
「皮膚科でニキビの薬をもらったけど、種類がたくさんあってよく分からない…」 「自分にはどのニキビ薬が合っているんだろう?」 「アダパレンとベピオって、どう違うの?」
ニキビ治療で使われる塗り薬には、本当にたくさんの種類がありますよね。それぞれに特徴があり、ニキビの状態や肌質によって使い分けられます。
この記事では、代表的な医療用のニキビ治療薬について、それぞれの働きや得意なニキビの種類、そして他の薬との違いを、医師が分かりやすく解説していきます!ご自身の治療薬への理解を深め、医師とのコミュニケーションに役立ててくださいね。
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そもそも「ニキビ」って何?
「ニキビ」は、正式には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」という、毛穴とその周辺に起こる慢性の炎症性皮膚疾患です。「たかがニキビ」と思われがちですが、れっきとした皮膚の病気の一つなのです。

ニキビができる主なメカニズムは、以下の3つのステップで進みます。
Step1:毛穴の詰まり(コメドの形成)
私たちの肌の毛穴からは、皮脂という油分が分泌されています。この皮脂は、肌のうるおいを保つ大切な役割をしていますが、ホルモンバランスの乱れやストレス、生活習慣などによって過剰に分泌されることがあります。
また、何らかの原因で毛穴の出口の角質が厚くなり、スムーズに剥がれ落ちなくなる「角化異常(かくかいじょう)」が起こると、毛穴のフタがされてしまいます。
この「過剰な皮脂」と「毛穴のフタ」によって、皮脂が毛穴の中に詰まってしまった状態が、ニキビの始まりである「コメド(面皰)」です。
- 毛穴が閉じていると「白ニキビ(白色面皰)」
- 毛穴が開いて、詰まった皮脂が空気に触れて酸化すると「黒ニキビ(黒色面皰)」 と呼ばれます。この段階では、まだ炎症は起きていません。

Step2:アクネ菌の増殖
詰まった毛穴の中は、皮脂が豊富で酸素が少ないため、「アクネ菌(Propionibacterium acnes)」という細菌にとって非常に住み心地の良い環境になります。
アクネ菌は、誰の肌にも普段から存在する常在菌の一つですが、毛穴が詰まって皮脂が増えると、それをエサにして急速に増殖を始めます。
Step3:炎症の発生
増殖したアクネ菌は、様々な炎症を引き起こす物質を毛穴の中やその周りに放出します。
これにより、毛穴の周りの皮膚が炎症を起こし、赤く腫れ上がった「赤ニキビ(紅色丘疹)」になります。
さらに炎症が進み、白血球などがアクネ菌と戦った結果、膿(うみ)がたまってしまうと「黄ニキビ(膿疱)」と呼ばれる状態になります。

ニキビを放置したり、無理に潰したりすると、炎症が皮膚の奥深くまで及んでしまい、治った後も「ニキビ跡(色素沈着やクレーター状のへこみなど)」として残ってしまうことがあります。
そのため、ニキビは単なる肌荒れと捉えず、「皮膚の病気」として、できるだけ早い段階から、そしてニキビの種類や状態に合わせた適切な治療を行うことが大切です。

ニキビ治療薬は、これらの原因のいずれか、または複数にアプローチすることで効果を発揮します。
ニキビの薬はオンライン診療で出せる?
「皮膚科に行く時間はないけど、本格的なニキビ治療を始めたい」「今の治療薬から、もっと効果の高い薬に変えたい」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
今回紹介するようなニキビ治療薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
ニキビ治療に関するご相談や継続的なお薬の処方をオンライン診療にて承っております。
特に治療に時間がかかる皮膚疾患で継続的なケアが必要な方にとっては、通院の負担を大きく減らすことができます。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
代表的なニキビ治療薬
ここでは、皮膚科でよく処方される7種類の塗り薬について、その特徴を解説します。
アダパレン(ディフェリンゲルなど)

主成分・作用
皮膚の細胞が新しく生まれ変わるサイクル(ターンオーバー)を整え、毛穴の詰まりを改善します。
ビタミンA誘導体(レチノイド)に似た作用を持ちます。
得意なニキビ
白ニキビ、黒ニキビ(コメド)、ニキビ全体の予防(維持療法)
特徴
- ニキビの根本原因である「毛穴の詰まり」にアプローチ
- 今あるニキビだけでなく、新しいニキビをできにくくする
- アクネ菌を殺菌する作用はない
- 使い始めに乾燥、皮むけ、ヒリヒリ感が出やすい(多くは数週間で慣れる)
- 妊娠中、妊娠の可能性がある方は使用できません(禁忌)
ベピオ(ベピオゲル、ベピオローション)

主成分・作用
過酸化ベンゾイル 強力な酸化作用により、アクネ菌を殺菌します。
また、古い角質を剥がれやすくするピーリング作用もあり、毛穴の詰まりも改善します。
得意なニキビ
赤ニキビ(炎症性ニキビ)、白ニキビ・黒ニキビにも
特徴
- 抗生物質ではないため、薬剤耐性菌(薬が効かなくなる菌)の心配がない
- 使い始めに赤み、皮むけ、乾燥、刺激感が出やすい
- 衣類や髪、眉毛などに付くと色落ち(漂白)する作用があるため注意が必要
ダラシンTゲル/ローション

