
「おしっこの勢いが弱く、出すまでに時間がかかる」「前立腺肥大症と診断され、根本的に治療したい」
そんな、前立腺肥大症そのものに働きかけるお薬が「アボルブ」です。 「尿の通り道を広げる」タイプの薬(α1遮断薬)とは異なり、肥大した前立腺そのものを小さくする効果が期待できる、専門的な治療薬です。
この記事では、そんなアボルブについて、効果の仕組みや副作用、そしてジェネリック医薬品との関係などを、医師が分かりやすく解説していきます。
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INDEX
アボルブとは?効果は?
アボルブは、「5α還元酵素阻害薬」という種類に分類される、前立腺肥大症の治療薬です。男性ホルモンに働きかけることで、肥大した前立腺を物理的に小さくし、尿道の圧迫を和らげます。
医療用として処方されるアボルブは、「アボルブカプセル0.5mg」の1種類です。
アボルブの成分
有効成分は「デュタステリド」です。
前立腺が肥大する主な原因は、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が、「5α還元酵素」という酵素によって、より強力な「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されることです。このDHTが、前立腺を大きくする“親玉”です。
アボルブは、この「5α還元酵素」の働きをブロックします。 これにより、DHTが作られなくなり、前立腺を大きくする刺激がなくなります。その結果、肥大した前立腺が、時間をかけて徐々に小さくなっていくのです。
アボルブの効果
肥大した前立腺を縮小させることで、排尿に関する様々な症状を根本から改善します。
- 尿が出にくい、勢いが弱い(排尿困難)
- トイレが近い(頻尿)
- 排尿後もスッキリしない(残尿感)
- 急な尿意、尿漏れ
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 前立腺肥大症
アボルブはオンライン診療で出せる?
「前立腺肥大で尿が出づらい」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
アボルブのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
アボルブに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
アボルブの使い方(用法・用量)
通常、成人には1回1カプセル(0.5mg)を、1日1回服用します。1日1回の服用で効果が持続します。
カプセルの中の薬剤は、口や喉の粘膜を刺激することがあるため、噛んだり、カプセルを開けたりせずに、そのまま水やぬるま湯で飲んでください。
アボルブの副作用
男性ホルモンの働きを抑えるため、性機能に関連した副作用が見られることがあります。
主な副作用
- 性機能に関する症状:勃起不全(ED)、リビドー(性欲)の減退、射精障害など
- 女性化乳房:乳房が腫れたり、痛みを感じたりすることがあります。
- 肝機能障害:頻度はまれですが、体がだるい、皮膚や白目が黄色くなるなどの症状に注意が必要です。
副作用が出たときの対処法
気になる症状が出た場合は、自己判断で服用を中止せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。
アボルブの注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にアボルブの成分及び他の5α還元酵素阻害薬でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- 女性、小児(お子様)(禁忌)
- 重度の肝機能障害のある患者(禁忌)
併用に注意が必要な薬
- CYP3A4強力阻害薬(ケトコナゾール、リトナビル):血中濃度↑
- α1遮断薬(タムスロシン等):併用で排尿症状改善が加わるが、低血圧に注意
使用上の注意
女性・子供は破損カプセルに触れない | アボルブの成分は、皮膚からも吸収されます。特に、男子胎児の生殖器の発育に影響を及ぼす可能性があるため、妊娠中、または妊娠の可能性がある女性、授乳中の女性、そしてお子様は、カプセルに触れることさえも避けてください。 もし、漏れ出た薬剤に触れてしまった場合は、直ちに石鹸と水で洗い流してください。 |
PSA検査を受ける際は必ず申告 | アボルブは、前立腺がんの指標となるPSAの値を、約50%低下させます。健康診断などでPSA検査を受ける際は、必ずアボルブを服用していることを医師に伝えてください。伝えないと、がんの発見が遅れる危険性があります。 |
献血の制限 | 服用中および、服用中止後6ヶ月間は、献血ができません。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、アボルブをはじめとしたお薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

アボルブに市販薬はある?値段は?
市販薬
2025年6月20日現在、アボルブに市販薬はありません。医師の処方が必要な医療用医薬品です。
ジェネリック
はい、ジェネリック医薬品(後発品)があります。
「デュタステリドカプセル「製薬会社名」AV」という名称で発売されています。
デュタステリドには、主に「ザガーロ」と「アボルブ」の2種類の製品名で販売されており、ザガーロは男性型脱毛症(AGA)の治療薬として、アボルブは前立腺肥大症の治療薬として承認されています。
そのため「AV」という表記が「アボルブ」を示しています。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- アボルブカプセル0.5 mg(先発品):約121.80円/カプセル(3割負担の場合:約37円)
- デュタステリドカプセルAV(ジェネリック):約48.5円/錠(3割負担の場合:約15円)
※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 女性や子供でも使えますか?
いいえ、使えません(禁忌)。 男性ホルモンの働きを抑える薬であり、お子様には使用しません。
Q. いつから効きますか?
この薬は、前立腺をゆっくりと小さくしていくお薬です。そのため、即効性はありません。個人差はありますが、効果を実感するには、少なくとも半年(6ヶ月)程度、毎日きちんと飲み続ける必要があります。
Q. 運転してもいいですか?
はい、問題ありません。眠気を催す成分は入っていません。
Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
アボルブとアルコールの間に、直接的な相互作用はありません。しかし、過度の飲酒は前立腺の充血を招き、排尿症状を悪化させることがあるため、飲み過ぎには注意しましょう。
Q. なぜ女性や子供は、カプセルに触ってもいけないのですか?
成分が皮膚から吸収され、特に男子胎児の正常な発育に影響を与える危険性があるためです。万が一、中身が漏れ出たカプセルに触れた場合は、すぐに石鹸と水で洗い流してください。
Q. AGA(男性型脱毛症)の薬と同じですか?
有効成分(デュタステリド)は同じです。 AGA治療薬としては「ザガーロ」という名前で販売されています。ただし、保険適用となるのは前立腺肥大症の治療(アボルブ)のみであり、目的外の使用はできません。
Q. タムスロシン(ハルナール)との違いは何ですか?
目的と作用の仕組みが全く違います。 この2つは、しばしば併用されます。
・タムスロシン:前立腺の筋肉をゆるめて「尿の通り道を一時的に広げる」薬。効果は速い。
・アボルブ:前立腺そのものを「物理的に小さくする」薬。効果は遅いが、根本的な原因にアプローチする。
まとめ
アボルブは、肥大した前立腺そのものを小さくすることで、前立腺肥大症に伴う排尿トラブルを根本から治療するお薬です。
効果を実感するには半年ほどの長期間、毎日飲み続ける必要がありますが、つらい症状を大きく改善する効果が期待できます。 一方で、「女性・子供は触ってもいけない」「PSA検査の際は必ず申告する」など、非常に重要な注意点があります。特徴を正しく理解し、医師の指示のもとで安全に治療を続けましょう。
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