「ぷくっと赤く腫れて、かゆくてたまらない…」 「これって、ただの蚊?それとももっと厄介な虫?」
特に夏場は、誰もが一度は経験する虫刺されの不快な症状。実は、その原因となる虫の種類によって、症状の出方や正しい対処法は大きく異なります。
この記事では、身近な虫から注意が必要な虫まで、種類別の症状の特徴と、刺された直後にやるべき正しい応急処置、病院での治療法までを、分かりやすく解説していきます!
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虫刺されとは?
虫刺され(虫刺症)とは、虫に刺されたり咬まれたりすることで、虫の唾液や毒の成分が皮膚に注入され、それに対するアレルギー反応や炎症が起こっている状態です。
主な症状は「かゆみ」「赤み」「腫れ」の3つですが、原因となる虫によって、これらの症状の強さや現れ方が変わってきます。

虫刺されの原因!虫の種類と症状の特徴
代表的な虫の種類と、刺された跡の症状の特徴を解説します。
蚊(カ)

最も身近な虫刺されです。刺された直後から、ぷくっとした赤い腫れ(膨疹)が現れ、強いかゆみが出ます。
数時間で腫れは引きますが、かゆみは1〜2日続くこともあります。
ブヨ(ブユ)

高原や渓流など、きれいな水辺に多く生息します。
刺すというより皮膚を咬み切るため、刺された直後はあまり症状がなく、半日〜翌日になってから激しいかゆみと赤いしこりが現れます。中心に出血点が見られることも特徴です。
ダニ(イエダニ・マダニ)
イエダニ

ネズミに寄生し、布団や畳に潜みます。
お腹や太ももの内側など、皮膚の柔らかい部分を刺し、赤いブツブツがまとまってできる傾向があります。
マダニ

草むらに潜み、気づかないうちに皮膚にしっかり食いつきます。
無理に取ると口器が残り危険です。
重篤な感染症(SFTSなど)を媒介する可能性があり、最も注意が必要な虫の一つです。
ノミ

主に猫や犬に寄生します。
人が刺される場合、足(特にすねや足首のあたり)に集中して、赤い点々がたくさんできるのが特徴です。非常にかゆみが強いです。
ハチ(ミツバチ・スズメバチなど)

刺された瞬間に激しい痛みが走り、急速に赤く腫れあがります。
2回目以降に刺されると、アナフィラキシーショックを起こす危険性があるため、特に注意が必要です。
ケムシ(ドクガなど)

直接触れなくても、風で飛んできた毒の毛(毒針毛)が皮膚に刺さることで発症します。
広範囲にわたって、無数の赤いブツブツができ、チクチクとしたしつこいかゆみが続きます。
アブ

刺されるとチクッとした鋭い痛みを感じ、出血を伴うこともあります。
その後、強い腫れとかゆみが長く続きます。
すぐに病院へ行くべき虫刺されのサイン
ほとんどの虫刺されはセルフケアで対応できますが、以下のような症状が現れた場合は、危険なサインです。すぐに医療機関を受診してください。
アナフィラキシーの症状【すぐに救急車を!】
刺されてから数分〜数十分以内に、全身のじんましん、息苦しさ、声がれ、吐き気、腹痛、意識がもうろうとするなどの症状が出た場合はアナフィラキシーショックの可能性があります。
命に関わるのですぐに救急車を呼んでください。

細菌感染の症状
掻き壊した傷から細菌が入り、刺された場所がパンパンに腫れあがり、熱を持ち、痛みがどんどん広がっていく場合(とびひ、蜂窩織炎など)。
蜂窩織炎は放置すると患部(足や手など)を切断しなければいけなくなる場合もある怖い状態です。
ただの虫刺されと放置しないようにしましょう!
マダニ
無理に取ると、マダニの口器が皮膚に残り、炎症が悪化したり、感染症のリスクを高めます。食いつかれたままの状態で、速やかに皮膚科を受診してください。
また、マダニに刺された後、数日〜数週間たってから、発熱、頭痛、倦怠感、下痢などの症状が出た場合。

虫刺され、何科に相談すればいい?
「もしかして…?」と思ったら、どの病院に行けばいいのでしょうか。
虫刺されのトラブルは、まず「皮膚科」を受診しましょう。
お子さんの場合は、かかりつけの「小児科」でも大丈夫ですよ。
アナフィラキシーが疑われる場合は、迷わず救急車を呼んでください。

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刺された直後の正しい応急処置(セルフケア)
刺されたことに気づいたら、慌てずに以下の応急処置を行いましょう。
基本の3ステップ
①洗う
まずは刺された場所を、流水と石鹸で優しく洗い流し、清潔にします。
②冷やす
濡れタオルや、タオルで包んだ保冷剤などを当ててしっかりと冷やします。冷やすことで、血管が収縮し、かゆみや腫れ、痛みを和らげることができます。
③薬を塗る
虫刺され薬(ステロイドやかゆみ止め成分配合のもの)を塗ります。

特別な応急処置【虫別】
ハチの場合
皮膚に針が残っていたら、毛抜きなどでつままず、クレジットカードのような硬いカードで横に払いのけるようにして取り除きます。
毛抜きなどでつまむと針に残っていた毒をさらに注入させてしまうことがあります。
ケムシの場合
絶対にこすらず、まず粘着テープ(セロハンテープやガムテープ)をそっと貼り、毒の毛を剥がし取るように取り除きます。その後、流水でしっかり洗い流します。
マダニの場合
絶対に自分で引き抜こうとしないでください!無理に取ると、マダニの口器が皮膚に残り、炎症が悪化したり、感染症のリスクを高めたりします。食いつかれたままの状態で、病院を受診してください。

