ダイアモックスの効果や副作用について医師が解説!高山病に効くってホント?

ダイアモックス

「富士山に登る予定だけど、高山病が心配…」 「海外の標高の高いリゾート地へ旅行するのに、何か対策はできる?」 「緑内障の治療で、眼圧を下げる薬を処方された」

こうした場面で処方されることがある、少しユニークなお薬が「ダイアモックス」です。特に高山病の予防薬として、登山や高地への旅行を計画している方に広く知られています。

この記事では、ダイアモックスがどんなお薬なのか、その効果や副作用、正しい使い方を医師が分かりやすく解説していきます。

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ダイアモックスとは?効果は?

ダイアモックスは、高山病の予防・治療のほか、緑内障てんかんメニエール病など、様々な病気の治療に使われる飲み薬です。

処方される際は「ダイアモックス錠250mg」という錠剤が一般的です。

ダイアモックスの成分

有効成分はアセタゾラミドといい、「炭酸脱水酵素阻害薬」というグループに分類されます。体の中の特定の酵素の働きを抑えることで、様々な効果を発揮する、多才なお薬です。

この成分は、体内の「炭酸脱水酵素」という酵素の働きをブロックします。この酵素は、体のいろいろな場所(腎臓、目、脳など)に存在するため、ブロックすることで様々な作用が現れます。

高山病に対して
血液を一時的にわずかに酸性に傾けることで、脳の呼吸中枢を刺激します。これにより、呼吸が深くなり、体内に酸素を効率よく取り込めるようになります。これが、体が酸素の薄い環境に順応するのを助けます。

緑内障に対して
目の中を満たしている水(房水)が作られるのを抑え、眼圧を下げます。

その他の作用
軽い利尿作用(おしっこを出す作用)や、脳の異常な興奮を鎮める作用などもあります。

ダイアモックスの効果

  • 高山病の予防、症状(頭痛、吐き気、めまいなど)の軽減
  • 眼圧の低下
  • てんかん発作の抑制
  • めまい症状の改善
  • 体のむくみ(浮腫)の改善

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 高山病
  • 緑内障
  • てんかん
  • 肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善
  • 心性浮腫(心臓が原因のむくみ)
  • 月経前緊張症
  • メニエール病

特に、登山や高地旅行前の高山病予防目的での処方がよく知られています。

ダイアモックスはオンライン診療で出せる?

「旅行前に病院に行く時間がない…」「手軽に高山病の予防薬を準備しておきたい」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

高山病予防が目的の場合、ダイアモックスのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。(予防目的なので自費診療になります)

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
ダイアモックスに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

出発前の忙しい時期でも、安心して高地へ向かう準備ができます。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

ダイアモックスの使い方(用法・用量

ダイアモックスは、治療する病気によって飲む量や回数が異なります。必ず医師の指示通りに服用してください。

高山病の予防で使う場合

高地へ移動する前日、または当日から服用を開始します。

一般的には、1回125mg(半錠)~250mg(1錠)を1日2回服用し、高地に滞在している間続けます。

緑内障で使う場合

通常、成人には1日250mg~1000mgを分けて服用します。

ダイアモックスの副作用

ダイアモックスには、特徴的な副作用があります。

副作用

主な副作用

  • 手足のしびれ、ピリピリ感(比較的多くの方に現れます)
  • 頻尿(利尿作用によるもの)
  • だるさ、疲労感
  • 眠気、めまい
  • 食欲不振、味覚異常(炭酸飲料の味が変わることがあります)

まれに起こる重い副作用

  • 代謝性アシドーシス(体が酸性に傾きすぎる)
  • 血液障害(貧血など)
  • 皮膚障害(スティーブンス・ジョンソン症候群など)
  • 腎・尿路結石

副作用が出たときの対処法

特に手足のしびれは多くの方が経験しますが、通常は服用を中止すれば改善します。

しかし、我慢できない症状や、いつもと違う気になる症状が出た場合は、自己判断せず、すぐに処方した医師や薬剤師に相談してください。

ダイアモックスの注意事項・禁忌

使ってはいけない方

使ってはいけない場合 (禁忌)

