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睡眠薬の種類・強さ・効かない時の原因・デエビゴなどの新薬について医師が徹底解説!

睡眠薬は長いこと飲み続けると危険な副作用がある。あなたはこんな話を聞いたことがあるでしょうか。

・睡眠薬は依存しやすい

・認知症のリスクを上げる

・寿命を縮める…

巷では睡眠薬について様々な情報が流れています。

今回は医師の立場から、睡眠薬の巷の噂について徹底検証し、正しい医学知識を身に着けてもらおうと思います。

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睡眠薬が効かない時は?飲み続けた時の副作用とは?

本記事では、あなたの気になる疑問を徹底解消していきます。

日本では5人に1人が不眠症に悩まされていると言われていて、睡眠薬を一度は使ったことがある人が多いでしょう。

そして、実は最近では新薬と呼ばれる新しい睡眠薬も登場しているのですね。

一体どんな薬なのでしょうか。

是非今回の知識はしっかり覚えておいて、自分にとってベストな形での睡眠薬とのお付き合いをしていきましょう。

ではまず睡眠薬に関して世の中でよく出る疑問に応える形で、睡眠薬について一つずつ知っていきましょう。

よく、

医師から何年もの間同じ睡眠薬が処方され続けている。時には量や種類が増えることもある

やめるとなかなか眠れなくなってしまうので、結局ずっと飲み続けている

こういった内容について心配をされる方がいらっしゃいます。実際これは大丈夫なのでしょうか?

回答としては、一部の睡眠薬では、あまり良くない結果になってしまうこともあります。

睡眠薬には種類にもよりますが、とある嫌な2つの特徴を持っていることがあります。

それが「耐性」「依存」です。

睡眠薬の副作用①耐性

「耐性」というのは、睡眠薬を飲み続けていると、脳がだんだんその薬に慣れていってしまい、今までは効いていた薬がだんだん効かなくなっていってしまう状態のことです。

例えば、最初は1錠でぐっすり眠れていたのに、だんだん1錠では効かなくなり、2錠、3錠と量を増やさないと同じ効果が得られなくなることがあるんですね。

お薬の話以外でも、毎日コーヒーを飲んでいたら、最初は1杯で満足していたのにだんだん2杯、3杯と量が増えたり、お酒も量が増えると少量では満足できなくなることがありますよね。

この現象が「耐性」です。

睡眠薬の副作用②依存

そして「依存」については説明不要かと思いますが、薬にすがりついてしまうような状態のこと。

薬がないと不安になったり、薬がないことでより眠れなくなったりしてしまいます。

コーヒーも「毎日飲まないと気が済まない」と依存してしまうケースもありますし、アルコール依存症も文字通りお酒に依存している状態のことです。

そして、こういった耐性と依存性のある睡眠薬を毎日、長期間飲み続けるとどんなリスクがあるか、想像してみてください。

例えば、

眠れない症状でクリニックを受診。とある睡眠薬が出されました。

睡眠薬を飲みだして、最初はスッキリと眠れていたんだけれども、だんだんと「耐性」がついてくることで2錠、3錠と量が増えてしまったり、他の種類が処方されたりする。

こんなに飲んでいて大丈夫かなあ、と心配になり、いざやめようと思っても、長い間飲んでしまっているので、「依存」によりなかなかやめることができない。

耐性や依存性のある睡眠薬が長期で出されている患者さんではこういうことが起きるんですね。

ただ、嫌な話ばかりしましたが、これは勿論その人の病気や症状による部分はあります。なのでどうしても病状によっては、長期で処方しなければいけない場合もあることも覚えておいて下さい。

ただ一つ間違いなく言えることは「耐性」と「依存」がある睡眠薬は、もし可能なのであれば短期間で、耐性と依存性が作く前にやめられるのであればやめたい所です。

しかし、睡眠薬というのは少し軽んじられて扱われてしまうこともあります。

一部では町医者さんなんかでも耐性と依存性があるのにそこまで考慮されずに処方されていることもありますし、もしクリニックを商売として考えると、薬に依存してくれた方が収入にはなりますから、あまりいないとは信じたいのですが、中には意図的に処方している所もあるかもしれません。