主成分・作用
クリンダマイシンリン酸エステル(抗生物質) アクネ菌が増えるために必要なたんぱく質の合成を邪魔することで、アクネ菌を殺菌します。
得意なニキビ
赤ニキビ、黄ニキビ(炎症性ニキビ、化膿したニキビ)
特徴
- 炎症を起こしたニキビに対して、比較的速やかに効果を発揮する
- 抗生物質のため、長期間使用すると薬剤耐性菌が出現するリスクがある
- 主に炎症が強い時期に短期的に使用されることが多い
アクアチム(クリーム/軟膏/ローション)

主成分・作用
ナジフロキサシン(抗生物質) 細菌のDNA複製を邪魔することで、アクネ菌やブドウ球菌などを殺菌します。
得意なニキビ
赤ニキビ、黄ニキビ、とびひなどの皮膚感染症にも
特徴
- ニキビ以外の細菌感染にも使われる、幅広い抗菌力を持つ
- 抗生物質のため、薬剤耐性菌のリスクがある
- 1日2回の使用が基本
ゼビアックス(ローション/油性クリーム)

主成分・作用
オゼノキサシン(抗生物質) アクアチムと同じニューキノロン系の抗生物質で、細菌のDNA複製を邪魔して殺菌します。
得意なニキビ
赤ニキビ、黄ニキビ、とびひなどの皮膚感染症にも
特徴
- 1日1回の使用で効果が持続するのが大きなメリット
- 皮膚の毛穴に長くとどまる性質がある
- 抗生物質のため、薬剤耐性菌のリスクがある
デュアック配合ゲル

主成分・作用
クリンダマイシン(抗生物質) + 過酸化ベンゾイル 2つの有効成分を配合したお薬です。
「クリンダマイシン」がアクネ菌を素早く殺菌し、「過酸化ベンゾイル」がそれを助け、さらに耐性菌の出現を抑えます。
得意なニキビ
赤ニキビ、黄ニキビ(特に炎症が強い場合)
特徴
- 強力な殺菌効果で、炎症性ニキビに素早くアプローチ
- 過酸化ベンゾイル配合により、抗生物質の耐性菌リスクを軽減
- 冷蔵庫(2~8℃)での保管が必要
- 過酸化ベンゾイルによる刺激感や漂白作用に注意
エピデュオゲル

主成分・作用
アダパレン + 過酸化ベンゾイル これも2つの有効成分を配合したお薬です。
「アダパレン」が毛穴の詰まりを根本から改善し、「過酸化ベンゾイル」がアクネ菌を殺菌します。
得意なニキビ
白黒ニキビから赤ニキビまで、様々なタイプのニキビが混在している状態
特徴
- ニキビの2大原因(毛穴詰まりとアクネ菌)に1本でアプローチできる非常に強力な薬
- 2つの成分の作用により、使い始めの刺激感(乾燥、皮むけ、ヒリヒリ)が比較的強く出やすい
- 妊娠中、妊娠の可能性がある方は使用できません(禁忌)
- 過酸化ベンゾイルによる漂白作用に注意もとで使用します。

ニキビ治療薬の比較
どの薬が自分に合うかは、ニキビの種類や重症度、肌質、そして生活スタイルによっても変わってきます。
作用の違い
作用の違い別 ▶ おすすめ外用薬
- アダパレン(ディフェリン)
- エピデュオゲル
- ベピオ ※ピーリング作用あり
- アダパレン(ディフェリン)
- ベピオ
- エピデュオゲル内の過酸化ベンゾイル
- アダパレン(ディフェリン)
- ベピオ
- デュアック配合ゲル/エピデュオゲルは
含有する 過酸化ベンゾイルが
耐性菌発生を抑制
ニキビの種類
にきびタイプ別 ▶ おすすめ外用薬
使いやすさ・注意点
使いやすさ・注意点別 ▶ おすすめ外用薬
- ベピオ
- アダパレン(ディフェリン)
- デュアック配合ゲル
- エピデュオゲル (特に強い傾向)
- アダパレン(ディフェリン)
- ベピオ
- エピデュオゲル
※抗生物質は耐性菌のリスクがあるため、維持療法には向きません
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ニキビの治療やお薬の処方も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

治療薬を選ぶ上での大切なポイント
①自己判断は禁物!必ず医師の診断を
ニキビのように見えても、他の皮膚病の可能性もあります。また、ニキビの種類や重症度によって最適な薬は異なります。必ず皮膚科医に相談し、正しい診断と処方を受けてください。
②効果が出るまでには時間がかかります
特に毛穴の詰まりを改善するタイプのお薬は、効果を実感するまでに1~3ヶ月程度かかることがあります。焦らず、根気強く治療を続けることが大切です。
③副作用と上手に付き合う
多くのニキビ治療薬には、使い始めに乾燥や刺激感といった副作用が出やすいものがあります。しかし、これらは多くの場合、肌が慣れることで軽減していきます。保湿をしっかり行い、医師の指示に従って使い方を調整することで乗り越えましょう。
④日々のスキンケアも重要
薬だけに頼らず、正しい洗顔、十分な保湿、紫外線対策といった日々のスキンケアも、ニキビ改善には不可欠です。
重症で治らないニキビには「内服薬」という選択肢もあります。
「塗り薬をいくら塗っても治らない…」という方は医師に相談してみてくださいね。
まとめ
ニキビ治療薬には、本当にたくさんの種類があり、それぞれに得意なことや注意点があります。 この記事でご紹介した情報が、皆さんのニキビ治療薬への理解を深め、医師とよく相談しながら、ご自身に合った最適な治療法を見つけるための一助となれば幸いです。
大切なのは、あきらめずに根気強く治療を続けること。そして、日々のスキンケアを見直し、ニキビのできにくい健やかな肌を目指していくことです。の皮膚トラブルを安全に改善するお手伝いをしてくれるでしょう。
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