ステロイド外用薬「ロコイド軟膏」の効果・強さ・副作用・塗れる部位について医師が解説

かゆくてつらい湿疹や皮膚炎、どうすればいい? 皮膚科を受診する患者さんの訴えで最も多い「かゆみ」
我慢できずに掻いてしまい悪化させてしまう前に、適切な治療を始めませんか?

この記事では、そんな皮膚の炎症やかゆみに効果的なステロイド外用薬「ロコイド軟膏」について解説します。

ステロイドと聞くと副作用が心配…という方もご安心ください。ロコイド軟膏は比較的弱いランクに分類され、医師の指示通りに使用すれば、リスクを抑えつつ効果的に症状を改善できます。
有効な皮膚疾患の種類、軟膏とクリームの違い、副作用、注意点まで、詳しくご紹介します。

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ロコイド軟膏とは

ロコイド軟膏の成分

ロコイド軟膏は、主成分として「ヒドロコルチゾン酪酸エステル」を含むステロイド外用薬です。

ステロイドというと「強い薬」「怖い」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、ロコイド軟膏はステロイドの中でも比較的マイルドな部類に入るお薬。湿疹・皮膚炎などのトラブルが起こったときに、よく処方されます。

ステロイドの効果で、炎症を引き起こす物質の働きを抑え、赤みやかゆみなどの不快な症状が和らぐのがポイント。

ロコイド軟膏効果

  • 皮膚の炎症や赤みをしずめる
  • かゆみや腫れをおさえる
  • アトピー性皮膚炎などの改善にも役立つ

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 湿疹や皮膚炎(アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎など)
  • とびひ、蜂窩織炎、帯状疱疹の炎症・かゆみ抑制
  • かぶれ、虫さされ
  • 乾癬(軽症例)

顔・手足など広い範囲にも使われることがあります。部位によっては他のステロイド外用薬を使ったほうがよい場合もあります。

ロコイド軟膏の種類

ロコイド軟膏には、軟膏とクリームの2種類があります。どちらも有効成分は同じヒドロコルチゾン酪酸エステル0.1%ですが、基剤が異なります。

  • ロコイド軟膏0.1%
    油分がしっかり入った基剤を使っているので、保湿力が高いのが特徴です。乾燥気味の肌や、湿疹が長引いているときにも使いやすく、皮膚の表面に薬がしっかり留まってくれるため、効果が長く続きやすいです。乾燥によるかゆみや赤みに悩まされている方にも適しています。
  • ロコイドクリーム0.1%
    水分をたっぷり含んだ基剤を使っているので、塗ったときの感触がさっぱりしているのが特徴。ジュクジュクした湿疹や、毛が多い部分にも使いやすく、べたつきが少ないので夏場や汗をかきやすいところに塗るときでもストレスなく使えます。

ロコイド軟膏の使い方(用法・用量

基本的に1日1~数回、患部に薄くのばす使い方が一般的ですが、塗る回数や期間は、症状の程度によって異なります。

症状がよくなってきたら、回数を減らすなど調整するケースが多いです。

“塗れば塗るほど早く治る”わけではないので、症状に合わせた量や回数を守りましょう。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ステロイドの処方や皮膚症状の治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ロコイド軟膏の注意事項(禁忌)

併用に注意が必要な薬

細菌感染(とびひなど)や水虫などの真菌感染を合併しているときは、併用薬を使う場合があります。自己判断せずに、医師にきちんと説明を受けてください。

使用上の注意

目や口の周囲、粘膜(唇、鼻腔内など)、傷口、化膿している部分には使用できません。これらの部位は皮膚が薄く、薬剤が吸収されやすいため、副作用のリスクが高まります。
また、傷口や化膿している部分に使用すると、治癒を遅らせたり、感染を悪化させる可能性があります。

陰部も皮膚が薄く、デリケートな部分。ロコイド軟膏を使用する際は、医師の指示に従い、少量を塗布するようにしてください。

症状が軽くなったら自己判断で急に使うのをやめたりせず、医師の指示に従って使用回数を減らしていくのが基本です。

長期の使用では副作用が出やすいので、長期にわたる使用が必須な場合は症状の度合いに合わせて使い分けましょう。特に、顔や目の周りなど皮膚が薄い場所は注意が必要です。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避けて保管しましょう。
  • 子どもの手の届かない場所に置いてください。
  • 容器の先端を清潔に保ち、雑菌がつかないようにしましょう。

塗り忘れたら?

