
「トイレが近くて、外出するのが不安…」「急に我慢できない尿意が襲ってきて、間に合わないことがある」
そんな、頻尿や尿意切迫感、尿漏れといった、過活動膀胱(OAB)のつらい症状にお悩みではありませんか? 「ベタニス」は、従来の過活動膀胱治療薬でよく見られた「口の渇き」や「便秘」といった副作用を軽減するように作られた、新しいタイプの治療薬です。
この記事では、そんなベタニスについて、効果の仕組みや副作用、そして安全な使い方を、医師が分かりやすく解説していきます。
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INDEX
ベタニスとは?効果は?
ベタニスは、「選択的β3(ベータスリー)アドレナリン受容体作動薬」という種類に分類される、過活動膀胱(OAB)の治療薬です。膀胱の筋肉に直接働きかけることで、尿を溜める機能をサポートし、頻尿や尿意切迫感を改善します。
ベタニスには、有効成分の量が異なる錠剤があります。
- ベタニス錠25mg / 50mg
ベタニスの成分
有効成分は「ミラベグロン」です。
過活動膀胱では、膀胱の筋肉(排尿筋)が、まだ尿が十分に溜まっていないのに、勝手に収縮しようとしてしまいます。これが、急な強い尿意の原因です。
ベタニスの有効成分ミラベグロンは、膀胱の筋肉にある「β3アドレナリン受容体」という部分を選択的に刺激します。
- β3受容体が刺激されると、膀胱の筋肉がゆるみます(弛緩します)。
- 膀胱がゆるむことで、尿を溜められる容量が増えます。
このように、膀胱の“器”を大きくしてあげることで、トイレの回数を減らし、急な尿意を抑えることができます。従来の薬(抗コリン薬)が「膀胱の異常な収縮を無理やり抑える」のに対し、ベタニスは「膀胱をリラックスさせて、尿を溜めやすくする」という、異なるアプローチで効果を発揮します。
ベタニスの効果
膀胱の緊張を和らげることで、過活動膀胱の様々な症状を改善します。
- 頻尿(トイレの回数が多い)
- 尿意切迫感(急に我慢できない尿意が起こる)
- 切迫性尿失禁(トイレまで間に合わずに漏れてしまう)
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
ベタニスはオンライン診療で出せる?
「頻尿でトイレが近い」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
ベタニスのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
ベタニスに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
ベタニスの使い方(用法・用量)
通常、成人には1回50mg(50mg錠なら1錠)を、1日1回食後に服用します。1日1回の服用で効果が持続します。
腎臓や肝臓の機能が低下している方などでは、1回25mgから開始することもあります。必ず医師の指示通りに使用してください。
ベタニスの副作用
副作用は比較的少ないですが、以下のような症状が現れることがあります。
主な副作用
- 口の渇き、便秘(ただし、従来の抗コリン薬に比べて頻度は少ないとされています)
- 吐き気などの胃腸症状
- 頭痛、めまい
- 尿路感染(膀胱炎など)
- 血圧の上昇:心臓の拍動を増やすなど、血圧に影響を与える可能性があります。
- 尿閉:尿を出そうとしても出せなくなる状態です。頻度はまれです。
副作用が出たときの対処法
何か異常を感じた場合は、自己判断で服用を中止せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。
ベタニスの注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にベタニスの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- 重篤な心疾患を有する患者(禁忌)
- 妊婦及び妊娠している可能性のある女性、授乳婦(禁忌)
- 重度の肝機能障害患者(禁忌)
- 膀胱出口閉塞や尿閉傾向がある(前立腺肥大など)
- ご高齢の方
併用に注意が必要な薬
- フレカイニド酢酸塩あるいはプロパフェノン塩酸塩(禁忌)
- イソニアジド、ケトコナゾールなどCYP3A強力阻害薬→血中濃度上昇
- ジゴキシン→血中濃度上昇の恐れ(初期は血中濃度測定を)
- ワルファリン→作用増減の報告
使用上の注意
刺激物を控える | カフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶など)、アルコール、香辛料の摂り過ぎは、膀胱を刺激し、頻尿や尿意切迫感を悪化させることがあります。 |
水分の摂り方を工夫する | 一度にがぶ飲みせず、こまめに水分を摂りましょう。特に、就寝前の大量の水分摂取は、夜間の頻尿の原因になるため避けるのが賢明です。 |
骨盤底筋体操などを併用する | 尿道を締める役割を持つ骨盤底筋を鍛える体操は、尿漏れの改善に非常に効果的です。お薬と行動療法を併用することで、より高い効果が期待できます。 |
血圧測定の習慣を | ベタニスには血圧を上げる副作用の可能性があるため、特に高血圧の方は、定期的に血圧を測定し、記録する習慣をつけましょう。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ベタニスをはじめとしたお薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ベタニスに市販薬はある?値段は?
市販薬
2025年6月20日現在、ベタニスに市販薬はありません。医師の処方が必要な医療用医薬品です。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ベタニス錠25 mg:約94.80円/錠(3割負担の場合:約28円)
- ベタニス錠50 mg:約141.10円/錠(3割負担の場合:約42円)
※2025年6月20日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
妊娠中、または妊娠している可能性のある方には投与しません。動物実験での胎児への影響が指摘されています。
Q. 子供でも使えますか?
いいえ、小児に対する安全性は確立されていません。 そのため、原則として成人のみに処方されます。
Q. いつから効きますか?
この薬は、膀胱の状態を徐々に改善していくお薬です。即効性はありません。個人差はありますが、効果を実感するには、少なくとも2週間〜1ヶ月程度、毎日きちんと飲み続ける必要があります。
Q. 運転してもいいですか?
はい、問題ありません。眠気を催す成分は入っていません。
Q. 昔ながらの過活動膀胱の薬(抗コリン薬)との違いは何ですか?
副作用の出にくさが大きな違いです。従来の抗コリン薬は、「口の渇き」や「便秘」といった副作用が問題となることがありました。ベタニスは、異なる仕組みで作用するため、これらの副作用が起こりにくいのが最大のメリットです。
Q. 高血圧ですが、飲めますか?
コントロールされていない重度の高血圧の方には使えません。 血圧のお薬を飲んでいて、血圧が安定している場合は使用できますが、服用中は定期的に血圧を測定し、上昇していないかを確認することが重要です。必ず医師に相談してください。
Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
ベタニスとアルコールの間に、直接的な相互作用はありません。しかし、アルコールには利尿作用があるため、トイレが近くなり、過活動膀胱の症状を悪化させる可能性があります。治療中は飲酒を控えるか、たしなむ程度にするのが望ましいです。
まとめ
ベタニスは、膀胱をリラックスさせて尿を溜めやすくするという、新しい仕組みで過活動膀胱の症状(頻尿・尿意切迫感)を改善するお薬です。
従来の薬で多かった「口の渇き」「便秘」の副作用が少ないのが大きなメリットです。 効果を実感するには、毎日コツコツと飲み続けることが大切です。血圧への影響には注意が必要ですが、特徴を正しく理解し、つらい症状の改善に役立てましょう。
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