
“寒気がするけど風邪かな?”――そう決めつけるのは早いかもしれません。悪寒はインフルエンザや風邪のほか、肺炎・髄膜炎、さらには新型コロナやその後遺症でも起こることがあります。放っておかず、適切に対処することが大切です。
この記事では ①悪寒を招く主な病気 ②コロナとの関わり ③自宅でできるケアと受診のタイミング ④後遺症として続く悪寒への向き合い方――を医師の視点でコンパクトにまとめました。寒気のしくみを知り、いざというとき落ち着いて対処するためのヒントにしてください。
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INDEX
悪寒のメカニズムと原因となる病気
悪寒は、多くの人が経験するありふれた症状ですが、その背後にあるメカニズムや原因となる病気を理解することで、適切な対処が可能になります。
悪寒のメカニズム:なぜ体が震える?
悪寒は、体が「もっと体温を上げて細菌やウイルスと戦おう」とスイッチを入れたサインです。
脳の体温調節センター(視床下部)がサイトカインという物質の刺激を受けて“理想の温度”を引き上げると、今の体温との差を埋めるために震えが起こります。寒い日にガタガタ震えて体を温めるのと同じ仕組みですね。
だから実は悪寒そのものは、免疫がちゃんと働いている証拠ともいえます。
悪寒を招きやすい主な病気と症状
ちょっとした寒気からガタガタ震えるような悪寒まで、その原因はさまざまです。
原因 | いっしょに出やすい症状 |
---|---|
風邪・インフルエンザ | 発熱・せき・のどの痛み |
新型コロナ | 悪寒+発熱・倦怠感・味覚/嗅覚の変化など |
肺炎 | 高熱・せき・たん |
髄膜炎 | 激しい頭痛・嘔吐 |
コロナの見分け方
特に風邪やインフルエンザとコロナの判別は難しいです。次の特徴があるときはコロナを疑ってもいいでしょう。
- 発熱とセットで悪寒 が出ることが多い
- 味覚・嗅覚の異常が加わるとコロナを疑いやすい
- ワクチン接種後にも一時的な悪寒が出ることがある
しかし、あくまでも目安です。症状がかぶるインフルや風邪との区別は検査がいちばん確実なので気になる症状は病院まで相談しましょう。

悪寒を感じた時の対処法
悪寒は、誰もが一度は経験する、あのゾクゾクとした不快な感覚です。風邪かな?と思うことも多いと思いますが、実は様々な病気が隠れている可能性があります。
悪寒を感じた時の対処法と、医療機関を受診する目安について、医師の視点から詳しく解説します。
悪寒を感じた時の初期対応:安静・保温、水分補給
1. 体を温めてリラックス
寒気がしたら、まずは暖かい部屋で静かに横になりましょう。
悪寒は、体がウイルスや細菌と戦っているサインで、体温を上げようとする反応。その反応を妨げないよう、まずは毛布や布団で全身を包み、背中や首も冷やさないようにすると震えが落ち着きやすくなります。
部屋の温度は 20〜25 ℃くらい、加湿器や濡れタオルでほどよい湿度を保つと呼吸もしやすくラクになります。目を閉じて深呼吸し、余計な力を抜いて休みましょう。
2. こまめな水分補給
発熱や発汗で体の水分は思った以上に失われます。
温かい白湯や麦茶、カフェインレスのハーブティーなどを少しずつ飲み、脱水を防ぎましょう。カフェインや冷たい飲み物は利尿作用や体の冷えにつながるため控えめに。
のどが渇いていなくても、30 分~1 時間に一度は口を潤すイメージで摂ると安心です。

解熱剤の使用について。市販薬でも大丈夫?
寒気をともなう発熱がつらいときは、市販の解熱鎮痛薬に頼るのも一つの手です。
- アセトアミノフェン…胃への負担が少なく使いやすい一方、肝機能が弱っている方は慎重に
- イブプロフェン…熱を下げる力が強めですが、人によっては胃が荒れることがあり
持病や体質をふまえて、説明書どおりの量と間隔を守りましょう。
ただし、市販薬はあくまで対症療法であり、根本的な治療にはなりません。迷ったときは自己判断で市販薬を長期間使用することは避け、医師や薬剤師へ相談を。薬を飲んでも高熱や寒気が続く、せきや息苦しさなど別の症状が加わる――そんなときも早めの受診が安心です。
【解熱剤の種類の選び方】や【市販薬と処方薬の違い】が気になる方はこちらの記事も参考にしてください。
病院を受診する目安:悪寒以外の症状、持続期間など
寒気が何日も続く、または高い熱・強い頭痛・激しいせき・息苦しさ・吐き気や下痢などが加わったときは、早めに医療機関で診てもらいましょう。
意識がもうろうとする、けいれんがあるなど危険なサインが出たら迷わず救急車を呼ぶか、近くの病院へ連絡を。
また、味覚や嗅覚がおかしいと感じた場合は新型コロナの可能性もあります。自己判断せず、電話で相談のうえ受診してください。
コロナウイルス感染症の検査:PCR検査、抗原検査
寒気にくわえて発熱やせき、だるさ、味やにおいの変化があるときは、新型コロナの可能性も念頭に置きましょう。まずは医療機関に連絡し、PCR 検査や抗原検査の案内を受けると安心です。
- PCR 検査 … 精度が高いものの、結果が出るまで数時間~数日かかることも。
- 抗原検査 … 精度はやや落ちますが、15~30 分ほどで判定できます。
検査の取り扱いは病院によって違うため、事前に電話で確認しておくとスムーズです。近くの発熱外来や検査センターは、自治体サイトや医療機関検索サービスで探せます。かかりつけ医がいる方は、まずそこに相談してみてください。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、解熱剤の処方や悪寒への対処療法も行っています。検査が受けられない方でも状況次第でお薬の処方が可能なので、気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

