膣カンジダとは?症状・原因・薬の治療法・予防法について医師が完全解説!

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その下半身のかゆみ、普段のとある行動が原因かもしれません。

多くの女性を悩ませる膣カンジダ

何回も何回も再発するこの病気の症状に悩んでいる人は多く、女性のおよそ5人に1人が経験しているとされる、全く珍しくない病気です。

今回は膣カンジダの間違った対策や知らないうちにカンジダにかかりやすい体になる習慣について紹介しながら、自分たちが普段どんなことに気を付けていけばよいのか、しっかりと徹底解説していきます。

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膣カンジダとは

カンジダという言葉は聞いたことがあるとは思うんですが、その正体や膣カンジダについてしっかり知らない人も多いと思うので、簡単に解説しておきます。

そもそもカンジダとは一体なんなのかと言いますと、カビの仲間なんですね。そしてこのカビの一種であるカンジダは、なんと私たちの体に普段から住み着いているものなんです。

例えば口の中や腸の中、そして性器の部分にも。特に普通の生活している時にも、たった今も。カンジダは人間の体を住処としているんです。

病気でなくても常に体に存在するので、こういったカンジダのような存在を医学用語で常在菌(じょうざいきん)と呼ぶんですね。

そして普段くらいの量であれば、特段なんの支障もないんですが、自分たちのコンディションや行動によって、このカンジダが増殖してしまうことがあり、一定の数を超えると、嫌な症状となって顔を出すんです。

この状態を膣カンジダ症と呼びます。

要するに、カンジダ自体は少なければ悪者ではないんですが、増殖して数を増やすと調子に乗り、自分たちの住処である人間に迷惑をかける恩を仇で返すようなことをしてくるんです。

膣カンジダは性病なの?他人にうつる?

性病のイメージを持たれがちな膣カンジダですが、先ほど解説したように自分の免疫力の低下などが膣カンジダ症の発症の大きな原因です。

カンジダ自体は私たちの体の中にいる菌なので、性交渉がない方でも発症することがあり、通常の性病とは少し異なります。

しかし、症状があるときに性交渉をするとパートナーにうつる場合もあるので発症時の性行為は控えましょう。

基本的にお風呂などの日常生活でうつることはありませんが、 タオルなどを共用で使用するとカンジダ菌がうつる可能性もあるので、こちらも症状があるときは控えましょう。 

膣カンジダの症状とは

増殖したカンジダはどのような症状を引き起こすのでしょうか?

まず多い症状として、膣の部分にまるでヨーグルトや、酒かすを連想させるような、白いドロッとした分泌物が出るのが膣カンジダの有名な症状です。

こういった白くどろっとしたものが初めて出てきた場合、驚くこともあるでしょうが、カンジダが原因のことが多いです。

他にも、増殖したカンジダは膣やその周りで炎症を引き起こすので、膣の部分にかゆみ熱い感覚を持つこともありますし、湿疹のように周りの皮膚が赤く荒れてしまうことも。

性交時にも痛みや、腫れがひどい場合はなんとおしっこをするのもままならない状態になることがあるんですね。

こういった症状が出現した時は、膣カンジダの症状のことがあります。

症状だけでもある程度判断はつくんですが、病院では多くの場合、先ほど紹介した白い分泌液を綿棒でとって顕微鏡で確認。カンジダが泳いでいると膣カンジダ症の診断になります。

膣カンジダの治療とは

膣カンジダはどのような薬で治療を行うのでしょうか?炎症がそれなりに強い場合はなかなか放っておいても治りません。

先ほど「カンジダはカビの仲間」と説明をしました。このカビを別名真菌(しんきん)と呼ぶのですが、真菌をやってつけるための薬、「抗真菌薬(こうしんきんやく)」を使ってカンジダの増殖を抑えます。

この薬は飲み薬だけなく、クリームタイプのものや、膣の中に入れる膣錠という場合もありますが、膣錠を使うことが最も多いです。

市販薬でのセルフケアは可能?

