「唇にピリピリとした痛みが…またヘルペスかも」 「帯状疱疹が広がってきて、ヒリヒリ痛い…」 「子供が水ぼうそうになってしまった…」
こうしたヘルペスウイルスが原因の症状に使われる、基本のお薬が「アシクロビル（先発品：ゾビラックス）」です。飲み薬だけでなく、塗り薬もある、ヘルペス治療の代表的なお薬です。
この記事では、抗ウイルス薬アシクロビルについて、その効果や副作用、正しい使い方を医師が分かりやすく解説していきます。
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INDEX
アシクロビル （ゾビラックス）とは？効果は？
アシクロビルは、ヘルペスウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬」です。
ヘルペス治療薬のパイオニア的な存在で、ウイルスの活動をストップさせることで、症状の悪化を防ぎ、治癒までの期間を短縮する効果があります。
医療機関では、先発医薬品である「ゾビラックス」という名前で呼ばれることもあります。
飲み薬（錠剤、顆粒）、塗り薬（軟膏、眼軟膏、クリーム）、ドライシロップ、内服ゼリー、注射、点滴と様々な剤形があり、症状の重さや場所によって使い分けられます。
アシクロビル （ゾビラックス）の成分
アシクロビルの主役は、その名の通り「アシクロビル」という成分です。
この成分は、ウイルスに感染してしまった細胞の中に選択的に取り込まれ、ウイルスの遺伝子（DNA）がコピーされるのを邪魔します。ウイルスの設計図に紛れ込んで、コピーを失敗させるようなイメージです。
これにより、ウイルスは増殖できなくなり、新たな細胞に感染が広がるのを防ぎます。
ちなみに、よく知られている「バルトレックス（バラシクロビル）」は、体の中でこのアシクロビルに変化するように作られた、吸収率や服用回数を改善したお薬です。
アシクロビル （ゾビラックス）の効果
- 水ぶくれや赤みなどの皮膚症状の悪化を防ぎ、治りを早める
- ヒリヒリ、ズキズキとした痛みを和らげる
- 帯状疱疹後の神経痛といった合併症のリスクを低減する
ただし、体内に潜んでいるウイルスを根絶するわけではないため、治療後も疲労やストレスなどをきっかけに再発する可能性があります。
どんなときに使う？（適応疾患・部位）
アシクロビルは、主に以下の「ヘルペスウイルス」が原因の病気に使われます。
- 単純疱疹
- 口唇ヘルペス（唇やその周りの水ぶくれ）
- 性器ヘルペス（性器やその周りの水ぶくれやただれ）
- 帯状疱疹
- 水痘（水ぼうそう)
軽い皮膚症状には塗り薬、症状が広範囲であったり重症であったりする場合には飲み薬、といった形で使い分けられます。
アシクロビル （ゾビラックス）はオンライン診療で出せる？
「ヘルペスの症状が出てきたけど、病院に行く時間がない」「塗り薬だけでは治まらないので、飲み薬が欲しい」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
アシクロビル （ゾビラックス）のようなヘルペスのお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
アシクロビル （ゾビラックス）に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
デリケートな悩みや、急な発症で外出が難しい場合に非常に便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
アシクロビル （ゾビラックス）の使い方（用法・用量）
アシクロビルは、剤形（飲み薬か塗り薬か）や病気の種類によって、使い方や量が大きく異なります。必ず医師の指示通りに使用してください。
治療で最も大切なのは、症状が出たら「できるだけ早く」使い始めることです。
飲み薬（錠剤）の場合
1日の服用回数が多いのが特徴です。
- 単純疱疹： 通常、成人には1回200mgを1日5回服用します。（およそ4時間おき）
- 帯状疱疹： 通常、成人には1回800mgを1日5回服用します。（およそ4時間おき）
塗り薬（軟膏・クリーム）の場合
1日数回、患部に適量を塗ります。
※塗り薬は、あくまで皮膚表面のウイルスの増殖を抑えるものです。神経に潜んでいるウイルスには効果がないため、症状がひどい場合は飲み薬との併用が必要になることもあります。
治療が遅くなるほど、体内にとどまるウィルスの量が増えるため治癒するのが遅くなったり、再発しやすくなるなどの予後が悪くなる傾向にあります。
アシクロビル （ゾビラックス）の副作用
アシクロビル（ゾビラックス）は比較的安全性の高いお薬ですが、副作用が起こる可能性もあります。
副作用
主な副作用
- 腹痛、下痢、吐き気
- 貧血
- 発疹
- 塗った部分の刺激感、かぶれ、赤み、痛み
まれに起こる重い副作用
- 腎機能障害： 特に高齢の方や腎機能が低下している方、脱水状態の方で注意が必要です。
- 意識障害（錯乱、幻覚など）： こちらも高齢の方で特に注意が必要です。
