クラビット錠500ｍgの効果・副作用を医師が解説【細菌感染症に】

「膀胱炎になって、クラビットという薬を処方された」「肺炎と診断されたけど、どんな薬？」

クラビットは、肺炎や膀胱炎をはじめ、様々な細菌感染症の治療に広く使われている「ニューキノロン系」という種類の抗菌薬（抗生物質）です。幅広い細菌に効果を発揮する強力な薬である一方、特有の副作用や注意点があるため、正しく理解して服用することが大切です。

この記事では、そんなクラビットについて、効果の仕組みや副作用、そしてジェネリック医薬品との関係などを、医師が分かりやすく解説していきます。

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クラビットとは？効果・効能は？

クラビットは、「ニューキノロン系抗菌薬」に分類される、感染症治療薬です。細菌が増殖するのを妨げることで、細菌を殺す「殺菌的」な作用を示します。多くの種類の細菌に効果があるため、「広域抗菌薬」とも呼ばれます。

クラビットには、錠剤と、お子様向けの粉薬があります。

クラビット錠250mg / 500mg
クラビット細粒10%

クラビットの成分

有効成分は「レボフロキサシン水和物」です。

細菌は、増殖（分裂）するために、自身のDNAを複製する必要があります。クラビットは、このDNAの複製に不可欠な酵素（DNAジャイレースなど）の働きを阻害します。

DNAをコピーできなくなった細菌は、増殖することができなくなり、やがて死滅します。人間の細胞には同じような仕組みがないため、細菌に対して選択的に作用します。

クラビットの効果

様々な細菌による感染症を治療します。

呼吸器感染症（肺炎、気管支炎、咽頭炎など）
尿路感染症（膀胱炎、腎盂腎炎など）
皮膚感染症
婦人科、眼科、耳鼻科、歯科領域の感染症

どんなときに使う？（適応疾患・部位）

上記のような、様々な部位の細菌感染症

クラビットはオンライン診療で出せる？

「膀胱炎が治らない…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

クラビットのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
クラビットに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

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クラビットの使い方（用法・用量）

通常、成人には1回500mg（500mg錠なら1錠）を、1日1回服用します。

感染症の種類や重症度によって、用法・用量は異なりますので、必ず医師の指示通りに使用してください。

耐性菌ができるリスクがあるため症状が良くなっても、医師に指示された期間、必ず最後まで飲み切ってください。

クラビットの副作用

主な副作用

下痢、吐き気などの胃腸症状
発疹、かゆみ
めまい、不眠、頭痛
光線過敏症：日光に対して皮膚が過敏になり、赤みや発疹が出やすくなります。
腱障害：アキレス腱などに炎症や痛みが生じ、まれに腱が断裂することがあります。特に高齢者やステロイド薬を服用中の方はリスクが高まります。
大動脈瘤・大動脈解離：まれですが、血管にこぶができたり、血管が裂けたりするリスクが報告されています。
意識障害、けいれん：中枢神経系の副作用です。
重い皮膚障害、肝機能障害、不整脈なども、まれに報告されています。

副作用が出たときの対処法

足や手などの関節や腱に痛みや腫れを感じた場合や、発疹、その他気になる症状が出た場合は、直ちに服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。

クラビットの注意事項（禁忌）

使ってはいけない方

過去にクラビットや他のキノロン系抗菌薬でアレルギー症状を起こしたことがある方 （禁忌）
妊婦または妊娠している可能性のある女性（禁忌）
小児（お子様）（禁忌）
てんかんなどの、けいれん性の病気がある方
重い腎機能障害のある方
心臓に病気のある方（特に不整脈）
ご高齢の方

併用に注意が必要な薬

アルミニウムやマグネシウムを含む胃薬（制酸薬）、カルシウム、鉄剤、亜鉛を含むサプリメント →これらはクラビットの吸収を著しく妨げ、効果を弱めてしまいます。服用時間を2時間以上あける必要があります。
一部の痛み止め（NSAIDs）→けいれんのリスクを高めることがあります。
ワルファリン（血をサラサラにする薬）
抗不整脈薬（アミオダロン等）、三環系抗うつ薬→QT延長↑

使用上の注意

十分な水分を取り、日光を避ける	光線過敏症を防ぐため、服用中は直射日光や日焼けサロンを避け、帽子や日傘、長袖の服などで肌を守りましょう。また、脱水を防ぐため、十分な水分補給も大切です。
腱への過度な負荷を避ける	腱障害のリスクを減らすため、服用中は激しい運動で腱に負荷をかけすぎないように注意しましょう。
症状が改善しない場合は再診を	服用を開始して2〜3日以上経っても、熱が下がらなかったり、症状が悪化したりする場合は、薬が効いていない可能性があります。自己判断で飲み続けず、処方した医師に相談し、再診を受けてください。

保管方法

直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら？

気づいた時点で、忘れた分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、1回分をとばしましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、クラビットをはじめとしたお薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

クラビットに市販薬はある？値段は？

市販薬

2025年6月現在、クラビットと同じ成分の市販薬は販売されていません。

必ず医師の処方が必要なお薬です。

ジェネリック

はい、ジェネリック医薬品（後発品）があります。

「レボフロキサシン錠/細粒「製薬会社名」」という名称で発売されています。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

クラビット錠500mg（先発品）：約115.2円/錠（3割負担の場合：約35円）
レボフロキサシン錠500mg「ケミファ」（ジェネリック）：約91.80円/錠（3割負担の場合：約28円）

※2025年6月25日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

クラビット錠250mg／クラビット錠500mg／クラビット細粒10%

よくある質問（FAQ）

Q. 妊婦や授乳中でも使えますか？
いいえ、妊婦または妊娠している可能性のある方は、この薬を服用することができません（禁忌）。 授乳中の方も、原則として服用を避けるべきとされています。

Q. 子供でも使えますか？
いいえ、使えません（禁忌）。 動物実験で、成長期の関節軟骨に異常がみられたことから、小児への投与は原則として禁止されています。

Q. いつから効きますか？
膀胱炎などの急な感染症の場合、服用開始から1〜3日程度で、症状が和らいでくることが多いです。ただし、症状が良くなっても、処方された日数は必ず飲み切ることが重要です。

Q. なぜ日光を避けないといけないのですか？
光線過敏症という副作用が起こることがあります。普段なら何ともない日光を浴びただけで、肌が真っ赤になったり、水ぶくれができたりすることがあるため、服用中は紫外線対策が必須です。

Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫？
治療中の飲酒は避けてください。 クラビットとアルコールの間に、特に重篤な相互作用は報告されていませんが、アルコールは体の免疫力を低下させ、感染症の治りを遅らせる可能性があります。

Q. 運転してもいいですか？
注意が必要です。 めまいや眠気、意識障害などの副作用が報告されているため、服用中は自動車の運転など危険な作業は慎重に行うべきです。

Q. なぜ胃薬や鉄剤と一緒に飲んではいけないのですか？
胃薬に含まれるマグネシウムやアルミニウム、鉄剤に含まれる鉄分などが、クラビットとがっちり結合してしまい、体への吸収を邪魔してしまうためです。薬の効果がほとんどなくなってしまうので、必ず服用時間を2時間以上ずらしてください。

まとめ

クラビットは、幅広い細菌に効果を発揮する、1日1回服用の強力なニューキノロン系抗菌薬です。

効果が高い反面、「小児や妊婦には使えない」「一部の胃薬やサプリメントと同時に飲めない」「日光に注意する」「腱の痛みに気をつける」など、多くの重要な注意点があります。これらのルールを守り、処方された日数をしっかり飲み切ることが、安全で確実な治療につながります。