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胆石の症状や原因とは?どんな痛み?治療法は?【医師解説】

こんにちは。ウチカラクリニック健康メディア「予防医学大辞典」です。

胆石はとんでもないお腹の痛みや、体の中で命に関わる感染症を引き起こす事もある怖い石なんですね。

救急の現場ではよく胆石がお腹の中でつまって、激しいお腹の痛みで救急車で搬送されたり、胆石が詰まったせいで感染症が急速に進行して集中治療室での治療が必要になるなど、非常に怖い病気の引き金となる事で知られています。

胆石があっても普段はじっとしていて症状が出ない事が多いんですが、実は胆石持ちの日本人の数は増加しており、現在では10人に1人に胆石があるとも言われています。

そして胆石は、実はとある生活習慣のある人にできやすいんです。そして一旦できてしまうと治療はせず、様子を見ざるを得ない場合もあります。

今回は、

・胆石とは何なのか?なぜできてしまうのでしょうか?一体どういった人にできやすいのか?

・胆石のできる仕組みや症状、

・胆石が極力できないような普段の生活習慣・予防法

など胆石について徹底解説していきます。

胆石とは一体何?

では、そもそも胆石という言葉は聞いた事があると思いますが、胆石とはなんの事なのでしょうか?

胆石の説明の前に、まず胆汁の説明をしておきましょう。

胆汁とは肝臓で作られている液体の事なんです。

この胆汁は肝臓で作られた後、肝臓の下の胆のうという小さな袋に貯められます。

胆汁のメインの役割は脂肪の分解です。

食事を取った時、胆のうから胆管という管を通じて食事の通り道である腸(十二指腸)に袋の中でスタンバイしていた胆汁を分泌して、脂肪分の分解を助けます。

そして胆石とは、シンプルにこの胆汁が何かしらの原因で固まってしまったものなんです。

胆汁の通り道である肝臓、胆のう、胆管、こういった場所で石となって残ってしまうんですね。

その中でも最も多いのが胆のうに胆石ができてしまう「胆のう結石」という状態で、およそ胆石の78%が胆のうにできると言われています。

そしてこの胆のう結石がコロっと落ちて胆管にはまりこんだり、または胆管自体に石ができると「胆管結石」という状態になるんです。

胆石の検査の方法は?

胆石があるかどうか確認する検査としては、最も一般的なのはお腹に超音波をあてる腹部エコーの検査です。

超音波で胆のうの袋の中にごろっとした石をはっきり見つけられる事もありますし、胆管に石がつまる事で胆管の通り道がふさがれ、管が拡張してしまっている様子が見られる事もありますね。

また胆管に石がつまっていると、出口がふさがれ本来のルートを通れないので、血液に肝臓や胆管の酵素がもれてしまい、血液検査で急激に酵素(AST、ALT、γ-GTP、ALP)の数値が上がってしまう事もあります。

胆石の治療法は?手術は必要?

胆石の治療は、石が詰まった場所によって全然対応が変わってきます。

例えば、健康診断でお腹の超音波の検査を行って胆のうに胆石が見つかったけども症状が全くない。

こういった場合は、治療は行わず定期的に様子を見ていく事が多いんですね。

というのも、全ての人が症状を起こす訳ではなく、胆石が悪さをせずに終わる場合もあるからです。

ただし、詰まって症状が出てしまった場合は話が別で、胆のうや、胆管で炎症が起きてしまっている非常に危険な状態が多いです。

胆のう炎とか、胆管炎と呼ばれる状態です。

この場合は緊急事態なので入院する事がほとんどで、胆のうを摘出する手術を行ったり、その後石の種類によっては胆石を溶かし出すお薬を飲んだりする場合があります。

面白いのが、このお薬は実は胆汁の成分でできているんです。

胆汁の成分を体に取り入れたら良い事があるのでしょうか?

先程胆汁の仕事は脂肪を分解する事だ、というお話をしましたが、実はもう一つの役割がコレステロールの排せつです。

肝臓で処理したコレステロールを胆汁の中に入れ込んでしまい、そのまま腸から便として排泄するんです。

この際に、胆汁の成分の中での割合としてコレステロールが多いと石になりやすくなってしまうんですね。

なので、胆汁の成分の含んだお薬を飲むことで、胆汁の中のコレステロールの成分を薄める事で石を溶かし出す、こういう仕組みを利用したお薬なんですね。

また、胆管の方に石がはまってしまった時は、実は胃カメラを使って治療する事が多いんです。

先程説明したように、胆管と食べ物の通り道(十二指腸)は繋がっていますので、胃カメラを口から入れて十二指腸までたどりつかせて、ここから胆管の方に侵入して石をとってくる、こういう治療があります。

「内視鏡的胆管結石除去術」と呼びます)

胆石の症状は?

では、胆石はどのような症状を引き起こすのでしょうか?

胆石は、胆のうにいる間はほとんど症状を引き起こす事はありません。

では、どういった時に症状が出現するのかというと、石が胆管にはまりこんでしまった時です。

こうなると胆汁の流れがさえぎられてしまい、炎症が起きる事があります。

先程説明した胆のう炎、胆管炎と呼ばれる状態です。

胆石の症状は「右のみぞおちあたりの痛み」が出やすい!

