花粉症は何科を受診すればいい?症状別のおすすめ診療科と治療方法を医師が徹底解説!

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「くしゃみや鼻水、目のかゆみが止まらない…早く病院に行って花粉症のお薬をもらいたい。でももし病院に行くなら何科へ行けばいいんだろう?」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。花粉症は日本人の4人に1人が悩まされるともいわれるアレルギー症状で、放置すると日常生活に大きな支障をきたしてしまいますよね。

本記事では、医師が花粉症の原因や症状の特徴、そして「何科を受診すればいいのか」について詳しく解説していきます。さらに効果的な治療方法や「忙しくて通院が難しい方向けのオンライン診療」の活用法までまとめています。つらい症状でお悩みの方は、ぜひ参考にしてくださいね。

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花粉症の症状について。風邪との見分け方は?

花粉症は、スギやヒノキ、イネ科などの植物の花粉が原因で起こるアレルギー性疾患(季節性アレルギー)です。花粉が鼻や目の粘膜に付着することで体が「異物」と認識し、攻撃。その結果としてくしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの症状を引き起こします。

花粉症と風邪のちがい

よく診察で聞かれるのが、花粉症と風邪の症状の違いがあるのか?という事。そこで症状の違いについて、下記の表にまとめました。

症状花粉症風邪
くしゃみ連発しやすいあったとしても1〜2回程度でそこまで続かない
鼻水サラサラで透明黄色っぽく粘り気のあることが多い
発熱平熱38度以上の高熱を伴うこともある
症状の継続期間花粉が飛んでいる間ずっと(数週間〜数ヶ月)多くは1週間前後で改善

確かに、症状だけだと区別がつき辛いのですが、熱が出ておらず、サラサラの鼻水が出ていて、くしゃみを連発している。こういった場合は花粉症の可能性が上がります。

また持続期間も風邪の場合は1週間前後なので、2-3週間など長引く場合は花粉症の可能性があり、早めに医療機関で相談しましょう。

花粉症の症状について

花粉症の症状は、鼻、目、それ以外に分けられます。

鼻の三大症状

  • くしゃみ:連発することが多く、朝起きた直後や外出先で悪化しやすい
  • 鼻水:透明でサラサラしている。放置すると鼻づまりと併発することも
  • 鼻づまり:夜間の睡眠障害の原因にもなり、集中力が低下する

目の三大症状

  • 目のかゆみ:こすりすぎると角膜や結膜を傷つける恐れ
  • 充血:アレルギー反応で血管が拡張し、真っ赤になる
  • 涙目:目が花粉を洗い流そうとして涙が増える

その他の症状

  • のどの痛み・かゆみ、咳(気管支への刺激が原因)
  • 頭痛・倦怠感・微熱
  • 肌荒れや皮膚炎、耳のかゆみなど

くしゃみや鼻水、目の充血はご存じの人が多いでしょう。その他には鼻づまりなどに連動して頭痛の症状が起きることや、いわゆる「花粉症皮膚炎」と呼ばれる花粉が皮膚に付着することで起きる肌荒れや皮膚炎の症状が起きることも。

症状が軽度の場合は市販薬やマスクなどで対処する人も多いですが、中〜重度になると鼻づまりで夜眠れない、集中力の大幅低下など生活の質が著しく落ちます。

花粉症の原因は?代表的な植物と、飛散の時期について

花粉症の原因は、日本で季節ごとに飛散している様々な花粉。主な例は以下の通りです。

  • スギ / ヒノキ:冬〜春(2〜4月)
    • 日本で最も多い原因花粉。スギ・ヒノキが同時期に飛ぶため、長期間症状が続くケースも。
  • イネ科(カモガヤなど):春〜夏(5〜8月)
    • 河川敷や道端に多く生息し、夏場でも花粉症に悩む人が増える原因。
  • ブタクサ / ヨモギ:夏〜秋(8〜10月)
    • キク科に属し、秋のアレルギー症状の代表格。
  • ハンノキ / シラカンバ:初春(1〜6月)
    • 北海道や高原地帯で発症するケースが多い。スギより早く飛散開始することも。

どの花粉が原因になっているかを特定するには、病院での検査(血液検査や皮膚テストなど)を受けるのが確実です。

花粉症は何科を受診すべき?そもそも病院を受診すべき?症状別のおすすめ診療科

それでは、花粉症は何科を受診するべきなのでしょうか?基本的には花粉症は「国民病」とも呼べる程数が多い病気なので、内科・耳鼻科・アレルギー科といった科であれば、問題なく対応してもらえるでしょう。

ただし、出る症状の種類や重さは人それぞれなので、もし選択するのであれば受診すべき診療科と、科を選ぶポイントは以下の通りになります。

①内科

  • 対象症状:鼻水・くしゃみ・のどの痛みなど、呼吸器系トラブル全般
  • 特徴:幅広い疾患に対応しているため、まずは内科で花粉症かどうかを確認するのもOK。血液検査も可能。

こんな人におすすめ

  • 「花粉症か風邪か分からない」「発熱や咳など全身症状が強い」という場合
  • 地元に耳鼻科が少ない、かかりつけ内科がある人

②耳鼻科(耳鼻咽喉科)

  • 対象症状:鼻づまり、鼻水、くしゃみ、のどのかゆみ・痛み
  • 特徴:鼻や喉の専門家なので、くしゃみ・鼻水・鼻づまりがつらい方には最適。内視鏡で鼻の中を詳しく調べられる。

