
「血圧が高いと言われたけれど、毎日お薬を飲むのは不安……」「片頭痛が月に何度も起きて、仕事や家事に集中できない」
高血圧や不整脈、つらい片頭痛など、心臓や血管に関わる症状は日々の生活に大きな影を落としてしまいますよね。 そんな慢性的な症状を和らげるために、病院で古くからよく処方されているのが「インデラル(成分名:プロプラノロール)」というお薬です。
この記事では、インデラルがどのように血圧を下げたり片頭痛を防いだりするのか、その効果や正しい使い方、そして「あがり症」に対する自費での使われ方について、医師が詳しく解説します。
目次
インデラルとは?効果は?
インデラルは、交感神経(体を興奮させる神経)の働きを抑えることで、心臓の過剰な働きを休ませて心拍数や血圧を下げるお薬です。
「β(ベータ)遮断薬」というグループに分類され、高血圧や狭心症、不整脈などの循環器系の病気から、片頭痛の予防まで幅広く使われている実績のあるお薬です。
インデラルの種類(剤型)
インデラルは、主に「インデラル錠10mg」という名前で処方され、小さくて飲みやすい白い錠剤です。 病院内での緊急時に使われる注射液もありますが、ご自宅で使うことはありません
インデラルの成分
有効成分は「プロプラノロール塩酸塩」といいます。
私たちの心臓や血管には、交感神経からの「もっと働け!」という命令を受け取る「β受容体」というスイッチがあります。プロプラノロールはこのスイッチを遮断することで、心拍数や心臓の収縮力を抑え、心臓の負担を軽くします。
結果として、血圧を下げたり、脈の乱れを整えたりしてくれます。
インデラルの効果
インデラルは、心臓や血管に対して主に以下のような働き(効果)をもたらします。
- 血圧を下げる: 心臓から送り出される血液の量を穏やかにし、血圧を下げて安定させます。
- 心臓の負担を軽くする: 心拍数をゆっくりにして、心臓の筋肉が酸欠になるのを防ぎます。
- 脈の乱れを整える: 異常に速くなった脈(頻脈)を抑え、ドキドキとした動悸を鎮めます。
- 脳の血管拡張を防ぐ: 脳の血管が急激に広がりすぎるのを抑え、ズキズキとした痛みが起こるのを防ぎます。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
インデラルの主な適応症(保険適用となる病気の治療)は以下の通りです。
- 本態性高血圧症: 原因がはっきりしない一般的な高血圧。血圧を安定させます。
- 狭心症: 心臓の筋肉が酸素不足になるのを防ぎ、胸の痛みを予防します。
- 不整脈: 脈が速くなる頻脈などを整え、動悸を抑えます。
- 片頭痛発作の予防: 血管の過度な拡張を防ぎ、片頭痛が起こる頻度を減らします。
インデラルは「あがり症・緊張」の緩和にも使える?(保険適用外)
インデラルは本来、上記のように心臓や血圧の治療に使われるお薬ですが、その「心臓のドキドキを強制的に抑える」という作用から、極度の緊張(あがり症)からくる声の震え、手足の震え、赤面といった症状を和らげる目的で処方されることもあります。
大勢の前でのスピーチや大事な面接、音楽の発表会など、ここぞという場面の直前に「頓服(症状が出た時だけ飲む)」として使われます。
ただし、「あがり症・緊張緩和」の目的でインデラルを処方される場合、健康保険は適用されず「全額自己負担(自由診療)」となります。 保険診療はあくまで高血圧や片頭痛などの「病気の治療」に限られるため、緊張対策としての処方は自費扱いとなりますのでご注意ください。

デュタステリドは保険適用できる?
デュタステリド(ZA)は、まさに「薄毛の改善」という美容的な側面を持つAGA治療のために処方されるお薬です。
そのため、AGA(男性型脱毛症)の治療目的での処方は、健康保険が適用されず「全額自己負担(自由診療)」となります。
健康保険はあくまで「病気やケガの治療」に限られるため、美容・身だしなみの範囲とされるAGA治療は保険証が使えません。お薬代や診察代はクリニックによって異なりますので、事前に確認しておくのが安心です。

インデラルはオンライン診療で出せる?