だからこそ正しい医学の知識を身に着けておくに越したことはないですから、是非こういった薬の欠点も知ってもらえたらと思います。

では、こういった睡眠薬の副作用も踏まえて、具体的にどういった薬がおススメなのか、副作用はどんな種類と特徴があるのか、一緒にみていきましょう。

睡眠薬の種類や強さについて

では次は、具体的な睡眠薬の違いや特徴についてみていきましょう。

睡眠薬の種類:ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系

睡眠薬は大きく2つに分けられます。

それは「ベンゾジアゼピン系」「非ベンゾジアゼピン系」。この言葉を聞いたことがあるのでしょうか。

まず、ベンゾジアゼピン系について説明します。

脳の中にある、「ベンゾジアゼピン系受容体」という所があり、ここにスイッチを押されると脳の興奮がおさえられ眠気が出現するのですが、

ベンゾジアゼピン系の薬はここのスイッチを押してくれる薬なんですね。

ここのスイッチを押すことで、「GABA」という眠くなる神経の伝達がうながされて、人が眠くなるという仕組みなんです。

長いのでベンゾと略すことが多いです。

そしてなぜ、この2つで分けられているかと言いますと、このベンゾこそが「耐性」「依存」がつきやすい薬だからなんですね。

具体的なベンゾジアゼピン系のお薬は、

デパス(エチゾラム)

ハルシオン(トリアゾラム)

サイレース(フルニトラゼパム)

といった薬です。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬「デパス」の特徴について

特にデパスは「短時間型睡眠薬」と呼ばれ、要するに即効性のある薬ということ。

使ってみると最初はすっと寝れられるのですが、前半で紹介した耐性や依存性が問題になってくることが多いです。

そしてデパスにはもう一つ特徴があります。それが「筋弛緩作用」

これは要するに筋肉をゆるめる作用なんですね。そのため実は肩こりにデパスが使われることもあるんです。

これだけきくと「一石二鳥のいい薬じゃないか」と思われるかもしれませんが、この筋肉をゆるめる作用と、そもそもの強い作用があいまって、ふらつきや転倒が起きやすくなることも。

そのため、高齢になってデパスを飲んでいる人は少し要注意なんです。

しかしいざ高齢になって、昔から飲んでいたデパスをやめようと思っても、例のごとく依存性があるのでなかなかやめられない。

そしてある日ふらついて家の中の階段で転んで転倒して足の骨を折ってしまう。こんなエピソードは珍しくありません。

こういったデパスに依存してしまった患者さんの経験を多くしている医者の間では「デパスは気軽に出すな」とよく言われるのですが、こういった事情があるんです。

勿論絶対使うなという訳ではありませんし、皆さんの中にも使用してしまってやめられない、という人もいるでしょう。

ただ、使用する、やめられないとしてもこういった背景は知っておくことが大切ですので是非覚えていてください。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬「ハルシオン」「サイレース」の特徴について

ちなみに、ハルシオンやサイレース、といったベンゾの睡眠薬は青色の錠剤なのですが、なぜ青色なのかご存じでしょうか?

これは、実は悪用を防ぐためなんですね。例えば飲み会でわざと女性の飲み物に睡眠薬を入れるというといったような悪質な行為を防ぐために、水に溶けた時青色になる仕組みになっているんです。

ベンゾと一言で言いますが、中でもデパスのように即効性のある薬から

コンスタン(アルプラゾラム)

ワイパックス(ロラゼパム)

メイラックス(ロフラゼプ酸エチル)

といった中時間型、長時間型と呼ばれるマイルドに効いてくれる薬も存在しています。

そしてこの令和の時代にはベンゾより耐性・依存性が改良された薬がありますから、できるだけ使うとしてもベンゾではない薬に変えられるのなら変えた方が良いのですが、

どうしても実際の現場では効果のしっかりと出るベンゾを使うこともある、ということも知っておいて下さい。

睡眠薬の副作用に認知症がある?

ちなみに、睡眠薬が認知症のリスクを上げるかどうか?