こんな人におすすめ

  • 鼻炎・副鼻腔炎・中耳炎の合併が疑われるケース
  • レーザーなどを使った処置が必要なほど重度の鼻づまりがある場合

③眼科

  • 対象症状:目のかゆみ、充血、涙目、異物感
  • 特徴:目の症状(結膜炎、角膜障害など)に特化し、点眼薬や洗眼液の処方などを受けられる。

こんな人におすすめ

  • 鼻よりも目のかゆみ・充血がメインで困っている
  • コンタクトレンズユーザーで、目のトラブルが起きやすい

④小児科

  • 対象:15歳以下の子供全般
  • 特徴:子供の花粉症では、薬の選び方・用量が大人と違う場合が多い。小児科なら子供に合わせた対処を受けられる。

こんな人におすすめ

  • 幼児〜小学生で「鼻づまりで夜泣きがひどい」「アレルギー検査をしたい」などの場合

➄ アレルギー科

  • 対象:花粉症以外にも、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどアレルギー全般
  • 特徴:自分の花粉症が何科の花粉なのか明らかにしたい人におすすめ。重症または長引く花粉症で悩む方は、一度アレルギー科を検討してみるとよい。

花粉症の基本的な治療はどの科でも対応できますが、

  • 自分の症状が本当に花粉症なのか、何科の花粉が原因なのか知りたい
  • 処置も含めて様々な選択肢の中で検討したい

こういう方には耳鼻科やアレルギー科がおすすめです。

花粉症は病院を受診すべき?

また、そもそも「花粉症は病院を受診した方がいいのか」こんな疑問については、「市販薬で症状が毎年おさまらない人は受診すべき」という回答になるでしょう。

一般的には市販薬は、誰でも購入できるからこそ副作用のリスクを減らすために、処方される薬より成分量が減らされていることも。

そのため市販薬を使用しても症状がおさまらない人は、早めに病院を受診してお薬を処方してもらった方が良いでしょう。

また、妊娠中・授乳中などで薬に不安がある場合・呼吸が苦しくなったり、発作的な咳やぜん鳴がある場合なども、病院を受診した方が安全ですね。

花粉症の検査方法

自分が花粉症かどうかをそもそも知りたい方もいるでしょう。検査にはどのような方法があるのでしょうか?

①血液検査(IgE検査)

代表的なものが「血液検査」です。採血により、スギ・ヒノキ・ブタクサなどの特定アレルゲンへのIgE抗体量を測定します。このIgE抗体が増えれば増えるほど、体のアレルギー反応が強くなります。

一度の採血で36種類前後のアレルゲンをまとめて調べることができる「MAST36」という検査方法も存在します。

②皮膚反応検査

皮膚にアレルゲンエキスを少量付けて、腫れや赤みの出方を観察する検査です。即時型アレルギー(花粉症など)の有無を直接チェックできます。

③鼻粘膜誘発テスト

花粉エキスを鼻の粘膜に付けて反応をみる方法です。実際の鼻内部でどの程度アレルギー反応が起こるか確認できます。

④迅速血液検査(イムノキャップラピッドなど)

指先から少量の血液を採取し、その場で結果が分かるキットも存在します。忙しい方や採血が苦手な方でも利用しやすいです。

花粉症の治療:薬物・免疫・手術療法

花粉症の治療方法についても知っておきましょう。

薬物療法

抗ヒスタミン薬(内服薬)

まず、一般的なのは「飲み薬」での治療。「抗ヒスタミン薬(内服薬)」と呼ばれるお薬を内服し、くしゃみや鼻水、目のかゆみを抑えます。

一部の薬は副作用(眠気や口の渇き)があるので、医師と相談し適切な薬を選びましょう。

代表的なお薬

アレグラ(フェキソフェナジン)|ルパフィン|タリオン(べポタスチンべシル)|ザイザル(レボセチリジン)

アレロック(オロパタジン)|デザレックス|クラリチン(ロラタジン)

アレジオン(エピナスチン)|ジルテック(セチリジン)|ゼスラン(メキタジン)|ディレグラ|エンペラシン

モンテルカスト|プランルカスト(オノン)|ポララミン|セレスタミン など

点鼻薬・点眼薬

飲み薬でおさまらない場合は、点鼻薬を使用することもあります。また目のかゆみや充血などには目薬(点眼薬)を使用します。

代表的な点鼻薬

ナゾネックス(モメタゾンフランカルボン酸エステル)|アラミスト(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)|エリザス など

代表的な点眼薬

パタノール|アレジオンLX(エピナスチン)|クロモグリク|フルメトロン など

アレルゲン免疫療法

舌下免疫療法

花粉症を根本から治す治療には「舌下免役療法」という手段があります。アレルゲン(スギ花粉など)を少量ずつ舌下に投与し、体を徐々に慣れさせる治療法です。

3〜5年ほど継続が必要なのが難点ではありますが、根本的な改善が期待できるのが特徴です。

皮下免疫療法

アレルゲンを皮膚に注射することで体を慣らす方法です。通院の手間はかかりますが、効果が安定しやすいのが特徴です。

手術療法

上記の手段で解決しな場合は、手術が選択されることも。レーザーや高周波で鼻の粘膜を焼く「粘膜変性手術」や、鼻の構造自体を整え、重度の鼻づまりを緩和する「鼻腔形態改善手術」、鼻水の指令を伝える神経を切り、一時的に分泌を抑制する「神経切断術」などの方法があります。


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この記事の監修者

ウチカラクリニック

経歴

内科医/産業医/労働衛生コンサルタント
ウチカラクリニック代表
予防医学ch/医師監修 管理人