
「繰り返すアトピー性皮膚炎のかゆみと赤み、なんとかしたい…」 「ステロイドを長期間使うのは、ちょっと不安がある…」 「顔や首など、デリケートな部分にも安心して使える薬はないかな?」
こうした、アトピー性皮膚炎のつらい症状や悩みに応える、新しいタイプの塗り薬が「コレクチム軟膏」です。ステロイドを含まない「非ステロイド性」のお薬で、皮膚の中で過剰な免疫反応を抑えることで効果を発揮します。
この記事では、アトピー性皮膚炎治療の新たな選択肢であるコレクチム軟膏について、その効果や副作用、正しい使い方を医師が分かりやすく解説していきます。
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コレクチム軟膏とは?効果は?
コレクチム軟膏は、アトピー性皮膚炎の治療に使われる、新しいタイプの「JAK(ジャック)阻害薬」という塗り薬です。
アトピー性皮膚炎の主な原因である、皮膚の中での免疫細胞の過剰な活動を抑えることで、炎症(赤み、腫れなど)やそれに伴うかゆみを改善します。
コレクチム軟膏には、有効成分の濃度が異なる2つの種類があります。
- コレクチム軟膏0.5%: 主に成人(16歳以上)のアトピー性皮膚炎に使われます。
- コレクチム軟膏0.25%: 主に小児(生後6ヶ月以上)のアトピー性皮膚炎に使われます。症状が比較的軽い成人の方に使われることもあります。
コレクチム軟膏の成分
コレクチム軟膏の主役は、「デルゴシチニブ」という成分です。
この成分は、私たちの体の中で炎症やかゆみを引き起こす様々な情報伝達に関わっている「JAK(ヤヌスキナーゼ)」という酵素の働きをブロックします。
アトピー性皮膚炎の皮膚では、このJAKが活発になりすぎて、免疫細胞が過剰に反応し、炎症やかゆみが起こりやすくなっています。デルゴシチニブは、このJAKの働きをピンポイントで抑えることで、過剰な免疫反応の連鎖を止め、症状を和らげます。
炎症の“司令塔”からの過剰な指示が、現場の細胞に伝わるのを途中でブロックしてくれるようなイメージです。これは、炎症を強力に抑えるステロイド外用薬とは異なる、新しい作用の仕方です。
コレクチム軟膏の効果
- 皮膚の炎症(赤み、腫れ、じゅくじゅくなど)を改善する
- しつこいかゆみを軽減する
- 皮膚のバリア機能の改善を助ける(炎症が治まることによる間接的な効果)
JAK阻害という新しいメカニズムにより、アトピー性皮膚炎のつらい症状に効果を発揮します。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- アトピー性皮膚炎
顔、首、まぶたなど、皮膚が薄くデリケートな部分にも比較的使いやすいのが特徴です。
もちろん、体や手足など、全身の皮膚症状に使えます(ただし、塗る範囲や量は医師の指示に従ってください)。
コレクチム軟膏はオンライン診療で出せる?
「アトピー性皮膚炎の治療を続けたいけど、定期的な通院が大変…」「新しい薬について、まずはオンラインで相談してみたい」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
コレクチム軟膏のようなアトピー性皮膚炎の治療薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
コレクチム軟膏に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に慢性的な皮膚疾患で継続的なケアが必要な方にとっては、通院の負担を大きく減らすことができます。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
コレクチム軟膏の使い方(用法・用量)
通常、朝と夕(または入浴後など)1日2回、適量を患部に塗布します。
患部を清潔にした後、適量を指にとり、擦り込まずに優しく塗り広げます。

1回あたりの塗る量の目安として、成人の人差し指の第一関節までチューブから出した量(約0.5g)で、大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗るのが「フィンガーティップユニット(FTU)」という考え方です。医師や薬剤師から具体的な量の指導を受けましょう。
コレクチム軟膏の副作用
ヘパリン類似物質は非常に安全性の高いお薬で、副作用はまれです。
副作用
- 毛包炎(もうほうえん): ニキビに似た赤いブツブツができることがあります。
- 刺激感、赤み、かゆみ
- ヘルペスやカポジ水痘様発疹症などの皮膚感染症
- その他: ざ瘡(ニキビ)、接触皮膚炎、色素沈着など
副作用が出たときの対処法
塗った部分にいつもと違う症状が出たり、症状が悪化したりした場合は、使用を中止し、処方した医師や薬剤師に相談してください。特に、皮膚感染症が疑われる場合は早めの受診が大切です。
コレクチム軟膏の注意事項・禁忌
使ってはいけない方
- 過去にコレクチム軟膏の成分(デルゴシチニブ)でアレルギー症状を起こしたことがある方 (禁忌)
- 皮膚に細菌や真菌、ウイルスなどの感染症がある方、またはその疑いがある方(感染症が悪化する可能性があります)
- 妊婦、授乳婦の方
併用に注意が必要な薬
塗り薬なので、飲み薬との間で特に問題となる飲み合わせは、基本的にありません。
使用上の注意
保管方法
- 直射日光・高温を避け、室温(1~30℃)で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所に置いてください。
使い忘れたら?