この疑問については、一部の研究でベンゾジアゼピン系の睡眠薬が認知症のリスクを上げるかもしれないという報告はあるものの、まだはっきりとはしていません。

ただはっきりしているのは、睡眠不足というのは健康に明らかによくないことですから、もし普段から寝れていない状態が続いていて、色々工夫をしても改善しない場合はお薬に頼るという選択肢は決して悪いことではないでしょう。

睡眠薬の種類:デエビゴなどの新薬について

ここまでベンゾジアゼピン系のお薬について説明してきました。

ベンゾ以外にも

マイスリー(ゾルピデム)

アモバン(ゾピクロン)

といった薬もあるのですが、これらも耐性や依存性が出ることがあり、ベンゾに近い薬特徴を持っています。

だったら今は何がよく処方されるの?と気になるかと思いますが、

最近よく処方されるのは、「新薬」、新しく出現した薬なんですね。

これらは耐性や依存性が少なく、従来の薬に比べて安全に使いやすいと言われているんです。

ではどんな薬なのか一緒にみていきましょう。

睡眠薬の新薬の種類①ロゼレム(ラメルテオン)

まず紹介するのは、「ロゼレム(ラメルテオン)」

あなたは「メラトニン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

メラトニンとは脳の「松果体」という部分から分泌されるホルモンで、このホルモンは体内時計として睡眠のコントロールをしてくれているホルモンなんですね。

そして、なんとこのロゼレムという薬は、メラトニンと似たような物質で、同じような効果を発揮して体内時計のリズムを正常に近づけていってくれるんです。

メラトニンは朝に少なく、夜にかけて多く分泌されるものなのですが、ロゼレムもその特徴に合わせてくれます。

寝入りを良くする効果や即効性は強くないのですが、徐々に徐々に体内時計を正常に戻し、眠くなる時間がだんだんだんだん早まっていくような薬なんですね。

睡眠薬の新薬の種類②デエビゴ(レンボレキサント)・ベルソムラ(スボレキサント)

そして次に紹介する新薬がデエビゴ(レンボレキサント)とベルソムラ(スボレキサント)。

この薬に関係しているホルモンが「オレキシン」

オレキシンというのは、先ほど紹介したメラトニンの真逆のようなホルモン。

メラトニンが人を寝かしつけてくれるようなホルモンだとすると、オレキシンは覚醒させるようなホルモンなんですね。

そしてこのデエビゴやベルソムラは「オレキシン受容体拮抗薬」と呼ばれていて、要するに体を覚醒させるホルモン、オレキシンのスイッチを切ってくれるお薬で非常に優秀なんです。

一部悪夢を見る副作用が起きることもありますが、依存性や耐性が少ないので、まずはこの薬を最初に使うのが今は主流なんですよね。

まとめ

眠れない時は、最初は

熱いお風呂に入る

寝る前にスマホを見ないために充電場所をリビングにする

寝る前はあかりを暗くして過ごす

といった睡眠薬を使わずに寝られるならその対策を優先すべきでしょう。

ただ、覚えておいて欲しいのは、現代ではこのように依存性の少なくて、しっかりと効果が出るような薬がどんどん出てきていますから、もしそれでも眠れない症状があるのはお薬に頼るのは悪いことではないということ。

使わなくていいなら睡眠薬は使わず寝られるといいし、

それでも寝れなければデエビゴ、ベルソムラ、ロゼレムといった新薬を最近は最初に使うのが主流。

それでもダメならベンゾなどを使用することもあるが、あまり長期的に毎日飲まないように工夫するのが重要。

このような正しい睡眠薬の知識を覚えておいてくださいね。

あなたの睡眠ができるだけ快適になることをお祈りしています。

ウチカラクリニックではオンライン診療に完全対応し、

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糖尿病でお困りの方、通院中の薬をご希望の方は

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この記事の監修者

この記事の監修者

ウチカラクリニック
森 勇磨

経歴

内科医/産業医/労働衛生コンサルタント
ウチカラクリニック代表
予防医学ch/医師監修 管理人

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ウチカラクリニック
森 勇磨

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内科医/産業医/労働衛生コンサルタント
ウチカラクリニック代表
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