掻きむしるのは絶対ダメ!
かゆみに耐えきれず、つい掻いてしまう気持ちはよく分かりますが、掻き壊すのは絶対にNGです。
掻くことで皮膚のバリア機能が壊れ、そこから細菌が入って「とびひ(伝染性膿痂疹)」などの二次感染を起こしたり、炎症が長引いてシミのような跡(色素沈着)が残ったりする原因になります。
お子さんの場合は、爪を短く切っておくことも大切です。
つらいかゆみを和らげる生活のヒント
日常生活のちょっとした工夫で、かゆみを悪化させずに過ごすことができます。
- かゆい時は、掻かずに「冷やす」が基本です。
- どうしても我慢できない時は、掻く代わりに薬を上から優しく叩くように塗るか、患部の周りを指で軽く押さえるなどして気を紛らわせましょう。
- 無意識に掻いてしまう場合は、患部に絆創膏やガーゼを貼って保護するのも有効です。
- 体温が上がり血行が良くなると、かゆみが増す傾向があります。症状が強い間は、熱いお風呂での長湯や飲酒、激しい運動は控えるのが賢明です。
- 肌に直接触れる衣類は、肌触りの良い綿素材など、柔らかいものを選びましょう。締め付けの少ない、ゆったりとしたデザインの服を着ることも、患部への刺激を減らすのに役立ちます。

虫刺されの治療【主なステロイド薬】
病院では、症状の強さに応じて、炎症をしっかり抑えるための「ステロイド外用薬(塗り薬)」が処方されるのが基本です。
ステロイド外用薬には、作用の強さに5段階のランクがあり、症状の重さ、刺された体の部位(皮膚の厚さ)、年齢などを考慮して、医師が適切なお薬を選びます。
軟膏とクリームの使い分け
同じ成分でも、基剤によって「軟膏」と「クリーム」の2種類があります。

【軟膏】
ワセリンがベースで、保湿・保護力が高く、皮膚への刺激が少ないのが特徴です。じゅくじゅくした患部にも使いやすいです。
【クリーム】
伸びが良く、べたつかないのが特徴です。カサカサした患部に適していますが、傷になっているとしみることがあります。
ステロイド外用薬の種類(アンテベート、デルモゾールなど)
虫刺されでよく処方されるお薬の例を、ステロイドの強さ順にご紹介します。
強さ | 処方例 | 特徴 |
---|---|---|
Medium(中くらい) | ロコイド軟膏/クリーム | 比較的マイルドなステロイドで、お子さんのデリケートな肌や、顔・首などの皮膚が薄い部位の虫刺されにも使われることがあります。 |
Strong(強い) | リンデロン-V軟膏/クリーム | 虫刺されの治療で最もよく使われる、代表的なお薬の一つです。体や手足など、幅広い部位の赤みや腫れ、かゆみをしっかりと抑えます。 |
Very Strong(とても強い) | メサデルム軟膏/クリーム、アンテベート軟膏/クリーム | ブヨやアブに刺された後のような、炎症や腫れ、かゆみが非常に強い場合に処方されます。 |
Strongest(最も強い) | デルモベート軟膏/クリーム | 最も作用が強力なステロイドです。通常の虫刺されで処方されることは稀ですが、掻き壊して皮膚がゴワゴワに硬くなってしまった(苔癬化)場合などに、短期間だけ使われることがあります。 |
\ ステロイドのお薬について /
\ それぞれの使い分け・詳しい解説は /
\ こちらの記事をチェック! /
リンデロンVG軟膏【抗生物質配合剤】

これは、ステロイド(リンデロン-V)に、細菌を殺す抗生物質(ゲンタマイシン)がプラスされたお薬です。
掻き壊して「とびひ」になってしまった場合など、細菌感染を合併している、またはそのリスクが高い場合に処方されます。
これらのお薬は、全てステロイドが入ったお薬なので、
医師の指示通りに適切な量と期間を守って使用することがとても重要です。
虫刺されの予防法
服装の工夫

アウトドア活動では、肌の露出を避けるため長袖・長ズボンを着用しましょう。ハチは黒い色に攻撃してくる習性があるため、白っぽい服装がおすすめです。
虫除け剤の活用

成分(ディート、イカリジンなど)を確認し、説明書に従って正しく使いましょう。汗をかいたらこまめに塗り直すのが効果的です。
環境の整備

草むらや藪には不用意に近づかないようにしましょう。家の周りのバケツや植木鉢の受け皿に溜まった水をなくすことで、蚊の発生を防げます。
まとめ
虫刺されは、多くの場合は軽い症状で済みますが、原因となる虫によっては、強い症状が出たり、危険な状態に陥ったりすることもあります。
- まずは、何の虫に刺されたかを見極め、正しい応急処置をすることが大切です。
- 息苦しさや強い腫れなど、「危険なサイン」を見逃さないようにしましょう。
- そして何より、予防策を徹底し、虫に刺される機会そのものを減らすことが重要です。
正しい知識で、虫の多い季節も快適に、そして安全に過ごしましょう。
虫刺されの治療は
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この記事の監修者

ウチカラクリニック代表医師
森 勇磨
経歴
東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。