症状としては、胆のうのある右のみぞおちのあたりが痛むことが多いです。

医者の診察では、右の肋骨の下に手を差し込んで、大きく深呼吸してもらう方法があります。

この際強烈に痛みが強くなると、胆石の可能性がアップするんですね、(マーフィーサイン、と呼びます。)

また、天ぷらとか、とんかつとか、いわゆるあぶら分の多い食事を食べた後で右の脇腹の痛みで救急搬送された場合は、もしかしたら胆のう炎かもしれない..と医者は疑うものなんです。

これは脂肪を分解する為に、胆のうは

「より多くの胆汁を送らなければならない!」

といつもより頑張ってしまい、その際に石がころっとはまってしまう事があるからなんですね。

また胆管で炎症が起きる胆管炎になると急速に感染が進行し、発熱や呼吸があらくなるなどの症状が出て一刻も早い治療が必要になる場合もありますし、また胆汁が全身に逆流して皮膚が黄色くなってしまう「黄疸」という状態になる事もあります。

ではこんな恐ろしい胆石はどんな人にできやすいのでしょうか?

胆石ができる原因とは?

では胆石のできやすい、注意しなければいけない人について解説していきます。

よく言うのが、胆石は「4F」にできやすい、こういいます。

4Fとはなんの事でしょうか?

これは胆石ができるリスクの高い人のアルファベットをとったもので、

それぞれ

・肥満(Fatty)

・40代(Forty)

・女性(Female)

・たくさんお産をされた方(Fertile)

この4つの要素の頭文字を取って4Fと呼びます。

あなたは何個あてはまっているでしょうか?

4つとも当てはまっていたら特に胆石、要注意です。

女性の方は40歳を超えていくと女性ホルモンの分泌が減少していき、そのせいでコレステロールがたまり脂質異常症になりやすくなるのも影響しているでしょう。

とはいえ、この中で対策できるのは肥満だけですが、肥満対策は胆石予防に重要です。

肥満の人はいわゆる内臓脂肪もたまりやすく、脂肪肝の状態になってしまう事があります。

こういった脂肪肝などの影響もあってか胆汁の中にコレステロールの割合が増えやすくなり、先ほど説明したようにコレステロールの割合が増えると最終的に胆石となってしまうリスクが上がるので、しっかり食事や運動に気をつけてメタボ・肥満を改善していきたいですね。

そしてやばい!4つとも当てはまってるからダイエットしなきゃ!と焦る人もいるかもしれませんね。

肥満の人がダイエットをするのは非常に良い事ではあるんですが、実はあるダイエット法をするともしかすると逆に胆石ができやすくなる場合があります。

その方法とは…巷ではやりのプチ断食です。プチ断食、ご存じでしょうか?

「プチ断食」が胆石の原因になる?

プチ断食とは、細かく言えば様々な方法があるのですが、ざっくり言えば1日の間で半日とか、16時間とか食事をしない時間を作る事で、ダイエットや疲労回復などに効果があるのではないか、と言われているものです。

しかし、実は、胆石症のガイドラインでは、胆石のリスクには夜14時間以上など、長期間にわたってごはんを食べない事が挙げられています。

また急激なダイエットは胆石のリスクが上がる、というデータもあるんですね。

これは食事をしない間って胆のうの中でスタンバイしている胆汁は出番がないのでじっと待っている事になるんですが、その間にだんだん胆汁のコレステロールの成分が増えてしまっている事が原因で胆石になりやすくなるという説があるんですね。

なので、例えば4Fにあてはまる人がプチ断食ダイエットをしよう!とプチ断食を取り入れ夜間ごはんを食べない期間を長くする、この際に胆石ができるリスクがあがる場合があります。

ただプチ断食は、まだまだ研究中ではあるのですが高血圧や糖尿病など生活習慣病対策にも有効で、健康面で良い効果が期待できるのでは?というデータもありますから、一概に悪い方法だ!というつもりは全然ないです。

それどころか期待される方法だと思いますので、なかなか表現が難しいのですが、

例えば自分が胆石のリスクが高そうだ!という人は、まずはYouTube「予防医学チャンネル」でもよく紹介する地中海食を食事全体のカロリーを上げないように取り入れる量を増やしながら、運動量を増やす事から始めてみる、などの方がおススメです。

しかも地中海食に含まれる果物、野菜、ナッツが胆石のリスクを下げるというデータもありますから、胆石予防にも地中海食はかなり良い方法と言えるでしょう。

または結局プチ断食が胆石のリスクを上げる事は程度問題の側面もあるので、あまりに長期間プチ断食を続けないようにするなどしても良いかもしれません。

また食事で言えば魚に含まれるEPAという油が胆石予防になるのではないかというデータもありますし、魚自体が心臓病や死亡リスクを下げる効果も期待されている食べものなので、魚油の効果に期待して、魚中心の食生活にしておくのも良いでしょう。

他にも、脂質異常症の人、あまり体を動かさない人も胆石になりやすいとされています。

また適度な飲酒は胆石のリスクを下げるとも言われています。

とはいえお酒が全体的に体に良いという訳ではないので、まあ豆知識くらいに思っておいて下さい。

胆石の症状・原因・治療 まとめ

今回の内容の要点としては

・健康的な食事・運動をして、脂質異常症のある人は改善していきましょう!

・急激なダイエットはできるだけ控えましょう。

こういった一般的な対策が胆石予防にも非常に有効だという事です。

そして今回紹介したリスク(4F)がある人は特に意識していきましょう。

これを是非覚えて帰って下さい。

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この記事の監修者

この記事の監修者

ウチカラクリニック
森 勇磨

経歴

内科医/産業医/労働衛生コンサルタント
ウチカラクリニック代表
予防医学ch/医師監修 管理人

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ウチカラクリニック
森 勇磨

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内科医/産業医/労働衛生コンサルタント
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