「気づけばいつも頭をポリポリ掻いている…」 「黒い服を着ると、肩に落ちるフケが気になってしまう…」
しつこい頭皮のかゆみやフケは、本当につらくて厄介な悩みですよね。市販のシャンプーなどを試しても一向に改善しない場合、それはあなたの頭皮が発しているSOSサインかもしれません。
そのかゆみ、もしかしたら皮膚科での専門的な治療が必要な病気が隠れている可能性も。この記事では、頭皮のかゆみの原因から、病院へ行くべきサイン、そして皮膚科で処方されるお薬(ローションなど)まで、分かりやすく解説していきます。
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なぜ頭皮はかゆくなるの?かゆみのメカニズム
様々な原因を見ていく前に、まずは私たちの体が「かゆみ」をどうやって感じているのか、その仕組みを簡単に知っておきましょう。
私たちの皮膚には、「かゆみを感じ取るセンサー」の役割を持つ、とても細い知覚神経が張り巡らされています。乾燥や炎症、アレルギー反応などの刺激が頭皮に加わると、皮膚の内部にある細胞から「ヒスタミン」に代表される、いわば“かゆみ原因物質”が放出されます。
この“かゆみ原因物質”を「かゆみセンサー」がキャッチすると、その刺激が電気信号となって脳に伝わり、私たちは「かゆい!」と感じるのです。これが、かゆみが起こる基本的なメカニズムです。

特に頭皮は、他の皮膚と比べて皮脂腺や汗腺が多く、髪の毛で蒸れやすいという特殊な環境です。そのため、皮脂や汗、菌などが刺激となりやすく、他の体の部位に比べてかゆみのトラブルが起こりやすい場所と言えます。
では、具体的にどんなことが、この“かゆみ原因物質”を放出させる「刺激」になってしまうのでしょうか?
次に、頭皮のかゆみを引き起こす主な原因を見ていきましょう!
頭皮のかゆみ、主な5つの原因
頭皮のかゆみは、様々な原因が複雑に絡み合って起こります。代表的な原因を見ていきましょう。
間違ったヘアケア
洗浄力の強すぎるシャンプーで皮脂を取りすぎたり、逆にすすぎ残しがあったり、爪を立ててゴシゴシ洗ったりすることで、頭皮のバリア機能が低下し、かゆみを引き起こします。

頭皮の乾燥
加齢や季節(特に空気が乾燥する冬場)、皮脂の洗いすぎなどが原因で頭皮が乾燥すると、外部からの刺激に敏感になり、かゆみが生じやすくなります。

皮脂の過剰分泌
過剰に分泌された皮脂をエサにして、皮膚の常在菌であるマラセチア菌(カビの一種)が増殖し、その分解物が頭皮を刺激して炎症を起こすことがあります。

アレルギー・かぶれ(接触皮膚炎)
ヘアカラーやパーマ液、特定のシャンプーやスタイリング剤の成分が、自分の肌に合わずにアレルギー反応を起こし、かゆみや赤み、湿疹を引き起こします。

頭皮の病気
かゆみの背景には、以下のような専門的な治療が必要な皮膚の病気が隠れていることも少なくありません。
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)

皮脂の過剰分泌とマラセチア菌が主な原因で起こる皮膚炎です。フケやかゆみ、赤みが特徴です。
詳しい解説はこちら→脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)とは?
アトピー性皮膚炎

体質的に皮膚のバリア機能が弱く、様々な刺激に反応して炎症を起こしやすい病気です。
詳しい解説はこちら→アトピー性皮膚炎とは?
尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)

皮膚が赤く盛り上がり、銀白色のフケのようなものがポロポロと剥がれ落ちる病気です。
詳しい解説はこちら→乾癬(かんせん)とは?
頭部白癬(しらくも)

