アレジオン錠20mgの効果・副作用を医師が解説！

アレジオンの使い方（用法・用量）

1日1回就寝前に服用します。食事の影響は受けにくいですが、寝る前に飲むことで、日中の眠気のリスクをさらに減らし、朝方に出やすい鼻炎症状を抑える効果も期待できます。

• 成人（気管支喘息、じんましん、皮膚疾患など）： 通常、1回20mg（アレジオン錠20mgなら1錠）を1日1回服用します。
• 成人（アレルギー性鼻炎）： 通常、1回10～20mgを1日1回服用します。一般的に就寝前の服用が推奨されます。
• 小児（7歳以上）： 通常、1回10～20mgを1日1回服用します。
• 小児（3歳以上7歳未満）： 顆粒を1日量として0.5～1.0g（エピナスチン塩酸塩として5～10mg）を1回で服用します。

アレジオンの副作用

主な副作用

• 眠気（頻度は低いですが、最も注意すべき副作用の一つです）
• 頭痛、倦怠感、だるさ
• 吐き気、胃部不快感、腹痛などの消化器症状
• 口の渇き
• 発疹、かゆみ

副作用の頻度は一般的に低いですが、もし眠気を感じた場合は、自動車の運転など危険を伴う機械の操作は避けてください。

肝機能障害、黄疸、血小板減少などが報告されていますが、頻度は極めてまれです。

副作用が出たときの対処法

軽い症状であれば、お薬を続けているうちに治まることもあります。
しかし、症状が気になる場合や、生活に支障が出るような場合は、自己判断で中止せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。

アレジオンの注意事項（禁忌）

使ってはいけない方

• 過去にアレジオンの成分（エピナスチン塩酸塩）でアレルギー症状を起こしたことがある方（禁忌）
• 肝臓の機能に障害のある方
• 高齢者の方

併用に注意が必要な薬

アレジオンは、比較的他のお薬との飲み合わせは問題になりにくいとされていますが、以下のようなものとの併用は注意が必要です。

• 他の中枢神経抑制薬（鎮静薬、安定剤など）
• アルコール →眠気などの副作用を強める可能性があります。

使用上の注意

眠気への注意	添付文書には「眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。」という記載があります。眠気は出にくいとされていますが、個人差があるため注意が必要です。
効果がないと感じたら	自己判断で量を増やしたりせず、医師に相談してください。
気管支喘息への使用	アレジオンは喘息発作を予防する薬であり、起きてしまった発作を鎮める薬ではありません。

保管方法

• 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
• 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら？

1日1回のお薬なので、気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、アレジオンをはじめとしたアレルギー薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

アレジオンに市販薬はある？値段は？

市販薬

医療用と同じ有効成分「エピナスチン塩酸塩」を同量配合したスイッチOTC医薬品「アレジオン20」（15歳以上対象）が販売されています。

これは薬剤師の指導のもと、薬局で購入できますが、使用できるのは「鼻のアレルギー症状」で、使用期間の目安も定められています。

ジェネリック名

はい、アレジオンにはジェネリック医薬品（後発品）が多数あります。

「エピナスチン塩酸塩錠/OD錠/顆粒「製薬会社名」」という名称で、多くの製薬会社から発売されています。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

• アレジオン錠20mg（先発品）：1錠あたり 約101.9円
  （3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり約31円）
• エピナスチン塩酸塩錠20mg「サワイ」（ジェネリックの一例）：1錠あたり 約31.0円
  （3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり約9円）

※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

アレジオン錠10／アレジオン錠20

よくある質問（FAQ）

Q. 妊婦や授乳中でも飲めますか？
治療によるメリットが危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。安全性が完全に確立されているわけではないため、自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。

Q. 子供でも使えますか？
アレジオンは小児にも使われます。アレジオン錠10mgやアレジオン顆粒小児用1%があり、年齢や症状に応じて処方されます。医師の判断のもと、低年齢のお子様（添付文書上、顆粒は年齢の下限なし）から使用されることがあります。市販薬の「アレジオン20」は15歳以上です。

Q. 運転してもいいですか？
アレジオンは眠気の副作用が出にくいとされていますが、添付文書には運転等への注意喚起があります。個人差があるため、初めて服用する場合や、少しでも眠気を感じる場合は、運転などの危険な作業は避けてください。

Q. いつから効きますか？
効果の現れ方には個人差がありますが、通常、服用後1時間程度でアレルギー症状の改善が見られ始め、効果は比較的長く持続します。

Q. なぜ就寝前に飲むことが多いのですか？
1日1回の服用で効果が24時間持続するため、どのタイミングで飲んでも構いません。しかし、万が一の眠気を考慮して、また、夜間の鼻づまりや朝方のくしゃみ・鼻水を抑える目的で、就寝前の服用が推奨されることが多いです。

Q. 喘息の発作にも効きますか？
効きません。アレジオンは、あくまで喘息が起きにくくなるように体質を改善していくための「長期管理薬」であり、起きてしまった発作を鎮める「発作治療薬（リリーバー）」ではありません。

Q. 他の抗ヒスタミン薬（アレグラ、クラリチンなど）との違いは？
アレグラやクラリチンも眠気が出にくいとされる代表的なお薬です。アレジオンは、抗ヒスタミン作用に加えて、アレルギー物質の放出を抑える作用も併せ持つ点や、気管支喘息の適応がある点が特徴です。効果や眠気の出方には個人差があるため、医師が患者さんの症状やライフスタイルに合わせて選択します。

まとめ

アレジオンは、つらいアレルギー症状に、眠気が少なく、1日1回の服用で効果が期待できる、実績のある抗ヒスタミン薬です。 気管支喘息にも適応があるなど、幅広いアレルギー疾患に使えるのが特徴です。

ジェネリック医薬品や市販薬もあり、治療の選択肢が広いお薬ですが、効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、正しい飲み方を守り、副作用について理解しておくことが大切です。そして、症状が改善しない場合や気になることがある場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。

この記事が、アレジオンへの正しい理解を深め、皆さんのつらいアレルギー症状をコントロールし、より快適な毎日を送るための一助となれば幸いです。