症状が軽い場合で一度医師の診断を受けている再発の場合はドラッグストアで買う、市販の薬でも治療をすることができます。

こちらも病院での治療時と同様に膣剤と塗り薬の2種類があります。

しかし、あまりにも再発が多い場合や症状が強い場合、他の病気が疑われる場合は自己判断せず、しっかりと病院にかかり治療をすることが必要です。

また、途中で治療をやめてしまうと再発しやすくなることも多いので、用法用量を守ることも大切ですよ。

膣カンジダは自然治癒する?

膣には自浄作用があるので、膣カンジダが自然治癒することもあります。しかし、これは軽度の場合。

症状が強い場合には、自然治癒はしませんし、軽度の場合でも治療した方が不快な症状が早く治るので放置はせず、早めに治療をするのがオススメです。

膣カンジダの予防方法・やってはいけない行動は

膣カンジダというのは本当に再発をしやすい病気です。皆さんの普段のある行動によって、症状が出やすくなってしまっている場合があるんです。一体その意外な行動とは何なのでしょうか?正しい膣カンジダの予防はどうしたら良いのか見ていきます。

膣カンジダの予防法①抗生物質を闇雲に使用しない

まず、抗生物質が膣カンジダの原因になることが。

「抗生物質って風邪の時とかに飲む薬だよね。膣と何の関係があるの?」と思われるかもしれません。

しかし、実は普段膣の中では、カンジダ以外の常在菌が、カンジダが増えすぎないように監視して、コントロールしていてくれるんです。

代表的な菌が、医学用語で、デーデルライン桿菌(かんきん)と呼ばれる、乳酸菌の仲間。膣内を弱酸性の環境に保ってくれることで、カンジダの増殖を防いでくれている縁の下の力持ちのような存在なんですね。

実は私たちの知らない所で、体を守ってくれているけなげな常在菌が存在したんです。

しかし、抗生物質を飲んでしまうと、この膣の環境を守ってくれる私たちにとって有益な常在菌までも殺してしまうんです。

そうなると、監視の目がなくなったカンジダが調子に乗り、増殖して膣カンジダが発症。こんなケースがすごく多いんですね。

もちろん医師に指示され他の病気で必要な時に抗生物質を飲むのはしょうがないことです。

しかし、実は最近の医学界では風邪に抗生物質は基本的に不要なものと言われていますし、膣カンジダ以外にも下痢の副作用などのデメリットもありますので、なんとなく体調が悪いとかでむやみやたらに抗生物質を飲むというのは本当におススメしません。

しかもカンジダは免疫機能が落ちている時に調子に乗って増えやすいので、風邪で免疫が落ちている時にいらぬ抗生物質を飲むと輪をかけてカンジダになりやすいです。抗生物質にはデメリットも多い、ということを是非知っておいてくださいね。

膣カンジダの予防法②シャワーで膣を洗いすぎない

次に紹介するのは、デリケートゾーンのケアの仕方について。

「なんか私膣カンジダ繰り返しやすい。掃除が足りないのかな?もう再発したくないから、毎日膣の中をシャワーで念入りに洗う」こんな人が結構います。

これ実は、非常に清潔で良い対策のように思えるかもしれません。しかし、実は大間違い。膣カンジダになるリスクを上げてしまう行動なんです。

先ほど紹介したように、人間の体の中で膣は、常在菌が膣の中の環境を調整したり、カンジダの繁殖をおさえていたり、自浄作用のある場所なんです。

この環境を、私たちが無理やり石鹸を使って時間をかけて洗い流してしまったりするとどうなるでしょうか?

