脂質異常症の初期症状とは?コレステロールが高いとどうなる?特徴を医師が徹底解説。

「コレステロールなんて、別に放っておいても大丈夫。今なんの症状もないし、何を気にすることがあるの?」

あなたはこんな甘い考えを持ってはいませんか?それは大間違いです。

悪玉コレステロールが高くても、最初に症状が出ないのは当たり前の話。しかし、高い状態で放っておくと命に関わる場合もあれば、皮膚や目など意外な所に異常なサインが出る場合があるんです。

今回は意外に知られていないコレステロールが引き起こすサインについて徹底解説していきます。

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脂質異常症の症状。コレステロールが高いとどうなる?

まず、コレステロールによるサインとは「悪玉コレステロール」と呼ばれるLDLコレステロールが、基準値を明確に超えた状態で放っておくと起こりうるサインです。

LDL自体はホルモンの材料や、細胞にとって必ず必要な細胞膜を作る成分を全身に運ぶ仕事があり、非常に重要な存在ではあるのですが、多すぎると体に悪影響を及ぼす場合があるんです。

あなたは自分のLDLがいくつかちゃんとわかっていますか?健康診断の結果を引っ張り出してきて確認してみましょう。

脂質異常症の症状①目の周りが黄色くふくらむ

多くの方がご存じないかもしれませんが、コレステロールが高いと目に症状が出ることがあります。

写真でみるとこのような感じ。この目の周りの部分がぷっくり盛り上がっているのがわかります。

これがコレステロールが高いと引き起こされる皮膚のサイン、少し黄色がかって見えることから医学用語で「黄色腫(おうしょくしゅ)」と呼びます。

しかし、なぜコレステロールが高いとこの黄色腫ができてしまうのでしょうか?

先ほど説明したように、悪玉コレステロールことLDLコレステロールは、普段は体に必要な成分なのですが、過剰になってしまうと、仕事がなくなったLDLはいわゆるプータロー状態になってしまい、最終的に仕事がない状態が続くと「酸化LDL」という体に有害な物質に変貌をとげてしまうのです。

そしてこの害のある酸化LDLに対して、異物を食べる仕事をしている「マクロファージ」という細胞が、この酸化LDLを異物とみなしパクパク食べてしまいます。

そしてこのマクロファージが蓄積したものが、この黄色腫として皮膚に出現し、私たちにもわかるサインとしてあらわれる、このような仕組みになっているんですね。

大きいと数cmものサイズになることもあります。

この黄色腫自体が何か悪さをするというわけではありませんし、単純に加齢によって出現することもあります。

しかし、この皮膚のサインがあると悪玉コレステロールの数値が高い状態が原因かもしれないので、鏡で自分の顔を見てみてもしこの黄色腫を見つけて「黄色い盛り上がりがある。最近健康診断受けていないから、もしかして…」と思った人は、是非一度まずは健康診断を受けてみてくださいね。

脂質異常症の症状②目の中に白い輪っかができる

黄色腫は目の周りのサインでしたが、こちらは目の中のサイン。

お見せするとこんな感じ。すぐわかり辛いかもしれませんが、黒目の周りに白いわっかのようなものが見えるのが、おわかりいただけますでしょうか。

この白いわっかが、実はコレステロールの固まりなんですね。医学用語で「角膜輪」(かくまくりん)と呼ばれるものです。

黒目の表面の角膜にコレステロールが沈着することが原因なので、こう呼ばれているんですね。

この角膜輪は、いわゆる遺伝が原因でコレステロールが高い場合に起こることがあります。

そもそも皆さんはコレステロールが遺伝の影響で上がることがあるのをご存じでしたか?

