日本にはコレステロールが高い人はなんと200万人以上もいるとされています。
しかし、コレステロールが高いと一口に言いますが、一体どのくらいの数値だと危険なのか。そもそも、コレステロールが高いことは何が危険なのか。
コレステロールが高い人がまずやるべき手っ取り早い対策についても、科学的根拠に基づいてしっかり紹介します。
自分の今の状態を正確に把握するために、コレステロールを下げる為の正しい対策をとるために、一生使える知識を身に着けていきましょう。
ウチカラクリニックではオンライン診療に完全対応し、忙しい方向けに夜間や土日も診療を行っております。
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INDEX
脂質異常症とは
まず、コレステロールに異常があることを、医学用語で「脂質異常症」と呼びます。
脂質異常症に関係がある健康診断の項目は3つ。
アルファベットで紹介すると、
- LDL(善玉コレステロール)
- HDL(悪玉コレステロール)
- TG(中性脂肪)
この3つです。
3つとも聞いたことがない!なんのこと?という人もいると思うので、わかりやすく簡単に解説していきます。
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
悪玉と呼ばれているんですが、一応少し弁解をしておくと、LDLは体に必要不可欠な存在です。
というのも、LDLは普段何をしているかというと、肝臓の工場で作られたコレステロールをのせて、血液の流れにぷかぷか浮かんで全身に運んでいるんです。
「コレステロールなんて運ぶなよ!」と思うかもしれませんが、実はコレステロールは細胞に必ず必要な成分や、ホルモンを作る時の材料になっていて、実は体に必須なんです。
コレステロールが大事な物資だとすると、LDLはそれを運ぶ船のような存在です。

なので、基本的には悪いやつではないですが、料理のレシピと同じように、人間の体の中で、例えばホルモンを作る時に必要な材料の量は決まっています。
なので、LDLの船の数が余分に増えてしまうと、「こんなに船だけあっても運ぶものがないよ!」となり、いらない船は仕事がなくなり放置されてしまいます。
そして何もせずじっとしててくれたらいいんですが、残念ながらこの仕事のないLDLはグレてしまい、最終的に徒党を組んで血管の壁に沈着しだすんです。
これがよくいう動脈硬化、いわゆるカチカチ血管の始まりですね。

そしてこのLDLの暴走を放置してしまうと、最終的には積み重なったLDLにより血管が詰まり、心臓の血管が詰まれば心筋梗塞、脳の血管が詰まれば脳梗塞といった恐ろしい病気の引き金を引いてしまう訳なんです。
HDLコレステロール(善玉コレステロール)
先ほど説明した血管の壁にうずだかく積みあがったLDL、この物質を回収して、血管が詰まらないようにしてくれる、いわば「ゴミ収集車」のような非常にありがたい存在なんですね。
豆知識として、昔は脂質異常症、という言葉は「高脂血症」という呼ばれ方をしていたのですが、HDLについては低い方が問題なんだから、この表現はちょっと微妙だよね、HDLを忘れないようにしよう、ということで2007年に「脂質異常症」に名前が変わりました。

さて、そして、このHDLの数が少ない、数値が低いという人は、すなわちゴミ収集車の数が少ない、という事なので、血管に溜まっていくLDLを上手く回収できなくなるので、動脈硬化が進行するリスクが上がるので危ない、こういうことなんですね。
なので、LDLは高ければ高いほど体によくない、HDLは低ければ低いほど、体によくないということです。
TG(トリグリセリド・中性脂肪)
人間の体は、もしも食べ物がなくなってしまった時のために、前もってエネルギーを蓄えておく機能が太古の昔から備わっています。もし必要以上に、糖質などのエネルギーを摂取した時には、倉庫にたくわえとして置いておくんです。
そしてこの時使う臓器が肝臓。肝臓にはエネルギーの貯蔵庫としての仕事があります。

この倉庫、実は2つに分かれています。
1つ目は、寝ている時や激しい運動をして、エネルギーが足りなくなった時に比較的すぐ使えるようにエネルギーを貯めて置く倉庫。
ここに入っているエネルギーをグリコーゲンと呼びます。グリコーゲンはまるで財布の中に持っておく手持ちのお金のような存在です。
ただ、この倉庫はそんなに容量が多くないし、そんなにいっぱい貯めておいてもしょうがないので、より余った蓄えはもう一つ奥の倉庫に回します。
そして、この奥に入ったエネルギーを中性脂肪、と呼ぶんですね。こちらはまるで銀行に預けてある余ったお金のような存在ですね。

そして、この中性脂肪は血液を流れ、体の脂肪に取り込まれ、皮下脂肪や、内臓脂肪といった形になったり、血液の中でLDLを増やしたりと、ろくな事はしません。
なので、LDL、HDL、中性脂肪、この3つの存在を上手にコントロールしてあげることが重要なんですね。
脂質異常症・悪玉コレステロールの危険な数値
まず、基準値を見てみましょう。基準値はLDLは140、HDLは40、中性脂肪は150となっていて、この基準値を超えたり、下回ったりすると一応「脂質異常症」には当てはまります。
ただ、基準値をちょっと超えたからすぐ危険かというと、そういう訳でもありません。
勿論、基準値内でコントロールするのが理想ではありますが、少し基準値を超えたくらいでものすごく大病のリスクが上がる訳ではないですし、すぐ薬を使わなければならないということもありません。

