「しっかりシャンプーしても、すぐに頭皮がベタついてフケが出る…」 「鼻のわきや眉間がいつも赤くて、細かい皮がむけてしまう…」
このような症状、多くの人が「体質だから仕方ない」「乾燥しているだけかな?」と思いがちですが、実は「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」という、治療で改善できる皮膚の病気かもしれません。
この記事では、脂漏性皮膚炎の原因から、赤ちゃん特有のケース、そして皮膚科での治療法やご自身でできるセルフケアまで、分かりやすく解説していきます。
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脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)とは?
脂漏性皮膚炎とは、その名の通り、皮脂の分泌が盛んな場所(脂漏部位)に起こる、皮膚炎(湿疹)の一種です。
症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多く、慢性化しやすいのが特徴です。
しかし、これは正しい治療と日々のセルフケアで、症状をコントロールできる病気です。諦めずに、ご自身の肌と向き合っていきましょう。

脂漏性皮膚炎の症状【部位別の特徴】
脂漏性皮膚炎は、皮脂腺が多い「脂漏部位」であれば、どこにでも起こる可能性があります。ご自身の症状と照らし合わせてみましょう。
頭皮
黄色っぽく湿ったフケが出たり、頭皮全体がベタついたりします。
かゆみや赤みを伴うことが多く、炎症が強くなると抜け毛の原因になることもあります。

顔
鼻のわき、眉間、眉毛、髪の生え際、耳の後ろなどが赤くなり、カサカサと細かい皮がむけるのが典型的な症状です。

その他
胸の中央、わきの下、脚の付け根など、衣類でこすれやすく皮脂が溜まりやすい場所にも症状が出ることがあります。

脂漏性皮膚炎の主な原因
なぜ脂漏性皮膚炎は起こるのでしょうか。主に、以下の3つの要因が複雑に絡み合っていると考えられています。
皮脂の過剰分泌
体質や、ホルモンバランスの乱れ(ストレス、睡眠不足など)、脂っこい食事への偏りなどが原因で、皮脂が過剰に分泌されます。
皮膚の常在菌「マラセチア菌」の増殖

これが脂漏性皮膚炎の最大のカギです。マラセチア菌は、誰の皮膚にも存在する常在菌(カビの一種)ですが、皮脂をエサにして増殖します。
皮脂が過剰な環境でこの菌が増えすぎると、菌の分解物が皮膚を刺激し、炎症を引き起こしてしまうのです。
バリア機能の低下
不規則な生活やビタミン不足(特にビタミンB群)、不適切なスキンケアなどによって皮膚のバリア機能が低下すると、マラセチア菌などのわずかな刺激にも過敏に反応してしまい、炎症が起こりやすくなります。
赤ちゃんの「乳児脂漏性湿疹」について
大人のケースとは少し異なり、生後2〜3週間頃から見られる赤ちゃん特有の脂漏性湿疹があります。
これは、病気というよりも、お母さんのお腹の中にいた時にもらったホルモンの影響で、一時的に皮脂の分泌が非常に活発になるために起こる、一過性の生理的な現象です。
眉毛や髪の生え際、頭などに、黄色いベタベタしたかさぶたのようなものがこびりつくのが特徴です。多くは生後数ヶ月でホルモンの影響が薄れるとともに、自然にきれいになっていきます。

ただし、ケアは大切です。ベビー用の石鹸やシャンプーをよく泡立てて優しく洗い、しっかり洗い流した後に、ベビーローションなどで保湿をしてあげましょう。
かゆみが強そう、じゅくじゅくしている、なかなか良くならない場合は、アトピー性皮膚炎との見分けも必要なため、小児科や皮膚科に相談してください。
脂漏性皮膚炎は何科へ?受診の目安
セルフケアを試しても症状が改善しない場合は、専門医の診断を受けることが大切です。
《こんな症状があれば病院へ》
□市販のシャンプーなどを1〜2週間試しても、フケやかゆみが改善しない
□赤みや皮むけがひどく、日常生活で気になる
□症状が顔や頭皮だけでなく、広範囲に及んでいる
このような場合は、「皮膚科」を受診しましょう。

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脂漏性皮膚炎の治療法
皮膚科では、症状の原因と炎症の強さに応じて、主に塗り薬(外用薬)による治療が行われます。
自己判断で市販薬を使い続けるよりも、原因に合ったお薬を処方してもらうことが、早期改善への一番の近道です。
抗真菌薬(塗り薬・ローション)
ケトコナゾール/ニゾラールローション

