男性更年期の初期症状をチェックしょう。何科を受診すべき?【医師解説】


「男性更年期」という言葉自体は世の中に少し浸透してきましたが、結局何なのかがわからず症状が出ても放置してしまうことが珍しくないです。

男性ホルモンは10代から30代をピークにじわじわ減っていき、中高年の人にとっては男性ホルモンの量が少なくなってくると様々な症状を引き起こすことがあります。男性ホルモンが徐々に少なくなっていくのは、歳を取れば仕方のないことではあるんですが、今後は人生100年時代、要するに平均寿命が100歳まで伸びてくるなんてことも言われています。

だからこそ、男性ホルモンが少なくなったら男の人生は終わりじゃもったいない。100歳まで生きれる現代、男性ホルモンが少なくなってからが人生の本番です。この記事で医学的に正しい男性更年期の知識を身に着けていきましょう。

ウチカラクリニックではオンライン診療に完全対応し、忙しい方向けに夜間や土日も診療を行っております。

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男性更年期の初期症状チェック

男性更年期の症状①:性欲の低下

人間の性欲はテストステロンと言うホルモンにコントロールされています。
最近はこのテストステロンっていう名前をいろんなところで聞くようになってきたので、知っている方も多いかもしれません。

このテストステロンが作られている工場は精巣です。
精巣で作られたテストステロンが人間の三大欲求である性欲をコントロールしています。

ただ、人間は年を重ねるごとに、精巣でテストステロンを作っている工場員であるライディッヒ細胞という細胞の数が徐々に減っていってしまい、「工場の生産数が落ちていってしまう=だんだん性欲も衰えてきてしまう」という仕組みなんですね。

女性の場合は閉経あたりのタイミングで一気に女性ホルモンが減って更年期の症状が出る人ははっきり出るので気づきやすいですが、男性の場合はじわじわホルモンが出る量が減っていくので、結構気づかない場合も多いです。

また、このテストステロンの量が減っていくことで勃起不全(ED)になることもあります。

しかし、人間の体に本能としてプログラムされているはずの性機能がどうして年をとると機能しなくなることがあるんでしょうか?
はるか昔、江戸時代くらいには人間の寿命は織田信長が吟じた歌の通り50年くらいでした。ところが医学の凄まじい進歩によりどんどん寿命が延びていき、今後は人生100年時代なんて言われてるんですよね。

寿命が100歳ということは江戸時代の場合の倍になっているので、もともと動物としての生殖機能は50年キープしておけば十分だったのに、この人間の寿命の急激な伸びに精巣はびっくりしています。

そのため男性ホルモンの生産はまだまだ寿命に追いつけていないんです。このことが弊害となって中高年男性更年期という状態が生まれてしまっているわけです。

そしてこの男性ホルモンであるテストステロン、なんと血液で数値がわかります。
男性更年期の判断方法の一つに血液検査でテストステロンの数値を測るという方法があります。

テストステロンの数値が低いと男性更年期ではないかと考えて、ホルモンを補充する治療や漢方薬を使った治療を行うことがあります。
まだまだ研究の必要な分野ではありますが、アメリカの内科学会でも性の悩みがある方にとってはメリットとデメリットをしっかり知った上で、ホルモン療法を行う選択肢があってもいいだろうと発信しています。

「年をとったから性機能が落ちてもしょうがない」これは自然の摂理ではありますが、今や人生100年時代。まだまだ先の長いあなたの人生を楽しむためにも全く諦める必要はないと思います。

もし性の悩みでお困りの人は一度「ウチカラクリニックのオンライン診療」へ相談してみてください。当院ではED治療などの男性更年期への治療を行っています。(ED治療は自費診療になります)

男性更年期の症状②:筋肉量の低下

テストステロンには筋肉を維持する役割もあります。

思春期の男子にある「久々に会ったら急に背が伸びたり声変わりをしたり筋肉ががっちりしたりしていて、別人になっちゃったねどうしたの」あの現象の背景には、テストステロンの存在があります。

テストステロンは思春期にドバッと出る量が増えます。そこで身体の中で一気に体を成長させてくれます。
そして20代前半くらいまでは増え続けていきますが、残念ながらそこをピークにじわじわ減少していきます。そして45歳くらいになるとかなりのテストステロンの量が減っていて、筋肉量が自分でわかるくらい減ってきてしまうんです。

そしてテストステロンにはもう一つ役割があり、内臓脂肪がたまるのを抑えてくれる働きもあります。

このため何もしなければ徐々に年齢を重ねるごとに筋肉量が減って内臓脂肪が増えていってしまいます。中高年の人にお腹が出て少し細くなった体型の人が多いのはこういった事情も影響しているんですね。

だからこそ運動が重要です。中年になってまで運動したくないよって言ってビールを飲みながらテレビで野球観戦しているそこのあなた、中年になったからこそ運動が必要なんです。体の変化に合わせてギアを上げて、しっかり運動を取り入れていってくださいね。

男性更年期の症状③:仕事ができなくなる

男性更年期ではうつ病と似た症状が現れることがあります。

テストステロンは別名社会性ホルモンと言われています。大規模な研究データはないものの、一部の研究ではテストステロンが高い人は仕事が出来るとか、行動力があるとかって説もあるんです。

少なくともテストステロンは人間の活力に影響しているので、出る量が減ると活力が落ちてしまい仕事に影響が出る場合は当然あるでしょう。

そのため年をとってテストステロンの出る量が少なくなると、憂鬱な気分がしたりやる気が出ないなんだかだるいといったあたかもうつ病のような症状が出てくることがあるんです。
さらに、例えば「急に営業の仕事から中間管理職に異動させられて仕事が全然うまくいかなくてストレスが溜まってしまったり、がむしゃらに仕事を頑張ってきた人がようやく定年退職をしてほっと一息ついたところで何にもやることがなくて刺激がなかった。」こういった事が原因でテストステロンが下がってしまうっていうこともあります。

年をとることと仕事のストレスのダブルパンチでガクッとテストステロンが下がって、急に仕事ができなくなってしまうといったケースはあり得ます。あなたが能力が低いとか向いてないとか、そういったことではありませんので自分を責めて辛い思いをしないようにしてください。

男性更年期は何科を受診すべき?

この記事で紹介された症状、自分も当てはまる部分が結構ある。男性更年期かもしれない。でも結局どうしたらいいの?と少しでも気になることがあれば病院で相談しましょう。

男性更年期自体は泌尿器科が専門になります。

ただ今回紹介した症状は男性ホルモン以外にも、甲状腺のホルモンや他のホルモンの出る量が少なくなっていても起こることがあるので、まずは内科で相談してみるといいと思います。

気分の落ち込みが重要なら、メンタルクリニックがいいでしょう。

そこで男性更年期の可能性があるかな?遠い者が判断した場合は泌尿器科の受診をおすすめされることもあると思います。

「ウチカラクリニックのオンライン診療」では男性更年期によるED、気分の落ち込みなどの諸症状に対応しています。

治療を行うことで元気になったというケースは珍しくありません。ぜひ今回紹介した内容を覚えておいて、男としての人生をできる限り謳歌していってくださいね。

ウチカラクリニックではオンライン診療に完全対応し、忙しい方向けに夜間や土日も診療を行っております。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。