水虫と同じ白癬菌(カビの一種)が頭皮に感染する病気です。
詳しい解説はこちら→水虫(白癬:はくせん)とは?
これらの病気が疑われる場合は、自己判断せず、皮膚科で正確な診断を受けることが不可欠です。
頭皮の痒みと同時に起こる症状
しつこいかゆみと合わせて、頭皮に以下のような症状は出ていませんか?
付随する症状に注目することで、かゆみの原因を推測する手がかりになります。ご自身の頭皮の状態をチェックしてみましょう。
フケ(乾いたフケ・湿ったフケ)
フケは、古くなった頭皮の角質が剥がれ落ちたものです。
- パラパラと乾燥した細かいフケ
主に頭皮の乾燥が原因と考えられます。過度な洗髪や、季節による湿度の低下が影響していることもあります。 - 黄色っぽくベタベタした大きなフケ
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)の典型的な症状です。過剰な皮脂と、それをエサにする菌が原因となっている可能性があります。

赤み・炎症
頭皮が赤くなっているのは、そこで炎症が起きているサインです。脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、接触皮膚炎(かぶれ)など、多くの頭皮トラブルで共通して見られる症状です。
かゆくて掻きむしることによる物理的な刺激でも、赤みは悪化します。

湿疹・ブツブツ・かさぶた
かゆみと共に、触るとポツポツとした感触がある場合です。
- 赤い湿疹
ヘアカラー剤などによる接触皮膚炎(かぶれ)や、アトピー性皮膚炎などが考えられます。 - 膿を持ったニキビのようなブツブツ
毛穴に細菌が感染して起こる毛嚢炎(もうのうえん)の可能性があります。 - かさぶた
掻き壊してしまった部分が、傷になって固まった状態です。

じゅくじゅくした滲出液や、嫌な臭い
炎症が強くなると、患部からリンパ液などの液体(滲出液)が出て、じゅくじゅくすることがあります。これを放置すると、雑菌が繁殖して嫌な臭いの原因になることも。
主に脂漏性皮膚炎が進行した場合や、掻き壊しによる細菌感染が疑われます。

抜け毛の増加
シャンプーやブラッシングの際に、以前より明らかに抜け毛が増えたと感じる場合は注意が必要です。強い炎症によって頭皮環境が悪化し、毛根がダメージを受けている可能性があります。
特に、脂漏性皮膚炎や頭部白癬(しらくも)などが原因で、脱毛が引き起こされることがあります。

これらの付随する症状がある場合、セルフケアだけでの改善は困難です。
頭皮のかゆみ、受診の目安
頭皮のかゆみは誰にでも起こりえるもの、「このくらいで病院に行くのは大げさかな?」と迷うかもしれません。
しかし、以下のような症状が見られる場合は、専門的な治療が必要なサインです。
頭皮の痒みのチェックリスト
□フケが異常に多い(黄色くベタベタしている、または乾いてパラパラ落ちる)
□かゆい部分に赤み、湿疹、じゅくじゅくした部分がある
□痛みを伴うブツブツやかさぶたができている
□かゆくて夜も眠れない、仕事や勉強に集中できない
□抜け毛が増えてきた気がする
このような頭皮のかゆみは、市販薬での対処が難しいため、皮膚科で診てもらうことを強くおすすめします。

頭皮のかゆみ・悩みは何科へ?

「頭皮がかゆい」と感じたら、迷わず「皮膚科」を受診しましょう。
皮膚科は、顔や体の皮膚だけでなく、髪や爪、そしてもちろん頭皮の専門家です。
頭皮の痒みで皮膚科を受診することは、決して特別なことではありません。しつこいかゆみの裏には、治療が必要な病気が隠れていることも多いため、専門医に相談することが解決への一番の近道です。
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頭皮のかゆみに処方される薬
皮膚科では、症状の原因や強さに応じて、主に塗り薬(外用薬)が処方されます。
頭皮には、髪の毛があっても塗りやすいローションタイプが選ばれることが多いです。
炎症を抑える「ステロイド外用薬」
頭皮の赤みやかゆみといった「炎症」を抑えるための、最も基本的な治療薬です。
ステロイドには5段階の強さのランクがあり、医師が症状や部位に応じて適切なものを処方します。
強さ | 処方例 | 特徴 |
---|---|---|
Weak(弱い) | プレドニゾロン軟膏・クリーム など | 主に顔や首など、特に皮膚が薄くデリケートな部位に使われます。 大人の頭皮のかゆみに対して、最初からこのランクが処方されることは稀ですが、乳児や、ごく軽い症状の場合などに選択されることがあります。 |
Medium(中くらい) | ロコイド軟膏/クリーム、キンダベートローション0.05% など | 症状が軽い場合や、強いステロイドで症状が改善した後の維持期、お子さんの頭皮などに使われることがあります。 |
Strong(強い) | リンデロンVローション0.12%/メサデルムローション0.1% など | 頭皮の湿疹・皮膚炎の治療で、最もよく処方される代表的なランクのお薬です。多くの症状に効果が期待できます。 |
Very Strong(とても強い) | アンテベートローション0.05% など | 強いかゆみや赤みをしっかりと抑える効果があります。 症状が比較的強く出ている脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などに処方されます。 |
Strongest(最も強い) | デルモベートスカルプローション0.05% など | 最も作用が強力なステロイドです。 尋常性乾癬など、非常に症状が重い場合や、掻き壊して皮膚がゴワゴワに硬くなってしまった部分に、短期間で使われます。 |
\ ステロイドのお薬について /
\ それぞれの使い分け・詳しい解説は /
\ こちらの記事をチェック! /
細菌感染も抑える「抗生物質配合ステロイド」
リンデロンVGローション

