あなたのおりものは果たして正常と言えるでしょうか。おりものは様々な体の不調を反映することがあります。
量、色、におい、色んな形であなたに体の危険信号を伝えます。しかし、なかなか普段注意を払うことが少ないおりものという存在。むしろ普段の生活の邪魔になってうっとしい!この程度の存在にしか思ってない人の方が多いかもしれません。
今日は普段あまりない折角の機会なのでおりものセルフチェックをして、自分の体と向き合ってみましょう。
もしかしたら、不調のサインが出ているかも。
女性にとっては今後の人生で非常に役に立つ知識だと思うので、是非一緒に学んでいきましょう。
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「おりもの」とは何か
さて、いきなりですが、なぜ人間の体はおりものを出すのでしょうか?
この存在には一体何か意味があるのでしょうか。おりものについて少しだけ解説しておきますね。
まず、おりものは漢字で書くと「下り物」と書きます。
子宮や膣から下りてくる分泌物なので、このように呼ばれています。
医学用語では「帯下」と呼ぶんですね。

そしてこのおりものは、実は女性の体でとっても重要な仕事をしています。
それが「バリア機能」です。分泌されたおりものは弱酸性のねぱっとした液体です。
そしてこのおりものの中には「デーデルライン桿菌」という、乳酸菌の仲間である、体に良い作用をしてくれる善玉菌がいて、
この善玉菌を含んだおりものは膣の中をきれいに保つはたらきがあり、膣の粘膜を守ったり、細菌が子宮の中に進入するのを防ぐ自浄作用があるんですね。

細菌や死んだ細胞などを膣の外に運んで、出してくれているんです。また、排卵の時に受精の手助けをしてくれていて、おりもののおかげで精子がスムーズに受精してくれる訳なんです。
実は知らない所で自分たちの体を守ってくれている、縁の下の力持ちのような存在なんですね。
おりものの量は「エストロゲン」と呼ばれる女性ホルモンが分泌される量に比例するように増えます。そのため、女性ホルモンの分泌量が少ない生理直後はおりものはほぼ出ません。この時期が一番ドライな状態になります。
そしてそこから女性ホルモンの分泌量が増えるにしたがって、おりものの量も増え、排卵の時にピークになります。
おりものの量が増えてきた時は、そろそろ排卵の時期ですよ~という体からの業務連絡でもあるんですね。

この時期はおりもの量が多く、どろっとねばねばしたものが出ます。透明度も増し、指でのばすと10cmくらいのびることも。これらが精子を卵子をするっと運んでくれやすくなることもあり、排卵の時期は妊娠しやすい時期なんですよね。
また、閉経に向かって、女性ホルモンであるエストロゲンが減っていくにしたがって、そもそもおりものの量も減っていきます。
これは自然なことなので、異常なことではありませんが、女性ホルモンの分泌が少なくなることで膣に不調が出ることもあります。
このように女性の体の周期や、年齢に伴って自由自在におりものは変化しています。
おりものの量・色・においの異常について
正常なおりもの

これが正常なおりものです。個人差はありますが、だいたい透明から白っぽい色をしています。
乾くと着色して、クリーム色っぽかったり、うすく黄色がかる場合もありますが、これが基本的には正常なおりもの。ではこのおりものの変化を見ていきましょう。
①赤っぽいおりもの
次に紹介するのは「赤っぽいおりもの」。
これは大丈夫なのでしょうか。この赤っぽいおりものについては、当たり前ですが女性であれば生理に伴って出血し、その血の成分が混じってしまうこともありますから、その場合は勿論気にする必要はありません。

しかし、要注意なのは、「生理でないのにこの赤いおりものが出ている時」。
この場合は専門用語でいう所の「子宮頸管炎」「子宮頸管ポリープ」といった病気の影響で出血をし、その出血がおりものに混ざっていることで、生理の周期に関係なく、赤いおりものが出ている可能性があります。
赤いおりものは生理の周期のものなのかどうかで、まずは怪しいサインを見分けるんですね。もし生理によらずに赤みがかったおりものが続く場合は一度婦人科を受診した方が良いでしょう。
②茶色いおりもの
さて、次は「少し茶色がかったおりもの」。
これも赤っぽい時と同様血の成分なので、生理の時期であれば気にする必要はありません。
しかし、生理以外の時期であれば、茶色っぽい、ということは血液が時間が経って酸化して、色が変わってしまっていることもあり、要するに表面ではなく子宮の奥の方から時間をかけて出血している。
この可能性があるんですね。

