中用量ピル「プラノバール」の効果・強さ・副作用を医師が解説【太る?避妊効果は?不正出血がある?】

生理痛や子宮内膜症などの症状で悩んでいませんか?実は、中用量ピルのひとつである「プラノバール」を活用すると、毎月の痛みや不快感がグッとラクになる可能性があります。

また、イベントや旅行などで月経を移動・調整させたい時にもよく使う薬です。

今回は、プラノバールの効果や副作用、飲み方のポイントなどをやさしく解説します。
これから始める方や、すでに使っているけれど疑問がある方に役立つ情報をまとめました。自分に合った治療・ケア方法を見つけて、より快適な毎日を過ごしましょう。

ウチカラクリニックではオンライン診療に完全対応し、忙しい方向けに夜間や土日も診療を行っております。

(全国からご自宅で受診可能です。)

月経困難症などの婦人科症状にお悩み・ピルの処方をご希望の方はお気軽にオンライン診療でご相談ください。

診療時間:09:00 – 22:00
予約は24時間可能!

プラノバール配合錠とは

プラノバールの成分

プラノバールは、ノルゲストレル(黄体ホルモン)0.5 mgエチニルエストラジオール(エストロゲン)0.05 mgを配合したホルモン剤です。
いわゆる「中用量ピル」に分類され、月経にまつわるトラブルの改善や、ホルモンバランスの調整に使われることが多いです。

プラノバールの効果

  • 下垂体からの LH/FSH 分泌を抑制 → 排卵抑制
  • 子宮内膜を分泌相へ転換 → 出血量が安定
  • ホルモン補充でバランスをリセット → 周期を整える

どんなときに使う?(適応疾患)

  • 機能性子宮出血(ダラダラ続く不正出血)
  • 月経困難症・過多月経・月経周期異常(痛みや出血量を軽減/周期を整える)
  • 子宮内膜症(内膜の増殖を抑え痛みをやわらげる)
  • 卵巣機能不全(ホルモン補充で排卵・月経をサポート)

プラノバールの避妊効果

プラノバールは、エストロゲンと黄体ホルモンを少量ずつ含む「中用量ピル」の一種です。そのため、正しく服用すれば一定の避妊効果が期待できる場合はあります。

ただし、主な目的は機能性子宮出血や月経異常などの治療であり、「避妊薬」として正式に認められたものではありませんので、避妊薬としての使用は医師の立場からはおススメしません。

確実な避妊を望む場合は、コンドームなど他の避妊方法を併用したり、医師に相談して最適な方法を選ぶのがおすすめです。また、飲み忘れや服用時間のズレがあると避妊効果が下がる可能性があるので、注意してくださいね。

プラノバールの使い方(用法・用量

1日1回1錠を同じ時間帯に飲むのが基本的な使い方です。
生理の5日目に服用を開始し、1日1錠×21日 → 7日休薬を繰り返します。
休薬期間に生理がきます。

機能性子宮出血(ダラダラ続く不正出血)の治療を目的に服用する場合は、1 日 1 錠を7〜10 日間連続服用の場合もあります。

プラノバールを使った月経移動・調整について

イベント・旅行・試験などの外せない用事がある時、このプラノバールを使用して、次の月経を早める、あるいは遅くすることで調整することができます。(自費診療になります)

外せない用事と予定日が被ってしまった時には、月経移動を行うことができます。

月経を早める場合

月経開始の日から5日以内(3-5日目)に、プラノバールを1日1錠、10~14日間服用します。

服用を止めると3~5日後に早めのやや少ない月経が発来します。
遅らせる方法より成功率がやや低くなりますが、月経を避けたい時期にピルを服用しなくて済みます。

月経を遅らせる場合

次回のイベントと生理の予定日が被ってしまった場合、予定日の約3-5日前からプラノバールを1日1錠内服し、イベント終了日まで服用を続けます。服用を止めると2-3日で月経が発来します。
イベントの最中に服用する必要がありますが、早める方法よりも成功率がやや高くなります。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、プラノバールをはじめとしたピルの処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

プラノバールの注意事項(禁忌)

併用に注意が必要な薬

  • 血栓症のリスクがあるお薬
  • 抗血栓薬
  • 抗てんかん薬
  • 他のホルモン製剤との重複使用
  • CYP3A4誘導薬(リファンピシンなど)、セントジョーンズワート含有サプリ→血中濃度低下

使用上の注意

毎日きちんと決まった時間に飲むようにしましょう。飲み忘れが続くと効果が十分に得られないことがあります。

また、プラノバールは、血栓症(血管の中に血の塊ができる病気)のリスクを高める可能性があるため、喫煙者血栓症の既往歴がある方は、服用前に必ず医師に相談しましょう。特に35歳以上の喫煙者は注意が必要です。

血栓症リスクを下げるためにも、長時間同じ姿勢を避け、水分補給や軽い運動を心がけましょう。

保管方法

  • 直射日光や高温多湿を避けて保管
  • 子どもの手の届かない場所へ

飲み忘れたら?