悪寒とコロナ後遺症
新型コロナウイルスから回復した後も、倦怠感や息苦しさ、味覚・嗅覚障害など、様々な症状に悩まされる方がいます。これらはコロナ後遺症と呼ばれ、その症状の一つとして悪寒も挙げられます。
コロナ後遺症としての悪寒:症状の特徴と対処法
コロナ後遺症の悪寒は、熱を伴わずに続くこともあり、症状の強さや期間にはかなり個人差があります。良くなったと思ったらまたブルッと震える──そんな波を繰り返す人も少なくありません。
倦怠感や頭痛、筋肉痛、思考力の低下(ブレインフォグ:頭の中に霧がかかったような状態)などと同時に出ることもありますし、疲れやストレスがきっかけで悪寒が強まることもあります。
メンタルヘルスへの影響:不安、ストレスなどへの対処法
コロナやその後遺症は、体だけでなく心にも負担がかかることがあります。将来への不安や社会生活のストレスから、気分が落ち込んだり眠れなくなったりするのは珍しいことではありません。
そんなときは一人で抱え込まず、家族や友人、医療機関・カウンセラーに気軽に相談してみましょう。
深呼吸、軽いストレッチやヨガ、瞑想、アロマなどでリラックスするのもおすすめです。好きな音楽や散歩、趣味の時間で気分転換を図りつつ、規則正しい睡眠と快適な寝室づくりも大切にしてください。

日常生活での注意点:栄養、休養、感染予防
コロナ後遺症とうまく付き合うには、まず日々の暮らしを整えることが大切です。
- 食事…なるべくバランスのとれた食事を心がけ、体の回復と免疫力をサポート。
- 休養…十分な睡眠と適度な休憩で、心と体の疲れを溜めないようにしましょう。
- 感染予防…手洗い・マスク・「密」を避けるといった基本の対策は、後遺症が続くあいだも忘れずに。
ちょっとした生活の見直しが、症状をやわらげて日常をラクにしてくれます。
後遺症外来について
コロナ後遺症は症状も続く期間も人それぞれ。数週間で治まることもあれば、何か月も続く場合もあります。後遺症外来では、問診や血液・画像検査で状態を詳しく調べたうえで、薬のほかリハビリやカウンセリングなど、症状に合わせたケアを行っています。
「これって後遺症かな?」と感じる方や、日常生活に支障が出ている方は、一度専門外来を検討してみてください。予約方法や診療内容は医療機関によって異なるので、事前に電話やホームページで確認するとスムーズです。
コロナ関連の情報は日々アップデートされます。厚生労働省や国立感染症研究所など、公的機関のサイトで最新情報をチェックしておくと安心です。気になる症状や治療については、必ず医療の専門家に相談してください。
まとめ
覚えておくこと | 内容の要点 |
---|---|
悪寒のしくみ | 体温を上げてウイルスや細菌と戦うための自然な反応。体が震えるのは免疫が働いている証拠。 |
主な原因 | 風邪・インフルエンザ・新型コロナ・肺炎・髄膜炎など幅広い。症状の組み合わせで推測できるが、確定には検査が必要。 |
コロナとの関わり | 発熱・倦怠感・味覚/嗅覚異常がセットならコロナを疑う。ワクチン後の一時的な悪寒もあり得る。 |
自宅でできるケア | ①暖かい環境で安静に ②こまめな水分補給 ③市販の解熱鎮痛薬は用量通りに短期利用。 |
受診のタイミング | 〈すぐ受診〉高熱が続く/強いだるさ・息苦しさ/激しい頭痛 〈救急〉意識低下・けいれん。 |
後遺症としての悪寒 | コロナ後も波のある悪寒や倦怠感が続くことがある。温め・休養・ストレス管理と専門外来の活用を。 |
生活習慣の見直し | バランスの良い食事、十分な睡眠、基本の感染対策(手洗い・マスク・三密回避)を継続。 |
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参考文献
- Garg RK, Paliwal VK. Spectrum of neurological complications following COVID-19 vaccination. Neurological sciences : official journal of the Italian Neurological Society and of the Italian Society of Clinical Neurophysiology 43, no. 1 (2022): 3-40.