市販薬で治療する場合の注意点
ドラッグストアでも、ガスター10に代表されるファモチジンを含んだH2ブロッカーや、一部のPPI、胃酸を中和する制酸薬などが販売されています。
食べ過ぎなどによる一時的な軽い胸焼けであれば、これらの市販薬で対応することも可能です。
しかし、市販薬を長期間使い続けるのは避けるべきです。
症状が続く場合は、その裏に治療が必要な病気が隠れている可能性があり、市販薬で症状をごまかしていると、発見が遅れてしまうリスクがあります。
胸焼けの治し方・予防
胸焼けの改善と予防には、薬と同じくらい、あるいはそれ以上に生活習慣の見直しが重要です。
食事の工夫
暴飲暴食を避け、腹八分目を心がけましょう。
特に、脂肪分の多い食事、チョコレートなどの甘いもの、香辛料、柑橘類、アルコール、コーヒーは、胃酸の分泌を増やしたり、胃と食道のつなぎ目を緩めたりするため、控えめにするのがおすすめです。
食後の過ごし方
食べてすぐに横になると、胃酸が逆流しやすくなります。
食後2~3時間は、体を起こして過ごしましょう。

就寝時の工夫
夜間の胸焼けがひどい場合は、上半身を少し高くして寝ると効果的です。
枕を高くするだけでなく、バスタオルなどを背中から頭にかけて敷き、緩やかな傾斜を作るのがポイントです。
服装と姿勢

ベルトやコルセット、きつい服装でお腹を締め付けると、胃が圧迫されて胸焼けの原因になります。
ゆったりとした服装を心がけ、前かがみの姿勢を長時間続けないようにしましょう。
体重管理と禁煙
肥満は腹圧を高め、喫煙は胃と食道のつなぎ目を緩めるため、どちらも胸焼けの大きなリスク因子です。
胸焼けのよくある質問
胸焼けについて、よくあるご質問にお答えします。
ご自身の状況と照らし合わせて、解決のヒントを見つけてください。
どんな人が胸焼けを感じやすいですか?
肥満気味の方、食生活が不規則な方、ストレスが多い方、喫煙者、高齢の方、妊娠中の方などは、胸焼けを起こしやすい傾向があります。特に、食後すぐに横になる習慣がある方は注意が必要です。
食事や飲み物で特に気をつけるべきものは何ですか?
胃酸の分泌を増やしたり、胃と食道のつなぎ目を緩めたりするものは、胸焼けを悪化させやすいです。
特に、脂っこい食事(揚げ物など)、チョコレートなどの甘いもの、みかんなどの酸っぱい果物、香辛料、アルコール、コーヒー(カフェイン)は控えめにするのがおすすめです。「食べ過ぎ」そのものが最大の原因になることも多いです。
「胸焼け」と「逆流性食道炎」はどう違うのですか?
「胸焼け」は、胸が焼けるように感じる“症状”の名前です。一方、「逆流性食道炎」は、胃酸が逆流することで食道に炎症が起きる“病気”の名前です。つまり、逆流性食道炎という病気が原因で、胸焼けという症状が起こります。ただし、一時的な食べ過ぎなど、病気でなくても胸焼けが起こることはあります。
夜中や朝方に胸焼けがします。何か対策はありますか?
横になると胃酸が逆流しやすくなるため、夜間は胸焼けが起こりやすい時間帯です。対策として、まず就寝前の2〜3時間は食事を摂らないようにしましょう。また、枕だけを高くするのではなく、上半身全体が緩やかに高くなるように、背中にバスタオルやクッションを敷いて寝ると、逆流が起こりにくくなり効果的です。
受診や治療にかかる費用はどのくらいですか?
健康保険(3割負担)の場合、初診料と診察で2,000円~4,000円程度、胃カメラの検査を行う場合は10,000円~15,000円程度が一般的な目安です。これに加えて、お薬代がかかります。

胸焼けは放置しても大丈夫?自然に治ることはありますか?
食べ過ぎなどによる一時的なものは自然に治ります。しかし、逆流性食道炎を放置すると、食道の炎症が慢性化し、「バレット食道」という状態に変化することがあります。
これは、将来的に食道がんのリスクを高める可能性があるため、症状が続く場合は放置せず、きちんと治療を受けることが重要です。

胸焼けの薬はネットやドラッグストアで買えますか?
はい、H2ブロッカー(ファモチジンなど)や一部のPPI、制酸薬は市販されています。一時的な症状には有効ですが、長期間の使用や、症状が改善しない場合は、必ず医療機関を受診してください。
治療期間はどのくらいですか?
逆流性食道炎の場合、まずはお薬で4~8週間ほど治療を行い、症状の改善を目指します。その後は、症状に応じて薬の量を調整したり、生活習慣の改善を続けたりしながら、長期的に管理していくことが多いです。
何科を受診すればよいですか?

胸焼けの症状が続く場合は、消化器内科を受診するのが最も専門的です。
お近くにない場合は、まずはかかりつけの内科に相談しましょう。
胸焼けはオンライン診療でも診察できますか?
はい、オンライン診療でも診察が可能です。詳しい問診を通じて、症状から逆流性食道炎などが強く疑われる場合には、胃酸を抑えるお薬などを処方することができます。特に、一度診断がついていて、継続的なお薬が必要な方にとっては、非常に便利な選択肢です。ただし、初めての症状で検査が必要と判断された場合は、対面での胃カメラ検査を勧められます。
胸焼けが気になる場合はウチカラクリニックに相談を
胸焼けは、多くの人が経験するありふれた症状ですが、生活の質を大きく下げる、つらい症状でもあります。そして、時には食道の病気のサインである可能性も秘めています。
「市販薬を飲んでも、なかなか良くならない」 「長年の胸焼け、一度きちんと原因を調べてみたい」
そのように感じたら、ぜひ専門医にご相談ください。
ウチカラクリニックでは、ご自宅からスマホ一つで相談できるオンライン診療にて、胸焼けや逆流性食道炎の診察・治療を行っています。忙しくて通院の時間が取れない方や、継続的なお薬の処方が必要な方も、気軽に専門的なアドバイスを受けることが可能です。
そのつらい胸焼け、一人で悩まず、私たちと一緒に改善していきませんか?まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者

ウチカラクリニック代表医師
森 勇磨
経歴
東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。