クラリチンの効果・副作用を医師が解説！【ジェネリックはあるの？】

クラリチンの使い方（用法・用量）

年齢や症状によって用法・用量が異なります。必ず医師の指示に従ってください。

• 成人： 通常、1回10mg（クラリチン錠10mgなら1錠）を1日1回、食後に服用します。
• 小児（7歳以上）： 通常、1回10mg（クラリチン錠10mgなら1錠）を1日1回、食後に服用します。
• 小児（3歳以上7歳未満）： 通常、ドライシロップとして1回0.5g（ロラタジンとして5mg）を1日1回、食後に服用します。

クラリチンは、食事と一緒に、あるいは食後に飲むことで吸収が良くなるとされているため、「食後投与」が基本です。

クラリチンの副作用

クラリチンは、副作用が非常に少ないお薬として知られていますが、以下のような症状が現れることがあります。

主な副作用

• 眠気（頻度は低いですが、全くないわけではありません）
• 倦怠感、だるさ
• 腹痛、吐き気、口の渇きなどの消化器症状
• 頭痛

副作用の頻度は一般的に低いですが、もし眠気を感じた場合は、自動車の運転など危険を伴う機械の操作は避けてください。

アナフィラキシー、てんかん、けいれん、肝機能障害、黄疸なども報告されていますが、頻度は極めてまれです。

副作用が出たときの対処法

軽い症状であれば、お薬を続けているうちに治まることもあります。
しかし、症状が気になる場合や、生活に支障が出るような場合は、自己判断で中止せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。

クラリチンの注意事項（禁忌）

使ってはいけない方

• 過去にクラリチンの成分（ロラタジン）や、デザレックスの成分（デスロラタジン）でアレルギー症状を起こしたことがある方（禁忌）
• 腎臓や肝臓の機能が低下している方
• てんかんの既往がある方
• 高齢者の方（眠気などの副作用が出やすいことがあります）

併用に注意が必要な薬

• エリスロマイシン（抗生物質）
• シメチジン（胃薬） →これらの薬は、クラリチンの血中濃度を上昇させ、副作用が出やすくなる可能性があります。

使用上の注意

眠気への注意	眠気は出にくいとされていますが、個人差があります。添付文書にも「眠気を催すことがあるので、本剤を投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること。」という記載があります。
効果がないと感じたら	自己判断で量を増やしたりせず、医師に相談してください。

保管方法

• 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
• 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら？

1日1回のお薬なので、気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、クラリチンをはじめとしたアレルギー薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

クラリチンに市販薬はある？値段は？

市販薬

医療用と同じ有効成分「ロラタジン」を同量配合したスイッチOTC医薬品が、「クラリチンEX」や「クラリチンEX OD錠」として販売されています。

これらは薬剤師の指導のもと、薬局で購入できますが、使用できるのは「鼻のアレルギー症状」で、15歳以上が対象です。じんましんや皮膚のかゆみには使えません。

ジェネリック名

クラリチンにはジェネリック医薬品（後発品）が多数あります。

「ロラタジン錠/OD錠/DS「製薬会社名」」という名称で、多くの製薬会社から発売されています。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

• クラリチン錠10mg（先発品）：1錠あたり 約65.6円
  （3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり約20円）
• ロラタジン錠10mg「サワイ」（ジェネリックの一例）：1錠あたり 約24.1円
  （3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり約7円）

※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

クラリチン錠10mg／クラリチンレディタブ錠10mg

よくある質問（FAQ）

Q. 妊婦や授乳中でも飲めますか？
治療によるメリットが危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。安全性が完全に確立されているわけではないため、自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。

Q. 赤ちゃんや子供でも使えますか？
クラリチンは小児にも使われます。錠剤は7歳以上、ドライシロップは3歳以上の小児が適応となっています。必ず医師の指示に従ってください。

Q. 運転してもいいですか？
クラリチンは眠気の副作用が出にくいとされていますが、添付文書には運転等への注意喚起があります。個人差があるため、初めて服用する場合や、少しでも眠気を感じる場合は、運転などの危険な作業は避けてください。

Q. いつから効きますか？
効果の現れ方には個人差がありますが、体内で効果を発揮する物質に変化する必要があるため、通常、服用後1～2時間程度でアレルギー症状の改善が見られ始めます。

Q. デザレックスとの違いは？
デザレックスは、クラリチンの有効成分（ロラタジン）が体内で変化した後の「活性代謝物」そのものです。そのため、デザレックスはクラリチンに比べて、より効果発現が速く、食事の影響を受けないというメリットがあります。クラリチンは、その分、長年の使用実績と安全性のデータが豊富です。

Q. アレグラとの違いは？
どちらも眠くなりにくいとされる代表的な第2世代抗ヒスタミン薬です。大きな違いは、クラリチンが1日1回の服用なのに対し、アレグラは通常1日2回服用する点です。効果の感じ方には個人差があるため、医師が患者さんの症状やライフスタイルに合わせて選択します。

まとめ

クラリチン錠は、つらいアレルギー性鼻炎やじんましん、皮膚のかゆみに対して、眠気の副作用が少なく、1日1回の服用で効果が期待できる、実績のある抗ヒスタミン薬です。 市販薬やジェネリック医薬品も豊富で、多くの方にとって身近なアレルギー治療の選択肢の一つとなっています。

効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、正しい飲み方を守り、副作用や注意点について理解しておくことが大切です。そして、症状が改善しない場合や気になることがある場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。

この記事が、クラリチン錠への正しい理解を深め、皆さんのつらいアレルギー症状をコントロールし、より快適な毎日を送るための一助となれば幸いです。