頻度は多くはないものの、子宮頸がんや、子宮体がんなど、がんの影響で出血が奥が出ていることもあります。
赤っぽいおりものと同様、生理以外の時期に長く続く場合は一度病院を受診しましょう。
③黄色いおりもの・緑色のおりもの
次は、おりものにしっかりと黄色がかった色がついている状態。少し鼻水に似たような、黄色くてねばっとしたおりもの。
こちらも少し要注意。
というのも、黄色や緑がかったような色がついたおりものは、性行為などを通じて、細菌が感染している可能性があるんです。
例えばクラミジアや淋菌といった感染症。

さらに、この黄色っぽいおりものに加えて、かゆみや膣の熱っぽい感じ、下っ腹の痛みなども伴うのであれば、何かの性感染症の可能性もさらにあがります。
またおりもの自体の量がものすごく時も、それ自体が何かの細菌に感染している兆候な場合もあります。
これらが複数当てはまる場合はすぐに病院にいった方が良いでしょう。
また、閉経後の人にこの黄色いおりものが出るのも要注意。
閉経後は女性ホルモンであるエストロゲンが分泌されなくなることで、膣の部分にうるおいがなくなり、縮んでしまうことがあります。
この場合、膣が萎縮したことで出血する、医学用語でいう「萎縮性膣炎(いしゅくせいちつえん)」という状態になってしまうことがあり、この膣炎でも黄色いおりものが出ることがあります。

また、魚のような生臭いにおいがする場合も注意ですね。
萎縮性膣炎では、女性ホルモンの成分を使ったお薬を使って早めに治療する方がいいので、年のせいかな、、と間をおかずに、すぐ婦人科で相談してくださいね。
④泡っぽいおりもの
さて、次は、少し泡っぽい感じのおりもの。
この泡っぽいタイプも少し要注意で、とある感染症が原因のことがあります。
その正体は、、「トリコモナス」です。
この名前を聞いてもたぶんピンとくる人は少ないと思いますが、トリコモナスとは、原虫と呼ばれるアメーバのような目では見えない寄生虫の仲間で、性行為で感染する怖い寄生虫。

トリコモナスはグリコーゲンという糖分が大好きで、栄養としているのですが、このグリコーゲンが膣には多く存在するので、トリコモナスにとっては非常に住みやすい環境なんですね。
先ほど紹介した膣の善玉菌もこのグリコーゲンを摂取して生活しているんですが、トリコモナスの方が勢いがあるので、善玉菌の食べる分がなくなってしまい、かなしいことに生存競争に敗れた善玉菌は数を減らしていってしまう、というつらい悪循環もあります。
私たちの知らない所で菌や寄生虫の戦いが起きているんですね。
かかった場合下着やタオルから他の人にうつしてしまう場合もあります。
痛みやかゆみが出ることもあるんですが、特にそういった症状はなく、このような泡立ったおりもののサインしか出せないこともあります。

トリコモナスは放っておいて治すことは少なく、寄生虫を殺す飲み薬を飲む必要があります。
このように泡立ったおりものが出ていて、悪臭を伴なっている場合は、特にすぐ病院に行った方が良いでしょう。
⑤白いおりもの
先ほど白っぽいおりものは正常だ、このような話をしましたが、この写真のような場合はちょっと話が違います。
この写真では、まるで、ヨーグルトや酒粕のようなちょっと泡立ったり、ドロドロしたようなおりものですよね。
この場合は「膣カンジダ」を疑います。
カンジダというのはカビの仲間の一種で、普段私たちが生活している時にも存在している、「常在菌」と呼ばれる種類の存在なんですが、自分たちが体調が悪い時など、ふとしたきっかけで増殖をすると、このような、まるでヨーグルトのような症状となって現われます。

膣カンジダは今回紹介した病気で最も起こる頻度が多い、みなさんがなりやすい病気ですし、再発を繰り返すことも多いので、なじみのある人もいるのではないでしょうか。
病院で検査をすることもありますが、膣カンジダの場合は本当にこのヨーグルト状のどろっとしたおりものが非常に特徴で、有名です。まだ起こったことがない人も膣カンジダは女性の5人に1人が経験しているという非常にありふれた病気なので、是非覚えておいてください。

カンジダもカビを殺す薬を膣に入れたり、クリームを塗ったりする治療が必要なので、この写真のような症状が出ている人は婦人科にいきましょう。
膣カンジダについては再発しやすい人の特徴など、別の記事でも解説しておりますので、こちらも合わせてご覧ください。
まとめ
さて、このようにおりものと一口に言っても量、色、におい、実は非常に多種多様なんです。
中には放置すると悪化してしまい、膣に炎症を引き起こしたり、最悪の場合治療が間に合わなくなってしまう病気もあります。
この動画は紹介した知識はしっかりと覚えておいて、おりものは日常的に女性が接する存在なので、時に気にかけて、おりものからの危険信号を見逃さないようにしてくださいね。

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