アクトスの効果・副作用を医師が解説!【糖尿病治療に】

アクトス

「2型糖尿病と診断され、インスリンが効きにくい体質(インスリン抵抗性)と言われた」 「血糖値を下げるために『アクトス』という薬を処方された」

2型糖尿病の治療で処方される代表的なお薬の一つが「アクトス」です。「チアゾリジン薬」というグループに属し、他の糖尿病薬とは少し違うユニークな働き方をします。

今回は、このアクトスがどのようなお薬なのか、その効果の仕組みや、特に注意すべき副作用について、医師がやさしく解説していきます。

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アクトスとは?効果は?

アクトスは、「インスリン抵抗性改善薬」という種類の、2型糖尿病の治療薬です。

ご自身のインスリンが、効きやすいように体質を改善します。すい臓にインスリンを無理やり出させるのではなく、インスリンの効き目を高めることで、血糖値をコントロールするのが特徴です。

アクトスは、錠剤タイプのお薬で、通常の錠剤(アクトス錠)と、水なしでも飲めるOD錠(アクトスOD錠)があります。
「アクトス錠15mg」「アクトス錠30mg」といった規格があります。

アクトスの成分

有効成分はピオグリタゾン塩酸塩です。

2型糖尿病の大きな原因の一つに、インスリンは分泌されているものの、筋肉や脂肪組織でのインスリンの効きが悪くなってしまう「インスリン抵抗性」という状態があります。

アクトスは、この「インスリン抵抗性」を改善する専門のお薬です。すい臓に無理やりインスリンを出させるのではなく、筋肉や脂肪細胞に直接働きかけて、インスリンに対する反応を良くします。

その結果、ご自身のインスリンが効率よく働くようになり、血液中の糖が細胞に取り込まれやすくなることで、血糖値が下がります。

アクトス効果

  • インスリン抵抗性を改善し、血糖値を下げる効果

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 2型糖尿病
    • 食事療法・運動療法を十分に行った上で、効果が不十分な場合

アクトスはオンライン診療で出せる?

「血糖値が高くて薬が必要」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

アクトスのような血糖値のお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
アクトスに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

アクトスの使い方(用法・用量

通常、成人には1日1回、15mg~30mgを朝食前または朝食後に服用します。

症状によって、1日45mg(インスリン併用時は30mg)まで増量することがあります。

アクトスの副作用

主な副作用

主な副作用として、むくみ(浮腫)と体重増加が報告されています。これは、お薬の作用で体内に水分が溜まりやすくなるために起こります。

まれですが、注意すべき重大な副作用として、心不全(むくみが原因で心臓に負担がかかる)、肝機能障害、骨折、そして非常にまれですが膀胱がんのリスクも指摘されたことがあります。

副作用への対処法

  • むくみ・体重増加に注意: 毎日体重を測る習慣をつけ、「急に体重が増えた」「足のすねを押すとへこんで戻らない」「息切れがする」といった症状が出た場合は、心不全のサインの可能性があります。すぐに医師に連絡してください。
     
  • 骨折: 特に女性の患者さんで、腕や足の骨折のリスクがわずかに高まることが報告されています。転倒などに注意しましょう。

アクトスの注意事項(禁忌)

使用に注意が必要な方

  • 過去にこの薬の成分でアレルギーを起こしたことがある方(禁忌)
  • 妊婦または妊娠している可能性のある方(禁忌)
  • 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある方(禁忌)
  • 重い肝臓病、腎臓病のある方(禁忌)
  • 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の方(禁忌)
  • 心不全の方、または心不全になったことがある方(禁忌)
  • 膀胱がんの方、または膀胱がんになったことがある方
  • むくみが出やすい方、高齢の方

併用に注意が必要な薬

  • インスリン製剤
    • むくみや心不全のリスクが高まるため、併用する場合は観察必須。
  • 他の糖尿病治療薬

使用上の注意

定期的な検査服用中は、定期的に体重測定や血液検査(肝機能など)、心不全の症状(むくみ、息切れなど)がないかなどをチェックすることが大切です。
食事療法・運動療法アクトスは、あくまで食事や運動をサポートするお薬です。基本となる生活習慣の改善を続けることが最も重要です。
お酒(アルコール)アルコールは肝臓に負担をかけます。このお薬も肝臓で分解されるため、治療中の過度な飲酒は控えましょう。
シックデイ(体調の悪い日)かぜの発熱、吐き気、下痢などで食事がほとんど摂れないような日を「シックデイ」と呼びます。このような日は脱水を起こしやすく注意が必要です。
自己判断でお薬を飲み続けず、お薬を飲むべきか、かかりつけの医師に電話などで連絡し、指示を仰いでください。