「血圧の薬がもうすぐ切れるけれど、忙しくて病院に行く時間がない」「毎月もらっている片頭痛予防の薬をもらいに行くのが大変」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
インデラルのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、 インデラルに関するご相談や処方をオンライン診療にて承っております。
特に、「誰にも会わずに治療を始めたい」という方や「定期的な通院が負担」という方に、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
インデラルの使い方(用法・用量)
インデラルは、治療する病気によって飲む量や回数が異なります。必ず医師の指示に従ってください。
- 高血圧や狭心症などの場合: 通常、1日30〜60mgから始め、1日3回に分けて毎日飲みます。効果を見ながら医師が量を調整します。
- 片頭痛予防の場合: 通常、1日20〜30mgから始め、1日2〜3回に分けて毎日飲みます。
- あがり症の場合(自費): 通常、緊張する場面の約1時間前に10mgを1錠飲みます(頓服)。
インデラルの副作用
主な副作用
- 徐脈(脈が遅くなる)や血圧低下: お薬が効きすぎて、脈が遅くなりすぎたり、血圧が下がりすぎて「めまい」や「立ちくらみ」を感じることがあります。重篤な場合、失神を伴う起立性低血圧(急な血圧低下)や、房室ブロック(脈が極端に遅くなる、飛ぶ)を起こすことがあります。
- だるさ・倦怠感: 心拍が抑えられるため、体が重く感じたり、疲れやすくなったりすることがあります。
- 気管支の収縮: 息苦しさ、喘息のような症状(喘鳴)が出ることがあります。
副作用が出たときの対処法
めまいや立ちくらみを感じた場合は、転倒を防ぐため、症状が治まるまで無理をせずに座ったり横になったりして休んでください。
特に飲み始めや量を増やした直後は、体が慣れていないため注意が必要です。また、万が一「息苦しさ」を感じた場合はすぐに服用を中止し、医師の診察を受けてください。
インデラルの注意事項・禁忌
使ってはいけない方
絶対に使ってはいけない方(禁忌)
- 気管支喘息や、気管支けいれんの恐れがある方(禁忌):重い発作の危険があります。
- 心臓や脈の重い病気がある方(禁忌):うっ血性心不全、心原性ショック、重度の徐脈、房室ブロックなどの著しい不整脈など。
- 血圧や血流の異常がある方(禁忌):低血圧症、肺高血圧による右心不全、手足の血流が極端に悪い、異型狭心症など。
- 長期間、食事がとれていない(絶食状態)方(禁忌):危険な低血糖に気づきにくくなります。
- 特殊な代謝・内分泌の病気がある方(禁忌):糖尿病性ケトアシドーシス、未治療の褐色細胞腫など。
- 過去にインデラルの成分でアレルギーを起こした方(禁忌)
使うときに特に注意が必要な方
- 糖尿病の方(血糖値が下がったときのサインである「動悸」が、薬によって隠されてしまい、低血糖に気づきにくくなることがあります)
- 高齢の方(血圧や脈が下がりやすいため、少量の服用から様子を見ます)
併用に注意が必要な薬
絶対に一緒に飲んではいけない薬(併用禁忌)
- リザトリプタン(マクサルトなど)(併用禁忌)
片頭痛の治療薬です。インデラルと一緒に飲むと、リザトリプタンの作用が強くなりすぎるため一緒に飲むことはできません。
使うときに特に注意が必要な方(併用注意)
他の降圧剤(血圧を下げる薬)や、一部の不整脈の薬などと一緒に飲むと、血圧や脈拍が下がりすぎてしまうことがあります。現在飲んでいるお薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に伝えてください。
使用上の注意
| 喘息の人はNG | 過去に少しでも喘息の気味があると言われたことがある方は、必ず事前に医師に申告してください。 |
| 車の運転・高所作業 | 血圧が下がることで、めまいやふらつきが起こることがあります。自動車の運転や危険な作業には十分に注意してください。 |
| 急に飲むのをやめない | 狭心症などの方が急に薬をやめると、症状が悪化したり心筋梗塞を起こす危険があります。減らすときは必ず医師の指示に従い、徐々に減らしましょう。 |
保管方法
直射日光や湿気を避け、お子様の手の届かない涼しい場所に保管してください。
飲み忘れたら?
