
寝つきが悪かったり、夜中に何度も目が覚めてしまったりして、良質な睡眠に悩んでいませんか?
そんなときに処方されることが多い「デエビゴ」は、レンボレキサントという成分を含む比較的新しい睡眠薬で、従来の睡眠薬とは異なるメカニズムで作用するのが特徴です。
依存性が少なく、入眠障害だけでなく睡眠維持にも効果があるのがポイント。
この記事ではデエビゴの効果や正しい使い方、副作用などをやわらかい言葉で解説します。これから服用するかもしれない方は、ぜひ参考にしてくださいね。
ウチカラクリニックではオンライン診療に完全対応し、忙しい方向けに夜間や土日も診療を行っております。
(全国からご自宅で受診可能です。)
不眠症状にお悩みの方はお気軽にオンライン診療でご相談ください。
診療時間:09:00 – 22:00
予約は24時間可能!
デエビゴとは
デエビゴの成分
デエビゴは、有効成分としてレンボレキサントを含む、2020年にエーザイ株式会社によって開発された不眠症治療薬です。
脳内で覚醒に関与する「オレキシン」という物質の働きをブロックすることで睡眠状態を促す、オレキシン受容体拮抗薬に分類され、従来の睡眠薬とは異なる仕組みで眠りを誘う薬です。
オレキシンは日中は増加し夜間は減少する自然なホルモンで、これを適切に抑制することで、より自然な眠りを誘うことができます。
デエビゴの効果は?何時間くらい眠れる?
デエビゴは、入眠障害(寝つきの悪さ)と熟睡困難(途中で目が覚める)の両方に効果があります。
服用すると約30分ほどで眠気が強まり始め、効果は通常6〜8時間程度持続します。服用してから約8時間程度でレンボレキサントの血液中の濃度は最高血中濃度の25%程度まで減少するため、翌朝の活動への影響が比較的少ないと考えられています。
朝になると体内の自然なオレキシンが増えてくるため、日中の活動への影響が少ないのも特徴です。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
デエビゴは主に以下のような不眠症状に処方されます。
- 入眠困難(寝つきが悪い)
- 中途覚醒(夜中に何度も目が覚める)
- 早朝覚醒(朝早く目が覚めてしまう)
- 熟睡困難(眠りが浅く、熟睡感がない)
単なる睡眠薬というよりも、睡眠と覚醒のリズムを整える薬としての側面もあります。
デエビゴの依存性・強さは?
睡眠薬と聞くと、「強い薬じゃないか」「依存性が心配」と感じる方もいるかもしれません。
デエビゴは、睡眠薬の中では比較的マイルドな作用と言えるでしょう。覚醒を抑えることで眠気を促すため、強い催眠作用を持つ薬に比べると、依存性や、急にやめたときに不眠が悪化する「反跳性不眠(はんちょうせいふみん)」のリスクが低いと考えられています。
デエビゴと同じタイプの睡眠薬に「ベルソムラ」というお薬もあります。こちらも脳の覚醒物質「オレキシン」に作用する点は同じで、依存性が低いのが特徴です。
じゃあ、何が違うの?というと、主なポイントは2つ。
- 効いている時間の長さ:
一般的に、デエビゴの方がベルソムラより少し長く効くと言われています。夜中に目が覚めやすい方にはメリットかもしれませんが、人によっては翌日の眠気につながることもあります。 - お薬の量の種類:
デエビゴには、ベルソムラよりも少ない2.5mgという用量があります。より少量から試したい場合に選択肢。
どちらが良いかは、不眠のタイプや体質によって本当に人それぞれです。お医者さんが、あなたの状態に合わせて「ベルソムラがいいか」「デエビゴがいいか」を判断してくれますので、自己判断せずに相談してくださいね。
他のお薬の種類や睡眠薬の依存性が気になるかたはこちらの記事もチェックしましょう。
デエビゴの使い方(用法・用量)
2.5mg/5mg/10mgの三種類の錠剤が存在します。
通常、就寝前に1回服用。用量は5mgや10mgなどが一般的。年齢や症状によって調整されることがあります。
飲んですぐに布団に入るのがおすすめ。服用後は車の運転や機械操作を行わないよう注意しましょう。
翌朝の眠気をできるだけ抑えるためにも、最低でも6~7時間は睡眠をとれる環境で服用するようにしてください。
また、入眠効果の発現が遅れるおそれがあるため、食事と同時または食直後の服用は避けましょう。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、症状に応じてデエビゴの処方や不眠症状の治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

デエビゴの注意事項・禁忌
併用に注意が必要な薬
- CYP3Aを阻害する薬剤(フルコナゾール、エリスロマイシン、ベラパミル、イトラコナゾール、クラリスロマイシンなど )
血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがあります。 併用する場合は2.5mgから慎重に始めましょう。 - 他の不眠症治療薬
併用したときの有効性及び安全性は確立されていません
他の薬を飲んでいる場合は、必ず医師や薬剤師に伝えて確認してもらいましょう。
使用上の注意
重度の肝機能障害のある方は使用しません。 中等度では血中濃度が上昇するため、1日1回5mgを超えないよう少量から慎重に開始します。
デエビゴを服用すると、翌朝にも眠気や集中力低下が残る可能性があります。特に夜遅い時間に高用量を服用すると持ち越し効果が強くなるので注意が必要です。
服用後はふらつきや転倒のリスクが高まるので眠れるまで安静にしましょう。夜間のトイレなどで起きなくてはいけない場合は明るくして移動しましょう。
効果不十分の場合も自己判断で増量せず、医師に相談しましょう
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避けて保管しましょう。
- 子どもの手の届かない場所に置いてください。
飲み忘れたら?効かないときは?