低血糖が起きた時の対処法

他の糖尿病薬との併用時や、食事を抜いた時などに、冷や汗、動悸、強い空腹感、手の震えなどの低血糖症状が現れることがあります。その場合は、すぐに以下の対応をとってください。

  • すぐにブドウ糖を摂取する: 通常、ブドウ糖を10g程度摂取します。医師からブドウ糖を処方されている場合は、必ず持ち歩くようにしましょう。
  • 砂糖や糖分を含む飲料でも代用可能: ブドウ糖がない場合は、砂糖を10〜20g摂るか、糖分を含むジュースや清涼飲料水などで代用します。
    ※チョコレートやアイスクリームなど、脂肪分が多いお菓子は、糖の吸収が遅れるため、すぐに対応する必要がある低血糖の処置には向いていません。
  • 意識が朦朧とする場合: もし意識がはっきりしない、朦朧とするなどの重い症状が出た場合は、周りの人が無理に口に物を入れたりせず、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時点で、忘れた分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、1回分をとばしましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、アクトスをはじめとした糖尿病治療薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

アクトスに市販薬はある?値段は?

市販薬

2025年8月現在、アクトスと同じ成分の市販薬は販売されていません。

必ず医師の診察と処方が必要です。

ジェネリック

アクトスにはジェネリック医薬品が多数あります。

有効成分の名前である「ピオグリタゾン錠」という名前で処方されます。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

※2025年8月26日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

アクトス錠15/アクトス錠30

よくある質問(FAQ)

妊婦・授乳中でも飲めますか?

いいえ、服用できません。(禁忌)妊娠中は、インスリン注射など、より安全な治療法に変更するのが一般的です。授乳中の方も服用はできません。

Q.子どもでも飲めますか?

小児に対する安全性は確立されていないため、使用されません。

Q.飲むと眠くなりますか?運転はできますか?

眠くなる成分ではありません。ただし、他の薬との併用で低血糖が起きた場合は、意識がもうろうとすることがあるため注意が必要です。

Q.いつから効き始めますか?

体質を改善していくお薬なので、効果はじっくりと現れます。血糖値の改善を実感できるまでには、数週間~2ヶ月程度かかることがあります。

Q.むくんだら、どうすればいいですか?

まずは、かかりつけの医師に相談することが最も重要です。むくみは、心不全のサインである可能性もゼロではありません。自己判断で様子を見たり、マッサージをしたりする前に、必ず専門家に連絡してください。

Q.膀胱がんのリスクがあると聞いて不安です。

過去に、膀胱がんのリスクがわずかに高まる可能性が議論されましたが、その後の大規模な調査では、明確な因果関係は確認されていません。現在では、そのリスクは非常に小さいと考えられていますが、念のため、膀胱がんの既往がある方には使用しません。血尿など気になる症状があれば、すぐに医師に相談しましょう。

アクトスの処方はウチカラクリニックオンライン診療で!

アクトスは、「インスリン抵抗性」という糖尿病の根本的な原因にアプローチする、非常に優れたお薬です。低血糖を起こしにくいというメリットがある一方、「むくみ」や「体重増加」という特徴的な副作用があり、特に心臓への負担には注意が必要です。毎日の体重測定や、足のむくみチェックが、安全な治療の鍵となります。

「自分に合った糖尿病の薬を、じっくり相談したい」
「治療を続けたいけど、忙しくて通院が大変…」

そんなときは、ウチカラクリニックのオンライン診療が、あなたの糖尿病治療を力強くサポートします。

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通院の手間なく、専門医に生活習慣の相談をしたり、継続的なお薬の処方を受けたりすることが可能です。糖尿病との長い付き合いを、ぜひお気軽にウチカラクリニックにご相談ください。

 

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。