抗生物質を飲んだ時のように、膣の中から環境を守ってくれる常在菌の数が減ってしまい、自らの手で良い環境を壊してしまっている訳なんですね。

余計、カンジダにとっては、天敵がいなくなって繁殖しやすくなってしまいます。

基本的にシャワーなどは過度に膣の中を洗いすぎることはせず、自然なままにしておく方がカンジダ予防は効果的。

私たちの常在菌たちが日々頑張ってくれていますので、過剰に洗って邪魔をしないようにしましょう。

膣カンジダの予防法③通気性の悪い下着をつけない

次にカンジダが繁殖しやすい環境についてです。

そもそもカンジダはカビの仲間である。このようなお話を前半でしましたが、よく思い出して下さい。

家の中でカビが繁殖しやすい場所ってどこでしょうか?下駄箱、クローゼット、ベットの下、エアコンの中などですよね。そしてこれらの場所の共通点、いずれも湿気でじめじめしやすく、風通しが悪い場所。高温多湿の環境ですね。

このように、カビは高温多湿の環境を好むんですが、これ実は膣のカンジダにも当てはまります。

そして、膣の部分でこういった高温多湿の環境になってしまうのはどういった時でしょうか?この環境に最も関わっているのが「下着です。

例えば化学繊維などの素材の通気性の悪い下着や、タイツやストッキングなど、締め付けの強い下着を使って締まっている時。俗にいう蒸れやすいですね。

こんな場合は、カビの仲間であるカンジダにとって絶好の繁殖機会になります。

綿の素材などの通気性の良い下着ゆったりした服を着るのがカンジダ対策にはおススメです。

他にも、お風呂上がりに拭きが甘く、水分が残った状態で下着をつけて、そのまま寝てしまう。こんな場合もカンジダが喜んでしまいます。お風呂上がりに保湿のクリームを塗ったりするのは全然構いませんが、しっかりと乾燥をさせて、水分を拭きとってから下着をつける。これを心がけてください。

他にもおりものシートの交換や、同じ下着を使い続けないなど、衛生面の対策も重要ですね。

風通しよく、蒸れずらい環境を作ってあげましょう。

膣カンジダの予防法④お尻を後ろから前に拭かない

次に紹介するのは、お尻の拭き方です。お尻の拭き方が関係しているなんて想像もつかないですよね。

でも、前半で説明したように、カンジダは人間の体の様々な場所に住んでいます。そしてその場所は腸も含まれます。

つまり、腸の中から排出される便の中にも、カンジダが生息しているんですね。

なのでもし、後ろから前にお尻を拭いてしまう習慣のある方、その過程でカンジダがトイレットペーパーを介して膣の方に移動してしまうことがあるんです。

デリケートゾーンに関しては、できるだけこういった外部からの接触は防ぎたい所。

大腸菌が移動することで、膀胱炎になってしまうこともあります。

お尻は前から後ろに拭いてあげるか、ウォシュレットを使いつつ、抑えて上げるような拭き方をして、カンジダがお尻から膣の方に移動しないように気を付けましょう。

 

膣カンジダの原因やリスクとは

膣カンジダのリスクが高い人も存在しています。

まず、糖尿病の人は免疫機能も落ちやすいので、膣カンジダになりやすいですし、女性の膣の中にカンジダがいる可能性は、普段は15%くらいなんですが、妊婦さんは30%くらいと言われていて、妊娠中もなりやすい病気です。

またここまで説明したように、カンジダは住み着いている菌ですし、性行為以外で発症することも多いんですが、性行為でも膣カンジダが発症することはあるのでそれも覚えておいてください。

ペッサリーや子宮の避妊具をつけている場合もリスクがあがります。

 

膣カンジダまとめ

シャワー、トイレ、下着など、あなたは間違った習慣を行っていなかったでしょうか。

ヤバい、膣カンジダになりやすい行動をしていた!という人も結構いるのではないでしょうか?

膣カンジダは女性であれば誰もが無視できない、いつなってもおかしくない病気です。

だからこそ、正しい知識を身に着け、正しい対策を行うのが非常に重要ですので、是非今日の内容はしっかり普段の生活に活かして、カンジダ予防につとめていきましょう!

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この記事の監修者

ウチカラクリニック

経歴

内科医/産業医/労働衛生コンサルタント
ウチカラクリニック代表
予防医学ch/医師監修 管理人