医学用語で「家族性高コレステロール血症」と呼ぶのですが、日常生活の乱れなどがないのに、LDLが非常に高くなってしまう場合があるんです。

「すごく健康的な生活をしているのに、コレステロールだけ変に高いなあ…」こんな人は、もしかしたらこの病気かもしれません。

この病気は本当に気付かれにくい病気なので、是非覚えておいてください。

なので、悪玉コレステロールが高い脂質異常症は生活習慣病の一種ではあるんですが、「生活習慣病」という言葉は実は必ずしも正確ではなくて、習慣に関係なく遺伝で上がってしまう場合がある、この事実は非常に重要なので覚えておいてください。

コレステロールが高いのは心筋梗塞のリスクなどを上げるとされている怖い状態です。もしこの角膜輪のサインがある場合は若くても検査が必要なんですね。

年齢を重ねてくると、他の原因でわっかができることもあるのでわかりにくいんですが、50歳より若い年齢でこの白いわっかが存在したら、早めに血液検査を行って欲しいと思いますので、是非覚えておいて欲しいと思います。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、脂質異常症のお薬に対する処方の相談を随時受け付けています。

「いつも同じ薬を貰うだけなのに通院はめんどう…」と薬を飲むのをやめてしまった方もオンライン診療なら、家で診察が受けられ、自宅への郵送でお薬を受け取ることもできますよ。

脂質異常症の症状③足首の異常

足首に異変が起きた時、まさかコレステロールが原因だとは思わないでしょうが、実際にこういうことが起きるんです。

具体的に異常が起きる場所は「アキレス腱」なんですね。

実はアキレス腱の部分に、コレステロールが沈着してしまうことがあります。

外側から見てもわかり辛いこともあるのですが、実際にアキレス腱の部分を触ってみると、カチカチになっていて、明らかに分厚くなっている事があります。

この現象を医学用語で「アキレス腱肥厚(ひこう)」と呼び、先ほど紹介した遺伝による悪玉コレステロールの異常がある可能性をかなり上げる所見です。

あなたのアキレス腱は大丈夫でしょうか。この異常も知らないとなっかなか気付く事ができませんし、まさか内科の病気が原因と思いづらいです。

押した時の痛みや、歩いた時の痛みが出現する場合もあります。

最初は異変を感じたら整形外科の受診でも良いかもしれませんが、この知識は頭に留めておいてください。

脂質異常症の症状④皮膚の異変

最初の方で紹介した、目の黄色腫なんですが、なんとこちらが体の様々な場所に出現することがあるんです。

具体的には、肘、ひざ、手首といった関節が曲がる場所に多いんです。

写真でみると、皮膚の一部が明らかに黄色がかってみえるぶつぶつができることがあります。

こちらも特に遺伝によるコレステロールの異常で起こりやすいので、「なんかぶつぶつがあるなあ…」と放置せず、特に黄色が勝っている場合は一度医者の診察を受けるようにしてください。

まずは皮膚科の受診で良いでしょう。

コレステロールが高い状態を放置するとどうなる?

さて、そしてこういったサインを見逃し続け、悪玉コレステロールが高い状態を放置し続けた時には、一体どんなサインが起きるのか。

この次の段階で起きるサインに関しては、少々お伝えし辛いです。

というのも、そのサインは見つけたから早期発見に役に立つ、といった類のものではなく、

  • 心筋梗塞による胸の痛み
  • 脳梗塞による体の麻痺
  • 足の動脈硬化による足の激痛

といったすでに大病の段階で起こるサインだからです。

このポイントこそがコレステロール、脂質異常症をはじめとした生活習慣病の怖い所で、本当に大きな病気の症状になるまで、物音一つたてず血管の老朽化、動脈硬化を体の中で淡々と進めていくのです。

「何かあったから行動を改めてどうにかなる」という問題ではなく、野球のように3アウトでは済まず、症状が出るころには一撃で命を落としたり、大きな後遺症が残る可能性があります。

だからこそ「健康診断で数値が高くても大丈夫でしょ」「症状がないから大丈夫でしょ」と思って欲しくありません。

折角の大病を食い止めるための貴重な機会なので、受けた健康診断を無駄にせず、治療が必要なレベルならばクリニックに行って欲しいですし、生活習慣に課題がある場合は見直して欲しいと思います。

  • 肉の脂身やホルモンなどの動物性の脂を食べ過ぎない
  • 運動を全くしていない人は1日5分のウォーキングから始める
  • 食物繊維をしっかりとる

といった対策から始めて行きましょう。

コレステロールを下げる方法についてはこちらの記事でまとめてありますので、ぜひこちらも是非参考にしてください。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。