これは、ステロイド(リンデロンV)に、細菌を殺す抗生物質(ゲンタマイシン)がプラスされたお薬です。
掻き壊してじゅくじゅくしたり、「とびひ」のようになったりしている場合など、細菌感染を合併している、またはそのリスクが高い場合に処方されます。
カビが原因の場合の「抗真菌薬」
ケトコナゾール/ニゾラールローション

脂漏性皮膚炎の原因であるマラセチア菌(カビの一種)の増殖を抑えるお薬です。
かゆみの原因に合わせて、ステロイドと併用されることもあります。
乾燥を防ぐ「保湿剤」
ヘパリン類似物質/ヒルドイドローション

乾燥が主な原因でかゆみが起きている場合に処方されます。頭皮のバリア機能を整え、潤いを保ちます。
スプレータイプは、広範囲に使いやすいのが特徴です。
内側からかゆみを抑える「内服薬(飲み薬)」

夜も眠れないほどかゆみが強い場合には、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬が処方されることもあります。
皮膚科で処方される頭皮の薬、特にローションは、市販薬より効果が高いものが多く、医師の指示通り正しく使うことが早期改善の鍵です!
今日からできる頭皮のセルフケア
病院での治療効果を高め、かゆみの再発を防ぐためには、日々のセルフケアが非常に重要です。
今日から始められる4つのポイントをご紹介します。
毎日のシャンプー方法を見直す
シャンプーはよく泡立て、指の腹で頭皮を優しくマッサージするように洗いましょう。
かゆみの大きな原因となるすすぎ残しがないよう十分に洗い流し、洗髪後はすぐにドライヤーで根本からしっかり乾かすことが基本です。

生活リズムを整え、内側からケアする
栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスを溜めない工夫は、健やかな頭皮環境に不可欠です。
特に、皮脂の分泌を増やす脂っこいものや甘いものは控えめにすることを意識しましょう。
頭皮への物理的な刺激を減らす
日中の強い紫外線は帽子や日傘で防ぎ、汗や皮脂が付着しやすい枕カバーはこまめに洗濯しましょう。
こうした日常の小さな刺激を減らすことも、かゆみの予防・改善につながります。
ヘアケア製品を一度見直してみる
洗浄力の強すぎるシャンプーは、頭皮の乾燥を招くことがあります。
刺激を感じる場合は、頭皮に優しいアミノ酸系シャンプーなどに変えてみるのも良いでしょう。また、ワックスなどのスタイリング剤が頭皮に直接つかないよう注意し、その日のうちにしっかり洗い流してください。

まとめ
しつこい頭皮のかゆみは、単なる不快な症状ではなく、あなたの頭皮が発しているSOSサインです。
セルフケアを続けても改善しない場合は、自己判断で悪化させてしまう前に、皮膚科という皮膚の専門家に相談しましょう。
それが、かゆみの悩みから解放され、健やかな頭皮を取り戻すための一番の近道です。
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この記事の監修者

ウチカラクリニック代表医師
森 勇磨
経歴
東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。