少しオーバーしているくらいの人は「これ以上上がらないように、生活に気を付けよう」と思ってもらえればOKです。
しかし、ある程度この基準値をしっかりと超えた状態で放置をするのは危険。
- LDLが160を超えると心筋梗塞などの心臓病のリスクが約2.6倍になった
- LDLが180を超えると心筋梗塞などの心臓病のリスクが約5.7倍になった
- 中性脂肪が300を超えると心臓病のリスクが2倍になった
- 中性脂肪が500を超えると「急性すい炎」のリスクが上がった
というデータがあります。
「急性すい炎」とは、すい臓という臓器の炎症を引き起こし激烈なお腹の痛みの症状が出る状態です。
なので、少なくともLDLは160、中性脂肪は300を超えたら病院に行くようにして欲しいと思います。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、脂質異常症のお薬に対する処方の相談を随時受け付けています。
「いつも同じ薬を貰うだけなのに通院はめんどう…」と薬を飲むのをやめてしまった方もオンライン診療なら、家で診察が受けられ、自宅への郵送でお薬を受け取ることもできますよ。

脂質異常症を改善し、悪玉コレステロールを下げる方法
①脂を置き換える
皆さんはあぶらにも良いあぶらと悪いあぶらがあるのをご存じでしょうか?
悪いあぶらが入っている食べ物の代表例は、
- 肉の脂身
- ウインナー
- ベーコンなどの加工したお肉
- チーズなどの乳製品
- バター
- ドーナツ など
こういった食品には、「飽和脂肪酸」と呼ばれる悪玉コレステロールを上げる成分が含まれていますので、これらが食卓に上がりやすい場合は頻度を減らして上げましょう。
反対に登場回数を増やして欲しいのが、「不飽和脂肪酸」。
- なたね油
- オリーブオイル
- お魚に含まれる魚油 など
に含まれていますので、食卓に上がる頻度を増やしたい所。
勿論お肉を全く食べるなという話ではなく、程度問題なので、
- 主食は肉よりお魚を選ぶ頻度を上げる
- 目玉焼きに必ずのせるベーコンを外す
- パンに必ずつけるバターをオリーブオイルにしてみる
など、毎日の習慣の中で変えられるポイントを探してみると良いと思います。
②卵とコレステロールについて知る
「卵を食べ過ぎるとコレステロールが上がる」こんな風によく聞かれますが、実際はどうでしょうか?
結論から言えば、食べ過ぎは気をつけたいけど、1日1個くらいなら大丈夫そう。こう考えられています。
現在学会の基準だと、LDLが高い人は、1日コレステロール200mgまでの摂取にして、生活の対策をする方針になっています。
そして卵に含まれているコレステロールの量は、1個あたり210mg。1個で200mgをオーバーしてしまいます。
なので、まあ少し甘めに見て、1日1個くらいなら許容範囲内かな?という印象です。

なかなか卵なしの生活というのも難しいと思うので、1日1個くらいを目指すのが妥当なのではないでしょうか。
勿論コレステロールを上げる食べ物であるのに間違いはないので、LDLが高い人はできるだけ食べ過ぎない方が良いです。
どうしても卵が好きな人は、コレステロール分のほとんどが卵黄の部分なので、卵白を使った料理で満足できるなら、そちらはほとんど気にせず食べてもらって良いでしょう。
③食物繊維の摂取量を増やす
厚生労働省の作った基準では、18歳から65歳までの食物繊維の1日の目標の量は、男性で21g、女性で18gとされています。しかし、今の日本人の平均摂取量は、なんと14g前後。
実は多くの人が食物繊維の摂取が足りていない状況なんです。
戦後の日本人は1日20gを超える食物繊維を摂取していたんですが、食事の欧米化に伴って、いもや豆類を以前より食べなくなってきたことでこんな状況になっているんです。

食物繊維はコレステロールから作られる「胆汁酸」を体の外に排泄してくれて、コレステロールの数値を下げる効果があるとされています。
是非古き良き習慣は取り戻して、食物繊維を意識的に摂取するようにしていきましょう。
おススメの方法は、やはり「主食」での対策。
おススメの食材は「茶色い炭水化物」と呼ばれる玄米、麦ごはん、胚芽米など。

精製される前のお米の方が食物繊維がたっぷり含まれているので、白いご飯に混ぜてあげて楽しく食べてあげると効率よく食物繊維を摂取できますので是非取り入れてみてください。
④野菜や大豆の摂取量を増やす
そして、食物繊維が多く含まれている食品でもありますが、野菜や大豆。これらもコレステロール対策にはかかせない存在。
お金もかからず、有効なコレステロール対策をとることができます。
お肉の代わりに大豆を使った大豆ハンバーグをメインディッシュにしたり、毎日朝昼晩どこかで必ずサラダを食べるようにするなど。
自分が野菜と大豆離れをしていないか?ということは常に頭に入れて置くようにしてください。

⑤有酸素運動をする
ウォーキング、ランニング、水泳、ダンスといった有酸素運動はLDLを下げ、HDLを増やしてくれる効果のある一石二鳥の最高の対策です。
目標としてかかげられているのは、1日30分くらいの有酸素運動。
でも皆さん時間もそんなにないと思いますし、そんなに高い目標じゃなくても、5分でも1分でもしないよりはした方が良いです。

理想は理想で覚えておいて、実際には例えば
- 最寄駅の1駅前で降りて家に帰るようにする
- 家についたら家の周りを必ず1周してから家に入る
- お風呂に入る前にスクワットを10回する
など、自分の続けられる範囲で良いので、無理せず、運動の習慣をつけていってください。
まとめ
コレステロール対策というのは一時的に頑張るものではなく、一生末永く、ゆる~く付き合っていくもの。
自分の生活に無理なくしみこんでいく、そんな対策を今回紹介した食事と運動の方法からまず1つ選んで、今日から続けていきましょう。
ちりもつもれば山となるで、必ずあなたの未来の健康に貢献してくれるはずです。
もう正しい知識はみなさん手に入ったので、あとは実践するのみ!みんなで楽しく生活をより良いものにしていきましょう。
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