気づいた時点で、すぐに1回分を塗ってください。
ただし、次に塗る時間が近い場合は、1回とばして次の時間に1回分を塗るようにしましょう。絶対に2回分を一度に塗ってはいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、コレクチム軟膏の処方や肌トラブルの治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

コレクチム軟膏に市販薬はある?値段は?
市販薬
2025年5月28日現在、コレクチム軟膏と同じ成分の市販薬はありません。 使用するには、医師の診断と処方が絶対に必要です。
ジェネリック名
コレクチム軟膏は比較的新しいお薬のため、2025年5月28日現在、ジェネリック医薬品(後発品)は発売されていません。
薬価
- コレクチム軟膏0.5%(5gチューブ):1本あたり 約575.6円
(3割負担の場合、自己負担額は1本あたり約173円) - コレクチム軟膏0.25%(5gチューブ):1本あたり 約562.9円
(3割負担の場合、自己負担額は1本あたり約169円)
※2025年5月28日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊娠中や授乳中でも使えますか?
妊婦または妊娠している可能性のある女性、授乳中の方に対しては、治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。安全性が完全に確立されているわけではないため、必ず医師に相談してください。
Q. 赤ちゃんや子供でも使えますか?
「コレクチム軟膏0.25%」は、生後6ヶ月以上の小児のアトピー性皮膚炎に使用できます。必ず医師の指示に従って、適切な量を使用してください。
Q.ステロイドは入っていますか?
入っていません。 コレクチム軟膏は、ステロイドとは異なる「JAK阻害薬」という新しい作用の非ステロイド性の塗り薬です。
Q. プロトピック軟膏(タクロリムス)との違いは何ですか?
どちらもアトピー性皮膚炎に使われる非ステロイド性の塗り薬ですが、作用の仕組みが異なります。コレクチム軟膏は「JAK阻害薬」、プロトピック軟膏は「カルシニューリン阻害薬」です。刺激感の出方や、効果の現れ方などに違いがあるため、医師が患者さんの状態に合わせて使い分けます。
Q.いつから効きますか?
個人差はありますが、数日~1週間程度でかゆみの改善が見られ始めることが多いです。皮膚の赤みや湿疹などの炎症の改善には、もう少し時間がかかる場合があります。
Q.顔に塗っても大丈夫ですか?
はい、顔や首など、皮膚の薄いデリケートな部分にも使いやすいお薬です。ただし、目や口の周りなど粘膜に近い部分は、医師の指示に従って慎重に使用してください。
まとめ
コレクチム軟膏は、アトピー性皮膚炎のつらい炎症やかゆみを、ステロイドとは異なる新しい「JAK阻害」という仕組みで抑える、期待の塗り薬です。 特に、顔や首など、ステロイドを長期間使いにくいデリケートな部分の治療や、ステロイドによる副作用が心配な方にとって、心強い選択肢の一つとなります。
効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、医師の指導のもとで正しく使い、根気強く治療を続けることが大切です。
この記事が、コレクチム軟膏への理解を深め、アトピー性皮膚炎と上手に付き合っていくための一助となれば幸いです。
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