治療の基本となるのが、原因菌であるマラセチア菌の増殖を抑えるお薬です。これにより、炎症の根本的な原因にアプローチします。
頭皮には塗りやすいローションタイプ、顔にはクリームなどが処方されます。
ステロイド外用薬(塗り薬・ローション)
赤みやかゆみといった炎症が強い場合には、それを速やかに抑えるために短期的に併用します。
ステロイドには強さにランクがあり、医師が部位や症状の重さに応じて適切なものを選択します。
- 顔など
皮膚が薄い顔には、ロコイド軟膏/クリーム0.1%やキンダベート軟膏0.05%といった、比較的マイルドなランクのものが処方されます。 - 頭皮
髪があってもしっかり塗れるよう、リンデロンVローション0.12%や、炎症が強ければアンテベートローション0.05%などが処方されます。
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抗生物質配合ステロイド
かゆみが強くて掻き壊してしまい、その傷から細菌が入り込んで二次感染を起こしている場合(じゅくじゅくして黄色いかさぶたができるなど)には、特別なお薬が処方されます。
リンデロンVGローション

これは、ステロイド(リンデロンV)に、細菌を殺す抗生物質(ゲンタマイシン)がプラスされたお薬です。
脂漏性皮膚炎の主な原因はカビ(真菌)のため、細菌感染のない通常の症状に最初から使われることはありません。掻き壊しによる「炎症+細菌感染」の両方を同時に治療する必要があると医師が判断した場合に処方されます。
内服薬(飲み薬)
外用薬だけでは改善が難しい場合や、症状が強い場合には、飲み薬が処方されることもあります。

- かゆみを抑える薬
かゆみが非常に強い場合には、アレグラ錠などの抗ヒスタミン薬が処方されます。 - 皮脂分泌をコントロールする薬
皮膚の健康を保つために、ビタミンB2やビタミンB6が処方されることがあります。 - 抗真菌薬
症状が非常に強い場合には、短期間、イトリゾールカプセルなどの抗真菌薬の飲み薬が使われることもあります。
悪化させない!日常生活でできるセルフケア
お薬での治療と合わせて、日々のセルフケアを徹底することが、症状をコントロールし、再発を防ぐために最も重要です。
洗い方(洗顔・洗髪)
ゴシゴシ洗いは絶対にNG。低刺激の石鹸やシャンプーをよく泡立て、指の腹で優しくなでるように洗いましょう。
すすぎ残しは悪化の原因になるため、ぬるま湯で丁寧に洗い流してください。

保湿ケア
「ベタつくから保湿は不要」は大きな間違いです。洗顔・洗髪後は、皮膚のバリア機能が低下しているため、油分の少ない敏感肌用の化粧水や乳液などで必ず保湿をしましょう。
これが過剰な皮脂分泌を抑えることにも繋がります。
食生活の見直し
脂っこいもの、甘いもの、香辛料などの刺激物は、皮脂の分泌を増やすため控えめにしましょう。皮膚の健康を保つビタミンB群(レバー、うなぎ、納豆、卵など)や、腸内環境を整える食物繊維を積極的に摂るのがおすすめです。

生活習慣の改善
十分な睡眠時間を確保し、ストレスを溜めない工夫をすることが、ホルモンバランスを整え、皮膚の抵抗力を高める上で非常に大切です。
抗真菌成分配合シャンプーの活用
薬局などで購入できる、抗真菌成分(ミコナゾール硝酸塩など)が配合されたシャンプーを日々のケアに取り入れるのも、再発予防に効果的です。

まとめ
脂漏性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返しやすい、付き合い方の難しい皮膚炎かもしれません。
しかし、その正体は「皮脂」「マラセチア菌」「バリア機能の低下」という3つの要因が引き起こす、メカニズムのはっきりした病気です。
正しい「治療」で炎症を抑え、日々の「セルフケア」で頭皮や肌の環境を整える。この両輪で、症状は必ずコントロールできます。
フケやかゆみ、赤みで長年悩んでいる方は、一人で抱え込まず、まずは一度、皮膚科で相談してみてくださいね。
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この記事の監修者

ウチカラクリニック代表医師
森 勇磨
経歴
東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。