副作用が出たときの対処法
軽い症状であれば、お薬を続けているうちに治まることもあります。
いつもと違う気になる症状が出た場合は、自己判断で中止せず、すぐに処方した医師や薬剤師に相談してください。
アシクロビル （ゾビラックス）の注意事項・禁忌
使ってはいけない方
使ってはいけない場合 （禁忌）
- 過去にアシクロビル（またはバラシクロビル）でアレルギー症状を起こしたことがある方
使うときに特に注意が必要な方
- 腎臓の機能が低下している方
- 高齢の方
- 脱水症状のある方、またはその恐れのある方
併用に注意が必要な薬
プロベネシド（痛風の薬）など、一部のお薬はアシクロビルの作用に影響を与えることがあります。
他に飲んでいる薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に伝えてください。
使用上の注意
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避けて保管しましょう。
- 子どもの手の届かない場所に置いてください。
飲み忘れたら？
気づいた時点で、できるだけ早く1回分を飲んでください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
軟膏やクリームなどの塗り薬の場合も同様です。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、アシクロビル （ゾビラックス）の処方やヘルペスの治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。
アシクロビル （ゾビラックス）に市販薬はある？値段は？
市販薬
口唇ヘルペスの再発に限り、アシクロビルを含む塗り薬タイプの市販薬が販売されています。
しかし、飲み薬タイプの市販薬はありません。
ジェネリック名
ゾビラックスが先発品の名称です。
後発品（ジェネリック）はアシクロビルの名称で販売されています。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ゾビラックス錠200mg：1錠あたり 約77.7円
（3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり約23円） - アシクロビル錠200mg（ジェネリック）：1錠あたり 約27.1円
（3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり約8円）
※2025年5月24日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問（FAQ）
Q. 妊娠中や授乳中でも飲めますか？
治療によるメリットがリスクを上回ると医師が判断した場合には処方されることがあります。特に塗り薬は全身への影響が少ないため、使われることがあります。自己判断せず、必ず医師に相談してください。
Q. 子供でも使えますか？
はい、お子様にも処方されます。水ぼうそうの治療にも使われ、その際は体重などに応じて量を調節できる「顆粒」タイプが使われることが一般的です。
Q. バルトレックス（バラシクロビル）はいつから効きますか？
内服を開始してから数日後に効果が現れることが多いです。一般的に、単純ヘルペスでは5日間、帯状疱疹では7日間、水痘（水ぼうそう）では5～7日間服用します。ウイルスの働きを抑えるためにしっかりと飲み切るのが大切です。
Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫？
アルコールは体の免疫力を低下させ、ヘルペスの治りを悪くする可能性があります。治療中は飲酒を控えるのが望ましいです。
Q.バルトレックス（バラシクロビル）との違いは何ですか？
一番の違いは体への吸収率と服用回数です。バルトレックスはアシクロビルを改良したお薬で、吸収率が良いため、1日の服用回数が少なく（2〜3回）なっています。一方、アシクロビルは1日5回の服用が必要ですが、薬価が安いというメリットがあります。効果そのものに大きな違いはありません。
Q. 塗り薬と飲み薬はどう使い分けるのですか？
基本的に、ごく初期の狭い範囲の症状には塗り薬、症状が広範囲、重症、または性器ヘルペスの初回治療などでは飲み薬が使われます。医師が症状をみて判断します。
まとめ
アシクロビル（ゾビラックス）は、ヘルペス治療の基本となる、長い実績を持つ信頼性の高い抗ウイルス薬です。 飲み薬と塗り薬があり、症状に応じて使い分けることで、つらい症状を効果的に抑えることができます。
このお薬で最も大切なのは、バルトレックスと同様に「症状が出たらできるだけ早く治療を始めること」そして「医師に指示された期間、きちんと使い切ること」です。
この記事が、アシクロビルへの理解を深め、つらい症状に迅速かつ適切に対処するための一助となれば幸いです。
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