気づいた時点ですぐに服用してください。その日の予定分を通常時刻に1錠(計2錠)服用し、翌日から元のスケジュールで続けます。

飲み忘れが多いと十分な効果が得られなくなってしまいます。飲み忘れが多いと感じる方は、アラーム機能やカレンダーを活用して飲み忘れを防ぎましょう。

2日以上連続で忘れたら医師に対応を相談してください。

プラノバールの副作用

主な副作用

ホルモンを調整するお薬なので、個人差はありますが、以下のような副作用が起こることがあります。

  • 不正出血:初めの数か月は、軽い出血が不定期に起こることがあります。
  • 頭痛・吐き気:ホルモンの変化で生じやすいですが、ほとんどは一時的な場合が多いです。
  • むくみや乳房の張り:水分バランスやホルモンの影響で感じる人も。
  • 血栓症:ごくまれですが重い副作用として注意が必要。足の痛みや突然の息苦しさなどがあれば、すぐ受診を。

「体重増加」を気にされる方も多いですが、体内の水分や塩分のバランスに影響を与え、浮腫を引き起こす可能性があります。また、食欲が増加したり、代謝が低下したりすることで体重増加につながることがあります。しかし全員に必ず起こるわけではありません。

副作用が出たときの対処法

  • 不正出血:数か月続けるうちに落ち着くことが多いですが、量が多い場合は医師に相談。
  • 頭痛・吐き気:食後に服用したり、鎮痛薬を併用しても問題ないか医師・薬剤師に相談。
  • むくみ:軽い運動やストレッチ、塩分控えめの食事を意識すると改善することも。
  • 強い頭痛・胸痛・急な片足の腫れなど、血栓症を疑う症状が出たらただちに服用中止→医療機関へ

もし副作用がつらい場合や、不安な症状があるときは、自己判断でやめずに早めに受診して相談してください。

プラノバールに市販薬はある?値段は?

市販薬

プラノバールは医療用医薬品ですので、医師の処方箋が必要です。ドラッグストアなどで購入することはできません。
自己判断で使用するのではなく、まずは婦人科専門医を受診し、症状や体質に合った適切な薬を処方してもらうことが重要です。

ジェネリック名

プラノバールは、現在のところジェネリック医薬品(後発医薬品)は発売されていません

※2025年5月4日現在

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • プラノバール配合錠:1錠あたり約13.2 円

※2025年5月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

プラノバール配合錠

よくある質問(FAQ)

Q. 妊娠中や授乳中でも使える?
プラノバールは、妊娠・授乳中の使用は基本的にできません。服用中に「妊娠かも?」と思ったら、すぐに医師へ相談してください。

Q. 小児でも使える?
生理痛などの症状があれば、医師の判断で処方されることがあります。ただし、初経から間もない場合は慎重に検討されることも多いので、必ず婦人科で相談してみてください。

Q. 車やバイクの運転への影響は?
プラノバール配合錠の服用により、眠気やめまいなどの副作用が現れることがあります。これらの症状が現れた場合は、自動車の運転や機械の操作は避けるべきです。

Q. 飲み始めてどのくらいで効果が出る?
プラノバールは中用量ピルに分類され、低用量ピルに比べて効果が早く現れる特徴があります。
月経困難症などの症状改善効果は、通常1~2周期の服用から効果が現れ始めます。月経移動目的の場合は、服用している間は月経を抑制し、服用をやめると2~3日後に月経が来るという効果が期待できます。

Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
少量であれば大きな相互作用は報告されていませんが、過度な飲酒は体調を崩しやすくなり、ホルモンバランスにも影響が出る可能性があります。できるだけ控えめにしましょう。

まとめ

プラノバールは、月経困難症や生理不順、ホルモン調整のためによく処方される中用量ピルです。正しく飲めば、生理痛の軽減や経血量のコントロールなど、生活の質を高めてくれます。一方で、飲み忘れがあったり禁忌事項を守らないと、副作用が出やすくなることも。

  • 不正出血などの副作用は続けていくうちに体が慣れるケースが多い
  • 飲み忘れがないようにアラームをセットするなど管理を徹底
  • 体調に合わないと感じたら、必ず医師へ相談し、自己判断で中断しない

こうしたポイントに気をつけながら使うことで、より快適に症状を改善できる可能性があります。

自分の体に合った治療方法を選んで、少しでも生理痛や婦人科トラブルがラクになるように取り組んでいきましょう。

ウチカラクリニックではオンライン診療に完全対応し、忙しい方向けに夜間や土日も診療を行っております。

(全国からご自宅で受診可能です。)

月経困難症などの婦人科症状にお悩み・ピルの処方をご希望の方はお気軽にオンライン診療でご相談ください。

診療時間:09:00 – 22:00
予約は24時間可能!

ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。