
「ストレスを感じると、すぐにお腹が痛くなって下痢になる…」「通勤や会議中、急な便意に襲われるのが怖い」
そんな、ストレスなどが引き金となる、急な下痢や腹痛を繰り返す「下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)」にお悩みではありませんか? 「イリボー」は、そんなIBS-Dの原因に直接アプローチする、専門的な治療薬です。
この記事では、そんなイリボーについて、効果の仕組みや副作用、そして男女での量の違いなどを、医師が分かりやすく解説していきます。
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イリボーとは?効果は?
イリボーは、「選択的セロトニン5-HT3受容体拮抗薬」という種類に分類される、下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)の治療薬です。腸の神経に作用して、過剰に活発になった腸の動きと、痛みを感じやすくなっている知覚神経の両方を落ち着かせます。
便秘型過敏性腸症候群(IBS-C)の治療にはこのお薬ではなくリンゼスというお薬が用いられます。
イリボーには、有効成分の量が異なる錠剤と、水なしでも飲めるOD錠があります。
- イリボー錠2.5µg / 5µg
- イリボーOD錠2.5µg / 5µg
\ 過敏性腸症候群についてはこちらの記事をチェック! /
イリボーの成分
有効成分は「ラモセトロン塩酸塩」です。
IBS-Dでは、ストレスなどをきっかけに、腸内で「セロトニン」という神経伝達物質が過剰に放出されます。このセロトニンが、腸の神経にある「5-HT3受容体」という“スイッチ”を押してしまうと、2つの問題が起こります。
- 腸のぜん動運動が過剰になる → 水分の吸収が不十分になり、下痢になる。
- 腸の知覚神経が過敏になる → 通常なら感じないような刺激も、腹痛やお腹の不快感として感じてしまう。
イリボーは、この「5-HT3受容体」という“スイッチ”をブロックします。
これにより、セロトニンの過剰な信号が伝わらなくなり、腸の異常な運動と知覚過敏の両方が抑えられ、下痢と腹痛が改善されるのです。
イリボーの効果
腸の神経の過敏な状態を正常化することで、IBS-Dの主な症状を改善します。
- 下痢、軟便
- 腹痛、腹部不快感
- 便意切迫感(急な便意)
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 下痢型過敏性腸症候群
※食あたりや感染性腸炎など、他の原因による下痢には使いません。
イリボーはオンライン診療で出せる?
「下痢でお腹が痛くて…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
イリボーのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
イリボーに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
イリボーの使い方(用法・用量)
1日1回の服用で効果が持続します。男女で推奨される量が異なります。
- 【男性】
通常、1回5µgを1日1回服用します。症状により、最大10µgまで増量することがあります。 - 【女性】
通常、1回2.5µgを1日1回服用します。効果不十分な場合は、5µgに増量することがあります。
食事の影響は受けにくいため、毎日決まった時間に飲むのが良いでしょう。
イリボーの副作用
主な副作用
腸の動きを穏やかにする薬なので、その作用が強く出すぎることが副作用につながります。
- 便秘:最も頻度の高い副作用です。効きすぎて便が出にくくなったり、硬くなったりします。
- 腹部膨満感(お腹の張り)
- 頭痛
頻度はまれですが、虚血性大腸炎という腸の血流が悪くなる重篤な副作用もあります。突然の激しい腹痛、血便などが現れた場合は、直ちに服用を中止し、医療機関を受診してください。
副作用が出たときの対処法
便秘がひどい場合や、続く場合は、自己判断で服用を続けず、必ず医師や薬剤師に相談してください。 薬の量を減らしたり、1日おきに飲むなどの調整を行うことがあります。
イリボーの注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にイリボーの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- 腸閉塞・IBD・虚血性腸疾患の既往歴のある方
- 便秘の症状がもともと強い方、または便秘を繰り返しやすい方
- 妊娠中(催奇形性の報告)、授乳中は使用避ける
- ご高齢の方
併用に注意が必要な薬
- 便秘を助長する薬(抗コリン薬、オピオイド)→臨床的に大きな相互作用は少ないが理論上注意
- セロトニン作用薬(トラマドール等)→腸蠕動変化が増強する可能性
使用上の注意
水分と食物繊維をバランス良く(便秘予防) | 副作用である便秘を防ぐため、また腸内環境を整えるためにも、十分な水分と、水溶性食物繊維などをバランス良く摂ることが大切です。 |
刺激物を控え、規則正しい食事を | カフェイン、アルコール、香辛料の多い食事は、腸を刺激し症状を悪化させることがあります。暴飲暴食を避け、規則正しい食生活を心がけましょう。近年では、低FODMAP(フォドマップ)食という食事療法が、IBSの症状改善に有効であると注目されています。 |
ストレス管理と軽い運動で腸のリズムを整える | ストレスはIBSの症状を悪化させる大きな要因です。十分な睡眠や、自分に合ったリラックス方法を見つけて、ストレスを上手に管理しましょう。また、ウォーキングなどの軽い運動は、腸の働きを安定させる助けになります。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、イリボーをはじめとした下剤の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

イリボーに市販薬はある?値段は?
市販薬
イリボーは専門的な治療薬のため、2025年6月現在、市販薬はありません。医師の処方が必須です。
ジェネリック
2025年6月現在、イリボーのジェネリック医薬品はありません。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- イリボー錠2.5μg (先発品):約37.3円/錠(3割負担の場合:約11円)
- イリボー錠5μg (先発品):約61円/錠(3割負担の場合:約18円)
※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。
Q. 子供でも使えますか?
いいえ、小児に対する安全性は確立されていません。 そのため、原則として成人のみに処方されます。
Q. 運転してもいいですか?
はい、問題ありません。眠気を催す成分は入っていません。
Q. いつから効きますか?
効果の発現は比較的速いのが特徴です。個人差はありますが、服用開始から1週間程度で、下痢の回数が減ったり、腹痛が和らいだりといった効果を感じられることが多いです。
Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
イリボーとアルコールの間に、眠気を強めるなどの直接的な相互作用は特に報告されていません。しかし、アルコールそのものが腸を刺激し、下痢や腹痛といったIBSの症状を悪化させる大きな原因になります。
Q. 副作用で便秘になってしまったら?
まずは処方した医師に相談してください。薬の量を減らしたり、服用を1日おきにするなど、症状に合わせて調整することが可能です。自己判断で市販の便秘薬などを使うのは避けましょう。
Q. ロペミン(下痢止め)との違いは何ですか?
ロペミンが、腸の動きを止めることで下痢を抑えるのに対し、イリボーは、腸の動きを正常化すると同時に、お腹の痛みや不快感の原因となる「知覚過敏」も改善する効果があります。そのため、腹痛を伴うIBS-Dには、より適しています。
Q. なぜ男性と女性で量が違うのですか?
臨床試験の結果、女性は男性に比べて少ない量でも効果が得られやすく、また副作用(特に便秘)が出やすい傾向があったためです。そのため、女性はより少ない量から始めるように設定されています。
まとめ
イリボーは、ストレスなどで過敏になった腸の神経を落ち着かせることで、「下痢」と「腹痛」の両方を改善する、下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)の専門的な治療薬です。
1日1回の服用で、つらい症状をコントロールする効果が期待できます。 一方で、効きすぎて便秘になることが多いため、医師と相談しながら、ご自身に合った量を見つけていくことが大切です。
過敏性腸症候群の治療は
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