もし飲み忘れたら無理に夜中に飲むのは避けましょう。すでに就寝時間が遅い場合、起床後まで眠気が残る恐れがあります。翌日からまた通常どおりに飲めばいいです。
効かないからと2回分を一度に服用してはいけません。
睡眠薬はなしで眠れるならそれにこしたことはありません。「必要ないとき」は飲まなくてOK。
毎日飲むから効いていくというものではありません。
デエビゴの副作用
主な副作用
- 眠気・ふらつき:翌朝まで続くことがあります。
- 頭痛・めまい・倦怠感:体質やコンディションにより個人差。
悪夢を見ることはある?
「デエビゴを飲むと悪夢をみる」という話を聞いたことがある方もいるでしょう。
実際、オレキシン受容体拮抗薬では、異常な夢や悪夢を見ることがあります。これはオレキシンがレム睡眠(夢を見る睡眠)の調節にも関わっているためと考えられています。
頻度は多くありませんが(1〜3%未満)、気になる場合は医師に相談してください。
多くの場合、服用を続けるうちに慣れて症状が軽減することもあります。
副作用が出たときの対処法
- 睡眠時間をしっかり確保:6~7時間眠れる環境を作ると翌朝の眠気が残りにくいです。
- 気になる症状が続く場合は医師に相談:用量調整や別の薬への切り替えなども検討してもらえます。
デエビゴに市販薬はある?値段は?
市販薬
デエビゴと同じ成分の市販薬はありません。
市販の睡眠補助サプリなどはまったく別の成分ですので、効果が異なります。自己判断で切り替えず、必ず医師と相談しましょう。
ジェネリック名
現時点では、レンボレキサントと同じ成分を含むジェネリック医薬品はありません。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- デエビゴ錠2.5mg:44.9円(2.5mg1錠)
- デエビゴ錠5mg:71.3円(5mg1錠)
- デエビゴ錠10mg:106.4円(10mg1錠)
※2025年4月29日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
デエビゴ錠 2.5 ㎎/デエビゴ錠 5 ㎎/デエビゴ錠 10 ㎎
よくある質問(FAQ)
Q. 妊娠中や授乳中でも使える?
比較的新しいお薬なので妊娠中、授乳中の使用についてはまだまだ研究段階です。基本的には妊婦や授乳中の方は服用を避け、医師と相談の上、他の選択肢を検討することをおすすめします。
Q. 小児でも使える?
小児を対象とした臨床試験は実施されていないため、小児への投与は推奨されていません。
子どもの不眠の場合は、睡眠薬よりも生活習慣の改善や不眠の原因に直接対処する方法が一般的です。
Q. 運転への影響は?
デエビゴを服用すると、眠気、注意力低下、反応時間の遅延などが生じる可能性があります。服用後は自動車の運転や機械の操作は絶対にやめましょう。翌朝も注意が必要です。
Q. 飲み始めてどのくらいで効果が出る?
服用してから効果が現れるまでの時間には個人差がありますが、一般的には30分〜1時間程度で眠気を感じはじめることが多いです。効果が不十分だと感じても自己判断で増量せず、医師に相談してください。
Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
デエビゴとアルコールを一緒に摂取すると、中枢神経抑制作用が増強され、過度の鎮静や呼吸抑制を起こす可能性があります。また、アルコールにより睡眠の質が低下することもあります。デエビゴ服用中はアルコールを避けるか、少なくとも控えめにするのが賢明です。
Q. 依存性はある?
デエビゴはベンゾジアゼピン系睡眠薬と比較して依存性が低いとされています。臨床試験では、投与中止による反跳性不眠(服用をやめた後に不眠症状が一時的に悪化すること)や離脱症状は観察されず、長期間投与しても身体的依存を引き起こさないことが証明されています。
ただし、長期間使用する場合は定期的に医師の診察を受け、継続的な服用の必要性を確認することが大切です。
まとめ
デエビゴは、オレキシン受容体拮抗薬という新しいタイプの睡眠薬で、入眠困難と睡眠維持困難の両方に効果があります。錠剤の種類も2.5mg、5mg、10mgと豊富で、症状や体質に合わせた調整が可能です。
従来の睡眠薬と比べて依存性が低く、自然な睡眠のリズムを整える点がメリットである一方、眠気の持ち越しや異常な夢などの副作用にも注意が必要です。
- 就寝直前に服用し、食後の服用は避ける
- 医師の指示通りの用量を守り、自己判断で増減しない
- 飲酒は避けるか控えめにする
- 副作用が気になる場合は医師に相談する
正しい使い方を理解して、デエビゴの効果を最大限に引き出しながら、質の高い睡眠を取り戻しましょう。不眠症の症状は人によって異なるため、服用方法や疑問点については、遠慮なく医師や薬剤師に相談してみてくださいね。
ウチカラクリニックではオンライン診療に完全対応し、忙しい方向けに夜間や土日も診療を行っております。
(全国からご自宅で受診可能です。)
不眠症状にお悩みの方はお気軽にオンライン診療でご相談ください。
診療時間:09:00 – 22:00
予約は24時間可能!