンと大量のアルコールを同時に摂取すると、肝臓に大きな負担がかかる恐れがあります。できるだけ控えめにしておくのがおすすめです。
まとめ
ロキソプロフェンNa錠60mgは、「ロキソニン」のジェネリック医薬品であり、痛み・熱・炎症をしっかり抑える、非常に効果的なお薬です。
その効果の反面、胃腸障害などの副作用のリスクがあり、必ず食後に服用する、飲酒を避けるといったルールを守ることが大切です。
市販もされており身近な薬ですが、持病のある方や妊娠中の方など使えない場合もあるため、特徴を正しく理解し、安全に使いましょう。
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