飲み忘れに気づいた時点で、できるだけ早く1回分を飲んでください。ただし、次の飲む時間が近い場合は、忘れた分は飛ばして次から通常通り飲んでください。
絶対に2回分を一度に飲まないでください。 血圧が下がりすぎるなど、思わぬ副作用が出る恐れがあります。
ウチカラクリニックのオンライン診療では、お薬の処方も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

※心療内科ではシステム手数料をいただいております。
※インデラルのあがり症への処方は自費です。
インデラルに市販薬はある?値段は?
市販薬
現在、インデラルと同じ成分(プロプラノロール)を含む市販薬(ドラッグストアなどで買える一般用医薬品)はありません。必ず医師の診察と処方箋が必要です。
ジェネリック名
インデラルには、ジェネリック医薬品(後発品)として「プロプラノロール塩酸塩錠」があります。効果は同等で、毎月のお薬代を安く抑えることができます。
薬価
高血圧や片頭痛予防などで、保険診療(3割負担)として処方された場合の目安です。
| 薬剤名 | 区分 | 薬価(1錠あたり) | 3割負担の目安 |
|---|---|---|---|
| インデラル錠10mg | 先発 | 約10.4円 | 約3.1円 |
| プロプラノロール塩酸塩錠10mg | 後発 | 約6.6円 | 約1.9円 |
※2026年3月現在。
※実際の窓口負担には、診察料や調剤料などが加わります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q.妊婦・授乳中でも使えますか?
【妊娠中の方】 妊娠中、または妊娠している可能性のある方は、緊急でやむを得ない場合を除き、原則として服用は控えることが望ましいとされています。妊娠中の投与により、新生児の発育遅延、低血糖、呼吸抑制などが報告されています。
【授乳中の方】 薬の成分が母乳中に移行することが報告されています。服用する場合は、治療の必要性と母乳栄養のメリットを踏まえて、授乳を継続するか中止するかを医師とよく相談して判断します。
Q.小児(子供)でも使えますか?
小児の不整脈などに使われることはありますが、用量の調整が難しいため、必ず専門医の厳密な指示に従って使用します。(※あがり症目的で子どもに飲ませることは推奨されません)
Q.運転しても大丈夫ですか?
インデラル自体に強い眠気を催す成分は入っていませんが、血圧が下がって「めまい」や「ふらつき」があらわれる可能性があるため、服用後の運転等の危険な作業には十分注意してください。
Q.いつから効き始めますか?
服用後、約1時間〜1時間半で血中の成分濃度がピーク(最大)になり、効果を発揮します。高血圧や片頭痛の予防として毎日飲む場合は、数日から数週間かけて体が慣れ、症状が安定していきます。
Q.お酒(アルコール)を飲んでもいいですか?
服用前後のお酒はお控えください。 お酒(アルコール)とインデラルを一緒に飲むと、血管を広げる作用が重なり、血圧が下がりすぎて「強いめまい」や「立ちくらみ」、ひどい場合は「失神」を起こす危険性があります。
Q.通販(個人輸入)でインデラルのジェネリックを買っても安全ですか?
非常に危険ですので、絶対におやめください。 海外の個人輸入サイト等でジェネリックが安く売られていることがありますが、偽物や不純物が混ざっている可能性があり、健康被害のリスクがあります。また、インデラルは喘息の方が飲むと命に関わる発作を起こすこともある「劇薬」に指定されています。必ずクリニックで医師の診察を受け、安全性が確認された上で処方してもらいましょう。
まとめ
インデラル(プロプラノロール)は、心臓の働きを少し休ませることで、高血圧や不整脈、片頭痛を予防してくれる大変頼りになるお薬です。また、その心拍を抑える働きから、あがり症や極度の緊張による震えへの対策として、自費診療で活用されることもあります。
「血圧の薬を毎月もらいに行くのが大変」「片頭痛の予防薬を試してみたいけれど、忙しくて通院できない」
そんなときは、ウチカラクリニックのオンライン診療が便利です。
- スマホやPCがあれば、全国どこからでも受診可能
- 対面診療と料金は変わらず、安心してご利用いただけます
- お忙しい方でも安心の年中無休で診療
- 処方された薬は郵送、またはお近くの薬局で受け取り可能
お薬を切らさずにしっかり治療を続けるために、通院の手間なく相談できますので、一人で悩まずにぜひお気軽にウチカラクリニックへご相談ください。
「あがり症を抑えたい」といった目的のみの場合は、保険が適用されない自費診療となりますのでご留意ください。
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