思い出した時点で塗ってOKです。次の塗る時間が近ければ、飛ばして次回分から再開しても大丈夫です。
焦って一気に多めに塗るのは避けてください。

ロコイド軟膏の副作用

主な副作用

  • かぶれ・刺激感:塗った部分がヒリヒリしたり、赤くなることがある
  • 皮膚の萎縮:長期間にわたって同じ場所に使い続けると、皮膚が薄くなる可能性
  • 毛細血管拡張: 皮膚の表面にある細い血管が拡張し、赤く目立つようになる状態。特に顔面に生じやすく、赤ら顔の原因となることがある
  • ニキビ様発疹ステロイドざ瘡): ニキビに似た発疹が生じる状態。ニキビと同様に、炎症を伴う赤い発疹や膿をもった発疹が生じる
  • 酒さ様皮膚炎: 顔面に赤み、ほてり、小さな赤い発疹などが生じる
  • 多毛: 毛が濃くなる、または毛が生える範囲が広がる
  • 色素沈着: 皮膚の色が濃くなる

こういった副作用は、用法用量を守ればそれほど起こりやすいわけではありませんが、少しでも異変を感じたら早めに医師へ相談しましょう。

副作用が出たときの対処法

  • すぐに使用を中止する
  • ヒリヒリ・赤みなどの症状を医師または薬剤師に伝える
  • 必要に応じて他の治療に切り替えてもらう

副作用の予防のためにも、塗る頻度や期間、量は必ず指示どおりに守ることが大切です。

ロコイド軟膏に市販薬はある?値段は?

市販薬

ロコイド軟膏は医療用医薬品ですので、医師の処方箋が必要です。ドラッグストアなどで購入することはできません。
自己判断で使用するのではなく、まずは皮膚科専門医を受診し、症状や体質に合った適切な薬を処方してもらうことが重要です。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • ロコイド軟膏 0.1% 10g:約308円前後
  • ロコイドクリーム 0.1% 10g:約311円前後

※2025年4月29日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

ジェネリック名

ロコイド軟膏の有効成分は「ヒドロコルチゾン酪酸エステル」。

ジェネリック医薬品は「ヒドロコルチゾン酪酸エステル○○」という名前で流通していることがあります。

費用面が気になる方は、診察のときに「ジェネリックがあるかどうか」相談してみましょう。

添付文書

ロコイド軟膏0.1%/ロコイドクリーム0.1%

よくある質問(FAQ)

Q. 妊娠中や授乳中でも使える?
A. 妊婦さんや授乳中の方は、なるべく薬の使用を控えたい時期です。ただし、どうしても治療が必要な場合は医師が判断して処方することがあります。心配なことは遠慮なく相談しましょう。

Q. 子どもにも使えるの?
A. 皮膚の症状によっては子どもにも処方されます。子どもの皮膚は大人より薄いので、用量や回数を必ず守って使いましょう。

Q. どのくらいで効き目を感じる?
A. 個人差はありますが、早ければ数日内に赤みやかゆみが軽くなる人も多いです。しばらく使ってみても改善がなければ、再度受診してみましょう。

まとめ

ロコイド軟膏は、比較的“弱め”のステロイド外用薬として、湿疹やかゆみなどの皮膚トラブルに幅広く使われています。
副作用リスクは低めとはいえ、正しく使わなければ肌が薄くなるなどの症状が出ることもあるため、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 使う回数や期間は指示通りに
  • 症状が落ち着いても自己判断でストップしない
  • 気になることがあれば、早めに医師・薬剤師に相談

上手に使えば、肌トラブルが大きく悪化する前にしっかり改善を目指せます。
お肌の異常を感じたときは、まずは専門家に相談し、自分の症状にあった使い方でケアしていきましょう。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。