  • 過去にダイアモックスや、一部の抗菌薬(サルファ剤)でアレルギー症状を起こしたことがある方
  • 重い肝臓病、腎臓病、副腎の病気がある方
  • 体内の電解質(ナトリウム、カリウム)に異常がある方

併用に注意が必要な薬

  • 一部のてんかん薬(フェニトイン、カルバマゼピンなど)
  • アスピリン(高用量の場合)
  • 一部の降圧薬血糖降下薬

使用上の注意

水分補給
利尿作用があるため、脱水を防ぐために水分をしっかり摂りましょう。
副作用のしびれ
手足のしびれは出やすい副作用ですが、多くは心配いりません。気になる場合は医師に相談しましょう。
眠気に注意
眠気やめまいが起こることがあるため、自動車の運転などは注意が必要です。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避けて保管しましょう。
  • 子どもの手の届かない場所に置いてください。

飲み忘れたら?

気づいた時点で、できるだけ早く1回分を飲んでください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ダイアモックスの処方や高山病に関するご相談も受け付けています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ダイアモックスに市販薬はある?値段は?

市販薬

ダイアモックス(アセタゾラミド)と同じ成分の市販薬は、現在のところありません。 使用するには、必ず医師の診断と処方が必要です。

ジェネリック名

はい、ダイアモックスにはジェネリック医薬品(後発品)があります。

アセタゾラミド錠という名称で処方されます。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • ダイアモックス錠250mg:1錠あたり 約12.8円
    (3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり約4円)
  • アセタゾラミド錠250mg「トーワ」(ジェネリック):1錠あたり 約7.4円
    (3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり約2円)

※2025年5月25日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

ダイアモックス末/ダイアモックス錠250mg

よくある質問(FAQ)

Q. 妊娠中や授乳中でも飲めますか?
安全性が十分に確立されていないため、原則として服用しません。治療によるメリットがリスクを上回ると医師が判断した場合にのみ、慎重に使用を検討します。自己判断で服用せず、必ず医師に相談してください。

Q. 子供でも使えますか?
てんかんの治療などで、お子様に使用されることがあります。ただし、副作用などに注意しながら慎重に投与する必要があるため、必ず医師の指示に従ってください。

Q.副作用のしびれは大丈夫?
手足のしびれやピリピリ感は、ダイアモックスで比較的よく見られる副作用です。多くの場合、服用を中止すれば自然に治まりますが、症状が強い場合や不安な場合は、医師に相談してください。

Q. 高山病予防で飲むタイミングはいつ?
高地に到着する前日、または当日の朝から飲み始めるのが一般的です。そして、高地に滞在している間は服用を続け、下山したら中止します。

Q. 飲めば絶対に高山病になりませんか?
ダイアモックスは高山病のリスクを大きく下げてくれますが、完全に防ぐものではありません。ゆっくりとしたペースで登る、こまめに水分補給をする、無理をしないといった、高山病対策の基本も非常に重要です。

Q.炭酸飲料を飲むと味が変になるって本当?
本当です。 副作用の一つとして、炭酸のシュワシュワ感がなくなり、金属のような味に感じることが知られています。

まとめ

ダイアモックスは、高山病の予防に非常に有効で、多くの登山者や高地への旅行者の心強い味方となるお薬です。また、緑内障など他の病気の治療にも使われる、ユニークな作用を持っています。

一方で、手足のしびれといった特徴的な副作用や、注意すべき飲み合わせもあります。

特に高山病予防で使う場合は、事前にオンライン診療などを活用して処方してもらい、正しい使い方をしっかり確認しておくことが大切です。

この記事が、ダイアモックスへの理解を深め、安全で楽しい登山や旅行の準備の一助となれば幸いです。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。