
「湿疹がかゆくて、ついつい掻いてしまう」 「虫刺されが赤く腫れて治らない」 「昔から家にある『ベトネベート』って、どんな時に使う薬?」
皮膚のトラブルで病院にかかった時や、ドラッグストアでよく目にする名前「ベトネベート」。実は、医療用と市販薬では少し種類が違うことをご存知でしょうか?
今回は、ベトネベートがどのようなお薬なのか、ステロイドとしての強さや効果、副作用、そして市販薬との違いについて、医師が解説していきます。
目次
ベトネベートとは?効果は?
ベトネベートは、「ステロイド外用薬(塗り薬)」です。
皮膚の炎症(赤み・腫れ)やかゆみを、しっかりと抑えるお薬です。湿疹、皮膚炎、あせも、虫さされなど、日常的に起こりやすい皮膚トラブルの治療に広く使われています。
医療用医薬品のベトネベートには、患部の状態に合わせて使い分けるタイプがあります。
- ベトネベート軟膏0.12%:
刺激が少なく、保湿力が高いタイプ。カサカサした患部から、ジュクジュクした患部まで幅広く使えます。 - ベトネベートクリーム0.12%:
ベタつきが少なく、伸びが良いタイプ。カサカサした患部に適していますが、傷口に塗るとしみる(ヒリヒリする)ことがあります。 - ベトネベートN軟膏/クリーム:
ステロイドに加えて「抗生物質(フラジオマイシン硫酸塩)」が配合されたタイプです。 かき壊して化膿している、または細菌感染が疑われる湿疹に使われます。ただし、カビ(水虫など)やウイルスには逆効果になるため、自己判断での使い分けは避けてください。
ベトネベートの成分
有効成分は、「ベタメタゾン吉草酸エステル」です。
この成分は、皮膚の細胞に働きかけ、炎症を引き起こす物質が作られるのをブロックします。
赤み、腫れ、かゆみなどの炎症症状を速やかに改善します。
ベトネベートの効果
- 抗炎症作用: 皮膚の赤みや腫れを引かせます。
- 抗アレルギー作用: かゆみを鎮めます。
- 抗菌作用(Nのみ): 細菌の増殖を抑えます。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 湿疹・皮膚炎群(アトピー性皮膚炎、手湿疹、接触皮膚炎など)
- 虫さされ
- 乾癬(かんせん)
- 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
- 薬疹・中毒疹
- (ベトネベートNの場合)湿潤、びらん、結痂を伴うか、二次感染を併発している上記疾患
ベトネベートの強さは?(ステロイドのランク)
ステロイド外用薬は、効果の強さによって5段階のランクに分けられますが、ベトネベートは、真ん中の「ストロング(Strong:強い)」というランク(3群)に分類されます。

- ストロンゲスト(最も強い):デルモベートなど
- ベリーストロング(とても強い):アンテベート、フルメタなど
- ストロング(強い):リンデロンV、ボアラ、フルコートなど★ここ!
- ミディアム(中程度):ロコイド、キンダベートなど
- ウィーク(弱い):プレドニン眼軟膏など
「ストロング」ランクは、体(手足やお腹、背中など)の湿疹に対して、十分な効果と安全性のバランスが良いため、頻繁に処方されます。
一方で、顔・首・陰部など皮膚が薄い場所や、小さなお子さんでは薬が効きすぎることがあるため、塗る場所と期間は医師の指示を守る必要があります。
【ステロイドの強さについて詳しい解説はこちら!】
🔗【強さ一覧】ステロイド軟膏のランク早見表|弱い・中等度・強いの使い分けと副作用を徹底解説
ベトネベートはオンライン診療で出せる?
「手荒れがひどくて薬が欲しい」「虫刺されが悪化した」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
ベトネベートのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
ベトネベートに関するご相談や処方をオンライン診療にて承っております。
特に、「体調が悪く外出がつらいとき」や「待つのが苦手なお子様の受診」などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
ベトネベートの使い方(用法・用量)
通常、1日1~数回、適量を患部に塗布します。症状により、医師が回数を調整します。薄くすり込まず、患部に優しく乗せるように塗り広げましょう。

