
「手の汗で、テストの答案用紙がヨレヨレになってしまう…」 「スマホの画面が濡れて、うまく操作できない…」 「人と握手をするのが、ずっとコンプレックス…」
多くの方が悩んでいる、つらい「手のひらの汗」。そんな悩みに応えるため、ついに登場したのが、今回ご紹介する「アポハイドローション」というお薬です。
この記事では、日本で初めて健康保険が使えるようになった「手のひらの多汗症」専用の塗り薬、アポハイドローションについて、その効果や副作用、正しい使い方を医師が分かりやすく解説していきます。
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アポハイドローションとは?効果は?
アポハイドローションは、手のひらの過剰な汗(原発性手掌多汗症)を抑えるための、ローションタイプの塗り薬です。
「アポハイドローション20%」という名称で、ポンプ式のボトルで処方されます。
アポハイドローションの成分
アポハイドローションの主役は、「オキシブチニン塩酸塩」という成分です。
私たちの体は、脳からの「汗を出せ!」という指令が神経を伝わり、最終的に「アセチルコリン」という物質が汗腺(汗をつくる場所)にくっつくことで汗が出ます。
アポハイドローションに含まれる成分は、このアセチルコリンが手のひらの汗腺の受け皿にくっつくのを直接ブロックします。指令のバトンが渡らなくなるため、汗腺は「汗を出せ」という命令を受け取れず、結果として汗の分泌が抑えられます。
この成分は、もともと過活動膀胱などの治療に飲み薬として使われてきた実績があります。
アポハイドローションの効果
手のひらに直接塗ることで、過剰な発汗そのものを減らすことができます。
これにより、日常生活での様々な悩み、例えば「紙が濡れて字が書けない」「物を持つと滑ってしまう」といった困りごとを改善する効果が期待できます。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 原発性腋窩多汗症(げんぱつせいえきかたかんしょう)
アポハイドローションは手のひら専用に開発されたお薬です。ワキや足の裏、顔など、手のひら以外の部位には使用できません。
アポハイドローションはオンライン診療で出せる?
「忙しくてなかなか病院に行けない」「定期的なお薬なのでオンラインで処方してもらえたら…」と考える方もいらっしゃるでしょう。
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
アポハイドローションのような多汗症のお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
アポハイドローションに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
お薬のことはもちろん、食事や運動といった生活習慣に関するアドバイスも、経験豊富な医師が親身になってお話を伺います。
アポハイドローションの使い方(用法・用量)
ラピアポハイドローションは、その使い方が効果を出すために非常に重要です。
1日1回、就寝前に、両方の手のひらに塗ります。
- ポンプを最後までしっかりと5回押して、ローションを片方の手のひらに出します。
- 出したローションを、もう片方の手ですり合わせるように、両方の手のひらにまんべんなく塗り広げます。
- 塗り終わったら、手を洗わずにそのまま自然に乾燥させ、就寝します。
- 翌朝、手を洗い流します。
※就寝前に塗るのは、寝ている間に有効成分をしっかり浸透させるためです。塗ってすぐに手を洗うと効果がなくなってしまうので注意してください。

アポハイドローションの副作用
塗り薬のため全身への影響は比較的少ないですが、副作用が起こる可能性はあります。
主な副作用
薬を塗った場所に起こる皮膚症状が中心です。
- 接触皮膚炎(かぶれ、湿疹)
- 紅斑(赤み)
- そう痒感(かゆみ)
- 乾燥
頻度は低いですが、有効成分が体内に吸収されたり、薬がついた手で目をこすったりすることで、以下のような全身性の副作用(抗コリン作用)が起こることがあります。
- 散瞳(瞳孔が開く)、霧視(かすみ目)、羞明(まぶしさ)
- 口の渇き(口渇)
- 排尿困難(尿が出にくい)
副作用が出たときの対処法
手のひらにかぶれ、赤み、ひどいかゆみなどの皮膚症状が出た場合は、使用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。
頻度は多くはありませんが、目のかすみ・眠気などの症状がある間は、自動車の運転や危険を伴う機械の操作は絶対にしないようにしましょう。
アポハイドローションの注意事項・禁忌
使ってはいけない方
使ってはいけない場合 (禁忌)
- 閉塞隅角緑内障の方
- 前立腺肥大などによる排尿障害がある方
- 胃腸管の閉塞のある方
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
使うときに特に注意が必要な方
- 開放隅角緑内障の方
- 排尿障害のある方(前立腺肥大症などを除く)
- 妊婦、授乳婦の方
使用上の注意
就寝前に塗った後、起床して手を洗うまでは、絶対に目をこすらないでください。 万が一目に入った場合は、すぐに水で洗い流し、眼科医に相談してください。
また、手のひら以外には使用せず、傷や湿疹、ただれなど、異常のある部位にも塗らないでください。
保管方法
- 火気を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所に置いてください。
使い忘れたら?
塗り忘れたことに気づいても、途中で塗らずに、その日の就寝前に1回分を塗ってください。
1日に2回塗ったり、量を多く塗ったりしても効果が高まるわけではありません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、アポハイドローションの処方や多汗症の治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

アポハイドローションに市販薬はある?値段は?
市販薬
医療用の「アポハイドローション」と全く同じ有効成分・同じ作用を持つ市販薬は、現在のところありません。
アポハイドローションを使用するには、医師の診断と処方が絶対に必要です。
ジェネリック名
2025年5月24日現在、アポハイドローションのジェネリック医薬品(後発品)は発売されていません。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- アポハイドローション20% 19.2g:1本あたり 約4,634.4円
(3割負担の場合、自己負担額は1本あたり約1,390円)
※2025年5月24日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
どちらもまだ安全性が十分に確立されていないため、必ず事前に医師に相談し、指示に従ってください。治療によるメリットが大きいと判断される場合は投与することもあります。
Q. 子供でも使えますか?
12歳未満の小児等に対する有効性及び安全性は確立されていません。使用については医師にご相談ください。
Q. ラピフォートワイプはいつから効果が出ますか?
個人差はありますが、4週間ほど継続して使用することで、多くの方が汗の減少を実感できます。効果を判断するためにも、まずは医師の指示通りに毎日続けることが大切です。
Q. 塗った後、手袋をして寝てもいいですか?
はい、ローションが乾いた後であれば、手袋を着用して就寝しても問題ありません。寝具などに薬が付着するのを防ぐことができます。
Q. ワキや足の裏にも使えますか?
使えません。 アポハイドローションは手のひら専用に開発されたお薬です。他の部位への効果や安全性は確認されていません。
まとめ
アポハイドローションは、これまで有効な保険治療薬がなかった「手のひらの多汗症」に対して、大きな希望となる新しい塗り薬です。
「就寝前に塗って、朝洗い流す」という特徴的な使い方を守ることで、日中の手の汗を気にせず過ごせるようになる可能性があります。
もちろん、副作用のリスクもあるため、医師の診断のもとで正しく使用することが何よりも重要です。
この記事が、アポハイドローションへの理解を深め、つらい手の汗の悩みを解決するための一歩となれば幸いです。
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