1回あたりの塗る量の目安として、成人の人差し指の第一関節までチューブから出した量(約0.5g)で、大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗るのが「フィンガーティップユニット(FTU)」という考え方です。医師や薬剤師から具体的な量の指導を受けましょう。
ベトネベートの副作用
主な副作用
短期間の使用では副作用はほとんどありません。長期間(数週間以上)使用した場合や、顔などの皮膚が薄い部分に使用した場合、副作用が出やすくなります。
塗った部分に刺激感や発疹、かぶれ(接触皮膚炎)などが現れることがあります。
また、長期間使い続けると、ステロイドの影響で皮膚が薄くなったり、毛細血管が浮き出て見えたり、ニキビができやすくなったりする場合があります。
特に目の周りに使う場合は注意が必要で、まぶた付近への使用で眼圧が上がり、緑内障などのリスクになることが報告されています。
副作用への対処法
「顔には塗らない」「症状が良くなったらやめる」など、指示された期間と部位を必ず守ってください。
塗った場所がかえって赤くなったり、痛みが出たりした場合は、感染症を起こしている可能性があります。すぐに使用を中止し、医師に相談してください。
ベトネベートの注意事項(禁忌)
使用に注意が必要な方
使ってはいけない方(禁忌)
- 細菌・真菌・ウイルスによる皮膚感染症(禁忌)
- 水虫・たむし(カビ)(禁忌)
- ヘルペス・水ぼうそう(ウイルス)(禁忌)
- とびひ(細菌) などが疑われる部位(禁忌)
- 梅毒など(スピロヘータ)が関わる皮膚病(禁忌)
- 寄生虫が原因の皮膚トラブル(疥癬、けじらみ等)(禁忌)
- 鼓膜に穿孔(穴)のある湿疹性外耳道炎(禁忌)
- 潰瘍(深い傷)、第2度深在性以上の重いやけど・凍傷(禁忌)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方(禁忌)
特に注意して使う方(慎重投与)
- 妊婦/妊娠の可能性がある方
- 小さいお子さん
- ご高齢の方
併用に注意が必要な薬
塗り薬なので、飲み薬との悪い相互作用は基本的にありません。
他の外用ステロイドとの併用には注意しましょう。
使用上の注意
| おむつかぶれに使用する場合 | おむつは薬を密封する効果(ODT)があり、吸収が高まりすぎることがあります。医師の指示通りに使用し、漫然と使い続けないようにしましょう。 |
| お酒(アルコール) | 直接的な相互作用はありませんが、飲酒は血行を良くしてかゆみを増強させるため、症状が強いときは控えるのが望ましいです。 |
| 顔への使用は慎重に | 顔は皮膚が薄く薬の吸収が良いため、副作用が出やすい場所です。医師の指示がある場合を除き、自己判断で顔(特に目の周り)に長期間塗るのは避けましょう。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
塗り忘れたら?
気づいた時に塗ってください。ただし、次に塗る時間が近い場合は1回とばしましょう。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ベトネベートをはじめとしたお薬の処方も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

※心療内科ではシステム手数料をいただいております。
ベトネベートに市販薬はある?値段は?
市販薬
「ベトネベート」の名前がついた市販薬も販売されていますが、用途に合わせて成分が異なります。市販薬は使用できる期間や部位が制限されているため、数日使っても改善しない場合は受診してください。
- 「ベトネベートN軟膏AS」:
ステロイド+抗生物質(フラジオマイシン硫酸塩)の配合剤。化膿を伴う湿疹に。 - 「ベトネベートクリームS」:
ステロイド単体のクリーム。カサカサした湿疹に。
ジェネリック
ベトネベートと同じ有効成分(ベタメタゾン吉草酸エステル)のお薬には、以下の2種類があります。
- 同成分の別ブランド(先発品扱い):
「リンデロンV」など。名前は違いますが、成分・強さは同じです。 - ジェネリック医薬品:
「ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏/クリーム『製薬会社名』」という名前で処方されます。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
| 薬剤名 | 区分 | 薬価(1gあたり) | 3割負担の目安(1gあたり) |
|---|---|---|---|
| ベトネベート軟膏0.12% | 先発品 | 約19.60円 | 約5.9円 |
| ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏 | 後発品 | 約6〜8円 | 約2.0〜2.4円 |
※2025年12月8日現在
※薬価は改定で変わるほか、ジェネリックでも銘柄によって価格が同等〜高いことがあります。
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q.妊婦・授乳中でも使えますか?
塗り薬のため体への吸収はわずかですが、大量または長期にわたる広範囲の使用は避けるべきとされています。自己判断で使わず、必ず医師に相談してください。授乳中に胸部に塗る場合は、直前に拭き取るか、授乳後に塗るようにしましょう。
Q.子どもでも使えますか?
使えますが注意が必要です。「ストロング」ランクは、大人の体には適していますが、皮膚の薄いお子さんには作用が強すぎることがあります。医師の指示通り、短期間・適切な部位にのみ使用してください。
Q.いつから効き始めますか?
適切な強さのステロイドであれば、早ければ塗って数時間〜翌日には赤みやかゆみが引き始めます。数日塗っても良くならない場合は、診断が違っている可能性があるため、再度受診してください。
Q.お酒(アルコール)を飲んでもいいですか?
控えたほうが良いです。アルコールで体が温まると、かゆみや炎症が悪化しやすくなります。早く治すためにも、治療中は飲酒を控えましょう。
Q.顔に塗ってもいいですか?
原則として、医師の指示がない限り顔への自己判断での使用は避けてください。「ストロング」ランクは顔には少し強めです。特に目の周りへの使用は、眼圧上昇などのリスクがあるため注意が必要です。
Q.運転に影響はありますか?
塗り薬なので、眠気が出ることはなく、運転への影響もありません。
まとめ
ベトネベートは、「ストロング(強い)」ランクの効果的なステロイド外用薬です。体の湿疹には非常に頼りになりますが、顔やデリケートな部分には強すぎることもあるため、「塗る場所」と「期間」を医師の指示通りに守ることが大切です。
「この湿疹、ベトネベートで治るかな?」 「市販薬を使っても良くならない」
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